真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン   作:XX(旧山川海のすけ)

9 / 211
ここから話はまた現在に


邪教の館

★★★(忍)

 

 

 ……そんな感じで。

 俺たちは大破壊を生き抜き。

 デビルバスターの仕事に就くことになったんだ。

 

 大破壊前とは違い、毎日が危険だけど。

 俺には大切な人が隣にいるから。

 だからどんなに辛くても、頑張れる。

 

 

 

「邪教の館に行くよ。忍」

 

 真月がボディコニアン討伐の仕事を終え、仕事料を受け取った後。

 そんなことを言い出した。

 

「また合体するのか? この間したばかりじゃ?」

 

「この間の合体は、今日の合体の下準備。今日が本番の合体だから」

 

 合体。

 夫婦間でこういうことを言うと、変な風に取られるかもしれないけど。

 

 決して、卑猥な意味じゃなくて。

 

 悪魔合体のことを指している。

 

 悪魔合体とは?

 それは、悪魔を合体させること。

 

 悪魔という生物は、他の悪魔と合体することで、存在の化学変化のようなものを起こし、別種の悪魔に変化する特性がある。

 これを悪魔合体という。

 

 邪教の館は、これを行ってくれるサービス施設。

 元々は国家に雇われていたデビルバスターを相手にしていた秘密の職業だったんだけど。

 今はデビルバスターであれば誰でも使用が可能になってる。しかも、昔みたいに入口の偽装も無い状態。

 ちなみに使用料金もタダ。

 理由は、合体を行うときに実験データが取れるから、というものだったから。

 

 ……そういう理由だから、将来的に有料化する恐れがないこともない。

 だからガラ吉さんは対策考えてて。

 真月が今使用しているアームターミナルには、悪魔合体機能が搭載されている。

 ただし……失敗率70%だ。30%しか成功しない。

 全然実用的じゃあないね。それに、出来るのは2身合体までで。3身合体はできないという。

 強力な悪魔を生み出すためには、3身合体は避けて通れないというのに。

 だからまあ、今の段階では邪教の館は通うのを止められない施設なんだな。

 

 街に出て、邪教の館に向かう。

 

 ……街は荒廃している。

 そりゃあまあ、しょうがなくはあるんだけど。

 国が消滅してそろそろ2年経つからね。

 適当にインフラを維持してくれる存在がいなくなって2年。

 辛いよ。

 

 まるっきり、漫画の北斗の拳みたいな状況になってる街を進む。

 

 進むと……あった。

 邪教の館。

 

 昔は他の建物に偽装してたらしい。

 

 

 

「これはこれはようこそ。佐上様。お待ちしておりました」

 

 青い祭服を着たサングラスの老人が恭しく俺たちに礼をしてくる。

 この老人が、ここの邪教の館の主人。

 館の内部は、やたらとねじくれた角をイメージした装飾が目立つ、悪魔的なデザインだ。

 やってることが相当倫理観に反するので、相応しくはあるんだけど。

 

 ここでは悪魔同士を合体させることが出来る。

 さっきも言ったけど。

 ……合体の素材にされた悪魔はどうなるのか?

 

 召喚者との契約が切れ、魔界に強制送還されるそうな。

 肉体が完全消滅してしまうために。

 

 悪魔の立場でいけば、たまったもんではないはずだ。

 だけど……

 

 ここに連れてこられて、文句を言う仲魔は存在しない。

 そういう契約だからだ。

 契約を結んだ以上、何をされても、させられても文句を言わない。

 そういう契約なのだ。

 

 ……悪魔に生まれなくて良かった。

 ここに来るたび、そう思ってしまう。

 

「今日も合体をお願いしたいの。3身合体で」

 

「畏まりました」

 

 そして。

 合体装置の前に連れてこられる。

 

 中央に大きな魔法陣。

 

 それを囲むように配置された、3つの台座。

 

 これが悪魔合体装置。

 

 真月がアームターミナルを操作し、3体の仲魔を召喚する。

 

『霊鳥召喚』

 

『魔神召喚』

 

『女神召喚』

 

 コマンド入力の後。

 3つの魔法陣が出現し、3体の仲魔が現れた。

 

 1つは……

 4本の足に、背中に巨大な翼を持つ、炎のような極彩色の、目の飛び出した霊鳥。

 霊鳥ガルーダ。

 

 2つ目。

 太陽のように光り輝く神の隼。

 魔神ホルス。

 

 3つ目。

 インドの女性の伝統衣装に身を包んだ、優しそうな女性。

 女神パールヴァディ。

 

「皆、合体ポッドに入って。台座の上に乗るの」

 

 真月は躊躇わず指示を出す。

 慣れたものである。

 

 召喚者の要望に、文句を誰も言わない。

 言われたとおりに、3つの台座に上っていく。

 

 そこに降りてくる合体ポッドのカプセル。

 

 カプセルが降りると同時。

 カプセル内に分解液が満たされていく。

 

 分解されていく3体の悪魔……。

 

 分解され、抽出された情報が、中央の魔法陣に集まっていき……

 

 魔法陣が、激しく明滅した。

 それと同時だった。

 

 魔法陣から激しい光の柱が立ち上がり、消えた後、そこには一人の女性が立っていた。

 物憂げな表情を浮かべ、白いローブのような衣装に身を包んでいる女性が。

 あの悪魔は……

 

 俺は真月を見る。

 真月は満足そうだった。

 ずっと、合体でこの悪魔を作りたかったのか。

 

 ……何なんだろう?

 

「……完成しましたが……本当によろしかったので?」

 

 館の主人は真月にそう確認をとってくる。

 何か問題があったんだろうか?

 

 真月はその言葉にも頷き

 

「分かってる。ちょっと私が扱うには強力過ぎて、契約内容に制限を掛けないとまともに召喚できないのは分かってる。それでも強力な切り札になるから、是非欲しかったの」

 

 そして満面の笑みを浮かべて、こう言い放ったんだ。

 

「……だって彼女は、オリンポス神話最強の女神なんだから!」




3身合体こそ合体の華ですわ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。