真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(とあるメシア教徒)
神の裁きが2年前、この呪われた土地「東京」に落ちて。
ようやく世の中が平和になってきた気がする。
異教徒どもが「大破壊」などと呼ぶあの浄化の日。
我々は事前に知らされていた通り、準備していた核防御の手段を実行した。
誤解が多いようだが、核ミサイルというものは、実はそれほど高威力では無いのだ。
直撃さえ避ければ、あとはその後放射される熱光線さえ凌げば、生き延びられる。
一般には、鉄筋コンクリートの建物は核ミサイルの爆発に耐えると言われていて。
我々一般信者は、皆そこに隠れるか、事前に通告されていた投下場所から離れた。
そして裁きが下った後、皆で品川を目指した。
品川に、我々の新天地が用意されていたから。
その後は大変だった。
品川に存在している、非メシア教の勢力を聖絶したり。
足りない共同生活スペースを増築するための工事に献身したり。
苦労した。
でも。
その甲斐あって、今の生活は素晴らしい。
皆が幸せに暮らしていけている。
そして今日。
私の夢がひとつ、叶う。
一人娘が結婚するのだ。
相手はテンプルナイトの男性。
科学庁勤務のエリートだ。
旧世界では、大学院まで卒業したエリート中のエリート。
卒業後、メシア教に入信し、教団のために科学庁で研究を重ねて。
品川の浄化作戦のときには、多大な功績を残したガスを開発したらしく。
私は誇らしかった。
そんな男に私の娘が見初めてもらえるとは。
メシア教の結婚式は、旧世界の宗教であるキリスト教に近い。
だが、同じではない。
メシア教とキリスト教を同列に扱うなど、侮辱以外の何物でも無い。
もしそんなことを言うやつがいたら、ただではおかない。
私は大事に育てた娘を、花嫁衣裳の娘を引き連れて、白い絨毯を敷かれた道を歩く。
その先には花婿たる、白い衣装のテンプルナイトの男が立っている。
なんとも凛々しく、知的で自信に満ち溢れた男。
これから彼が我が息子となるのか。
私の喜びはどれほどのものか。
果たして想像できるだろうか?
私は娘を、これから息子になる男に引き渡した。
「よろしく頼むぞ」
私は言った。
「任せて下さい。お義父さん」
男……新郎はそう言って爽やかに笑った。
花嫁が花婿に引き渡された。
それを確認したのち、誓いの儀式が始まる。
キリスト教式の結婚式では神父役になる位置に立つ、神官が問うのだ。
こういう内容を。
「ここに揃いし、新しき夫、新しき妻よ」
神が土から創りしは男。女はその肋骨から生まれた。
しかし、共に神が創りし存在。そこに差は一切ない。同じなのだ。
それを忘れず、互いを等価の存在として、共に支え合い、裏切らず、敬い合って生きることを誓うか?
男女完全平等。完全相互信頼。それがメシア教の理念。
それが満ち溢れた誓いの言葉。
その言葉を述べたのは。
……すごい、としか言えない。
さすがはエリートの結婚式。
来る人が違った。
なんと、神官役になってくださったのが、エリート中のエリート。
テンプルナイト・クルセイダーの最高位・クルセイダーロード様なのだ。
クルセイダーロード様。
旧世界の名前は「穢れている」という理由でお捨てになられているので、本名は不明だが。
クルセイダーロード様は、美しい乙女だった。
初めて見たが、惚れ惚れした。
年齢は16才くらいか。
旧世界では高校生になったばかりというところ。
まあ、旧世界にこんな高貴な高校生はいなかったと思うが。
髪の毛は柔らかい長髪。モナリザの髪に近い気がする。
光を反射して輝いているのが実に美しい。
体型はスラリとしており、胸は女性を主張するのに十分な大きさ。
大きすぎないのが下品でなくて実に美麗な感じだった。
お顔は小さく卵型。
目鼻立ちも整っておられて、ハッキリ言って美形であった。
そして腰に剣を差されていた。
……ここだけは少しだけ違和感があった。
何故結婚式で剣を? と。
だが、そんな些細な疑問は、吹っ飛んでしまった。
「はい、誓います」
「誓います」
……二人の誓いの言葉によって。
これで、二人の婚姻が神に誓われ、破れない約束へと変化した。
これを破ることは許されず、破った場合「涜神の罪」……つまり、神を冒涜したと見做される。
それはつまり、命をもって償わないといけない大罪である。
これで……ようやく私の肩の荷が下りた……
私はそう思い、感涙した。
彼らは彼らでそれなりに幸せなのです。