真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
これが無ければ2年後の姿は無いわけです。
★★★(忍)
「悪魔使い?」
俺はそれを聞き咎めた。
悪魔? 何だそれ?
何かの比喩か?
……まさか、さっき消して見せた巨漢。
あれが悪魔なのか?
悪魔って……
「読んで字のごとく、悪魔を使う者のことだよ」
淡々と、ガラ吉と名乗った人。
彼は続けた。
「古来、神話や伝説、歴史に名を遺した神々、悪魔、怪物、英雄をそう呼ぶんだ」
「……え?」
訳が分からなかった。
悪魔の定義が、それ?
「神様も悪魔なんですか?」
真月が素朴な疑問を口にする。
うん。それは俺もそう思う。
意味が分からない。
「そりゃ見解の相違ってやつだね」
ガラ吉さんは、どの辺がそうなのかを語った。
面白い話だった。
世界の神話を紐解いてみれば、ルーツが同じなのに、扱いが違う神が結構いるらしい。
ある民族では神として崇められているのに、別の民族では悪魔として憎悪されている、と。
それは崇める民族の立場の違いで、特定の民族に有益な神は、その民族に敵対する別の民族には悪魔でしかない、ということ。
「だからウチの国の神社で祭られてる神様も、ウチの国が嫌いな国の国民にしてみれば悪魔なんだろうね」
ククッ、と楽しそうに笑う。
で、続けてこう言ってくれた。
「……どこにいくつもりなのか分かんないけど、危ないよ。今の日本は」
もう、滅んじゃったけどね。
と付け加えて。
え……?
日本が……滅んだ?
どういうことだ?
「……ちょっと意味が分からないんですが」
「そのまんまの意味だよ」
政府の中枢が無くなっちゃったし、組織もボロボロ。
この国の中心になる人も、無事なのか分からない。
これはもう、滅んじゃってるでしょ。
……頭では分かってたつもりだったけど。
他人に言われると、相当堪えた。
どうすればいいんだ……?
まるで、糸の切れた凧になった気分だった。
「なんでそんなことになってしまったの……?」
真月が泣き崩れる。
……彼女は強い女性だけど。
これは辛いよな……
「ひらたく言えば、悪魔が復活したせいだね」
ガラ吉さんは、全く真月の様子を気にしないで、話を続ける。
俺は、真月を慰めようと屈んでその言葉を聞いた。
「悪魔が復活……?」
「空間歪曲転送装置の研究をね、政府がしていたんだけど。その際に、魔界への通路が開いちゃったんだな」
で、そこから山ほど悪魔がこの世界に入ってきて、この世界の中枢の人間を操ったり、成り代わったりして。
寄ってたかって、この世界を壊したの。
結果、滅んだ。悔しいよね。
ガラ吉さんの言葉はあくまで淡々としていた。
「だから、これからの日本はとても危ない。人語を解する猛獣が、そこかしこをうろついている世界だ。今までと同じようにはいかないよ」
……そうなのか……。
しかし……
「ガラ吉さんは、平気そうですね?」
素直な疑問。
「いや、僕も結構ショック受けてる。政府に雇われてる身だったし。これでもう、無職オタに逆戻りだよ」
……とてもそうは見えないんだけど。
「……俺たち、自衛隊の駐屯地に行こうとしてたんですが」
「……行ってどうする気だった?」
ガラ吉さんは、何気ない感じで聞き返してくる。
ホント、なんでもないように。
「……自衛隊に入って、侵略に備えようと思ってました」
「へぇ、偉いね。嫌いじゃないよ。そういうの」
……褒めてくれた。
少し、照れ臭い。
ガラ吉さんは……
「でもね、あまり意味のある行動では無いかな。ただの兵士になっても生き残るのは難しいよ。……ならないよりはマシかもだけど」
そこで、一拍置いた。
俺たちの方を向いて、こう言ったんだ。
「僕は君たちのことが気に入ってしまった。君らさえ良ければ、これからの世界に対応した技能をさ、教えてあげてもいいかなと思うんだけど……どうする?」
……これからの世界。
それに対応する技能を持ってる人……。
そこに疑問を挟む余地は無くて……
だから
「はい、お願いします」
真月が頭を下げた。
俺も一緒に、ガラ吉さんに頭を下げたのだった……。
メガテンに最初に触れた人は「神様が悪魔扱いなんておかしい!」とよく言います。
それに対する返答がこれです。
「民族によって、超越存在が神になるか悪魔になるかは変わってくる」
見る人によって物事は変わってくるのです。