真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(真月)
「おおお!」
波、匂い、風!
何年ぶりだろう。海に来たのは。
人が居ないので、海水浴し放題!
ほぼ貸し切りビーチ!
え? 私たち、どこのアラブの王族?
「海だよ海! 忍! 付き合ってたときを思い出すよね!」
まだ平和だったときは、一緒にプール行ったり、海に行ったりしたよね。
楽しかったよ!
そう、語り掛けると、忍も昔を思い出したのか。
「昔は良かったよな。海にも山にも気軽に行けたし」
そう、しみじみといった感じで言うのだった。
……そうだね。楽しかったよね。
それがなんか、色々変わっちゃったよ。
もう、自由にどこへも行けないんだもんね。
今日のここへも、ターミナル経由で来たし。
昔だったら新幹線とか、飛行機とか。
そういうの、あったのになぁ。
「さて、宿泊施設に行くか」
海をまず確認した後。
私たちは今夜の宿泊施設に向かうことにした。
このあたりも悪魔が出現しないように結界が張られているらしい。
理由は、海の幸を取ってくる場所だから。
……この分だと、山の幸を集めるための結界を張った山、というのもあるかもしれないね。
ちなみに結界外には当然悪魔が出る。
……仲魔作りのための合体ネタ探しには重宝するかもしれない。
個人的にまた来ることになるかも。
だって……
『ホテル業魔殿』
……こんなのあるし。
簡単に言うと、京都御所の合体施設。
東北にあった『邪教の館』の同業他社。
ここ、悪魔合体の他にも、宿泊施設もやっていて……
「お待ちしておりました。どうぞこちらへ佐上様。明日まで宿泊と聞いております。ごゆっくりとおくつろぎ下さいませ」
ショートカットで、青白い肌と紅い目をした綺麗なメイドさん。
見たところ少女。でも感情ってものがない。
そんなメイドさんが私たちに頭を下げ、部屋へと案内してくれた。
「朝食は朝7時となっております。内容はパンとおにぎりとみそ汁とコーヒーです。ちなみに食べ放題になっております」
部屋に案内してくれたメイドさんが、深々と頭を下げながら、明日の説明をしてくれた。
(東〇インだ)
……朝食内容を聞いたとき、私はそう思った。
横の夫を見る。
彼も、同じことを考えているような気がした。
……夫婦だもの、それぐらい分かるよ。
そしてメイドさんは
「ご入浴は午後15時から深夜1時までとなっております。朝は使えませんのでご注意を」
そう、事務的な様子で入浴時間を教えてくれた。
「あともうひとつ。入浴時にお湯を必要以上に汚す行為をされた場合、罰金10万マッカをお支払いいただくことになっております。お気をつけて」
と。
そこまで言ってメイドさんは姿を消した。最後に大きく一礼をしてから。
……最後まで、感情というものが顔に出てなかった。
……お湯を必要以上に汚す……一体どんな?
ちょっと考えたけど、思いつかなかった。
まさかお風呂でおしっことか?
そんなまさか。子供じゃあるまいし。
と。
そんなことを考えながらお風呂に二人で向かうと……
驚いた。
「ここ、混浴なんだ……」
宿泊客があまり居ないからなのかな?
お風呂が一個しか無かったんだ。
★★★(忍)
混浴……。
ちょっと、俺は焦っていた。
いや、別に真月とはすでに身体の関係にあるというか、普通に夫婦だし。
裸なんて別に見せ合ってるけど。
なんというかね。
何故か、引っかかっていたんだ。
理由は分からない。
考えながら脱衣所に入って、服を脱ぐ。
軍服風の公務員の制服を。
「あ、背中の筋肉、綺麗だよね。忍」
で、上半身裸になったら、真月が褒めてくれた。
少し嬉しかった。
真月は真月で。
躊躇いもせず、すいすい服を脱いでいく。
……はっきりいって、見飽きない。
それぐらい綺麗だから、彼女の身体は。
全体的に引き締まってて、女性らしいところはちゃんと出てるんだよな。
でも、あまり見てて俺が反応すると色々問題なので、凝視するのはやめておいた。
ガララ、と大浴場の扉を開ける。
「うわー!」
岩風呂だった。
掃除が大変そう。
……だから「お湯を汚すと10万マッカ」なのかな?
掃除しにくいから。
「こんな大きなお風呂、久々だよね。ゆっくりつかおうよ」
真月は嬉しそうだった。
俺が洗い場で自分の身体を洗っていると、後ろから真月が話しかけてきた。
「背中を流させて」
お……
背中に感じる気配は真月のものだ。
どういうことだろう。
「仕事のメインは明日からだよね」
俺の返事を待たないで、俺の背中を彼女の手に握られた手ぬぐいで擦られる感触があった。
ごしごしごし
「……どういう風の吹き回しなんだ?」
表現として適当だろうかと考えながら、俺は真月に問い返す。
すると彼女は
「いや、だって私が口にするかもしれないじゃん」
んなことを言い出す。
だったらお前は自分の身体洗えよ!
俺が口にするかもしれないだろ!
そんな言葉が脊髄反射で出そうになったが
「ちゃんとセーラー服持ってきたのよね」
……!
これで、黙らされてしまう。
「……へえ」
真月の声。
声にからかいの響きがある。
俺の身体を覗き込んだんだ。
そして彼女は言った。
「……告白成功と同時に、初体験ってシチュはどうかな?」
耳元で。
「あのとき、放課後に私を呼びだして、告白してくれたよね」
彼女の言葉は……
「私はあなたの告白をOKしたけど、もしそのまま」
ここで、少し溜めがが入り
「……結婚してくれるなら抱いてもいいよ、って言ってたら、あなた、どうしてた?」
★★★(真月)
うん。これはこうかはばつぐんだ、だね。
彼の頭の中では、時間が中学時代に戻ってる。
その中で、中学生の私に肉体関係を持ち掛けられたシチュを想像してる。
……こういうの、すごくゾクゾクする。
そのまま、身体の前を洗うために彼の背中にもたれかかり
前に手を回しながら
「あなたの身体は私が口にするかもしれないから私が洗うとして」
ハァ、と息を耳に吹きかけながら
「……私の身体は、あなたが洗うべきなんじゃないの?」
耳元に口を寄せて
「だって、あなたが口にするかもしれないんでしょ? 自分のことは自分で責任を持つべきじゃない?」
★★★(忍)
背中に当たってる柔らかいもの。
それがなんなのかは、まぁ分かる。
俺は……
振り向いて、真月を押し倒そうとした……が
振り返ったとき。
真月が、何かに気づいていた。
なんかすっごい横を見てる。
……なんだ?
真月の視線を追うと……
紅い目をしたメイドさんが、こっちをじーっと見てた。
見張ってた。
……お湯を汚すと罰金10万マッカ
それが何を意味しているのか、分かってしまった気がした。
ちっ
誰かの舌打ちの音も
俺、メアリ好きですよ?