真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(忍)
「その母親は確かにクズね。同じ女として恥ずかしく思うわ。死んでしまえばいいとすらね……でも」
……だけど。
真月はやっぱりブレない。
全く動じた様子も見せずに、こう続けた。
「あなたたちはこの国から神器を奪って日本の復興を妨げ、加えて私の命を狙って私たちの幸せを阻んでいる」
……そして、こう言葉を叩きつける。
「この二点であなたたちは日本の敵であり、私たちの敵よ……! 妥協点なんて……無い!」
同時に、真月の指がアームターミナルのキーボードを叩いた。
足元に浮かび上がる魔法陣。
そこに出現する、翼を持った黒い甲冑の乙女……
妖魔ヴァルキリーを召喚する。
「行ってヴァルキリー! あの女を斬り伏せて!」
全く淀みなく指令まで下す。
俺はそれを途中まで見ていたが
途中で気づき、こう叫んだ。
「変身!」
あの子はクルセイダー。
しかもそのリーダーだ。
どんな悪魔で調整されているか分からない。
悪魔形態に変身をする前に、倒してしまうのが正しい。
……仮面ライダーなら禁じ手だけど、現実的に考えるならそうだ。
……俺は嫁さんの判断力に頷くしかなくて。
応じるしかなかった。
仮面ライダーに変身し、ヴァルキリーに加勢する形で俺も飛び出した。
剣を打ち合わせている音。金属音。
あの子は、腰の剣を抜き、ヴァルキリーと切り結んでいた。
見た感じ、相当な訓練を受けている剣裁きだ。
で、振るってる剣が……直刀。
どこの剣だ? ……見覚えがあるけど……
少し考えてしまう。
そしてふと気づく。
……あれが古代の剣であるという事を。
そうだ……あれって、古墳から出てくる青銅剣なんかとデザインがそっくりじゃん……!
だけど。
俺がそのとき考えたのはそこまでで。
それがどんな恐ろしい事実を示しているのか、考えすらもしなかった。
ヴァルキリーの逆袈裟斬りを受け止めた流れ。
その流れを見計らって、構えが下がったところを狙って、上段蹴り。
決まれば意識を刈り取れる。
ひょっとしたら、気絶させればふんじばることで無力化できて。
それでもし仲間化できれば、余計な争いを避けることも……!
なんて甘いことも考えながら。
そして俺の蹴りは……
少女の頭部を捉えた。
蹴り足が食い込み、衝撃が浸透する感覚があった。
これは……決まったときの感触。
少しだけ罪悪感を感じる。
女の頭を蹴るなんて。
気分のいいもんじゃないから。
でも……
勝った。
そう、思った。
だけど
ゾッ
……寒気を感じた!
慌てて飛び退った!
片足でやったので、無理な体勢。
着地の姿勢が乱れる。
けれど
それが、間一髪、危機を救うに至る。
なんと……
少女は、全く何のダメージも受けた様子が無く、下段に下がった剣で、切り上げの斬撃を俺に放って来たからだ。
体勢を取り戻したとき。
少女の顔を見た。
……真顔だ。
顔は蹴ってはいない。だから鼻血が出るとかはないはず。
それでも……
頭を蹴られたのに、脳に衝撃を受けた様子が全くない。
なんなんだ? これ……?
困惑する俺に、少女は、クルセイダーロードは
「……教えてやる。無知な異教徒ども」
にやあ……
クルセイダーロードが、凄まじい笑みを浮かべる。
そして……
右手に持った剣を目の前に真横に掲げて、こう言ったんだ。
「これが、神器・草薙の剣だ」
草薙の剣を目視すると死ぬという言い伝えは本当の言い伝えです。
この小説だけの創作ではありません。