真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(真月)
飲み屋から切り替えて。
食べ物屋を探していた。
おにぎり屋、おかゆ屋、肉料理屋……
色々あるけど、どこが相応しいんだろうか。
どこに行けば、非メシア系住民に会えるのか。
……わかんない。
そして。
広場に出た。
そこでくるっと見渡すと。
広場で炊き出しをやっていた。
……非メシア系住民がかなりいる。
どうかな?
★★★(メシア教徒の少女)
「皆さん! まだまだパンもおにぎりも数あります! 慌てないで落ち着いて整然と並んでくださーい!」
手でメガホンを作って叫ぶ私。
メシア教徒じゃない人って、すぐ取り乱してしまうから。
落ち着かせてあげないと。
「タオ」
親友のサホリがトトトと駆け寄ってくる。
見ると、空っぽになったケースを3つも抱えてる。
うわ、大人気だ。
「こっちもう売れちゃった」
「じゃあ次はこれをお願い」
新しいおにぎりのケースを渡す。
まだあるけど、売れるの速いなぁ。
私は大破壊前に家族でメシア教に入信したんだけど、正直良かったと思う。
メシア教は悪い人間が居ない。
皆信用できる。
だって聖典の内容を全て受け入れている人々なんだから。
それに。
格差とか、マウントだとか。
俗世間のくだらなくて汚らしい風習もない。
そして一番良かったと思ったことは。
すぐに良い人と引き合わせてもらえたことだ。
「タオ」
眼鏡を掛けた高身長の男性……
彼が私の夫。
適齢期になったとき、司教様の紹介で結婚したんだけど。
元々、人間の質が保証されているメシア教の環境。
だから、結婚生活に何の不安もなくて。
そのまま、夢に描いた生活をさせてもらっている。
幸せ……
あとは子供だけど、それはすぐに出来ると思うし。
何せ、私も彼も若いから。
……旧世界では、晩婚化なんて愚かしい状況だったけど。
メシア教ではそんな問題はどこにもなくて。
素晴らしい教えだと思う。
……全人類がメシア教徒になればいい。本気でそう思うんだ。
そうすれば、皆幸せになれる。
そのためにも、私たちはこうして毎日炊き出しや古着の仕分けなどの奉仕活動で、非メシアの人々を教化してあげないといけないの。
本物の人間の生き方は、メシア教に入信することで得ることが出来るんだ、ってことをね。
教えるために……
……あれ?
列に並んでる若い男性、何か見覚えのある人。
……ちょっと考えて……
あ!
確か、ちょっと前にこの街に飲み屋はないかと聞いて来た人!
★★★(忍)
メシア教の炊き出しに並ぶ……
何か少し抵抗がある。
俺ら、メシア教をほぼ潰すつもりで東京に来たんだよね……?
そんな団体がやってる炊き出しに並ぶ……!
なんかこれは……筋が通らない気が……
そんな中
嫁さんは、一緒に並んでいる非メシア教の男性と話していた。
「品川に行く場合はやはり六本木に行くしかないんですね」
「ああ、六本木の地下道を通らないと行けないんだ。今はね」
……うん。真月は頑張ってくれている。
それは素晴らしいことだと俺は思うんだ。
だけど……
「六本木への行き方分かるかい?」
「地図があれば欲しいところですね」
「それじゃあ……」
……ここで、俺は男の前で真月を抱き寄せ。
「正確な地図が手に入るところを教えていただけて、彼女の夫として感謝します」
そう、力いっぱい笑顔を作って感謝の意を示した。
……こういうことをやるたびに、思う。
俺、独占欲が強いんだなぁ……
すると
「……なんだ男つきか」
舌打ちまじりで吐き捨てるように言う。
それきり、男性は喋らなくなった。
真月は、俺と男性を見比べて。
しばらく何かを迷うような顔をして。
……最終的に黙った。
ああ……
彼女の中で何が行われていたのかが何か分かる。
自分からこの男性にもう一度話しかけて会話を続けるか……でもそれをすると旦那が不機嫌になる。
でも、地図の情報が……勿体ない。
……どうしよう?からの……
……無理かな。諦めよう。
これだろう。
うう……情けない。
「忍」
そんな俺に真月が話しかけてくる。
「……怒ってる?」
「怒ってないよ」
……これで謝られたら俺、立場無いんだけど。
★★★(真月)
……忍、不機嫌になってるみたい。
悪いことをしてしまったかも。
メシア教の炊き出しの列に並ぶのに抵抗があって、会話が疎かになっていたから、私がやらなきゃと思ったんだけど。
……浅かったなぁ……。
それきり、話さずに順番を待つばかり。
待っていたら、順番が来た。
「よろしくお願いします」
これまで炊き出しなんて行ったことないので。
無難にそういう挨拶をする。
「はい、どうぞ」
おにぎりを渡された。
パンとおにぎりという話だったが、今はおにぎりしかないのだろうか?
そう、思いながら顔を上げたら……
あ。
あのときの、飲み屋の話の女の子だった。
真Ⅴ、もう少しキャラの絡みが欲しかったよね。