真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(忍)
朝が来た。
昨日は結局、3人肩を寄せ合って寝たんだけど。
起きたら俺一人だった。
……あれ?
他の二人は?
……なんだか、リビングの方に人の気配が。
階段を降りていく。
そして、リビングに出た。
……居た。
真月と菜々子ちゃんの二人が、缶詰と乾パンで朝ごはんの準備をしようとしていた。
まあ、乾パンを皿の上に盛り付けるだけなんだけどね。
……洗い物ができないもんな。
「あ、おはよう忍」
「……はやいね」
水道が無いから顔が洗えない環境。
久々な気がする。贅沢になったもんだ。
なんか、目がしょぼしょぼする。
切り替えないと。
ふああ、と欠伸が漏れる。
どうしたもんか。
まだ仕事終わってないのに。
……じっと、菜々子ちゃんを見た。
こんな子まで拾ってしまうしなぁ。
ホント、困った。
「なぁ、一回御所に戻らないか?」
俺は乾パンをかじりながら真月にそう提案する。
今のままだと菜々子ちゃんを連れ回してイザナミを探すことになってしまう。
だったら、先に菜々子ちゃんの安全を確保して、それからゆっくり探した方が良いのでは?
ただでさえ、非戦闘員を連れ回すのには抵抗があるのに。
「そうだね」
それには真月も同意してくれる。
……昨日、菜々子ちゃんの身の上話は聞いてしまったからなぁ。
この子、今は天涯孤独らしいんだ。
元々住んでいたところが住めなくなり、迷いに迷って行きついたのがここだったらしく。
だったら、京都御所の方に連れて行って、向こうの施設で菜々子ちゃんを引き取って貰った方が賢いのでは?
そう、思うに至ったんだ。
「緊急事態だもんね」
と、真月。
幸いさ、期限切られてないもんな。
俺たち。イザナミを探す時間を。
「……じゃあ、戻るか」
二人の意思が決まってしまった以上、道も決まるわけで。
このとき、俺たちの京都御所引き返しが大決定された。
「忘れ物無いよね?」
「無いよ」
「無い無い」
真月の呼びかけに俺たち二人は返答する。
たった一晩泊ったところだけど、なんだかちょっとだけ愛着が湧く。
……しかし。
一桁の女の子……
じっと、真月と菜々子ちゃんを見比べた。
真月の子供にしては大きすぎるから、親子連れには見えんわな。
……こんなん、シミュレートにはなんないよなぁ……
やってみたい……親子連れシミュレート……
なんて
どうでもいいことを考えてしまう。
菜々子ちゃんは良い子だけど、俺の子というには無理があるから、シミュレートにはならないからね。
まぁ、一回戻って京都御所で預かってもらおう!
気分を切り替えた。
そして。
俺たちが玄関を開けて、外に出たときだった。
外に、白いバイクに跨った誰かが居た。
それは、女の子。
体型で分かる。
奇抜な子だった。
白いライダースーツを着ている。
で、同色のフルフェイスヘルメット。
そのうえ、腰に剣を差していた。
しかし、フォルムとしては日本刀ではない。何だろう?
誰だ……?
そう、訝しがることもやったけど。
それと同じくらいに……
この子、いくつくらいだろう……?
16才、17才?
そっちも気になる。
女子高生の年齢に見える子だ。
雰囲気的に。
これは勘だけどね。
で、その勘が正しいことが、彼女がヘルメットを外したときに確信に変わった。
ふわさ……と髪が広がる。洋風の長髪で、色は黒。
西洋の貴婦人の絵画で描かれそうな髪だ。
顔立ちも整っていた。
小顔で、美人。
こっちも洋風という表現がしっくりくる気がする。
で、確信する。
この子、おそらく16か17の少女だ、と。
……そんな少女が、朝から俺たちに一体何の用なんだろうか?
ちょっと、異様な雰囲気。
そのときだった。
「ドルリュリュリュリュゥ~! グッグェ~! うぉ、うぉれは! 給食のアゲパンが大っ嫌いなんだぁぁぁ! とぉころでアゲパンは敵だぁぁぁ!」
今までダンマリだった霊鳥アルゴスがまた騒ぎ始めたのだ。
これは……!
急速に高まっていく警戒心。
そんな中
「……佐上真月だな?」
少女は、口を開いた。
そしてこう続けた。
「今日こそお前の身柄を確保する。そのために私が来た」
少女は、堂々としていた。
そして自分に微塵も疑いを持っていなかった。
「我が名は、クルセイダーロード。そして……またの名を……仮面ライダーサタン!」
自分の行いに対して、疑問が全くない。
そういう声だった。
ラスボスとの邂逅。