魔入りました!入間くん if Episode of ポケットモンスター   作:MTHR

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 お久し振りです。ありふれ小説の執筆や、新入社員研修等が忙しくて中々執筆ができませんでした。そんな間にも、お気に入り登録や評価をいれてくださった皆様には感謝の気持ちしかありません。

 そうしている間にも、魔入りました入間くん第四期製作決定。プルソンのCVも気になりますし、四期のメインであろう音楽祭編も滅茶苦茶楽しみです。悪ドル大武闘会もやってほしいですね。
 アニポケではメガボルテージが遂に始動目前ですね。もしもイルマがメガシンカを習得した場合、やはりメガシンカ枠はキルリア(サーナイト)か……。



イルマ「久しぶりの投稿も頑張ります!……十本刀“大鎌”の鎌足と一介の剣士の差は大きくてよ」

リコ「前にるろうに○心のネタやったもんね」

イルマ「いや、あれはどっちかと言うと銀○ネタだから……」


68話 配信と映えと忘れられたアイツ

 ドットとイルマのバトルの翌日。

 悪イルマの時の記憶がすっぽりと抜けているイルマは、何故か黒いオーラを全身から放つリコに数時間にも渡るお説教をされ、ドットからはさ眼も合わせてもらえず、ずっと眼をそらされていた。

 記憶がない表側のイルマは、別人格が何かしたのだとしか理解するかとが出来ず、自分の奇妙な二重人格による不幸に涙を流すしかなかった。

 

 そして遂に、ドットのテラスタル研修の日がやって来た。

 ブレイブアサギ号の前で、テラスタル研修に向かおうとするドット、リコ、ロイ、イルマの前に、ライジングボルテッカーズの面々が集まっていた。

 

「本当に行かなくて良いのか?」

 

 そう言うのは、頭にハチマキを巻き、ペンライトと団扇(ドットとクワッスのイラスト入り)を手にしたマードックだった。

 可愛い姪っ子の晴れ舞台を応援しに行くために気合いを入れているようだが、見た目は完全に入学式に子供以上に張り切っている父親そのものである。

 

「絶対、嫌だ!!」

 

 当然ながら、ドットは拒否。彼女くらいの年頃の女の子に、いくらなんでもこれは恥ずかしすぎる。

 

「あと……なにこれ……」

「かっこいい!」

 

 そう言ったドットの視線の先にあるのは、オリオとランドウが広げている旗だった。その旗にでかでかと刺繍されているのはやはり、ドットとクワッスである。何故か炎がバックで。何故かロイはデザインがカッコイイと感じたようである。

 

「だろう!?こいつでドットを全力で応援するんだ!」

「うぅ……絶対、ダメーーッ!!」

 

 ドットの悲鳴じみた声が響き渡り、キャモメが驚いたように空を飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドットの必死の拒否によりマードック達はブレイブアサギ号でお留守番と言うことになり、リコ達四人はハッコウシティの町を歩いていた。

 

「冗談じゃないよ!あんな大袈裟な……」

「マードック、きっと心配だったんだよ……」

「それは分かるけどさ……」

「でも、朝から馬車にのって殿様みたいな登場したり、パレードが行われたりするよりはマシだと思うよ」

「イルマの場合はかなり特殊だけどね」

 

 不満を漏らすドットに、リコは苦笑いしながらフォローすると、イルマはパルデアにいた頃やテラスタル研修を受ける初日に祖父と使用人によって恥ずかしい思いをした事がある事を振り返りながら苦笑気味に呟くと、リコも連れて苦笑いするのだった。

 

 そんな風に会話をしながら、四人はハッコウシティのジムに辿り着くと、ドットは一人で手続きをするためにジムに入って行く。

 そして夕方になると、ジムの自動ドアが開き、ドットが出てくると、待機していた面々が顔を向ける。

 

「手続き、終わったよ」

「お疲れ様」

「バトル会場は中央広場だって」

 

 ドットの言葉に頷くと、四人は早速中央広場へと向かおうとするが、そこで後ろから声が駆けられた。

 

「おや、四人ともここにいましたか」

 

 振り返ると、そこにはオレンジアカデミー校長のクラベルがいた。

 

「校長先生」

「どうされました?」

「可能な限り、皆さんの様子を見て回っています。ドットさん、基礎テスト頑張ってくださいね」

 

 どうやら、ナンジャモがドットとバトルする話を聞いてやって来てくれたようだ。クラベルは眼鏡をクイッと上げながら口を開く。

 

「皆さん、大変頑張っているようで私も誇らしいです」

「ハハ……」

「ど、どうも……」

「ここまでの旅はどうだったでしょう?」

「え、えっと……」

 

 リコが答えに迷っていると、ロイが嬉々とした表情で声を上げた。

 

「僕、ボウルタウンでリザードンの像を作りました!」

「ほうほう」

「その時、僕が気付いたのは、ヒントはいろいろな所に……」

 

 ボウルタウンでの出来事を熱弁するロイの話を、クラベルは興味深そうに聞いている。雰囲気的に、かなり時間がかかりそうである。

 

「参ったなぁ……もうテスト始まるんだけど……」

 

 困ったような表情で呟くドットの声を聞いて、リコはドットに声をかけようとする。

 

「なるほど、それはいい体験をしましたね」

「はい!」

「イルマさんはどうですか?」

「えっ?僕ですか?えっと……まだ基礎テストは受けさせてもらってないんですけど、リコとロイくんの研修についていくなかでも色々ありまして……」

 

 クラベルの話の矛先が向いたのは、まだテラスタル研修を受けていないイルマだった。答えに迷ってしどろもどろしているイルマを見て、リコはある考えが浮かんで、ドットに声をかけた。

 

「ドット、ここは話上手なイルマに任せて、ナンジャモさんのところに行こう」

「………そうだね」

「ロイ、行こう」

「えっ?ちょっと!」

 

 昨日のイルマのもう一つの人格が起こしたの奇行の事から、なんとなくイルマの扱いが雑になっている女子二人は、速攻でイルマを囮にする作戦を結構した。

 ロイを促し、リコとドットは踵を返して走り出すと、ロイもイルマを置いていって良いのというような雰囲気で二人を追いかけ、ニャローテ達もそれに続いていく。

 

 それに気付いたイルマが「ちょっと!?」というような目を向けてくるが、リコとドットは無視して、ナンジャモの待つバトルフィールドへと走っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 大量のズピカが円を作るようにならんでいる中央広場で、ハラバリーが全身から電気を放ち、ナンジャモが高らかに宣言する。

 

「あなたの目玉をエレキネット!何者なんじゃ?ナンジャモです!おはこんハロチャロー!!」

 

 ナンジャモがお決まりの挨拶をすると、辺りからその挨拶が返ってくる。その声の中には、もちろんリコとロイのものも混じっている。

 

「ドンナモンジャTVの時間だぞ~!さてさて、今日はお待ちかね、生配信だ!」

 

 両手を掲げて宣言すると、再び歓声が巻き上がる。

 

「これから何が始まるかって?それは……テラスタル研修の基礎テストだ!そして、ハッコウジム・ジムリーダーであるこの僕に挑むのは……」

 

 すると、屋外であるのに上空からスポットライトが発光していくと、ナンジャモの相手──ドットとクワッスの姿が露になった。

 

「泣くカヌチャンも黙る!ドット氏だ~~!!」

 

 再び沸き上がる歓声。中にはスマホロトムを向けているものもいるが、ドットは微塵も動じない。

 

「ドット!頑張って~~!」

「大丈夫……作戦通りに、作戦通りに……」

「クワッス」

 

 リコとロイが応援するなか、周囲の視線は気にならなくなったが強敵ナンジャモを相手に必死に平静を保とうと自分に言い聞かせるドットと、得意気に髪をかきあげるクワッス。

 

「待ちきれない!?それではさっそく、基礎テストをはっじめるよ~~!!バトり、スターート!!」

「行くぞ、クワッス」

 

 ナンジャモも宣言でドットとクワッスが気合いをいれた瞬間、先に指示を出したのはナンジャモだ。

 

「さぁ、お先に失礼!ハラバリー!“スパーク”だ!」

「今だ、クワッス!動き回れ!」

 

 ハラバリーが体に電気をためた瞬間、強靭な脚力で走り出したクワッス。

 稲妻をまとうハラバリーの突撃を、クワッスは紙一重で回避した。

 

「およよ!?もう一度、“スパーク”!」

「クワッス!動いて避けろ!」

 

 再び電気を纏って飛び出すハラバリー。しかしクワッスは、絶妙なタイミングでジャンプして、その突進を空振りに終わらせる。

 

「なるへそ物語!やるじゃ~ん!“スパーク”発動前のタメ動作に気付いたね、ドット氏!」

 

 ナンジャモは感心したように声をあげる。

 

「フッ。……次はこっちの攻撃だ!」

「クワッス!!」

 

 クワッスは素早くハラバリーの背後に回り込み、がら空きの背中に飛びかかる。

 

「いけ!“みずでっぽう”!」

「クワッスーー!!」

「わわわ……どうしよう!」

 

 ドットの指示を受けたクワッスの強烈な水流が、がら空きのハラバリーの背中に向けて放たれる。それを見たナンジャモは、頭を抱えて慌て始め……

 

「……な~んちゃって!」

 

 ニヤリと笑った瞬間、クワッスの水流がハラバリーの背中に直撃する。

 しかし、それを受けたハラバリーはダメージを負った様子はなく、バチバチと体に電気を蓄積させる。

 

「なっ!?」

「フヒ!ハラバリーの特性、“でんきにかえる”だよ。ダメージを力に変えることが出来るんだな!」

 

 得意気なナンジャモの説明に、ドットが悔しげに歯を食い縛ると、今度はナンジャモが声をあげる。

 

「んでもって、溜まった力を……」

「ッ!クワッス、“スパーク”がくる!避けろ!!」

 

 苦手な電気技の予兆を悟り、ドットがクワッスに変えひを命じた瞬間、ナンジャモの声が響く。

 

「“ほうでん”だ!!」

「はっ!?」

 

 予想外の指示に、ドットの動きが一瞬だけ止まる。

 次の瞬間、ハラバリーの体から発生した電気がドームのように広がる。

 

「クワッスーー!?」

「しまった!?」

 

 電気を纏い突撃する“スパーク”と違い、電気を広範囲に放つ“ほうでん”の前には、流石のクワッスも避けることができず、クワッスは吹き飛ばされる。

 

「続けていくよ!一体どこへ?キラキラの世界へ!ハラバリー、“スパーク”!」

「クワッス、避けて!」

 

 再び電気を纏い飛びかかるハラバリーだが、クワッスは少し焦げた体を気合いで動かし、直撃を回避する。

 

「ドット!」

「頑張れ~~!」

「フヒ!いいねいいね!視聴者数も爆上がり!皆のもの!これからもナンジャモのドキドキでキラキラの配信をよろしくね~~!」

 

 盛り上がる外野から、歓声に混じってリコとロイの応援が響く。

 正史の世界ならば、本来はこの場にクラベル校長もいたのだが、この世界では、未だにイルマと長~~い話を続けているため、この場にはいなかったりする。

 

「それなら……クワッス、“けたぐり”!」

「クワッス!!」

 

 走り出したクワッスの蹴りが炸裂し、ハラバリーは大きくバランスを崩す。

 

「よし!そのまま“みずでっぽう”!」

「クワーーッ」

 

 振り向いたクワッスの吐いた水流により、宙に浮いたハラバリーひ地面に叩きつけられる。

 

「よし!」

「ふむふむ……やるじゃん、ドット氏。んじゃもう……ちょっと回復しちゃおう!ハラバリー、“なまける”」

「ハラ……」

 

 拳を握りしめるドット。それを見たナンジャモは新たな技の指示を出した瞬間、起き上がったハラバリーは体を横にしてイビキをかきはじめた。同時に、クワッスの攻撃でできたハラバリーの傷がみるみると消えていった。

 

「なまける姿もキュートでしょ~!皆のもの!スクショタイムだぞ~~!」

「させない!“みずでっぽう”!」

 

 すかさずドットは指示を出し、クワッスは水流を発射。しかし、直撃したハラバリーは微動だにしない。更に追撃で“みずでっぽう”を放っていくが、やはりハラバリーには微塵も効いておらず、遂にハラバリーはのっそりと起き上がった。

 

「フヒ!回復終わって元気元気!もう一度、“ほうでん”だ~~!」

 

 ナンジャモの指示を受け、ハラバリーは全身から放出した電気を拡散させる。

 その瞬間、辺り一面のライトが一斉に明かりを消し、辺りは夜の闇に包まれた。

 

「ありゃりゃ……まいったね。配信止まっちゃった?」

「今のうちに、作戦を考えないと……」

 

 ビルに設置されたスクリーンの映像が止まり、コメントが次々と表示される様子にナンジャモがめを向けた隙に、ドットはこの状況を打開するための策を考えるために思考をフル回転させる。

 

「うぅ……なにも浮かばない!こんなの想定外だよ!……あっ、想定外……」

 

 頭をかき乱していたドットが、想定外という言葉に何かに気が付いたように動きを止めた時、バトルフィールドから声が聞こえてきた。

 

「クワッス!クワクワ!クワーッ、クワーッ、クワーッ!」

 

 それは、ハラバリーに向けて連続発射した“みずでっぽう”によってで来た水溜まりの水をバシャバシャとはねさせながら喜びを露にしているクワッスであった。

 それを見たドットは思わず口角をつり上げた。

 

「『災い転じて映えとなす』か……。それならクワッス!もっとキラキラしよう!」

「クワッス!!」

 

 上等!という風に答えたクワッスを見て、ドットはゆっくりとボール型の宝石──テラスタルオーブを取り出した。

 

「炎上上等!映えてバズって輝いちゃえ!!」

 

 テラスタルオーブに虹色のエネルギーが集まり、ドットはそれを投げる。

 テラスタルの光を浴び、鉱石に包まれたクワッスが姿を現すと、その頭に、噴水を模した巨大な宝石の冠がのせられていた。

 

「クワッスが!!」

「ここでテラスタル!?」

「なんと~~!?このタイミングでテラスタルとは……ウソでしょ、ドット氏!」

 

 テラスタルの光で、真っ暗な空間でもクワッスの姿が露になり、リコやロイ、ナンジャモも驚きを露にする中、テラスタルをしたクワッスは嬉しそうにステップを踏み、足元の水をバチャバチャと飛び散らせる。

 

「いいステップだ!もっとやっちゃえ!“けたぐり”!」

「クワクワクワ……クワーーッ!」

 

 素早い動きで走り出したクワッスは、そのままハラバリーの足元を払い、ハラバリーは思わず転倒してしまう。

 

「ありゃ?みずタイプの攻撃をしないの?ドット氏……」

「いいぞクワッス!もう一度、“けたぐり”!」

 

 首をかしげるナンジャモだが、ドットは構わずに追撃を指示し、クワッスは再び走り出し、強烈な蹴りでハラバリーを転倒させる。

 クワッスは気分が高揚したようにステップを踏んでいると、突如としてその周囲に水が溢れだしたのを目にして、ドットは口角をつり上げながら声を張り上げた。

 

「いっけ~~!!」

「クーーーワッスッ!!」

 

 水を纏い走り出したクワッスの蹴りが直撃し、ハラバリーは勢いよく吹き飛ばされる。

 

「あれってもしかして……“アクアブレイク”!?」

「すごい!」

「新わざ!?」

 

 クワッスがこの土壇場に習得した技を目にし、驚きを露にするドット達。

 その時、ハラバリーの技によってダウンしていた電灯や映像危機が復活し、ビルのスクリーンにもナンジャモの姿が写し出された。

 

「フヒ!ようやく配信再開!皆のもの、お待たせ~~!」

 

 派手なライトアップと共に声を張り上げたナンジャモは、同時にあるものを取り出した。

 

「なんだか、僕も本気でやるっきゃないみたいだね!」

 

 観客達の声援を受けながら、ナンジャモはテラスタルオーブを取り出し、大きな袖に隠れた手の上に乗せながら、テラスタルオーブを起動した。

 

「出でよ!ひらめき豆電球!ナンジャモの底力、見せちゃるぞ!」

 

 両手でもったテラスタルオーブを投げると、それから光が溢れだし、ハラバリーに降り注ぐ。

 鉱石に包まれたハラバリーが姿を現すと、そこには黄色い光沢を放ち、頭の上に黄色い電球のような宝石の冠を被ったハラバリーの姿が現れた。電気タイプのテラスタルだ。

 

「さぁ、充電たっぷり!ビビッといっちゃうよ~~!“ほうでん”!!」

「バーーーーッ!!」

「ッ!クワッス、“アクアブレイク”!!」

「クワッ!クワッス!!」

 

 全身から大量の電気を放出するハラバリーに、クワッスは新たに習得した技を発動させる。

 

 次の瞬間、蒼電を纏う青い水のドームが広がり、数秒間のうちにクワッスの姿が露になると……クワッスのテラスタルが解除された。

 

「クワッス……」

 

 目を回して倒れるクワッス。

 ナンジャモの勝利が確立され、周囲に歓声が響き渡るなか、ドットは

 

「クワッス!」

「クワッス……」

 

 弱々しく目を覚ますクワッス。すると、再びナンジャモが声を上げた。

 

「さーて!ちょっとしたハプニングが起きたけど、基礎テストは無事に終了!ドット氏、今の気持ちをどうぞ!」

「悔しいけど……僕の負けだよ」

「でもでも~~?それだけじゃないよね、きっと!ねっ!」

 

 顔をズイッと寄せて問いかけるナンジャモ。ドットは一度クワッスに視線を下ろし、相棒の目を見ると、笑みを浮かべて答えた。

 

「楽しかったかも……」

「それだよ、ドット氏!!」

「えっ?」

「不利になっても、ハプニングになっても、ドット氏はドット氏らしくバトりを楽しんだ!それこそが、ドット氏の映えなのだ!」

「えっ?楽しむのが……映え?」

「その通り!楽しむとはポケモントレーナーにとって、メガ盛り大事な事!だよね、皆の者!」

 

 ナンジャモの言葉に答えるように沸き上がる歓声。同時に、ビルのスクリーンに無数の「いいね」が表示される。

 

「つうわけでドット氏……。基礎テスト、合格だ!」

「えっ!?」

 

 ドットの驚く声と共に、歓声が沸き上がる。我慢できなくなったリコとロイは人混みから飛び出し、ドットの手を握り覚めながら称賛の言葉を贈ると、ドットは素直に感謝の言葉を口にした。

 

「フヒ!ニッヒヒ!皆の者!今夜の生配信はいかがだったかな!?僕とドット氏の見事なバトり!脳内メモリに焼き付けて、上書き保存だぞ~~!!というわけで、貴方の目玉をエレキネット!エレキトリカルストリーマー、何者なんじゃ!ナンジャモでした!まったね~~!」

 

 こうして、ドットのテラスタル研修は勝利を収めることは出来なかったが、ドットの合格てなって終了した。

 

「……そういえば、イルマは?」

「「……あっ」」

 

 …主人公の出番が一切ないままで、だが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数十分後。

 リコ達は広場を後にし、話の長いクラベルの囮にされたイルマと合流した。

 イルマの方は、途中からテラスタル研修とはあまり関係の無さそうな話を始めたクラベルの相手を律儀に続けており、ハラバリーの技で停電になった辺りから、クラベルがドットの基礎テストの事を思い出したことで現場に向かったのだが、年齢に反して綺麗な姿勢で走り出したクラベルに呆気に取られて走り出すのが遅れ、到着した頃には既に研修が終わっていたらしい。

 合流した時、のの字になって目の端から涙を流しているイルマの姿は、非常に哀れだった。

 

 その後、クラベルと少しだけ話をして、ドットに配信について質問をしだしたクラベルの問いにドットが長い時間をかけて話を終えると、時計の針は既に20時を回っている頃だった。

 

「いよいよ、最後はイルマの番だね!」

「そうだね。フクスロー、頑張ろう」

「くふぅ!」

「ぶいぶーい!」

 

 フリード達の宿泊施設への道のりを歩いていくイルマ達。ロイは、研修を受けるメンバーで最後の一人であるイルマに声をかけると、イルマは笑顔で答えながら相棒に声をかけると、フクスローは当然だと言うように髪をかきあげ、イーブイはそれを応援するような声を上げる。

 

「い、イルマなら大丈夫。イルマはバトルも強いし、これまで何度もテラスタルを使いこなしてきたんだから」

「そういって貰えると嬉しいよ」

 

 少し頬を赤くしながらイルマに称賛の言葉を贈るリコに、何故かイルマは気恥ずかしいものを感じながらお礼を言った。

 

 その時、イルマは背中に視線を感じ、足を止めて振り返った。しかし、そこにはリコ達三人以外、誰の姿も見えなかった。

 

「どうかしたの?」

「いや、今後ろに誰かいた気がして……」

「誰もいないじゃん」

「気のせいだったんじゃない?」

 

 リコの言葉に、イルマもきっとそうだろうと考え、再び前を向いて歩きだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 イルマ達が通りすぎていったビルの窓ガラスの鏡面に、紫色の波紋が広がり、その鏡面に不気味な世界が映り込んだかと思うと、鏡面の中にだけ映るその世界に、巨大なポケモンの影が漂った。

 

『……ギゴガゴーゴーッ』

 

 龍のようなに長い体に、背中から六本の巨大な触手のようなものを生やしたそのポケモンは、鏡面の向こうにいるイルマ達四人の背中を水色の瞳で見つめながら不気味な唸り声を上げた後、何処かへと飛び去っていき、鏡面から見えなくなる。

 

 その瞬間、窓ガラスに映っていた世界は、波紋と共にその姿を消してしまった。




▪︎次回予告

ロイ「イーブイがいっぱいだ!!」

「そのイーブイ、もしかして……」

イルマ「お別れする時が来たんだね……」

リコ「イルマ…どうするの?」

イーブイ「ぶい、ぶいぶーい!」

イルマ「進化した!!」

第69話「白銀の秘密 蜜の味」



・今回の見所?

~放置されたイルマ~
 主人公なのに見せ場が何もなかったイルマ。改編が思い付かなくてギャグよりにして見た結果です。


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