真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
01:サイコダイバーからの依頼
★★★(忍)
新宿を出て、だいぶ走った。
……そろそろ代々木かな?
そろそろ野営でもしようかな。
「なぁ、今日はここらでキャンプしないか?」
「そうね。そうしようか」
バイクを停めて、野営の準備。
大破壊前はキャンプに行くのがブームになってたような気がするけど。
このキャンプは必要だからやるキャンプで、楽しむためのキャンプじゃない。
新宿で買って来た、野菜とあと悪魔の肉で作ったソーセージを鍋で煮て料理にする準備やら。
焚火の準備やら。
色々とやることがある。
男の自分としては、火の回りだとか、木を刻む行為に労力を割きたいものなんだけど。
なんとか、その辺は任せてもらえているので、俺はなんとか気持ちを保つことが出来てた。
そら、嫁には頼りにされたいさ。
「焚火ね……」
普通にしてしまってるけどね、これさ……敵を呼ぶ行為のひとつ。
目立つもの。
この場面で、クルセイダーたちに襲われてしまうこと。
それを想像するけどさ、諦めるというか覚悟するというか。
そのためにまあ……この悪魔を作ったんだし。
霊鳥アルゴス。
こいつが騒いでいないイコール、危ない存在が近くに居ないってことなので。
そうこうしているうちに、悪魔の肉のスープが出来た。
味はまあまあ
「東京の悪魔の肉の味、そんなに悪くないね」
「そうだね。地方より酷いからもっと味が悪いかと思ってたのに」
なんて言いながら一緒に食事。
実に穏やかな時間。
そのときだった
「……こんばんは」
いきなり、誰かが俺らのキャンプに近づいてきたんだ。
少しギョッとする。
穏やかにふたりで話し合っているときに、現れた闖入者だから。
「誰……?」
真月からそんな言葉が出た。
そこに居たのは、笠を被った、典型的破壊後ファッションのダボダボローブに身を包んだ男性。
ちなみにローブの色は橙色。
小太りで背はあまり高くなかったけど、わりとまだ若い感じだ。
男は真月の問いに対し、こう答えた。
「俺はサイコダイバーと名乗ってる。本名は伏せさせてくれ」
サイコダイバー?
なんだか、違法な香りがする名前だよね?
本名を隠したがるのもなんとも……
そんな怪しさ満点の男性が、一体何の用だろう?
困惑していると、男性が話し始めた。
「……俺は新宿でオザワの下で働いていたんだ。やってたことは主に洗脳」
……なんだって?
空気が変わる。
つまり、オザワ派の残党か?
真月の顔も険しくなり、アームターミナルに手を伸ばす。
「待ってくれ!」
それに対し、慌てたようなサイコダイバーの声。
抑えて! みたいな感じで手を差し出す。
「俺だって無理矢理働かされていたんだ。やらないと殺すぞ、って言われてさ。だけど、君らのおかげで救われた」
……ふぅん。
まぁ、本当に復讐に現れたなら、わざわざ名乗ったりはしないわな。
警戒を、少し解く。
サイコダイバーは話し続ける。
「……まずはお礼を言わせてくれ。ありがとう」
……少し、照れ臭い。
「で、何の用なの?」
真月が、サイコダイバーに切り出す。
あ、それ。
確かにそれ。おかしいよね。
些細なお礼を言うために、わざわざ悪魔がうろつく外の世界を突っ切って来る必要が無いし。
すると……
「話が早くて助かる……実は、君らに悪魔合体で作って欲しい悪魔があるんだ」
ん?
悪魔合体?
どゆこと?
サイコダイバーの話はこうだった。
サイコダイバーは、自分の精神を他人の精神の中に潜りこませて、他人の精神を弄るという超能力が使えるらしい。
その力で、オザワに反抗的な人間の精神に「オザワに心酔する」という気持ちの種を植え付けて、オザワを批判することができない人間に仕立て上げていたそうだ。
「酷いなそれは」
まぁ、俺らもやむなくオザワたちに”調和大好き人間になる”という、洗脳行為をしたけどさ。
それはもう、しょうがないというか。覚悟を決めて手を汚したんだ。
「それで、どうしたいの?」
真月がサイコダイバーに聞く。
サイコダイバーはこう答える。
「洗脳した人たちを、元に戻したい」
なるほど……
けど
「……自分では出来ないの? 他人の精神を弄れるんでしょ?」
真月の言葉。
もっともだ。
すると
「……俺のやった行為で、他にどういう問題が出てくるかわからないんだ」
ちょっと理解できなかったので、説明を求めて、聞いたら……
サイコダイバーに言わせると、自分のやった行為は、正常なパソコンにウイルス入りのUSBメモリを挿すような行為で。
その後、ウイルスに気づいて、ウイルス感染のファイルを全部手動で消したとする。
通常の感覚で、この事態はそれで終わりだと思うのか? って。
「あー」
真月、納得。俺も納得。
なるほど。
普通の感覚なら、パソコンを一回初期化して、バックアップデータを入れ直すよな。
確かに。
「なるほど。良く分かったわ」
真月は完全に納得したようだ。
なら、それなら。
「作って欲しい悪魔って?」
聞いた。
サイコダイバーは頷き、1枚の紙を差し出してきた。
紙はレポート用紙だったけど。
そこにはわりと達筆な字で
欲しい悪魔:魔神クロノス
材料悪魔:妖精タム・リン、女神キクリヒメ、夜魔インキュバス
と書かれていた。
真月に聞くと、魔神クロノスは、ギリシャ神話の神で、時の運航に関わる神らしく。
おそらくその力で、洗脳されなかった時期まで洗脳被害者の時間を戻すんじゃないの? との話だった。
「……君らなら作れると思うんだ。俺じゃ無理だけど」
そう、サイコダイバーが興奮したような声音で言ってきた。
なるほど。
……まあ、任された。
サイコダイバー、何才なんでしょ?