真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(メシア教徒の少女)
(わっ、綺麗な人)
それが最初、私がその人を見たときの感想だった。
そういえばあの人、女性を連れていた気がする。
顔はよく見えなかったけど、その女性、こんなに綺麗な人だったのか。
……これは。
ちょっと思う。
この人、この男性のお姉さん?
……いや、そんなに齢は離れて無いか。
顔に共通点が無い気もするし。
じゃあやっぱり、この男性の恋人、だよね。
何の目的か分からないけど、フラフラこの東京を旅しているのかな?
二人で。
それは……ダメだな。
この人、多分私より年上だよね……?
そんな若い時間を遊ぶことに、自分のために使うなんてダメでしょ。
ちゃんと教えてあげなきゃ……
そう、私は既婚者の先輩として考えて
「ちょっといいですか?」
話しかけた。
「……なんでしょう?」
女性が答える。
私は友好的に聞こえるように
「ちょっとそこの喫茶店で話しませんか? お時間があるなら」
笑顔でそう言ったんだ。
★★★(真月)
……なんかメシア教徒に喫茶店に連れてこられた。
わりと綺麗な喫茶店。
破壊前の雰囲気を色濃く残している感じ。
落ち着いた雰囲気で、木製の上品なテーブルや、それに合わせた椅子が完全に風景として溶け込んでいる感じだ。
で。
私たち4人は、丸いテーブルを挟んで、4人で座っていた。
こっちに私と忍、向こうにメシア教徒二人、という布陣。
メシア教徒女がサッと動いて。
「おじさん、お茶を4人分お願いします」
「あいよ」
……コーヒーとかは無いんだ?
まぁ、無いかもしれないな。
そう思いながら、向こうのメンツを確認する私。
見た目は二人とも悪くない。
女の方は前髪ぱっつんのロングヘアで。
目がくりくりしてて可愛いし。
男の方は身長高くて、黒髪ショートの眼鏡男子。
見た目は非常に知的。このまま東大通ってても違和感ない感じ。
年齢はトントン?
で、メシア教徒だから、多分この二人夫婦だな。
だって、婚前交渉が犯罪だから。
結婚前に交際は多分しないはず。
男女が一緒に居るという事はそういうこと。
お茶を注文して。
ニコニコしながらメシア女
「おふたりは恋人ですか?」
……そんなことを訊いてくる。
何を言っているのかな?
「いえ、夫婦です」
言ってやった。
決めつけんな。
★★★(メシア女)
え……?
結婚しているのに、何フラフラしてるの?
ありえないと思う。
遊んでる場合じゃ無くない?
赤ちゃんは?
普通はそうでしょ?
私は毎日頑張ってるよ?
こんなところで遊んでる場合じゃないよね。
……全く。これだから誤った教育を受けて、誤った考えを持つに至った異教徒の人は……!
旧世界はそれで散々失敗してたよね確か! 聞いた話だけど!
これは説教するべき。不信心の罪に問われちゃうよ!
「……何で夫婦でそれだけ若いのに、家を持って腰を落ち着けて生活しないのですか」
まったく情けない……。
自分のことしか考えて無いんだね。子供ですか。
どうせ「いまはふたりがたのしいしー あかちゃんはまだいいかなー」なんて、頭悪い感じで、ひらがなで喋ってるんでしょ
「……えっと、理由があって旅をしてるんですけど」
すると異教徒女は強張った笑顔でそう返してきた。
★★★(真月)
この女……イカれてないけど……
ムカツク……!
なんというか、全面的に上から目線。
説教して改心させてやろうという気持ちがビンビン伝わってくる。
……ちょっと、言ってやりたいことが出てきた。
「……結婚して何年目ですか?」
勿論、笑顔で
「えっと、3か月目です」
……ふふん
たった3か月で、この私に?
「……私、2年目です。交際期間入れたら、結婚17年かな?」
メシア女、目を丸くしている。
……ざまぁ!
「失礼ですけど、3か月くらいしか結婚していないのに、一体結婚の何が分かるんですか?」
……言ってやった!
★★★(メシア女)
3か月で何が分かるんだ? ですって?
逆に問いたい! あなたに私たちの3か月の何が分かるのよ!
こっちは神に選ばれた夫婦だ!
一緒にすんなヴォケ!
それにそれに!
婚前交際はふしだらな行いなのに、婚前交際が長いことを誇るなんて!
堕落してる!
これだから異教徒は!
「……どうせこいつは自分にどれぐらい得があるか値踏みしての……」
17ひく2だから……
「15年だったんですよね? 知ってるんですよ? あなたたちは打算で結婚するんですよね?」
★★★(真月)
……打算で結婚する……だと?
そりゃ結婚を切り出したのは計算だったけど!
これから先、生きていられるかどうかは分からないんだ、って思ってたからね!
その前に忍のお嫁さんになりたかったんだ!
それを打算だと!? 許せない!
「何っが打算だッ! 酷い侮辱! 取り消して!」
ダンッ! とテーブルを叩いて立ち上がり。
右手の人差し指を突き付けて続けた。
「へえ、打算じゃ無いんだ? そのわりには我侭放題だよね?」
……この女、本性を隠さなくなったな!
冷笑を浮かべつつ、こう言ってきた。
「打算じゃないなら、その年齢で子供がいないのがおかしいのよ! どうせ、アタシまだ若いんだし、子供は産みたくないわ。いえ、むしろ子供なんて要らなくない? とか舐めたことを男性に要求しているんでしょう!」
……ああ?
私が子供を作るのに躊躇しているの、全部お前らのせいなんだが?
この女……!
私はムカつきまくった。ムカついたせいで……
「やることやっとるわ!!」
と、忍を指差して言ってしまった。
……すると
「なんて破廉恥な……」
急に、眉を顰めた感じで、私の事を信じられないものを見る目で見てくる……。
ぷちっ
★★★(忍)
突然真月が席を立ち、メシア教徒の女の方に掴みかかろうとした。
慌てて俺はその身体を後ろから抱き締め、押さえる。
「真月! 落ちつけ!」
「忍! あいつを殴らせて! 一度ボコボコにしてやる!」
……彼女は怒りのあまり涙を流しそうな勢いで、酷く血が上っていた……。
タオの性格が悪すぎる(ええんかい)