真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン   作:XX(旧山川海のすけ)

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第5章 魔王と創造神と
八十稲羽市へ行っちゃいな


★★★(真月)

 

 

 また呼び出しを受けた。

 相手は17代目ライドウさん。

 

 ……言ってなかったかもしれないけど、私たちの直接の上司はあの人なのよねー。

 自分たちより年下の上司に仕える私たち……。

 まあ、生活を保障してもらってるし、何も文句は無いんだけどね。

 

 呼び出された局長室に出向いて、話を聞きに行く。

 すると、こう切り出された。

 

「この間はご苦労だった」

 

「ええ。メシア教徒の襲撃があったのは予想外でしたけど」

 

「全くです。メシア教徒がまさか東北から京都に出てきても追ってくるなんて、考えもしませんでしたし」

 

 ……東北から逃げたからもう大丈夫、なんて思ってたんだけどなぁ。

 甘かったみたい。

 

 ライドウさんは肘掛つきのちょっと上等そうな椅子に座ってて。

 デスクの上に数枚の書類を置いていた。

 

 その書類を私たちの方に差し出してくる。

 

「まずはこれを見てくれ」

 

 言われたので、忍と一緒に書類を読んだ。

 そこにはこう書かれていた。

 

『八十稲羽市伊邪那美事件』

 

 内容はこうだった。

 

 今から5年前、Y県の田舎町である八十稲羽市に、天津神イザナミが出現する事件があった。

 イザナミは妖鬼ヨモツイクサ、鬼女ヨモツシコメの大群を呼び出して「この国を滅ぼす」と言い出した。

 だが、当時の国が必死で神を宥め、お祀りし、なんとか鎮めることに成功。

 その後、毎年特別なお祀りをすることで、神の怒りを鎮めてきた。

 

 ……んと。

 なんでそんなことを神様が言い出したのか気になる。

 確かにイザナミは、日本における人の死の原因を作った神様ではあるんだけどさ。

 国を滅ぼしてやる、なんて言い出すかなぁ?

 

 ……当時の国、何か悪いことをやったんじゃないのかな?

 

 と、少し考えた。

 

「……当時こんなことあったんですね」

 

 書類を読んだ忍はそういう感想。

 そうだよね。

 私たちが普通に健全な高校生カップルをしてたとき、社会の裏ではこんな大事件が起きていたなんて。

 

「報道関係を黙らせるのに、だいぶ力を使ったとは聞いている。まだ、そのときは私は17代目を継いでいなかったから良くは知らんが」

 

 ……そうなんだ。

 国の人は大変ですなー。

 

 ……まあ、それはいいや。

 これは前置きの話に違いないし。

 

「それで、話は何なんですか?」

 

 本題を切り出して欲しい。

 そう思ったから、思い切って切り込む。

 

 すると。

 

「話が早いな。単刀直入に言う。……八十稲羽市に行って欲しい」

 

 ……おお。

 また、出張ですか。

 

 その間の神器の守護はライドウさんがするんだろうな……。

 

 そこは聞かなくても分かったけど。

 私たちが行って、何をするんだろう?

 

「私たちは何をすればいいのでしょうか?」

 

 それを訊く。

 すると、ライドウさんは答えてくれた。

 

「……イザナミに会って話をしてくるんだ」

 

 ……えっと。

 

「それで何で俺たちに?」

 

 私の代わりに忍が訊いた。

 うん。そこ、気になるよね。

 

 ……すると

 

「イザナミが荒ぶった原因は、この国の男女はダメになってしまった。こんな国の人間、一日1500じゃ足りない。一日一億人殺してくれるわ……と思ったことが原因なんだ」

 

 かなり神妙な顔でそう、教えてくれた。

 

 ……う~ん。

 確かに、ちょっと大破壊前は酷かった気はするけど。

 男女関係。

 

 神様、そんなことで怒ってたんだ。

 

 で。

 

「それで?」

 

 先を促す。

 すると……

 

「君らは仲がいい。それが理由だ」

 

 えっと……

 

 話が見えないんですけど。

 そう言おうとしたら。

 

 ライドウさんが語ってくれた。

 

 イザナミはイザナギと離婚した神だ。

 だが、憎み合って別れたわけじゃ無いのだな。

 確かに別れ際に喧嘩はしているわけだが。

 

 二柱の神が別れた原因は、ただ「死んだから」それだけなんだ。

 イザナギはそのことの意味が良く理解できていなかった。

 だから、黄泉の国まで妻を追いかけた。

 そして、変わり果てた妻の姿を見ることで、それをようやく理解した。

 別に嫌いになったわけじゃない。近づいてはいけないものだ、と理解したんだ。

 いうなれば核廃棄物。これと一緒だな。

 ……これを穢れと言うんだが、分かるよな君なら?

 

 ……まあ、それは確かにそのくらいは分かりますけど。

 

 そう、心で相槌をうちながら頷く。

 

 ライドウさんは続けた。

 

 だが、死んだ側として、それを身体で理解しており、それでなお夢を見ていたイザナミはたまらない。

 おそらく冥府の主に、死の穢れの実態を隠して外に出る方法は無いかと聞きに行ったんだろう。

 内心「実態を夫が知れば、逃げ出すに違いない」と思いながら。

 だから「見るな」と言った。

 夫を信用したんだ。自分の愛のために。

 全ては「死の穢れを乗り越えて、再び一緒に暮らすことが出来るかもしれない」という夢のためだ。

 だが、その夢を打ち砕かれた。

 実態を理解した途端、逃げていった夫の行動によって。

 

 ……死の穢れには勝てなかったよ。

 そういうことなんだね。

 

 だから怒った。

 夢を見せておいて、晒したくもない姿を晒されて、挙句逃げられた。

 恥を掻かされたというのも納得だろう?

 その後の顛末があれだ。

 

 だから、あの二柱の神の間には喧嘩はあったが、愛はまだあると考えるべきなんだ。

 死で別たれただけなんだよ。

 君らだって、相手の行動に怒りを覚えることくらいあるはずだ?

 違うか?

 

 ……まあ、確かに。

 ご飯作っても何かやっててなかなか食べに来ないときはイラっとすることはある。

 まあ、その都度文句言って問題にはしてないけどさ。

 

「だから」

 

 その後に続いたライドウさんの言葉には、ちょっと赤面してしまった。

 

「イザナミが納得しそうな男女関係のモデルケースとして、君らを派遣するんだ。上手くすれば今後お祀りしなくても良くなるかもしれないし」

 

 ……だって。

 え? 何?

 

 ……神様の前でイチャイチャしろってこと?




ペルソナ4の八十稲羽市とは別の八十稲羽市です。
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