ゼンガーみたいな立ち位置の女が生きるシンフォギア世界 作:のうち
響side
皆さん、こんにちわ。立花響です。現在、私は未来に事情を説明するべく言葉を尽くしているのですが。
「未来。聞いてほしいんだ、私・・・。」
「どうせまた嘘つくんでしょう。」といって
二段ベッドの下の段に入ってしまう未来。
「ごめん・・・。」
未来から返事はありません。
「・・・。」
正直に言って自業自得とはいえ、この態度は落ち込みます。
写真たてに入った写真に写る私と未来をみて、はぁーと心の中でため息をはくのでした。
響side end
了子side
(装着した適合者の身体機能を引き上げると同時に、
体表面をバリアコーティングすることでノイズの侵食を阻止する防護機能。
さらには別世界にまたがったノイズの在り方をインパクトによる固有振動にて調律。
強制的にこちら側の世界の物理法則下に固着させ、
位相差障壁を無効化する力こそシンフォギアの特性である。
同時に、それが人の扱えるシンフォギアの限界でもあった・・・。シンフォギアから解放されるエネルギーの負荷は容赦なく奏者を蝕み、傷つけていく。
その最たるものが絶唱。
人とシンフォギアを構成する聖遺物とに隔たりがある限り、
負荷の軽減は、およそ見込めるものではない、と・・・。私の理論でも結論づけている。唯一、理を覆す可能性があるならば・・・。それは立花響。人と聖遺物との融合体第1号。天羽奏と風鳴翼のライブ形式を模した起動実験で、オーディエンスから引き出され・・・。さらに引き上げられたゲインによりネフシュタンの起動は一応の成功を収めたのだが・・・。
立花響は、それに相当する完全聖遺物・・・デュランダルの起動にただ一人の力で成功する。
人と聖遺物が一つになることで更なるパラダイムシフトが引き起こされようとしているのは、疑うべくもないだろう。
人が負荷なく絶唱を口にし、聖遺物に秘められた力を自在に使いこなすことが出来るのであれば・・・。それは遥けき過去に施されしカストディアンの呪縛から解き放たれた証。真なる言の葉で語り合い、ルル・アメルが自らの手で未来を築く時代の到来。
過去からの超越・・・。)
了子side end
リディアン音楽院
「このように、音楽が辿ってきた軌跡もまた、立派な歴史を言えるのです。」
授業中、しかし、響は未来のことが気になって集中出来ていない。
「私たちはこれを音楽史と称し、研究対象として扱ってきました。」
と教科書を読んでいると、授業そっちのけで惚けている響を見つけて声をあげる。
「立花さん!」
「は、はい!」
「教科書の続きを読んでごらんなさい!」
「すみません・・・。ぼんやりしてました・・・。」
「最近ひどくなっていませんか? 遅れているレポートも今日の放課後までには提出するように!
いいですね?」
「はい・・・すみません。」
お昼休み。一人でご飯を食べている未来。
「ここ、いいかな?」
返事はありません。しかし、響は座りました。
黙々と食事を続ける未来。
しょんぼりする響。
ラーメンにも手を付けられません。
「あのね、未来、私・・・。」
と話しかけようとする。
「何だかいつもと雰囲気が違うのですが・・・。」
とそんな響を見て、友人3人のうちの1人寺島詩織が声をかける。
「あっ。」
「どういうこと? よくわかんないからアニメで例えてよ。」
「これはきっとビッキーが悪いに違いない。ごめんね未来。この子バカだから許してあげてね。」
「そういえばレポートのことを先生が仰ってましたが・・・。」
「提出してないの、あんた一人だってね。
大した量じゃないのに何やってんだか・・・。」
「あはは・・・。」
「ビッキーってば、内緒でバイトとかしてるんじゃない?」
「っ!」
「えーっ!? 響がバイト!?」
「それってナイスな校則違反では?」
ガタン!
突然未来が立ち上がり、そして、そのまま走り去る。
「未来!」
顔を見合わせる3人。
未来の後を追いかける響。
(私が悪いんだ・・・!)「・・・・未来。」
「・・・。」
「ごめんなさい。」
「どうして響が謝ったりするの?」
「未来は、私に対して隠し事しないって言ってくれたのに、私は未来にずっと隠し事してた。私は・・・。」
「言わないで!」
「っ・・・。」
下を向いたまま、響に向かって歩いてくる未来。
「これ以上・・・。私は響の友達でいられない・・・。」
「ごめん・・・!」そう言って、涙を流しながら、
去っていく未来。
バタン!
「どうして・・・こんな・・・・。イヤだ・・・・イヤだよぉ・・・・。」
フィーネside
同日の早朝、森の洋館
『たしかにこちらからの依頼ではあるけれど、仕事が杜撰すぎると言っているの。
足がつけばこちらの身動きが取れなくなるわ。まさか、それもあなたたちの思惑というなら・・・。』
『神ならざる者がすべてに干渉するなど不可能。お前自身が一番わかっているのではないか。』
フィーネが電話をしていると
バタン!
勢いよく扉の開く音がした。
「?」
開いた扉の入り口にはクリスがいた。
「あたしが用済みって何だよ!?」
と開口1番にそういうと更に言葉を続ける。
「もう要らないってことかよ!? アンタもあたしのことを物のように扱うのかよ!?」
「・・・。」
「頭ん中グチャグチャだ!何が正しくて何が間違ってるのかわかんねーんだよ!!」
ガチャン。
電話を切る。
「どうして誰も、私の思い通りに動いてくれないのかしら・・・。」
フィーネはソロモンの杖を発動。ノイズが出現。
「っ!?」
首に下げた、イチイバルのネックレスを手にとって、
「・・・・。」
「さすがに潮時かしら。」
「っ!?」
「そうね。あなたのやり方じゃ争いを無くすことなんて出来やしないわ。せいぜい一つ潰して、二つ三つ、新たな火種をばら撒くことくらいかしら。」
「あんたが言ったんじゃないか! 痛みもギアもあんたがくれたものだけが・・・。」
「私が与えたシンフォギアを纏いながらも、屁ほどの役にも立たないなんて・・・。そろそろ幕を引きましょうか。」
フィーネの持っていたネフシュタンが光り、鎧を纏う。
「っ!?」
「私も、この鎧も不滅。未来は無限に続いていくのよ。
カ・ディンギルは完成してるも同然。もうあなたの力に固執することはないわ。」
「カ・ディンギル・・・? そいつは・・・?」
「あなたは知りすぎてしまったわ。フフ・・・。」
「っ!?」
その言葉に危険を感じ
フィーネの屋敷から出たクリス。
しかし、フィーネは追いかけてくる。
「フハハハ!」
「ちくしょう・・・・。ちくしょーーーーーー!!」
と森にクリスの絶叫がこだまするのだった。
今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。