ゼンガーみたいな立ち位置の女が生きるシンフォギア世界 作:のうち
10日後、修理されたライブ会場。
当日リハーサル終了後の楽屋にて
「リハーサル、いい感じでしたね。」
パチパチパチ。
「トニー・グレイザー氏。」
「なかなか保留にしていた件でのお返事がいただけなかったもので、直接、交渉に伺わせていただきました。いやはや、ミスゾンボルトのこと、大変残念でした。」
世間ではエレナは交通事故に遭い、現在もiICUにて治療が続いているということになっている。
「ええ、ありがとうございます。社長もいまだICUから出ることは出来ませんが、Mr.グレイザー。移籍の件については正式に・・・。翼さん?」
「もう少し時間をいただけませんか?」
「つまり、考えが変わりつつある、と?」
「・・・。」
「そうですね。今の君が出す答えであれば是非聞かせていただきたい。今夜のライブ、楽しみにしていますよ。」
「・・・・。」
会場には多くの観客が集まって来ました。
そんな中、響は一人走っていました。
「せっかくチケットもらったのに・・・開演に遅れそう。」
電話が鳴りました。
「っ!はい、響です。」
『ノイズの出現パターンを検知した。今、ミヤビとエクセレンが現場に急行している。翼や奏にはこれから連絡を・・・。』
「師匠!」
『どうした?』
「現場には私が行きます。。今日の翼さんと奏さんは自分の戦いに望んで欲しいんです。あの会場で最後まで歌い切って欲しいんです。」
『っ!』
「お願いします。」
『やれるのか?』
「はい!」
いよいよ翼のステージが始まる。
観客の歓声が上がる。
巨大なノイズ。
響は・・・。
急いで現場に急行。
現場で戦っていたのはクリスでした。
「うわぁっ!!
吹き飛ばされるクリス。
再び、ノイズの砲撃!
倒れているクリスに迫る。
響が登場!
「っ!?」
右手のバンカーを伸ばす響。右手に力を集中して・・・。
突撃!イズの間を縦横無尽に駆け巡り・・・。
一気に殲滅!
響の後ろに巨大ノイズが!
砲撃!
「っ!!」
クリスの援護射撃。
「貸し借りは無しだ!」
「っ・・・。」
ノイズの砲撃!
響はジャンプして躱す。
右手のバンカーを伸ばして。
「たあああああああっ!!」
面を思いっきり殴る。
地面を伝ったエネルギーがノイズを蹴散らし、
大型ノイズをよろめかせる。
また右手のバンカーを伸ばす。
「うううううう・・・!」
もっと伸ばす!
クリスの援護射撃。
巨大ノイズに向かってジャンプ。
振りかぶって・・・パンチ!
巨大ノイズを貫く!
一方、会場では
翼の復帰ライブは無事に終わりました。
観客は大歓声を上げる。
響も無事にノイズを倒せました。
そして現場に到着したエクセレンやミヤビも参戦し、着々と残りのノイズを残滅していくのだった。
「ありがとう、皆!今日は思いっきり歌を歌って、気持ちよかったの。」
トニー・グレイザーは真剣な目で見ている。
「こんな想いは久しぶり。忘れていた。でも思い出した。私はこんなにも歌が好きだったんだ。聞いてくれる皆の前で歌うのが大好きなんだ。もう知ってるかもしれないけど、海の向こうで歌ってみないかってオファーが来ている。
自分が何のために歌うのか、ずっと迷ってたんだけど・・・。今の私は、もっとたくさんの人に歌を聞いてもらいたいと思っている。
言葉は通じなくても歌で伝えられることがあるのなら。
世界中の人に私の歌を聞いてもらいたい。」
観客は大歓声をあげる。
未来も拍手していました。
「私の歌が誰かの助けになると信じて皆に向けて歌い続けてきた。だけどこれからは皆の中に自分も加えて歌って行きたい。だって私はこんなにも歌が好きなのだから。たったひとつのワガママだから、聞いてほしい。許してほしい。」
『許すさ。当たり前だろ。』
とその声がスピーカーから聞こえる。
「っ!?」
その声に驚きが隠せないとステージの昇降機から奏が現れる。
「スペシャルゲストさ、お前の旅立ちを祝うために、ツヴァイウィング一日限りの復活だ!」
と曲の前奏が流れる。
観客は翼の名前を叫んで応援してくれる。
翼の目から涙が零れる・・・。
「ありがとう・・・。」と翼と奏は月光のフリューゲルを歌うのだった。
「Mr.グレイザー。」
「君か。少し早いが今夜は引き上げさせてもらうよ。これから忙しくなりそうだからね。」
「っ!風鳴翼の夢を、よろしくお願い致します!」
「ハハハハハ・・・。」
路地裏のゴミ箱を蹴り飛ばすクリス。
「あいつは敵だぞ・・・! なのにどうして助けちまった!?う、フィーネ・・・。ちくしょう・・・!」
自分でも自分の行動がわからず、がっくりと膝を折るクリス。
今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。