アーマードコア6 ~621レイヴンと622梟~   作:正海苔

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お気に入りが増えてる…珍しい。




オヌシナニモノ。アイアム異邦人なり

先の武装ヘリとの戦闘で勝利し。約束通りウォルターに雇ってもらえた。

アウルは、621と共にウォルターが操縦する。武装ヘリ以上の大きさを持つ拠点型輸送ヘリに乗り込んだ。

 

「ウォルターさん…問題発生!」()

「なんだ?622」

「これ621を先に入れないといけないや。この機体、後部が長いんだよね。どうしようか?」

 

ウォルターは、622の機体を眺めると……。

機体は、黒に統一した塗装。コアパーツに描かれているエンブレムは"羽ばたくフクロウと砂時計"という変わったデザインで、確かにウォルターが知る限りでは見たこともない機体構成であった。

後部側のキャタピラ部品が、前側と同じ長さとわかると……

 

「どうにかなるな……。早く積みこめ」

「了解」()

 

機体幅ギリギリで、622の機体を積み終えると、ハッチは閉鎖。機体は上昇し何処かえ飛び始めた。

 

「ヘリは上昇したな、機体ロックも完了した。稼働式昇降台を呼ぶか」

稼働式昇降台を呼ぶと、コクピットハッチを開き。ヘルメットを脱ぎ、AMSケーブルを解除して。胸元にGAグループの刺繍が施された紺色のジャケット羽織り昇降台へ移動した。

降り立つとその正面には、621こと"レイヴン"の機体が見えた。

 

「中量二脚型のACか……なるほどね」

 

白髪の老人らしい人物はウォルターと確認出来た。そして621のコクピットから。灰色のスーツを着て、肩まで伸びた銀髪、黒の首輪(・・)した女性が、ウォルターのサポートで起き上がろうとしていた。

アウルは背負っていたバックパックを壁際に置き、621の機体へ歩いて行き、そして彼らに向けて声をかけた。

 

「ウォルターさん。その人は?」

「君が622か、この子が621だ。首についてるのは声帯補助デバイスだ。電子音声でだが、声を発することができる。感情と表情は。まぁ、勘弁してくれ」

「わかりました。手伝います」

「助かる」

 

ここで初めて、621を見ると体のいたるところは生々しい傷跡が残り。目は真紅のように紅く、20代であることが見てわかった。

 

「622、先ほどの戦闘で、お前のACコールサインはわかった。本名は?」

「あなた・・・名前は?」

 

そのとき、車椅子に座るレイヴンも同じように知りたがっていた。

 

「俺はベイリン……ベイリン・ジャクソン。仲間からは"ベル"と呼ばれております。よろしく」

「わかった。公の場では、ベルで呼ばせてもらう」

「ベル……よろしくね」

「こちらこそ、レイヴン」()

 

レイヴンは、ベルの後ろにある機体に目を向いていた。余程珍しいのか、まじまじと見ていた。

 

「あの機体が、そんなに珍しいのか?」

「うん」

 

レイヴンは首を縦に振った。

 

「ウォルターさん、近くまで見せても構いませんか?」

「あぁ、構わん」

「ありがとう。ベル」

「これぐらいお安い御用だ」

 

こうしてレイヴンは、ベルとウォルターの承諾を得て。アウルの機体を見せてもらえて目をワクワクさせていた。ウォルター自身も彼の機体構成と、これまで見た事ない兵装やシステム、弾薬などの類の説明を聞いていた。

 

ウォルターはこの機体を見てこう思った。622の言葉を借りるならこの機体は「重量とEN出力増加、対EN防御を落とした代わりに、対実弾、対爆防御、携行兵装積載量、索敵に特化した動く城塞」であろう。

だが、621のような二脚型。あるいは四脚型と組ませるなら問題は無いと判断した。622が保有する兵装はすべて装備可能(・・・・)ということがわかり。

簡単な説明を終えると、ウォルターは車椅子に座る621をそのまま医務室へ連れて行き。622ことベルは、ウォルターからあてがわれた空き部屋に向かい荷物を置き。そのままベッドに転がり睡魔に襲われて寝てしまった。

 

2日後、彼らはルビコン3における傭兵活動をバックアップする為の専用拠点(ガレージ)で生活していた。

ウォルターの話によると、ルビコン3に展開、活動した独立傭兵を支援する為の傭兵支援システム。通称”オールマインド”が存在する。

これらは専用拠点(ガレージ)の他に、修理、弾薬補給、戦闘地域への輸送ヘリ手配、各種サポート。および各メーカーの他、オールマインド製ACパーツを販売。戦闘技能向上を目的としたアリーナと、3段階の訓練、高等検定を受けられる。傭兵支援プログラムも備わっていた。

 

近くに、ステーション33という歓楽街もあるという。()

 

621(レイヴン)622(アウル)の二人は、ウォルターがいる作戦室に呼ばれていた。()

 

「622…いや、ベイリン。いま一度、この場で聞きたいことがある。君は本当にいったい何者(・・)だ?あのACにしても、武装にしてもこの世界から大きく逸脱している」

「ウォルターさん。この件はどの道、早いうちに俺の口から話すべきと思っていまいした。俺が知る限りですが、すべてお話致します」

 

ベイリンはすべてを話した。リンクス、企業、カラード、クレイドル、アームズフォート、コジマ粒子…そして自分をこの世界へ引き寄せた赤い粒子(・・・・)。コクピット映像を交えて説明した。

ウォルターやレイヴンは。先日、汚染市街で交戦した武装ヘリとは比べ物にならない超巨大な戦闘兵器、ジャイアントキリングと言われるアームズフォート(A F)、コーラル粒子を上回り人を拒む汚染物質…コジマ粒子。

 

「以上が、俺が知るすべての情報です。ACや武装、予備パーツなんかは現物持参(・・・・)なので、いい証拠物件ですし」

「わかった…信じよう」

「私も、信じる」

「ありがとう」

「ベル、今日はどうする?」

「俺は機体整備して、この世界へ持ち込んだ装備と資産確認です」

「了解した。ならば今日一日は休みだ」

 

ウォルターは公示依頼を受けるため市街地へ赴き。ベルはガレージで機体整備確認、レイヴンはベルの機体を観察という。珍しい休日になった。

 

翌日、朝食を食べ終えた621(レイヴン)622(アウル)の二人は、ウォルターがいる作戦室に呼ばれた。

 

「621、622。仕事の時間だ。ルビコン進駐を行った星外企業勢力。ベイラムグループとアーキバスグループの両社から公示が出ている」

「企業からの公示か。ウォルターさん、レイヴン。なんか飲むかい?水か、お湯で溶く粉末飲料なら持ってるが」

「・・・なら私はコーヒーを」

「レイヴンは?」

「冷たいレモネード」

「あいよ。ちょっと待ってください」

 

三人は、ルビコンに進駐した2つの星外企業から公示されている依頼内容を聴きながら確認していた。どちらも独立傭兵向けに流した。バラマキ依頼のようだ。

 

まずベイラム側の公示を聞くことになった。

ベイラム側の担当者は、いかにも軍人らしい感じの発音で話していた。

 

「独立傭兵の諸君!ベイラム同盟企業、大豊(ダーフォン)からの依頼を公示する」

 

「ルビコン解放戦線が、汚染市街にBAWS製の移設型砲台を配備した」

 

「あの市街自体に価値はないが、コーラル調査領域を拡大するには押さえる必要がある」

 

「野心ある諸君!解放戦線の砲台を全て破壊せよ」

 

「我々はMT撃破に対しても追加報酬を用意した。可能な限り敵方の戦力を削いでもらおう」

 

「これは諸君らにとって手堅く実績を作る好機だ。奮闘を期待する」

 

依頼名 移設型砲台破壊

依頼者 ベイラム・インダストリー

報酬 100000c

作戦領域 ベリウス南部-汚染市街

作戦目標 ルビコン解放戦線が配備した移設型砲台の全破壊

・敵兵器及びMT破壊による追加報酬有り

 

「以上がベイラムの公示だ。次はアーキバスの公示になる」

 

そして最後に、アーキバス側の公示を聞くことにした。

アーキバス側の担当者は、ベイラムと比べるとそうでもなかった。

 

「独立傭兵各位、これは当社系列企業シュナイダーからの依頼です」

 

「作戦地点はベリウス南部、グリット135」

 

「目標は当社と競合関係にあるベイラム系企業大豊(ダーフォン)のMT部隊殲滅です」

 

「当社はグリット135を、汚染市街の調査採掘における橋頭堡と位置付けております」

 

「コーラル調査における優勢を確保するには、独立傭兵各位の協力が不可欠」

 

「アーキバスグループは、その奮闘に期待しています」

 

「ブリーフィングは以上です。よろしくお願いします」

 

依頼名 グリット135掃討

依頼者 アーキバス・コーポレーション

報酬 68000c

作戦領域 ベリウス南部-グリット135

作戦目標 グリット135に展開する大豊核心工業集団のMT部隊排除

 

 

ウォルターは、2つの依頼を内容を確認した二人に聞いてみた。

 

「不特定多数に向けたバラマキ依頼だ。肩慣らしには悪くない・・・ここまででなにか、質問あるか?なんだ622」

「この大豊核心とやらは何?」

「この大豊は、先のブリーフィングにあったベイラム同盟企業だ。実弾兵装とACパーツ製造も請け負う」

「なるほど、逆にアーキバスは、EN兵装を主体にした企業かな?」

「その通りだ。622」

「了解」

「どちらの依頼を受けるかは、二人で決めてくれ。それと622」

「はい」

「これを渡そう。君の身分証明だ。先のACの残骸から拾ったものだ。暮らしていくのには困るだろう」

 

その身分証は、先の汚染市街にあったACの残骸から621が、ハッキングして回収したものだった。

 

「ベル、それは私が拾ったもの」

「ありがとう」

 

登録番号Rb37 

識別名 モンキー・ゴード

ランク 圏外 

 

「ウォルターさん。もしかして・・・名前は、これ?」

ベルは不平不満を表す表情でウォルターを睨むが。ウォルターが言うには「後日、知り合いを通じて書き換える」ということもあり。「なんとかなるか」とベルは楽観していた。

 

「・・さて621、622。お互い、身分は手に入れた。次は実績作りだ依頼はどうする。協同か?それとも単独か?」

 

移設型砲台破壊と、グリット135掃討。どちらも二人にとって、肩慣らしには悪くない依頼だった。

 

「レイヴン。どっちに行く?お前のお好きなように」

 

レイヴンは、手を動かしながら画面に向けて指を差した。その差した方向は「グリット135掃討」の依頼であった。

 

「それじゃ俺は、移設型砲台を潰しに行くかね、ウォルターさん。請け負う依頼は決まりました。俺はベイラムを、レイヴンはアーキバスを受けると」

「それぞれ単独作戦になるが、大丈夫か?まぁ。二人なら問題はないと思うが」

 

アウルもウォルターからの話を聞いて、こう返答した。

 

「まぁなんとかなるでしょう。幸い、依頼は2つとも同じ日取りで予定されています。いざとなれば援軍にいきますので」

「わかった。それでは各自出撃準備にとりかかれ、621は俺がサポートする。622は傭兵支援システム手配の輸送ヘリで作戦区域へ移動してくれ」

「了解」

 

3日後、拠点ガレージ前に2機の輸送ヘリが待機していた。

1機は汚染市街向け、もう片方はウォルター搭乗するグリット135向けの輸送ヘリが待機していた。

621と622、それぞれの機体は輸送ヘリに搭載され離陸準備に入り、ウォルターは、画面越しで両機へ最終確認のブリーフィングをしていた。

 

「621、622機体状況は?」

「621、問題なし」

「こちら622、機体良好、出撃準備OK」

「了解した。それでは依頼を開始する。パイロット、離陸開始してくれ」

「了解」

 

2機の輸送ヘリは、出力を上げ上昇を開始。それぞれの作戦地域へ派遣された。

 

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