真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(忍)
合体材料を揃えてきた俺たちは、3身合体を実行するためにホテル業魔殿に戻った。
「お帰りなさいませ佐上様。早速3身合体を実行なさいますか?」
紅目のメイドさんの言葉通りに、すぐに悪魔合体を手配してもらう。
3つの合体ポッドの中に仲魔を入らせたり。
メイドさんがパイプオルガンの演奏準備に入ったり。
中央の合体悪魔が出現するスペースの目の前で、真月が仁王立ちでその瞬間を待ち構えたり。
もう、色々な意味で準備万端。
今、合体ポッドに入っているのは……
アラビア風の衣装を身に纏った有翼の乙女……妖魔ペリ。
そして、小さい昆虫の翼を持つ風の妖精……精霊シルフ。
最後はさっき、裏山で真月が悪魔ナンパしてきた龍王ナーガ。
……確かに即合体でいいとは言ってたけど。
本当にそうなってしまうと、何か感じるものがあるだろうねえ……。
すまねえ……
それぞれの合体ポッドが、分解液に満たされて、中の悪魔たちが情報に分解される。
そこにメイドさんのパイプオルガン演奏。
荘厳な感じの見事な演奏。
……凄まじい強さの、すぐれた仲魔が出来そうな気がする。
分解された情報が、中央のスタイリッシュな台座に集まっていく。
集められた情報から、台座の上に非常識な大きさ光の玉が生まれる。
後で聞いたら、俺がアモンと合体した時も似たような球が出現したらしい。
……ここの悪魔合体が、それだけ進んでいるという事なのか?
そんなことを考えてしまう。
光の玉は明滅を続け、その周期が高速になった瞬間……
あたりは光に包まれ、あとはその場所に一羽の霊鳥。
合体が完了した証。
望んでいた通りの姿。
クジャクに酷似しているのに、身体の模様が違っている。
特に尾羽はギョロギョロと目玉が蠢いている。
俺たちはその結果を見守る。
この合体で生まれた悪魔は、果たして最高の悪魔なのか……!?
悪魔は、言った。
「うぉれは霊鳥アルゴス! うぉまえは白樺派かァァァァァァァ!? うぉまえはドストエフスキーとかキライーとかどっちだァァァ!?」
えっと……?
そして俺たちはその悪魔を連れて、ターミナルを経由してY県の田舎町八十稲羽市にやってきた。
「うぉ、うぉれは、気にしてねぇぇぇ! マッドで悪いかぁぁぁ! うぉまえこそ、マッドじゃないから、ちょっと安心しろぉぉぉ!」
警戒用に作った仲魔なので、常時出しっぱなしにするんだけど。
……これ、どうなの?
傍で羽ばたきながら、わけわかんないことをしゃべり続けている悪魔。
「なぁ」
一緒に歩いている真月に問う。
これ、大丈夫なのかという意味で。
すると
「人間の身体から鳥類の姿になる際に、精神に異常をきたしたんでしょ」
しれっと。
そう、応えられてしまった。
いや、それはそうなのかもしれんけど……
「心配しなくても、これは『気にしなくていい』って意味だから、敵が近くに居ないって意味よ」
しれっと。
え、そうなの……?
なんでこれで分かるの……?
俺の嫁さん、ちょっと怖い……!
……まあ、彼女が大丈夫っていうんだから大丈夫なんだよ。きっと。
俺たちが訪問しているこの田舎町……八十稲羽市。
かつては高校が2つあった、人が生活していた街。
商業施設がほぼ全滅していた典型的な田舎で、大破壊前は大型商業施設ジュネス以外ではまともな買い物ができないような状態だったようだ。
で、大破壊が起きた後。
ここの土地から人が消えたらしい。
だから、今はこの土地は無人の土地。
……まったく、誰の姿も見えない。
なんかこういうの、嫌だな。
滅亡、というものを突き付けられている気がする。
「……まずはどこに行くんだっけ?」
真月に聞いた。
嫌な気分を誤魔化したかったから。
「……辰姫神社ね。事件の後、イザナミを祭神として祀るようになった、って報告書に書いてたし」
彼女は落ち着いていた。俺よりも、ずっと。
「あ、バス停」
神社に向かう道。
バス停を発見した。
今は何の意味もない、その標識。
「昔はここもバスが通っていたのかしら」
「どうだろうね」
田舎だし。
マイカー移動が主だったりしない?
俺たちで、地方の神社を巡る旅行に行ったとき、バスのシステムがありえなくて驚いたときあったよな。
「そういやさ」
そのときの思い出話をする。
「バスの中に電光表示が無くて、運転手のアナウンスしか無いバスあったよな」
「あったね」
……思い出話。
歩きながら。
「運転手のアナウンス聞き逃したら、今どこにいるのか分からなくなって詰む、ってさ」
「そうそう。あったあった」
フフ、と楽しそうに笑う。
あのときは緊張したもんだ。
楽しかったな。
平和だったときは。
そんな風に、もう誰もいなくなった呉服店やら、豆腐屋やらの残骸というか廃墟を見ながら、思いを馳せた。
そして、そろそろ神社か……?
という場所まで来たときだった。
……霊鳥が騒ぎ出した。
「うぉまえら、神社をころしたぁ! 真月さんは悲しいぞぉぉぉ! うぉれ、うぉまえらと、警戒するぅぅぅ! うぉまえ、ラーメン屋に、報告しろっ!」
この喚き声を聞き、真月の顔色が変わった。
「忍……変身して」
「へ……?」
突然の彼女の要請。
対応できずに、絶句する俺。
え……どういうこと?
そのときだった。
「そこな幼女! ワシのギンギンの地獄突きで昇天させてくれるわッ! グワーハッハッハッハ!」
下品な声と共に、神社から何かが飛び出してきた。
いや……誰かを追いかけてきた。
追われているのは女の子のようだ。
年齢は絶対一桁。
そのくらい幼い子。
ちょっと長めの髪を、ふたつに結んでいる。
愛らしい子だった。
服装はピンクのワンピース。
この時代なのに、小綺麗な格好。
……何故ここにこんな子供が?
そして。
追いかけているのは
緑色の巨大なチ〇ポだった。
正確に言うと、触手の生えた全長4メートルはある緑色チ〇ポ。
そうとしか形容しようがない。
亀頭の部分が頭部のようで、そこから話しているようだ。
俺も真月も固まってしまう。
「うっ! うおぉぉぉぉっ! まっ 魔王がぁぁぁ~っ! 魔界から! 魔王マーラがぁぁぁ! せっ……せんおぉ洗脳されるっ」
……え?
あれ、魔王なの?
魔王マーラは出さないといけないよね