真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(忍)
メシア教徒の少女を2人、見送った。
ん~
「……意外と話が出来る子たちだったね」
「うん……内心こっちを悪魔の手先とか思ってたかもしれないけど」
話し掛けるときは、勧誘攻撃に遭う可能性も危惧してたんだ。
連中、そんなもんだろう、と。
だが、話しかけてみたら、だいぶ違った。
……偏見ってやつなのかなぁ?
いや、でも……
クルセイダーの連中は、敵以外の何物でもない奴らばかりだった。
それは断言してもいい。
でも、あの子たちは……
「忍」
そんなことをウダウダ考えていたら
「それでも、メシア教徒が私たちと敵対しているのは間違いないんだからね」
……そうだな。
それを忘れちゃ、いけないよな。
真月はこういう原則的なことはドライに考えられるんだ。
敵の事を知識として得ることには、偏見が無いんだけど。
……そういうところを尊敬しているし、俺は好きだったりする。
「……飲み屋がダメなら食べ物屋でいくしかないね。それも非メシア教徒が多い店が良い」
俺に釘を差した後、真月は気持ちを切り替えるようにそう言って、俺の前でくるくる回る。
「……メシア教徒はタブーの食べ物無いの? 豚肉とか、牛肉とか……」
「そういうのは無いかな。自称・最も進化した宗教らしいから、現代の感覚で不合理と思えることは無いんだよ」
なるほど……
そんな風に、真月とこれからの行動について話し合っていると
『……今日も神は私たちを見守っています。2年前のICBMは神の怒りでした。東京は一度浄化されねばならなかったのです……』
誰かの声が聞こえてきた。
だが、それは少し懐かしいもので……
「あ……これって……」
真月はキョロキョロして音源を探した。
それは、突き当りの袋小路。
そこに設置された大画面テレビ。
中で、可憐な少女が話し続けている。
『新宿のオザワの支配が弱まったそうです。これは、我々の神の意思が彼に伝わったということなのでしょうか?』
『六本木は死の街です。メシア教徒の皆さんは決して騙されず、賢者の対応を心掛けてください』
『池袋に天魔ヤマを使う少年悪魔使いが現れました。彼の目的が何なのか、今は不明です。はっきりするまでは皆さんは池袋に向かうことは控えましょう』
『新宿に住まう魔王パズスは、魔法の力を与えるという甘言を吐くそうです。しかし、騙されてはいけません。引き換えに要求されるのは寿命の半分です。決して、この悪魔の力を求めてはいけません……』
『悪魔の化身・ガイア教徒13人衆の一人、五味山葛夫の奴隷狩りが頻発しています。メシア教徒の皆さん、テンプルナイト団の警護なしの移動は控えましょう』
……こんな感じのニュースを、延々と垂れ流していた。
じっと、見入る。
何故かというと……
多分、このニュースは本当の事というか、信憑性が高いからだ。
根拠は、パズスのこと。
俺たちも、魔法関係でパズスに依頼しようとして、その代償がキツ過ぎたので諦めたクチなので。
確かに代償として「残りの人生の半分をいただこうか」と言われた。
で、ずっと見ていたら、真月が気づいた。
「……このニュース、私たちの事は何も言ってないね」
……そうだな。
俺もそう思ってた。
俺たちがメシア教に追い回される存在であるということは、決まっていることで。
だったら、信者全員に、真月の顔を周知しておいた方が色々都合がいい。
ならばこういうテレビで毎日真月の顔を映像として出せばいいのだ。
なのに、それをしていない。ということは……
「一般信者は、必ずしもクルセイダーほどはイカれてない?」
自分たちの神の召喚のために、信者でも無い女を誘拐してきて、生贄に捧げる
そんな行為はどうやったとしても正当化できない。普通は。
そして一般信者の多くは……
そんな行為を「神に身を捧げられるのだから喜ぶべきだ」と言い切れるほどはイカれてないのでは。
上の方もそれが分かってるから、あえて流していないのではないか。
そう、思うんだけど……
「そうかもしれないね」
真月が、俺の意見を肯定してくれる。
俺は彼女を見た。
……顔を隠していたマントの布を、ずらして外していた。
「……テンプルナイトはちょっと分からないけど、一般の人相手ならそんなに警戒しなくていいのかも」
そう言って彼女は、俺に向かってニコリとした。
原作だとプレイヤーの行動で、テレビの報道姿勢が変わるのよね。