真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(忍)
速い。
自分が速いのは自覚してたけど、彼らも相当速い。
俺は背中の翼で飛行して。
夏子……ガイア教徒夫妻の嫁の方で、仮面ライダーベルゼブブの変身者……これも背中の羽根で飛行してる。
昆虫の羽根って、あまりスピード出なさそうなイメージだけど……これが意外に速い。
そして最後。
明……旦那の方。こっちは乗ってる悪魔のコウが相当速く、翼もないのに宙を駆けてる。
その先を先行するのが妖獣キュウキ。
翼を羽ばたかせながら、その虎の巨体で宙を飛んでいく。
この悪魔、本能的に悪人を嗅ぎ分けることが出来、その力を駆使すれば追跡も可能って言ってたけど。
……本当にそうなんだろうか?
しかし……
「見えた! きっとあのハイエースだ!」
しばらく飛行状態を続けていると。
本当にアスファルトの道路を疾走するハイエースを見つけてしまった。
……すっご……
この男、おそらくガイア教団では相当優秀な男なんだろうな。
それを否応なく分からされる。
絶対この男、俺より若いのに……
「コウ! あれを念動力で止めろ!」
そして自分が騎乗している悪魔に、念動力の使用を命じ……
力の波動が照射され、ハイエースを無理矢理に、停車させた。
……追い付いた。
真月は無事なんだろうか?
無事だと思いたい。
真月を拷問している時間なんて無かったはずだし。
路上に停車させたハイエース。
その周囲に舞い降りる俺たち。
……果たして相手はどう出るか?
すると
次の瞬間、ハイエースのドアが吹き飛んだ。
運転席と助手席のやつだ。
そしてそこから人影がふたつ、飛び出してくる。
黒いワニみたいな頭部を持つ、有翼の人影。
蛇女と称した方が良い、軽装鎧姿の女の姿。
奴らは車から飛び出して、身構える。
「我らの邪魔をするとは……神をも恐れぬ異教徒ども」
「許さぬぞ……我らの温情を仇で返すとは……」
……温情だと?
俺はそこに引っかかる。
「……何が温情だ?」
人の大切な嫁を攫ったくせに。
すると、奴らは答えたよ。
「我らのバインドボイスで動きを封じた際、殺さないでおいてやったではないか」
「これを温情と言わずなんという」
……ふざけんな。
俺に怒りがこみ上げる。
ああそうか。
こいつらどうしようもなく敵なのか。
自分たちは絶対の正義であるから、その目的のためなら何をやっても許される。
そう考えているのだと、どうしようもなく、理解できた……
「ふざけんな……カルト教団の狂信者ども」
言葉が溢れ出る。
こいつらのせいで……こいつらのせいで……
脳裏に過る、様々な事。
神器の事、結界の事、世界の事……
怒りが暴走する。
だが
「落ち着け」
考えずに飛び出しそうになる俺に、明がそう言ったんだ。
続く言葉で、俺の心は一気に冷えた。
「お前ら夫婦は俺たち夫婦が倒すんだ。その前にメシアのクソ共に返り討ちなんて困るんだよ」
……なんだそれ。
少年漫画かよ。
笑い。
そして……
「分かった。じゃあ俺の嫁を助けた後、後日リベンジマッチな? それまでは御所を攻めるのは無しにしてくれると助かるんだけど」
「無論だ。その辺も自由にやっていいんだよ。俺はそれなりに偉いんだ」
と、自信満々の明。
へぇ……
ちょっと興味あるな。
ガイア教団、どういうシステムで動いてるのやら。
後で真月と話しよう。
きっと面白い予想を立ててくれるはずだ。
「蛇女の方は俺たちに任せておけ! お前はワニ頭の方を頼む!」
そう言って、飛び出していく明たち。
……分かった!
俺は身構え、羽ばたきながら宙に浮かんでいるクルセイダーの片割れ、ワニ頭に突っ込んでいった。
バトル開始よ