真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン   作:XX(旧山川海のすけ)

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ガイアパート


アイスエイジスマッシュ

★★★(エキドナ)

 

 

 我こそは誇り高きテンプルナイト・クルセイダーのひとり。

 エキドナ。

 

 この世で最も尊く、最も偉大な宗教であるメシア教に身を捧げた女だ。

 元の名は捨てた。

 クルセイダーの地位を得たときに。

 

 今、私は異教徒に襲われている。

 必ず勝たなければ。

 異教徒共に敗北するなど、神に顔向けができないではないか。

 

 相手は4人……いや、1人と悪魔3体。

 

 ひとりは悪魔使い。

 残りはこいつの仲魔なのか。

 

 魔獣タイプの悪魔が2体。

 何の悪魔なのか分からなかった。

 そして人型の悪魔が1体。

 こちらは女のスタイルで、身体に装甲のようなものがゴテゴテついている。

 顔はヘルメットのようになっていて、昆虫の複眼、口みたいなものがデザインされていた。

 

 ……これもよく分からなかった。

 

 状況は自分に不利……

 そう判断せざるを得ない。

 

 すると

 

 人型の悪魔が私に向かって突っ込んで来た!

 

 近づかせてはいけない!

 

 そう判断し、氷結魔法を使った。

 両腕を前に突き出しながら。

 

「凍てつく氷よ!」

 

 途端に吹雪が巻き起こる。

 

 人型の女悪魔は、即座に反応した。

 両腕をクロスさせて、吹雪の直撃する面積を少なくして飛び込んで来たのだ。

 

 ……なんという強引なやり方!

 

 そして飛び込んで来るときに、女悪魔は腕を再び伸ばし、こちらに掌を向け……

 

「スパーク!」

 

 ……電撃を放って来た!

 

 突然意表を突かれ、まともに電撃を浴びてしまう。

 感電する。

 

 棒立ちの一瞬。

 

 女悪魔は、着地し、間合いを詰めて、電撃を受けて感電したこちらに、さらに連撃を叩き込んで来た。

 主にパンチとキックの連続技。

 技の練度は粗削りだったと思う。構成する技が普通のパンチとキックのみ。上級の技巧を要求されるフックだとかローキックだとか、そういう技が無い。だが、凄まじいスピード。加えて感電の影響で満足に受けきれないこちらには回避不能の連撃だった。

 

 

★★★(夏子)

 

 

 これぞ小林羅漢撃!

 電撃魔法を事前に当てることで、格闘技をはじめたばかりの私でも連続攻撃を決められるように考案した技。

 

 電撃を浴びた状態で、果たして私の速い突きと蹴りを躱せるかな!?

 感電が切れるまで、あなたは私のサンドバッグだから!

 

「夏子! 連撃の合間に電撃を入れることを忘れるなよ!」

 

 夫からの言葉。

 あなた! それは分かってますから!

 

 しかし……

 ふと、考えた。

 この連撃、ひょっとして究極合体魔法が成立するのでは……?

 

『するわけがなかろう』

 

 そんなことを考えたら、私の頭の中に魔王ベルゼブブの声が響く。

 

 魔王ベルゼブブ……私と悪魔合体をした高位の魔王。

 彼は続けた。

 

『人魔合体の秘儀が、そんな雑魚敵の使う技で成立するはずがなかろうが』

 

 ……そうなんだ。

 少し残念だった。

 

 

★★★(エキドナ)

 

 

 くっ……イカン。

 このままではジリ貧だ……!

 

 私は邪神エキドナをモデルとしたクルセイダー。

 エキドナは氷結属性の魔法を吸収してしまうが、電撃属性の魔法には弱い特質を持っている。

 この女悪魔の攻撃は、私にとって最悪だ。

 なんとか、逃れなければ……!

 

 そう考え、私は女悪魔からバックステップで距離を取る。

 痺れる身体を押して。

 

 そして。

 

「モードエトン!」

 

 キーワードを叫ぶ。

 同時に、私の背中に生える、大鷲の翼。

 

 私は羽ばたき、舞い上がった。

 

 ……エキドナはギリシャ神話における、様々な怪物たちの母親。

 そこから、私はエキドナの子供たちの能力を使うことができる。

 

 エトンもそのひとつ。

 

 人間に火を与えた神・プロメテウスを罰するために、毎日その肝臓を喰らう事を使命とされた大鷲の怪物……。

 

 上空に逃れた。

 ここから反撃の目を考えなければ……!

 

 すると

 

 眼下の女悪魔が、向こうも背中に昆虫の透明な羽根……髑髏マークがあったけど……を広げ、飛翔して追いかけてくる!

 

 なんだと!?

 まずい!

 

 私はとっさに、大きく羽ばたいた。

 すると、翼の羽根が何本か抜け落ち、それがまるでミサイルのように女悪魔へと殺到する。

 

 ……名付けて、ヤブサメショット。

 

 喰らうがいい!

 魔力で強化された羽根手裏剣。

 

 その威力は鉄板も貫通する!

 

 だが……

 

 女悪魔は、飛翔しながらそれらを全て回避していく。

 まるで予行演習があったから、避け慣れている。

 そんな感じで。

 

 驚愕している私に、女悪魔は肉薄し、間近で思い切り振り被ったパンチ……ほぼテレフォンパンチを私の腹部に叩き込んだ。

 私は吹き飛ばされる。

 

 私は撃ち落とされた。

 

 

★★★(夏子)

 

 

 そういうのは効かないんだよね。

 そういう、単純な攻撃は。

 見えちゃうから。

 

 もっと私の注意を引く感じで、他のところに意識を集中させるようにしないと。

 

 あの公務員夫婦の旦那……佐上忍氏のように。

 あのときは、本当に驚いた。私の技量が低かったからとはいえ、分からされてしまった。

 悪魔の能力と、夫のサポート力によるゴリ押しでは倒せない相手なんだ、ってことを。

 

 私は地上に舞い降りた。

 

 

★★★(エキドナ)

 

 

 いかん……このままでは本当にダメだ……

 

 相手が基本スペックで上回ってて、それが私には対処が出来ない……!

 

 地上に落ちた私は、立ち上がってモード変更を決意する。

 

「モードパイア!」

 

 怪物の牝猪。

 このモードの私は、牙が伸び、そして……

 

 沸き立つ破壊衝動。

 

「グアアアアア!!」

 

 身体が膨張し、身体能力が急上昇する!

 

 そして!

 

 拳の先からも、牙が伸びる!

 

 これは牙! パイアの牙!

 

 このモードになった私は、スピードは落ちるものの多少のダメージでは動じない!

 

 見たところ、お前は技量は大したことが無い!

 それでこれが防げるか!?

 力押しには力押しだ!

 

 くたばれ! 異教徒!

 

 私は腕を振り上げた。

 その瞬間だった。

 

 背後から火球による一撃を受ける。

 その熱と衝撃で、驚愕し一瞬止まる。

 

 背後を振り返る。

 

 ……虎の身体に鳥類の翼を生やした悪魔が羽ばたいている。

 

 あの男の仲魔の1体。

 

 ……ちょっと待て。男のサポート命令など私は聞かなかったぞ?

 すると、あの悪魔、自発的にサポートしたのか?

 

 そこで私は瞬間的に停止してしまう。

 

 次の瞬間だった。

 その有翼の虎の悪魔は舞い上がり、私を攪乱するように飛び回りはじめた。

 

 え……?

 

 あれが自発的?

 

 そこで何気なく、別の方向を見る。

 そこに居たのは……

 

 もう1体の魔獣に跨って、上空で超速でアームターミナルのキーボードを操っている若い男。

 その指先の動きは……異様に速かった。

 

 奴は一体何をしているのか……?

 それに何であんなに速いんだ……?

 想像する。

 

 そこで、あるものに気づいたとき。

 分かってしまった。

 

 男はアームターミナルを装着している腕……つまり左手に、剣を持っていた。

 

 私は気づいてしまう。

 ……あれば合体剣だ。

 練気の剣という魔術処理を施された剣に、悪魔を合体させることで作られる魔法の剣。

 種類があり、その種類で効果が異なるのだが……

 

 あれは「風神剣」……練気の剣を風の魔である妖魔テングと合体させて作られる剣。

 効果は……身体加速。

 

 普通はその力で、敵に素早い連続の斬撃を加えるのだけど……

 

 あの男、アームターミナルのキーボード入力速度を上げるためだけにあの剣を使っている!

 

 ……何のために?

 それは、おそらく仲魔への命令。

 

 普通、仲魔への命令は口頭で行われる。

 そっちの方が楽だからだ。

 発声というリスクがあるが、そっちの方がとてつもなく楽。

 

 そのくらい、キーボードで直接仲魔に指示を出すのは手間なのだ。

 口に出して命令することと、チャットで命令することの手間を考えたら想像は簡単だろう。

 

 ……だからといって、風神剣をそんな風に……

 

 そこまで考えたとき。

 ……私は致命的なミスをしたことにやっと気づいた。

 

「アイスエイジスマッシュ」

 

 ……え?

 気づくと目の前にあの女悪魔がいて。

 

 私に上段回し蹴りを放っていた。

 私の肩に食い込む軌道に。

 その蹴りに、激しい冷気を感じた……!

 

 

★★★(夏子)

 

 

『相手が混乱しておるぞ』

 

 ベルゼブブの声。

 

 うん、そうだね。

 あの人がやってくれてる。

 

 本当に頼りになる。

 

『決めてしまえ』

 

 ええ。

 そうする。

 サポートよろしく。ベルゼブブ。

 

『1』

 

 カウント。

 こういうのが大事らしい。

 魔法の発動を意識したとき。

 私の左足に冷気が集まっていく。

 

『2』

 

 極大氷結魔法「アイスエイジ」を私の左足に発生させる。

 吹雪が発生する。

 私の左足を中心に。

 私はそのまま歩き出す。

 混乱して行動不能に陥ってる敵に向かって。

 

『3』

 

 軸足になる右足で蹴りの間合いに踏み込んで。

 神経を集中させる。

 左足の吹雪はより強くなる。

 

 そして。

 

「アイスエイジスマッシュ」

 

『Ice age smash』

 

 それっぽく言うベルゼブブ。

 ……あ、これはテンション上がるかも。

 

 上がったテンションそのままに、私は左足を跳ね上げ、腰の回転を加えて上段回し蹴りを叩き込む。

 普通は右足らしいんだけど、私の場合、左足の方が変な力が入らないから綺麗に決まるの。

 

 ……まあ、実戦で使える練度ではまだ無いんだけどね。

 こういう感じで停止してる敵にしか、まだ無理。

 

 究極合体魔法・アイスエイジスマッシュ

 

 ちょっと、やり方を変えてみた。

 前の形式じゃ、公務員に決められそうもないから。

 

 吹雪を伴った蹴り足は、敵の肩に食い込み、そのまま吹っ飛ばした。

 地面を転がる、敵。

 

 ……私は、敵の行く末を見つめる。

 

 

★★★(エキドナ)

 

 

 何だ!?

 

 何だったんだ!? 今のは!?

 

 !

 

 ヤツに蹴られた右肩が……冷たい!?

 あの冷気の……氷結属性の蹴りで、この私がダメージを受けている?

 何故だ……氷結属性の魔法を吸収する身体なのに……?

 

 ……何でよ!?

 何でなのよ!?

 

 

★★★(夏子)

 

 

「私は氷結吸収相性の身体のはずよ! それなのに何故凍るの!?」

 

 ……アイスエイジは耐性を貫通する。それが答え。

 だから「当たったら終わり」なのよ。

 例外はあるんだけどね。

 

 私は見つめる。自分が倒した相手がどうなるのか。

 

「ああ、凍っていく! 身体が動かなくなっていく! 助けて! 神様!」

 

 右肩から敵の凍結は進んでいき、全身を呑み込んでいく。

 右腕はすでに氷漬けになって固まり、首筋、胸、腰、脚へと伝播していく。

 

 敵……蛇女は泣き出した。

 

「嫌だ! 絶対に間違ってる! 私何も悪いことしてないのに! 何で助けてくれないの!? 神様!」

 

 自分の運命を受け入れられない。

 他人の人生を奪おうとしておいて。

 

 ……本当に、醜い奴ら。

 

「私、クルセイダーなのよ!? 死んでいい人間じゃないのに! どうしてこうなるの!? ああ、ああ……助けて」

 

 首を残して全て氷に覆われる蛇女。

 まるで子供のように泣きじゃくりながら。

 

 ついには、全身が凍結した。

 

 アアアアアアアッ!

 

 最期の叫び。

 それが消えぬうちに。

 

 その氷の塊が、粉々に砕け散った。

 

 ……やっぱり。

 あまり気持ちのいいもんじゃないよね。

 

 人を殺すって。

 例え、それしかないような連中が相手でも。




初見は拒否反応が出るライダー。
ちゃんと見るとそうでもない。
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