真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(真月)
「うん。そうだけど」
自分のしでかしたことに青くなって。
多少落ち着いてから私はそう返事した。
すると菜々子ちゃんは目をキラキラさせながら
「プロポーズはどっちがしたの?」
そう、尋ねてくる。
プライベートな質問だけど……
んと、これは言ってもいいよね……?
ちらり、と隣の彼を見て
「私よ」
そう答える。
すると
「えっ!」
菜々子ちゃんは口元に手をやり
忍の方を見て
「……お兄ちゃんじゃないの?」
そう、信じられない、というふうに言う。
ん~。
だって、しょうがないじゃん。
余裕なかったんだし。
だってさ、大破壊が起きた以上、国家の庇護はもう望めないと考えるのが普通でしょ?
ということは、いつ私たちの人生が終わってもおかしくないってことじゃん。
……だったら、結婚は速攻でやるべき。
こういう結論になると思うんだけど。
いざ、土壇場で「忍と結婚してお嫁さんになっておくんだった!」って後悔しても遅いじゃん。
どう考えても。
もう、タイミングを計る時代は終わったんだと結論付けるのが正しいわけですよ。
だから私からプロポーズしたんだけど……
……これは、正直子供に聞かせる内容じゃないよね。
だから。
「付き合うときに告白してくれたのは彼だからそれでいいの」
そう、言っておく。
まあ、そっちは私がそうなるように仕向けたんだけどね。
★★★(忍)
まあ、確かにプロポーズは彼女から、だけどさ。
あんな不意打ちで男の責任を問われても困るんだけど。
だって、大破壊を理解してからすぐ、だよ?
これで「決断が遅い!」なんて責められるの、納得いかないというか。
俺だって本当は、就職決まったら即しようと思ってたさ。
でも、そういう時代じゃなくなってしまったのよ。
……なんて、言い訳したいけど、するとみっともないよね……。
どうしたもんかね、畜生……!
「……あのときはすごく思い切ったもんだよ」
だから、ちょっと過去の栄光を誇って、面目躍如を狙うことにした。
「だって、彼女は、俺の嫁さんは、男子皆が良いよな、って言ってたからさ」
手振りを交えて主張する。
俺の嫁さんがいかに素敵だったか。
俺がいかに思い切って、勝ち目のない戦いに挑んだのか、的なことを。
でも
「中学のときだったから、急いだんだ。そうしないと先を越される、他の男の恋人になってしまう! って」
そう言った瞬間。
「ああ、それは無いから。他の誰に告白されてもOK出さないっていうか、出すわけ無いんですけど」
まるで遮るように、隣から横やりを入れられる。
……えっと?
みると、彼女はニコニコしてたけど……明らかにムカついているようだった。
「あなたの顔を立ててあげないと駄目だと思ってたから言わなかったけど、私はあなたが私に興味を持つように散々仕向けてたんだからね? だから、あなたの一世一代の告白は、出来レースなの。残念でしたー」
……そんな。
あのときの勇気は、俺の誇りだったのに……。
そう思った俺は、心をへし折られるような気持ちを味わう。
これは、屈辱なんだろうか……?
「そんな先着順で男を選ぶわけないでしょ私が。ちゃんと狙ってるに決まってるじゃん。なんでそのくらい分からないかな」
くどくどくどと文句を言われる。
うう……
だが
「私は小学校の頃からもうあなたを狙ってました。あなたから先に好きになったわけじゃないんですぅー」
と、そう言われたとき。
俺は
「……ちょっと待て」
わし、と彼女の両肩を掴んで、上から畳みかけるように言ってやる。
今度はこっちが遮る形。
「俺たち、出会ったのは幼稚園のときだったはずだ」
「……うん。そうだけど」
俺に気圧されたのか、真月のテンションが下がっている。
俺は続けた。
「だったら、俺の方が先だと思うんだけど。だって、出会ったときにすでに君のことをカワイイって思ってたし」
……すると、彼女は真っ赤になって
「そ、そんなこと言い出したら、私があなたに興味を持ったのはあなたが自己紹介で、お父さんに空手を習ってるの、って言ったときからなんだからね!」
彼女も、身振りを交えて、自分の方が先だと主張する。
そして睨み合う。
……すると。
「……お姉ちゃんたち、そんな意味のないことで喧嘩するの止めた方が良いと思うな」
……菜々子ちゃんに注意をされてしまった。
菜々子ちゃんは呆れていた。俺たちに。
心底、小学生に呆れられてしまう成人2人組……
その通りだよ……何も言い返せない……
とはいえ、プロポーズは男からした方が良いってのは日本文化です。