真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン   作:XX(旧山川海のすけ)

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最高最善の魔王にはならない。


最低最悪の魔王

★★★(忍)

 

 

 とりあえず、俺は変身した。

 迷う理由が無い。

 こんなもん、どう見ても異常事態だ。

 

「変身!」

 

 魔法効果増強のためのポーズはしっかりとる。

 手は抜けないから。

 

「……そこの卑猥な悪魔! そんな小さな子に何をするつもり!」

 

 アームターミナルを操作しながら真月。

 

「知れたこと! ワシの力を見せつけ、極楽にイカせてやるのよ! ガーハッハッハッハ! ……ところでオマエ、ワシに慄かんところを見るに、処女では無いな? まあ、処女膜から声がしとらんから気が付いてはおったが」

 

 ……こいつ、何を言ってるんだ?

 

 あ……真月、メチャメチャ不快そうだ……!

 

 その間に、逃げていた幼女がこちらに辿り着く。

 幼女を真月は顎で「私の後ろに隠れなさい」と示し、不快、というか嫌悪感の籠った目で悪魔を見据えて

 

 最後のキー操作を終えた。

 

 と、同時に召喚される女神ヘラ。

 ……彼女の切り札だ。

 

 聞くところによると、一般人を動物に変える魔法以外、魔法を持ってはいないが、身体能力が飛びぬけて高く、特にギリシャ神話の他の神々相手なら、絶対に殴り負けることはないという。

 物理攻撃特化型の女神。

 

 彼女の本気を示す召喚だ。

 

「……で、初体験はいつなんだ? 大学時代か? それとも高校生のときか? 体位は? 正常位か?」

 

 彼女のそんな様子など全く気にも留めず、悪魔は、魔王マーラはセクハラ発言を止めようとしない。

 こいつ……喋らせたらいけない。

 いますぐその口を閉じさせなければ……!

 

 俺は飛び出した。

 

 会話に夢中になっている今なら、トリスインパクトを決めることができるかも。

 トリスインパクトは決まれば必ず相手を倒すことができる。

 魔王だって……!

 

『危ない! しゃがめ!』

 

 そのときだった。

 アモンの警告に従って身を低くした瞬間。

 頭上を、凄まじい波動が過ぎて行ったことを感じ取る。

 

「……ワシとモノが違う雑魚は黙ってそこでワシのトークを聞いていろ」

 

 魔王マーラの声は冷たかった。

 ……女以外興味は無いってことか……。

 多分、今のは衝撃魔法。凄まじいレベルの。

 

 戦慄する。

 こいつ、こんなんでも魔王なのは間違いないのか……!

 今の、多分喰らってたらかなり深刻なダメージを受けていた気がする……!

 

 それと同時に、近くの廃墟に放置されているベンチや傘立てなどが宙に浮かび上がり、ぐるぐると、魔王マーラの周りを周回し始める。

 ……念動力まであるだと……!?

 

 ……見た目はホントアレなのに、こいつはとんでもない奴だ……!

 

 俺は冷や汗を掻く。

 果たして俺は真月を守り抜けるのか?

 

 

★★★(魔王マーラ)

 

 

 ワシは魔王マーラ。

 コクマの塔の支配者で、人々からご立派様と崇められる偉大な魔王よ。

 

 今日は気まぐれで人間界を覗いたら、美形の幼女がたった一人でうろうろしているのが目についた。

 これはちょっと、遊んでみるしか無いな。グァーッハッハッハ!

 

 そう思ったワシは、早速実体化を行った。

 その辺をうろついていた悪魔の肉体を乗っ取って。

 ちとマグネタイトが足りぬが、まあいい。

 遊ぶ分には問題ないからのぅ。

 

 そしてしばらく追い回して遊んでいたら。

 

 何やら乱入者が。

 

 黒い、重厚な感じの軍服といった感じの衣服に身を包んだ男女だった。

 男と女でデザインが少し違ってて。

 男は普通にズボンで軍人風。女も同じく軍人風だがスカートで女性らしく。

 そんな感じだ。

 男の方は素手で戦う戦士。

 女の方はアームターミナルをつけているので、悪魔使いじゃな。

 

 ……しかしスカート、か。

 

 パンツ脱がすのに楽でいいよな……

 スカート……いいよな。

 

 しかも女は清楚系。

 綺麗に長い髪の手入れもしている感じで。

 こちらも美形。

 

 ……ただ、声を聞く限り処女ではない。

 

 うむ。残念。

 はじめてをワシが奪ってやるのが最高に心地いいのに。

 

 ……仕方ないのう。そういうのは幼女の方で満たすとしようかの。

 

 そう思っていたら

 

 男の方が騒ぎ出した。

 軽く魔法をぶっ放して牽制してやると、大人しくなったが。

 

 ……でも、なんでなの?

 

 少し思った。

 何故、こいつはここまで反応するのか?

 

 良く見たら、なんか姿も変わってるし。男。

 いや、ワシがセクハラをしてるこの悪魔使いをさ、庇いたいところまでは分かるのよ。

 なんで?

 

 ……そこで、ふと思いつく。

 閃くものがあったんじゃ。

 

「……この娘……お前の恋人か何かか?」

 

 この聞き方なら、大体分かるはず。

 少なくとも、想い人かどうかくらいは。

 すると、こう返って来た。

 

「俺の嫁さんだ!」

 

 オオ……!

 

 それなら話は変わってくるのぅ。

 だったらば、だが

 

 夫婦ものを、夫の目の前で、妻を犯す。

 

 これだ。完璧なプラン。

 

 で。

 ここで良いことに。

 

 ワシ、催眠術使えるんだよね。

 人間の意識の設定変更、自由自在なんじゃ。

 

 そこで、ワシはこの娘の認識を書き換えようと思う。

 今の夫は、この緑色の変なのかもしれないが。

 これからの最愛の夫は、このワシであると設定変更。

 

 ……見ものじゃぞー?

 

 ワシ、催眠術の他に

 

①女を発情させる能力

 

②女に強制的に排卵させる能力

 

③確実に女に受精させる能力

 

④確実に女に着床させる能力

 

⑤確実に女に立派な子供を出産させる能力

 

⑥断面図で女の胎の中で何が行われているか可視化させる能力

 

⑦女の母乳の出を良くする能力

 

⑧男の性別を女に変える能力(※逆は無い)

 

 あるし。

 

 それを駆使して……(※TS能力は除く)

 さっきまでは旦那を心から愛していた女が、いきなり今日からワシを愛すると言い出して、自分からパンツ脱いで種付けをせがむ。

 そして元旦那の目の前でワシの子を孕む。

 これを実現する。

 

 それを、旦那の目の前でやってやんの。

 大体これをやると、男の方は廃人化するんだよね。

 それがもう、最高に征服欲を満たす感じで。

 チョー最高、じゃな。

 

 ようし……

 

 漲って来た!

 

 

★★★(真月)

 

 

 どうしよう……こいつの隙が見当たらない。

 ヘラに闇雲に突っ込ませていいものなの……?

 

 呼び出したはいいが、まだ一歩も動かせていない私の仲魔。

 どうしよう……?

 

 私がそう、出方について考えているときだった。

 

「……悪魔使いの女よ……そこの男が夫なのは本当か?」

 

 ……目の前の下劣な悪魔がそう、訊いてきた。

 一体何?

 

 でも、無視するかどうか決めてる余裕も無かったので。

 

「本当よ……」

 

 と、正直に答えてしまった。

 

 すると、こんなことを言ってきた。

 

「……じゃあ今日からオマエの旦那様はこのワシじゃ!」

 

 ……ハァ?

 

 

★★★(魔王マーラ)

 

 

 いくぞ!

 

 ワシは意識を集中する。

 催眠術を使うために。

 

 狙いはこの目の前の悪魔使いの娘!

 

 今はワシを心底嫌悪し、睨みつけておるが。

 ここからワシを愛するようになったときのことを考えると、愚息がいきり立ちよるわ!

 

 気合を込めて……発した!

 

「ワシの言葉は否定できない! ワシから目を離せない!」

 

 ワシから発せられる魔力の波動が娘に突き刺さる!

 

 ……フフ。

 

 見ろ、この通りじゃ。

 

 娘の目は虚ろになり、百年の恋でも容易に設定変更で書き換えられる状態に。

 もう、こうなってしまっては、どれだけ高潔だろうと身持ちが硬かろうと意味が無い。

 思いのままじゃ。

 

 ……

 

 ………

 

 …………え?

 

 え? どうして?

 

 何故、まだ娘の目に光があるの? 力があるの?

 何故虚ろになってないの?

 何でワシをまだ睨みつけているの?

 

 そんな……

 

 そんなことって……!

 

 

★★★(忍)

 

 

「オオオオオオオオオオオオ!!!」

 

 ……突然だった。

 魔王マーラが頽れて泣き始めたのだ。

 同時に、念動力で持ち上げていたベンチやら傘立てが地面に落下する。

 

 ……何なんだ一体?

 

 困惑してしまう。

 戦いは終わったんだろうか……?

 

「……ウソ泣き?」

 

 真月がそう、警戒しながら、訊く。

 まあ、俺もその可能性が高いと思うんだけど……

 

 すると、ヤツはこう言った。

 

「……ワシの催眠術を破るとは……まさかこんな人間に巡り合うとは……30年前に、ミルファという若奥様に挑んだ時以来じゃあ……」

 

 で、聞かれもしないのに、こいつは語った。

 

 今、催眠術を使ったこと。

 

 それが真月に通用しなかったこと。

 

 効いていたら、今頃真月は魔王マーラの奥さんになって、この場で子作りセックスをはじめていたこと。

 

 で、確実に孕まされ、その後の人生マーラの産む機械になっていたこと。

 

 ……聞いてる間、真月の顔色が真っ青になっていったことが印象深かった。

 危なかった……もしかしたら、自分は今までの愛の歴史を全て破り捨てられて、魔王の玩具になって人生を終えていたのかもしれない、って。

 うん……俺もそう思う。危なかったよ……とんでもねーな、この魔王……

 

「……もう、こうなってしまっては仕方ない。ワシの負けじゃ」

 

 ずず、と身体を起こしつつ、魔王マーラ。

 そして、鉤爪の生えた手を近づけて、こう言った。

 

「……契約同意書を出すがいい。悪魔召喚契約を結んでやろう」

 

 ……ええええ~!

 

 

★★★(真月)

 

 

 ……どうしよう?

 魔王が、私と契約を結びたいって言ってきてるよ。

 

 ホント、どうしよう……?

 

 強力なのは間違いないのよ。

 凶悪な威力の衝撃系攻撃魔法に、念動力。

 そしてどうみても高い肉体的攻撃能力があるわけでしょ?

 ……あと、催眠能力。

 

 最後のがヤバイ。ヤバ過ぎる。

 使い方によったら、国をひとつ奪い取れるレベルでヤバイ能力。

 

 そんな悪魔が私の仲魔に……

 

 普通なら、二つ返事で仲魔に入れたい悪魔。

 

 だけど……

 

 私は、ちらりとマーラを見る。

 

(……こいつ、凶悪な性犯罪者と同一の精神性なのよね)

 

 そんなのと契約することにはどうしても抵抗があった。

 あと、ヴィジュアルがメッチャヤバイ。

 チ〇ポ。

 こんな悪魔呼び出したくない。他の悪魔使いに何を言われるか……!

 

 でも……

 

 これから激化するメシア教徒との戦いがあるし。

 それに、ガイア教徒の夫婦との戦いもある。

 

 強力な悪魔と契約を結べる機会があるなら、結ぶべきでしょ。

 しかし……

 

「真月」

 

 ここで。

 私は肩をポンと叩かれた。

 

 ……変身を解いて、人間体に戻った忍だった。

 

 彼は私の目を見つめて、こう言った。

 

「……こいつを仲魔にしよう。そうした方が良いと思う」

 

 ……!

 

 その一言で私の中のいろんなことがゴリゴリ決まっていく。

 そして、浮かび上がってくる衝動。

 

 私は彼の首に腕を回し、彼の唇にキッスをした。

 

 ……よし。

 

 私は、魔王マーラに向き直る。

 私は覚悟を決めた。

 

「……分かったわ。私、あなたと契約する」

 

 この、色々な意味で最低最悪の魔王と悪魔召喚契約を結ぶ覚悟を。

 私、悪魔と相乗りするよ。

 

「おお……なら同意書を……」

 

 少し待ってちょうだい。今、投影するから……!

 アームターミナルの操作で、空中に投影される契約同意書。

 

 そこの指定の箇所に、魔王マーラの真の名が書き込まれる。

 

 ……契約成立だ。

 

「……ワシは魔王マーラ。今後ともヨロシク……」

 

 そう言い残し。

 魔王マーラは魔界へと帰還して行った。




非常に強力な魔王が仲魔になった。
心強いね!
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