ゼンガーみたいな立ち位置の女が生きるシンフォギア世界 作:のうち
リディアン音楽院となりの病院
メディカルチェック中の翼。
「お疲れ様。チェック終了です。ダメージは完全に回復です。」
「ただいま、奏。」
翼は医師から自分の体が正常な状態であることをつげられ、安堵の表情を浮かべる。
晴れて、二課の協力員となった未来はリディアン地下の二課本部に案内されていた。
「わぁ・・・。学校の地下にこんな基地やシェルターが・・・。」
ちょうどそこに翼とミヤビ、現マネージャーの緒川慎司がいた。
「あっ! 翼さん!」
「立花か。そちらは? 確か、協力者の・・・。」
「こんにちは、小日向未来です。」
「えっへん。私の一番の親友です。」
「立花はこういう性格ゆえ、色々と面倒をかけると思うが支えてやってほしい。」
「いえ、響は残念な子ですので。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします。」
「え? 何? どういうこと?」
「響を介して、二人が意気投合してるということだ。」
「むー・・・。はぐらかされた気がする。」
「ウフフ。」
「ふふ。」
(変わったのか、それとも変えられたのか・・・。最初に隊長に紹介された時とは大違いだな。)
「でも未来と一緒にここに居るのは、なんかこそばゆいですよ。」
「小日向を外部協力者として二課に移植登録させたのは司令が手を回してくれた結果だ。それでも不都合を強いるかもしれないが。」
「説明は聞きました。自分でも理解しているつもりです。不都合だなんて、そんな・・・。」
「あ、そういえば師匠は?」
「ああ。私たちも探しているのだが・・・。」
「あら、いいわね。ガールズトーク♪」
「どこから突っ込むべきか迷いますが、とりあえず僕を無視しないでください。」
「了子さんもそういうの興味あるんですか?」
「もちのろん!私の恋バナ百物語を聞いたら夜眠れなくなるわよ~。」
「まるで怪談みたいですね・・・。」
「了子さんの恋バナ!?おっとおっとりメロメロオシャレでオトナな銀座の恋の物語~♪」
「はぁ・・・。」
「そうね・・・。」
キラリーン!
「遠い昔の話になるわね・・・。こう見えて呆れちゃうくらい一途なんだから。」
「「おぉーーー!!」」
「意外でした。櫻井女史は恋と言うより研究一筋であると・・・。」
「命短し恋せよ乙女って言うじゃない。それに女の子の恋するパワーってすごいんだから。」
「女の子ですか・・・。」
ガン!
「わっ!」
了子さんに殴られました。
「私が聖遺物の研究を始めたのも、そもそも・・・。あっ・・・。」
「「うんうん! それで?」」
「あ・・・。ま、まあ・・・。私も忙しいから、ここで油を売ってられないわ。」
「自分から割り込んできたくせに・・・。」
ガン!
今度は蹴られて倒れる緒川さん。
「緒川さん!」
「とにもかくにも、出来る女の条件はどれだけいい恋してるかに尽きるわけなのよ。」
「大丈夫ですか? しっかりしてください。 緒川さ~ん? 生きてますか~? 傷は浅いですよ~。」
「ガールズたちも、いつかどこかでいい恋、なさいね。んじゃ、バッハハーイ。」
「聞きそびれちゃったね。」
「うーん・・・ガードは固いか・・・。でもいつか、了子さんのロマンスを聞き出して見せる!、でもとりあえず今はミヤビさんはどんな恋をしていたんですか?」
「・・・、そういうことは、エクセレンにでも聞いてちょうだい。」
とミヤビもその場を後にした。
(らしくないこと、言っちゃったわね・・・。変わったのか・・・それとも・・・。変えられたのか・・・。)
一方そのころ、返却期間をすぎていたためにTATSUYAの帰り
雨の中歩く、弦十郎
その手にはTATSUYAとコンビニの袋があった。
そして、見上げたその先には・・・。
古い廃屋となったマンションがあった。
「司令、まだ戻ってきませんね。」
「メディカルチェックの結果を報告しなければいけないのに・・・。」
「次のスケジュールが迫ってきましたね。」
「もうお仕事入れてるんですか!?」
「少しずつよ。今はまだ慣らし運転のつもり。」
「じゃあ、以前のように過密スケジュールじゃないんですよね?」
「ん・・・?」
「だったら翼さん、デートしましょ!」
「デート!?」
翼は響の突然の申し出に驚きを隠せなかった。
それから視点は弦十郎に戻る。
古いマンションの一室食べ散らかされたゴミが散乱していました。
その部屋はクリスが潜伏していた場所であった。
ぐぅ~・・・。とお腹が鳴らすクリスがそこにはいた。
「ほらよ。」
弦十郎はクリスに自分の持ってきたコンビニの袋を渡す。
「っ!」
突然、現れた弦十郎に警戒の表情を見せる。
「応援は連れてきていない。俺一人だ。」
「っ!!」
弦十郎のその言葉にさらに警戒を強める。
「君の保護を命じられたのは、もう、俺一人になってしまったからな。」
「どうしてここが?」
「元公安の御用達の牙でね。慣れた仕事さ。差し入れだ。」
「っ!?」
だが警戒するものの、お腹は鳴ってしまう・・・。
弦十郎は袋からアンパンを出して一口食べる。
「何も盛っちゃいないさ。」
「っ!」
パンを奪い取るクリス。
「バイオリン奏者、雪音雅律とその妻、声楽家のソネット・M・ユキネが、難民救済のNGO活動中に戦火に巻き込まれて死亡したのが8年前。残った一人娘も行方不明になった。その後、国連軍のバル・ベルデ介入によって事態は急転する。
現地の組織に捕らわれていた娘は発見され、保護。」
弦十郎は今度は牛乳を取り出し一口飲んで渡す。
「日本に移送されることになった。」
「ふん。よく調べているじゃねえか。」
牛乳を一口飲んで。
「そういう詮索、反吐が出る。」
「当時の俺たちは適合者を探すために音楽界のサラブレッドに注目していてね。
天涯孤独となった少女の身元引受先として手を上げたのさ。」
「ふん。こっちでも女衒かよ。」
「ところが少女は帰国直後、消息不明。俺たちも慌てたよ。二課からも相当数の捜査員が駆り出されたが、
この件に関わった者の多くが死亡。あるいは行方不明という最悪な結末で幕を引くことになった。」
「何がしたい? おっさん。」
「俺がやりたいのは君を救い出すことだ。」
「っ!?」
「引き受けた仕事をやり遂げるのは大人の努めだからな。」
「ふん! 大人の努めと来たか!」
「・・・。」
「余計なこと以外は、いつも何もしてくれない大人が偉そうに!!」
牛乳を投げ捨てたクリスは、そのまま走り出し・・・。
弦十郎が立ち上がる前に窓を破って、外に飛び出す。
「Killter ichiival tron」
空中で聖詠を唱える。
「っ!」
変身したクリスはそのままどこかへ行ってしまいました。
「・・・・。」
外に出た後、電柱の上で立ち止まったクリス。
(あたしは何を・・・?)
今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。