真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(忍)
終わった……。
爆発四散したクルセイダーを見つめながら、俺は変身を解く。
仮面ライダーの姿から、水着を着た只の男の姿に戻った。
「忍」
真月が駆け寄って来た。
そしてそのまま抱き着いてくる。
その背中にそっと手を回しながら、俺は訊く。
「……無事だった? まぁ、命は取られるはずはないと思ってたけどさ、その……」
……絶対、真月は何かしたはずだ。
逃走を妨害するような何かを。
彼女は自分では何もせず、助けてもらえるのを待っているような女じゃないから。
その辺を俺はすごく尊敬してるし、ちょっと恐れてもいる。
そしたら
「……あいつらの聖典をネタにして、メチャメチャメシア教をディスってあげた。そしたら案の定激怒して、運転どころではなくなったんだよね」
てへ、みたいな感じでそう応えてくる。
やっぱり。
そういうことをすると思っていたよ。
……俺の嫁さん、危ないな。マジで。
てへ、じゃないよホントに。
「……殺されなくても、報復で暴行を加えられる可能性あったよね?」
俺がそういうと
「うん。そうだね」
……知っててやったんかい。
まぁ、そんな気はしてたというか、絶対そうなんだろうなとは思ってたけどさ。
「……やめて欲しいんだけど」
「でも、そうやって逃走を妨害して時間を稼がないと、あなたが追い付く助けにならないと思ったし」
そう、何のこともなく言う。
そのためなら、暴行を受けても良かったと?
……というか
「……絶対に俺が助けに来るって信じてたわけ?」
「当たり前でしょ?」
何を当たり前の事を。
そんな感じで、本当にそんな感じで彼女は返してくる。
……そっすか。
なんだか、それがすごく嬉しくて。
俺は彼女を抱く力が少し強くなった。
★★★(明)
無事、ご対面か。
俺は抱き合う公務員夫婦のふたりを見て、微笑ましい気分になった。
まぁ、悪い気はしないよ。
敵だけど。
あいつらが信頼し合ってるのは、前の戦いで知ってたし。
「あなた」
夏子が駆け寄ってくる。
彼女も変身を解いていた。あの男同様。
えっと……佐上忍、だったよな?
岩場で写真をとってたときの白い水着姿。
うむ。俺の嫁さんは綺麗だ。
いつ見ても美しい。
「なかなかナイスなライダーキックだった。特撮としてはあまり良くはないけど、実戦で使うならこっちで正解だったな!」
「そうですね。放送当時はものすごい数のアンチが出たライダーなんでしたっけ?」
「らしいぞ! 聞いた話だけどな!」
前に夫婦で相談して決めたのよ。
ちょっと、あの公務員夫婦を仮想敵にした場合、今の普通のライダーキックだと決まるものも決まらないんじゃないかって。
なので、泣く泣く変えた。
不本意だったけど。
いや、別に嫌いじゃないのよ。
あのライダーも、ちゃんと見ればちゃんとしてるのよ。
でも、主人公がヒーローじゃなくて戦士ってのはどうにもなぁ……
「……今回は助かった」
そんなことを夫婦で話していると。
向こうの夫婦も語り合うことが終わったのか、こっちにやってきた。
「まあ、さっきも言ったけど、俺たちの都合で助けただけだ。気にすることは無い」
そう、言ってやる。
そして
「次は敵同士だから」
そう、伝える。
そしたら向こうは
「ああ」
「その辺は分かってるから」
……夫婦で頷く。
ホント、仲いいなこいつら。
俺はアームターミナルを操作して、妖獣キュウキを帰還させる。
もう、必要ないし。
足元に魔法陣が浮かび上がり、その中に消えていくキュウキ。
そして夏子にコウに乗るように手で指示。
夏子はすぐにそれを理解してくれる。
「それじゃあ、な。次にメシア教徒が襲ってきても、倒されるなよ?」
「心配されなくてもそうするよ」
コウに二人乗り。
その状態で、最後に言葉を交わし、俺たちは飛び去った……。
★★★(真月)
そして、散々な私たちのバカンスが終わり。
ホームたる京都御所に帰って来た。
神饌として伊勢の海で獲って来たのは……
鮑、鯛、伊勢海老……
まあ、お供え物の海の幸の定番だよね。
で、それを提出したら
「ご苦労。……特に鯛がいいな。鯛は運気を上げる効果のある縁起のいい食材だ。ご苦労」
って、ライドウさんに褒められてしまった。
なんとなく私たちふたりとも、嬉しくなってしまったような気がする。
……この人年下なんだけど。
で、宮中で祭祀が行われて。
京都とか、あと多分伊勢とかの結界の維持強化が成されたんだと思う。
で、今日。
「うーん」
……捧げられたお供え物が、お下がりで戻って来た。
当然だけど、祭祀で使ったお供え物を神様が直接食べるわけじゃない。
儀式が終わったら、儀式に関わった人たちでいただく。
それが普通。
問題は……
鮑、鯛、伊勢海老。
全部、ウチに来たことなんだよね。
……どうしよう?
鯛と伊勢海老はいいんだ。
調理法分かるから。
でも鮑。
これはどうすればいいのやら……
テーブルに上ったそれら三種を前に、私は腕を組んで悩む。
ウチの家、それなりに裕福な家だったけど、鮑みたいなものを何度も食べてたわけじゃないからなぁ……
ああ、こんなときネットがあれば調理法を調べられるのに……
料理の本に載ってるかなぁ?
ここに来たときに買った中古本だけどさ……
「ただいま~」
そんなとき。
ウチの人が帰って来た。
玄関から声がする。
ちょうどいいや
「おかえり~」
……旦那にも聞いてみよ♪
次回、重大シーン