真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(忍)
なんだこれは……動けん。
身体が動かなくなり、俺たちはバタバタと倒れ伏した。
目だけは動く。
視界の範囲内に、真月が居た。
ガイア教徒の連中は……?
そもそも、この事態、ガイア教徒が起こしたのでは……?
くそっ、動け、動けッ……!
俺がそう、必死で足掻いていると。
「フフ……」
「さすがお前の青銅の声は良く効く」
……俺の視界の外から、2つの人影が現れたんだ。
1人はワニのような頭を持った黒い体色の人影。
その人影は背中から大きな皮の翼を生やし、肩からは無数の蛇を生やしていた。
そしてもう1人は蛇のような目を持つ髪の長い女だった。蛇柄の軽装鎧みたいなものを身に着けている。
……その女の鎧には、盾っぽい印の中に十字が描かれたシンボルが。
そのシンボルは、大昔にテレビだとかネットだとかで見た覚えがあった。
メシア教のシンボルマークだ……!
ということは……
「ようやく生贄の巫女を迎えることができるのか」
「梃子摺らせてくれたわ」
その2つの人影は、倒れている水着姿の真月を肩に担ぎあげると。
「これにて任務完了」
「楽な仕事よ。ホッホッホ」
そう、言い残し。
消えて行った……
俺はそれを見ているだけしかできなくて。
その無力さで死にそうだった……
真月……!
★★★(明)
……舐めるなよ。
俺は根性があるんだよ……。
他の人間が動けなくなっている中、俺は精神力だけで必死に、這って進んだ。
持ってきたリュックサックに。
あそこに俺のアームターミナルと……
万一のために、金を積んで購入したアイテム類が入ってる。
あいつら、去り際にこれで勝ち確だと思ったのか、重大なヒントを残していってくれた。
青銅の声だと……?
それはケルベロスの持つ鳴き声の呼び名だよな?
ということは……
「ケルベロスはサマリカームしか能のない魔獣であると思われがちだが、ひとつ恐ろしい特殊攻撃を持っている」
俺の悪魔使いの師匠は言ったよ。
「それが青銅の声と表現される攻撃……バインドボイスだ」
バインドボイス……聞いた者の脳神経と身体の伝達機能を狂わせ、所謂金縛り状態にしてしまう特殊技。
「この技は多人数の人間を相手にする際、頭数を減らすのに大変有効だ。サマリカームだけじゃないのだよ。ケルベロスは」
師匠の淡々とした声が俺の脳裏に蘇る。
……師匠!
這いに這って。
俺はやっと、リュックに辿り着く。
バインドボイスなら、俺たちのこの状態は金縛り。
麻痺じゃない。
だったら……
歯を食いしばって、手探りし……
あった!
俺はリュックから、ボール大の石を取り出して……念じた。
解呪してくれ!
同時に。
石が砕け散り、そこから光のシャワーが溢れ出す。
それは俺たちを包み込み……
数瞬後、動けるようになっていた。
「ふぅ……」
メパトラストーンとかいう名前の解呪の石……買っておいて良かったよ。
300マッカ……決して安くはない金額だったけど、本当に買っておいて良かったよ。
★★★(忍)
……!
突然、身体が動くようになった。
何でだ?
俺は瞬きを繰り返し、自分の身体を見る。
「金縛り状態だったんだ。それを俺が解除した」
驚いて絶句している俺に、ガイア教徒の男はそう言ってきた。
見ると、ガイア教徒の女も回復しているようだった。
女は、小さな子供をしきりに気にしていた。
……あ、そっか。
さっきの攻撃で、この子も金縛りになったのか。
こんな小さな子が……
それはちょっと、可哀想だな……
少し、胸に来る。
「さて」
……男の声に感じるものがあったから、見た。
すると……
男はアームターミナルを装着していた。
水着姿のままで。
そして左手で剣を握っている。
……何故左手に剣?
こいつ左利きか?
いや、でも右手でタイプしてるし……
理解が追い付かない。
けれど男はそんなことお構いなしで作業を進めて行き……
次の瞬間、以前御所攻めに使った
牛頭4つ目6腕の巨人の悪魔。
緑色の狛犬みたいな悪魔……後で真月に聞いたら、これはコウとかいう中国の危険すぎる魔獣ではないかと話だった……を呼び出した。
そしてもう1体……
ピピッ。
魔法陣の中から呼び出されたのは、翼を持った灰色の虎。
何なんだこれは……?
「シユウ、お前はここに残って俺たちの娘を頼む」
「承知」
言って、ガイア教徒の男はコウの背中によじ登ろうとしていた。
「行くぞ。変身しろ」
そう、俺の方を向いて一言いいながら。
ちょ、ちょっと待ってくれ。
「ごめん、ちょっといいか?」
「何だ? 時間が無い。早くしろ」
ガイア教徒の男は苛立っていた。
何故か、少し申し訳なく思ってしまう。
「……助けてくれるのか? それにしてもどうして? あと、どうやって?」
「一度に3つ質問するな……まあいい」
そう言って、男は答えてくれた。
お前らは子供を抱えて動けない俺らを力で排除しようとはせず、出ていけというだけで済ませようとした。
その恩がある。
そして、俺も自分の嫁さんが攫われたら何が何でも取り返しに行く。その手伝いがしたいだけだ。
……俺はここまで聞いて、こいつらに感謝をした。
ありがとう……と。
そして続けてこう言った。
……最後に呼び出した悪魔……中国の妖獣キュウキだ。
四凶として数えられる邪神だな。
悪い人間が大好きで、悪人を擁護する妖獣だ。
……えっと。
それはただの頭イカれてるだけのおかしい悪魔なんじゃ?
そう思ったんだが
……違った。
「悪人を擁護できるという事は、こいつは悪人を嗅ぎ分けられるという事だ。本能的に。だから、こいつを呼んだんだ。多分、こいつなら今なら追える。自分の目的のため、海で楽しく遊んでいた女を突然誘拐するようなクソ野郎を、こいつが嗅ぎ分けられないはずがない」
……!
そんなことが……!
こいつ……
俺はこの、多分俺より年が下のはずの男に一目置かざるを得なくなった。
「行くぞ。もう時間が無い。急げ」
そう言って会話を打ち切り、男はコウに乗った。
分かった……!
俺は腰の前で腕をクロスさせ……
その前に、ふと、気になったことを聞いてしまった。
ひょっとしたら怒らせるかもしれないが、聞いておきたかったんだ。
「名前を教えてくれ!」
すると、短く返って来た。
「桃井明」
続けて女の声で
「その妻夏子!」
……オーケー分かった!
気合を発する。
声は2つした。
「変身!」
その瞬間、緑と蒼い輝きが生まれた。
共闘成立ですわー