真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(真月)
なんか知らない間にオザワを捕まえてしまった。
ちょっと拍子抜け。
まさかオザワがこんなチンピラ同然の男だったなんて。
もっと老獪な厄介な人物を想像してたからね……。
「で、あなたに聞きたいんだけど」
仁王立ちで私が質問をした。
オザワには、私たちの前で正座をさせている。
彼は私の言葉に対し
「はい、なんでしょう?」
愛想笑いを浮かべている。
……ちょっと引いちゃうなぁ。
まぁ、いいや
「渋谷までの正確な地図って持ってる?」
とりあえずの目的。
それを確認。
すると
「ええ。ありますよ。事務所に行けばあると思います」
と、えらくあっさり答えてくれた。
「東京は色々大変ですよ。メシア教徒、ガイア教徒の他に、バール信者という新興勢力がいますからね」
「バール信者?」
聞いたことのない言葉だった。
聞くと、破壊後の東京で生まれた新興宗教勢力で、魔王バエルを崇拝する連中なんだって。
「主にガイア教徒の中のはみ出しモンで、数が少ないんで問題にはあまりなってはいないようですが」
何がしたいのかよくわからない、ってオザワは言う。
ただ、独自に何かしてるのが不気味ではある、とのこと。
……ひょっとしたらしょうもない情報かもしれないけどさ。
こういうのが聞きたかったんだよね。
と。
そうこうしているうちに、ビルに着いた。
オザワの事務所があるというビル。
ビルに入って。
案内される。
奥に「社長室」って書かれている扉があって。
オザワは、ドアを開けた。
中には……
かなり高級そうなデスクと、壺などの調度品。
そして
裸の女性がひとり居た。
「あっ」
オザワは、しまった!
という顔をして
「あっと……へへ。ちょっとお待ちいただけますか?」
また、あの気持ち悪い笑顔を浮かべる。
……私は
「あの人、あなたの恋人?」
そう、尋ねた。
すると
「あ、はい。そうですよ。全く、服ぐらい着ろって言うんですよねぇ」
うへへ、と愛想笑いしながら。
……私は直感で
嘘だ!
と感じた。
感じたから……
アームターミナルを操作し。
『魔王召喚』
……魔王マーラを召喚した。
「ヌオオオオオ! 真月召喚士何用じゃ?」
呼び出される異形の魔王。
私は即座に命令をする。
「この男に催眠術を掛けて!」
オザワが事態に対応してくる前に、終わらせる。
その勢いで、忠実に。
「たやすい!」
「……え?」
オザワが逃げ出す前に。
「ワシの言葉は否定できない! ワシから目を離せない!」
……オザワの目が虚ろになった。
……正直、この手は外道ではあるんだけど。
普通の手では真実が分からないからなぁ。
さて……
「まず聞きたいのは、あの女性は何?」
すると……
「……税金未払い女……人間の……クズです」
……ふーん。
税金を払わないと逮捕されるって聞いてはいたけど。
逮捕されるとああいうことになるわけね。
……最低。
……ん?
ちょっと待って
「じゃあ、何で男性も逮捕するの?」
性の捌け口にするなら、女性以外意味が無いのに。
何で男性も逮捕するんだろうか?
ちょっと引っかかったんだ。
それだけだったんだけど。
……返って来た答えは、私の予想を上回ってた。
「女だけじゃ子供できないから……」
……子供?
何で子供の話が出てくるの?
すると
「……子供を作ってどうするつもりなんだ?」
そこに、横からの忍の質問が飛んでくる。
それに対して、オザワは……
「悪魔の生贄……子供のマグネタイトは……総量をは少ないけど……美味……ちょうど人間にとっての菓子類にあたる」
……その言葉で、大体のことが分かってしまった。
この街で、オザワは悪魔と取引してて、住民は悪魔に襲われないって言ってた。
その取引に使われる貢物が……子供だったんだ。
なんて……なんてことしてんのよ……!
だけど
「……時間が合わないな。子供が生まれるのに10か月は掛かるだろ。どうなってんだ? 大破壊からまだ2年だぞ?」
忍のさらなる疑問点。
2年の間に行われてしたにしては、システムが出来過ぎてる、という疑問。
だってそうだよね?
2年だよ?10か月はかかるものなら、2巡しかできないじゃん。
そうなると、十分な数の生贄が揃わないから、ここまで来るとは思えない。
変過ぎる。
それに対しては……
正直「悪魔が後払いに応じてくれた」って言ってくれた方が良かった。
そっちの方が良かったの。
だけど……
「魔界の植物に、胎児を急成長させるものがある……それを使った……生まれる子供に障害が出るが……生贄ならそれで充分……」
……こいつ!
瞬間的に、忍が殴りかかりそうになったから、私は抱き着いて止めた。
「忍! 抑えて!」
……大体の構図が分かった。
こいつ、税金未納者を使って、赤ちゃん工場を作ってるんだ。
しかも、ブロイラーみたいな……。
こんなの、絶対に許せない。
私はおなかに手を当てた。
……絶対に許せない……。
「……ただちにその行いをやめなさい。そして今後どんな理由が出てきても絶対にするんじゃないわ」
そう、自分を抑えながら言った。
オザワは、コクン、と頷いた。
これで……こいつは全力で赤ちゃん工場を閉鎖する方向で動くことは間違いない。
だけど……
貢物が無くなれば、悪魔は再び街の住人を襲い始める。
それはいいの?
……良いわけ無いよね。
でも……
私は再びおなかに手を当てる。
それだけは……ダメだ。認められないよ……!
そのときだった。
「……おい、お前が取引してる悪魔はどこのどいつだ?」
私が葛藤をしている横で。
忍が、言ったんだ。
彼を見上げる私。
その、まっすぐな瞳。
……私が赤ちゃんのことで頭がいっぱいになってるとき。
彼は、私の代わりに冷静に考えてくれていた。
私は彼の顔を見て、この人の奥さんになれたことをまた誇りに思ったんだ……。
原作からの妄想っすわー