ゼンガーみたいな立ち位置の女が生きるシンフォギア世界   作:のうち

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第4話

トロンベ、昼間はカフェ、夜はバーとして営業する。マスターの料理の腕が評判を呼ぶ人気店となっている。

 仕事を終わらせた3人は行きつけのバートロンベにやってきた。

 

  「お前達か、よくきたな。」

店内に入ると長い金髪を三つ編みで後ろにまとめてオレンジのサングラスをかけたバーテンダーの格好をした女性にエレナが話しかける。

 

   「ヴァレリー、今日もお邪魔する。」

 

「気にしないで、それでエレナはいつものでいいかしら。」とカウンター席に座って手慣れた様子で注文をする。

 

  「はい、エスプレッソ」

 

 「すまない。」

 

 「まったく、ボスったら相変わらず弱いんだから、ヴァレリーさん、私はヴァイスリッターをお願い。」

 

 「私はバーボンロックで」とそれぞれ注文して行く。

 

  「それで今回は何の祝いごとなの?」

 

   「いや、今日は」

 

 「もうじき、うちの課が解体になるからそれの送別会みたいなところかな。」

 

 「そうなの?、期間限定の部署とは聞いてたけど随分と長く続いたわね。それじゃあ、その後は皆、元の部署にもどるの?」

 

「人事が動くことは確定事項だけどどうなるか。分からないわね。」

 

  「そう、何にしても、苦労さま」

 

  「ああ、ありがとうヴァレリー」

 

  とその夜は静かにふけていった。

 

 そして翌日、正式に年内中の零科の解散が発表され、その2週間後、正式な人事が内示された。

 

 零科執務室にて3人は自分達の人事について話していた。

 

   「ミヤビは人事どうだった。」

 

  「機動一課に配属されるみたい。エクセレンは?」

 

  「私は一応、二課の戦闘員かな。ボスは」

 

   「私はニ科のシンフォギア装着者の教官だ。」

 

   「ボスが後進を育てるなんて意外ね。」

 

 「使っているギアのせいもあるのだろうな。そういえばレモンやラドム博士もニ課の開発室に配属になるらしい。」

 

   「私だけ、仲間はずれな感じね。」

 

 「まあ、私達は一緒に住んでるんだし、離れ離れって訳じゃ無いんじゃないの、場合によってはニ課と一課の連携は必要になって来るんだし、連絡役も必要よね。」

 

 「これに従って我々のギアは封印となり、以後の管理はニ課の櫻井女史の預かりとなるだろう。」

 

  「プロトタイプと言ってもシンフォギアですからね。」

 

  「しょうがないっちゃ、しょうがないか。」

 

  とそんな会話をしながら、残務処理に明け暮れる日々を過ごした。

そして等々、移動先に出勤する日がやって来た。

 

 機動二課の本部へと出勤したゼルマは、係のものに案内されて司令室へと通された。

  「エレナ・ゾンボルト、本日より起動対策ニ課の配属となりました。お久しぶりです。風鳴司令」とエレナは司令である風鳴訃堂に着任の挨拶をする。

 

  「うむ、不詳の孫娘だがよろしく頼むぞ。」

 

  「了解しました。」とエレナは訃堂に書類を渡され、書類に書かれていた場所、風鳴本亭へと向かう。

 目的地につくと屋敷のものからある部屋の前へと案内される。

  そしてその部屋に入ると1人の少女が座っていた。

こちらに気付くとペコリと会釈をする。

 

 「アメノハバキリのシンフォギア奏者となりました。風鳴翼です。本日より、剣の指南役を引き受けてくださると聞きました。何卒よろしくお願いします。」

 

 「いや、そんなにかしこまらずとも良い、知っていることとは思うが私はエレナ・ゾンボルト、今日からしばらくの間、お前を鍛える為にやって来た。」

 

  「よろしくお願いします。エレナ少佐。」

 

 「私の階級も知っているとは、だが少佐だったのはずいぶんと前の話だ。今は日本の防衛組織の下っ端に過ぎない。エレナで構わん。」

 

  「いえ、年上の方には礼儀をしっかりとしないと」

 

 「子供がそんなことを気にしなくてよい、さて今日はさっそくだが、お前の腕前が見たい、道場に案内してもらえるか。」

 

  「わかりました。」と翼は立ち上がり、エレナを先導して、道場へと案内され、お互い竹刀を持って剣を交えることにした。

 

  「打ってこい。指導するにもまずはそれからだ。」

 

 「お願いします。たぁぁっ!」と翼は竹刀を持って斬りかかるがエレナはそれを横に払い竹刀をはたき落とした。

 

「ふむ、その年にしては中々、鋭い、だがまだまだ、踏み込みが甘い、お前の全ての技術を持ってかかってこい!」

 

そしてエレナと翼の稽古が始まってから、2時間

 

(どうして、攻撃が入らない、それどころか相手は攻撃すらしてこない。)翼は正直侮っていた。戦闘訓練をつけてくれる教官が剣を使うことを聞いた時、そしてその教官が外人であるということ、薩摩示現流という流派の使い手であるということしか知らなかった。

  

 剣の扱いに関してならば父の八紘や祖父の訃堂には及ばないまでもそんじょそこらの剣士よりはずっと強いと思っていたからだ。

 

 「お前は父親や祖父に敵わずとも並の剣士ならと思っているのだろう。確かにお前の考えもあながち間違いではない、並の剣士であれば、お前の足元にも及ばないだろう。だがお前の悪い部分はその視野の狭さだ。これまでの風鳴本家から出たことのないお前こそが自身の視野を狭めているのだ。」

 

 

  「それでは、貴女なら私を変えることが出来るというのか!、貴女なら」

 

 「それはお前次第だ。お前が研鑽を重ね、自らの力で勝ち取るのだ、剣の勝敗は、自分の剣に魂をのせられるか、いなかだ。お前の剣には魂も何もかも乗っていない!」とエレナは翼の問いにそう答える。

 

 「答えを見つけたくばかかってこい、風鳴翼!」

 

 翼はエレナのその言葉に自然と竹刀を強く握りしめるのだった。





キャラ紹介

ヴァレリー・フォン・ブランシュタイン
 ドイツ出身の女性で元軍人、エレナとは軍人時代の同僚であり、ドイツがバルベルデから撤退する前に本国へと帰還していた。
ドイツが親友のエレナを置き去りにしたこと機会に軍から退役し日本に移住、昼間はカフェ、夜間はバーとして営業する。トロンベという店を経営している。店の宣伝の目的でテレビに出演、料理番組などで優勝などし続けた結果、料理番組のご意見版としてテレビに出ることもある。そして夜の時間帯はバーを経営する傍ら軍時代の人脈や実家が貴族の家系であるためそこからの人脈で仕入れた情報を扱う情報屋としても機能している。
射撃が得意
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