ゼンガーみたいな立ち位置の女が生きるシンフォギア世界 作:のうち
第1話
特異災害対策零課――
風鳴訃堂が率いるこの部隊は、かつて「聖遺物兵装試験運用部隊」と呼ばれていた。始まりは、風鳴翼による偶然の聖遺物アメノハバキリの欠片の起動だった。それを契機として、特異災害・ノイズに対抗する兵器の開発計画が極秘裏に始動する。櫻井了子が開発したFG式回天特機装束、通称《シンフォギア・システム》。それは、人と聖遺物を融合させ、音楽を力と変える異形の武装だった。
この零課は、シンフォギアの評価試験と運用実績の収集を目的に設立された。システムが正式採用される以前から、風鳴翼が装者として実戦投入されるまでの期間を支えた、影の功労者とも言える部隊である。
部隊を構成するのは、厳選された適合者3名と、それを支える技術者たち――
アサルト1:エレナ・ゾンボルト
アサルト2:エクセレン・ブロウニング
アサルト3:南部ミヤコ
開発責任者のレモン・ブロウニング博士、武装設計のマリオン・ラドム博士、そして指揮を執るのは元海上自衛隊・二等海佐、水無瀬大鉄。
物語は、風鳴翼が表舞台に立つ少し前――
零課の3人が実戦任務に投入されるところから始まる。
「アサルト1、応答せよ。浅間山にノイズ出現。直ちに現場に急行せよ」
「こちらアサルト1。これよりノイズ掃討に入る。アサルト2、3、私に続け。降下開始、ギア展開」
「アサルト2了解よ〜!」
「アサルト3了解。……ってその喋り、どうにかならないのか?」
「口を慎め。油断は禁物だ。――降下する」
轟音と共に、三人はヘリから地上へと舞い降りる。
空中で詠唱を唱え、彼女たちはそれぞれの《ギア》を展開する。
・アサルト1《ソハヤノツルギ》
・アサルト2《ミストルティン》
・アサルト3《ゲイボルク》
三者三様のプロトタイプ・シンフォギアが聖遺物の力を解き放つ。
「チェストォォォ!!」
エレナが放った横薙ぎの一撃が、前方のノイズを一掃する。
「ちょいやさ、あ、それ、いただき!」
空中を縦横無尽に跳ねるエクセレンは、舞うような動きでノイズを撃破していく。
「どんな相手だろうと、打ち貫くのみ!」
ミヤビは冷静にリボルバーバンカーを突き立て、ノイズを粉砕した。
戦闘は数分で終息。制限時間を超えたノイズは消滅する。
「掃討完了。回収ヘリを待つ」
「終わったわね、ボス!」
「アサルト2、今は任務中。コードネームで」
「いや、構わん。任務は完了した。好きに呼べ――エクセレン、ミヤビ」
「ボスってば、やっぱり話がわかる!」
「すみません、それじゃあ……エレナ隊長」
「……もう我らが結成されて二年か」
「なんだかんだでいいチームよね。ねえ、ミヤビ」
「……あまり抱きつかないでちょうだい。暑苦しいわ」
「ハニーったらいけずぅ。夜のほうが熱いくせにぃ〜」
「次、その話題を口にしたら寝かさないから」
「その手の話は私室でやれ。ヘリが来るぞ」
三人は軽口を交わしながら、迎えのヘリへと向かう――
零課本部――
三人を出迎えたのは、技術陣のレモンとマリオンだった。
「ご苦労さま。無事で何よりね、エレナ」
「ただいま帰還しました。ブロウニング博士、ラドム博士」
「だから“レモン”でいいって何度も……まあいいわ。ログ、見せてもらえる?」
「先に汗を流してきてちょうだい。報告書が上がったら、今日は上がっていいってダイテツ司令のお達しよ」
「了解しました」
シャワーを終えたエレナが執務室に向かうと、そこにいたのは――
「エクセレン! 何度言えばわかる!? バスタオル1枚で執務室をうろつくなと!」
「あん、ボスったら堅いなぁ」
「……まったく。報告書を提出したら今日は終わりだ」
「やった! じゃあ急いで書かないと!」
「その前に服を着ろ」
そこにミヤビが入室する。
「エレナ隊長。ダイテツ司令が、お呼びです」
「そうか。お前たちは報告書を私の机に。……エクセレン、今度こそミヤビの報告書を丸写しにするな」
「了解よ〜」
「しっかり監視しておきます」
「頼んだ」
エレナは真顔でそう言い、司令室へと歩いていった――
エレナ・ゾンボルト
今作の主人公、ドイツ出身の26歳
零科の試験部隊の隊長、プロトタイプシンフォギア、ソハヤノツルギの奏者であり、薩摩示現流の免許皆伝の腕前を持ち、アメノハバキリの奏者になった風鳴翼の戦闘訓練などを行うことになり、零科解体後、ニ課の配属となった。零科時代のコードネームはアサルト1
シンフォギア解説
ソハヤノツルギ
坂上田村麻呂の持っていた剣、星と一緒に生まれたとされ、大嶽丸をはじめとした坂上田村麻呂の怪物退治の伝説には必ず登場する剣で人ならざるものに対して絶対の殺傷力を有する。
ギアのアンダースーツは黒で、赤いジャケットを上に着ている。インカムタイプであり、長い銀髪をゆっている。
アームドギアは大太刀でエレナ自身のいち早く扱いやすい武器となっていて、魂の剣と言うほどにその刀に対して思い入れが深い。