闇堕ちタンクくんの光堕ち   作:傘葉

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北のソルジャーたち

北都の軍事基地内で、北都の新たな兵器として戦うことを決めた猿渡一海、そしてその舎弟である赤羽、青羽、黄羽からなる北都三羽ガラスはスタークからの呼び出しに応じて待機をしていた。

 

 

「しっかし何なんでしょうねカシラ?わざわざ開戦前になって俺たちを呼び出すなんて」

「そりゃあれだろ、俺たちへの激励とかだろ?」

「アホか。この北都三羽ガラスのリーダーである俺にも伝えられてないんだ。そんなんじゃねえもっとた重要なことを───」

「おい赤羽、誰が俺たちのリーダーだって?そりゃこの俺がやった方がいいだろうよ」

「調子乗ってんじゃねえぞ青羽、何事も赤はセンターでリーダーだって決まってんだよ!」

「ああっ?誰がセンターでリーダーってのは誰が決めたんだよ」

「そりゃ、あれだ。ええっと………」

「なら俺で決まりだ」

「何だと?」

「まあまあ、落ち着いて。ここはひとまず、間をとって俺がリーダーだ!」

「「なんだと、黄羽!」」

 

 

 仲が良いのか悪いのか、揉み合いになる三人。それを見た一海は静かに彼らを一喝した。

 

 

「おい、静かにしろ………ご到着のようだ」

 

 

 一海に絶対の信頼を寄せている三人は、争いを止めドアを見る、するとそこから彼らをここに集めた人物、スタークが室内に入ってきた。

 

 

「全員揃ってるな。んじゃまあ、早速紹介しようか。入ってこい」

 

 

 通路の方に向かって手招きをするスターク、壁に寄りかかり道を開けたドアからまた一人、新たな人物が入って来た。

 

 

「「「「!」」」」

 

 

 四人は皆、入ってきた人物を見て目を疑った。身長は一海と同じくらいて、黒い服の上から、緑がかったミリタリージャケットを着込んでいるその人物。それだけならば誰も何も疑問は抱かなかっただろう。しかし、彼は青年と言うには若すぎる、まだ少年としての幼さを残した顔をしていた。

 

 

「助っ人の島田千華くんだ。今回お前たちのサポートをしてもらうことになった」

「………おい、どういうことだオラァ。どう見てもガキじゃねぇか」

 

 

 千華の姿を見た一海は、スタークへと詰め寄る。今にも胸ぐらを掴みそうな勢いでだ。するとスタークは両手を上げてやれやれと言った様子で、面倒くさそうに答える。

 

 

「落ち着け。確かにこいつはまだ17、だが腕は確かなモンだ。俺が保証してやる」

「そういう問題じゃねぇ、これから行くのは戦場、ガキが来るような場所じゃねぇんだよ」

「そうは言ってもな〜、スポンサーからの要請なんだよ。あいつらの機嫌損ねたら、どうなるかはわかってるよな〜?」

 

 

 そう言うとスタークは、右手に握られたある物を取り出す。全体的に水色のカラーで塗装され、中央にはガジェットを搭載するスロット、左側には黄色のレバー、右側には透明な液体装置がついているそれは、一海が使うことになっている新兵器スクラッシュドライバーであった。

 

 これは元々、スタークがスポンサーと言っている難波重工から提供されたものだ。そして一海が本来の兵器としての力を使うには、このドライバーを使わなければならない。つまり、ここでスクラッシュドライバーを奪われでもしたら、一海たちが戦場に出向くことは出来なくなるのだ。

 

 

「それに今さら何言ってるんだお前は?」

「ああっ?」

「戦争を引き起こした時点で、既に大勢の犠牲が出ることは避けられない。直接的にも間接的にも、お前の目に見える場所、見えない場所関係なくな。

 そしてそれと同じくらいに手を汚す者がいて、そいつらの中には、力のない子供や老人も含まれる。それを自分が顔を知ってる奴は見逃せ?都合が良すぎるんじゃあないか?」

「……」

 

 

 スタークの言葉に返す言葉の出ない一海は、振り上げかけていた拳を力なくだらんと下ろし、顔を俯かせた。しかし怒りの炎は完全には鎮火していないのか、震える拳には内側から血が垂れていた。

 しかしそれを嘲るかのように、いつもの口調でスタークは、一海の肩に手を置いて、ドアへと体を向けた。

 

 

「まあ、その犠牲もこいつらがどうなるかも、全てはお前次第………期待してるぜ。Ciao」

 

 

 猿渡一海は、もともと農家を営む大地主だった。しかし、スカイウォールの惨劇により土壌が急変、経営が困難になり従業員に支払う給料はおろか、明日の食い物にさえ困る現状であった。

 そしてそんな彼らの生活を支える為に、彼は仮面ライダーとなった。救うべきものはもう決まっている。妥協も高望みもしない。ただ彼らのためにこの拳を振るう。

 

 部屋を後にするスタークの背を見送った一海は、千華と三羽ガラスたちに笑顔をつくり振り返った。

 

 

「ちょっと悪りぃ空気になっちまったが、仕切り直しだ。飯いくぞ飯、今日は俺の奢りだー!」

「マジっすか?」

「よっ流石カシラ、太っ腹ー!」

「千ちゃんも遠慮すんなよ、いっぱい食おうぜ」

「千ちゃんって僕のこと?」

 

 

 その日の夜、北都の街中に五人の男たちの笑い声が響いた。日が開ければ戦いに行くことなど忘れたかのように、騒いで騒いで騒ぎまくった。

 

………その結果、若干一名体調を崩したのだが

 

 


 

 

───極力千華は戦闘に出さねえ、あくまでサポートに徹させる

 

───俺たちは別にいいですけど、良いんですか?

 

───あんな子供が殺んのも殺られるのも、どっちにしろ胸糞悪りぃだろ

 

───素直に心配だって言えばいいのに

 

───素直じゃねぇからな〜カシラは

 

 

 昨晩、体調を崩して寝転んだ千華の側で、三羽ガラスたちと話した内容を思い出す。

 千華は希薄で無口なやつだが、決して悪い奴じゃない。それは昨日の食事会でも分かったことだ。それに彼は記憶喪失、というやつらしい。まだあの歳で善悪もわからず、そこをスタークにつけ込まれ、操られているようにも感じた。ならばあいつが本当の自分を見つけたとき、気負わないようにするのが自分たちに出来る最良の選択だと思ったのだ。

 

 

「お待たせしました。一海さん」

 

 

 噂をすれば当の本人がやって来た。昨日の顔の悪さはどこはやらと言ったように、すっかり回復してきてだ。

 

 

「おう、首相からの話は聞いてるか?」

「まずはスマッシュとガーディアン、それに赤羽さんたちが都市部を強襲。俺たちはその間、スカイウォール周辺の警備隊の相手をするでしたっけ?」

「よし、覚えてんな。昨日の騒ぎですっかり忘れたかと思ったぜ」

「そこまで馬鹿にしないでくれます?流石に自分の任務くらいは覚えてますって」

 

 

 軽口を叩き合いながら、スカイウォールへと向かう二人、しかしその中で、一海が先ほどまでと比べ暗い声で千華に語りかけてきた。

 

「なあ千華、お前記憶ないんだってな」

「はい?そうですけど、それがどうかしましたか?」

「………思い出したいとは思わねぇのか?」

 

 

 うーんと一海の言葉に悩んだ素ぶりを見せる千華、しかしそれも一瞬。すぐにケロッとした顔で言い放った。

 

 

「確かに思い出したいとは思いますけど、今はそんなこと関係ないでしょ。俺が今一番にやるべきことは、あの人からの命令なので」

「………そうか、んじゃまぁ派手に行こうか」

 

 

 スカイウォールを越えて、東都へと侵入した一海たち。彼らの行手を阻むのは、無数の東都のガーディアン。皆が臨戦態勢に入っているそれは、統率の取れた動きで銃口をこちらに向けてくる。コンピューターによって制御されているガーディアンが、この距離で狙いを外すことは、人間と違いまず無いだろう。

 

 

「テメェは俺の援護に回って、後ろから来る東都の援軍をやれ」

「了解」

「ただし………」

「?」

「狙うのはガーディアンだけでいい。………生身の人間には、生きて帰って、俺たちの脅威を伝えてもらう必要があるからな」

 

 

 千華は、その言葉の意図を理解したのかどうか定かではないが、無言で一海に背を向けると、近くの高台に向け駆け出した。それをチラリと横目に見た一海は、腰にスクラッシュドライバーを装着、ロボットゼリーを装填する。

 

ロボットゼリー

 

 

「変身」

 

 

潰れる!流れる!溢れ出る!

ロボットイングリス!

ブラァァァァ!

 

 

 

 

 アクションレバーである、アクティベイトペンチを押し下げることで一海の周りにビーカーのような装備が出現し、その内部が液状化装備ヴァリアブルゼリーによって満たされる。ゼリーは一海の体をフィットするように包み込み、その姿を変化させる。

 

 

「さあ、祭りだ祭りだー!」

 

 

 黄金の鎧を纏った闘士仮面ライダーグリス。心火を燃やす北都の戦士が、今戦場に舞い降りた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「派手にやってるな一海さん」

 

 

 近くのビルの屋上へと移動した僕は、戦場全体を見回す。とは言っても敵のガーディアンはほとんどグリスによってて撃破されており、援護の必要などないだろう。でも任された仕事はきっちり果たさないと。

 ちょうど後方から、敵ガーディアンの小隊が合体した巨大ガーディアンを引き連れて、向かって来ていた。

 

 

《ネビュラスチームガン》

 

 懐から取り出したネビュラスチームガンのスロットに、金色のボディーに青い歯車のついたギアをセットする。

 

 

 ギアエンジン ファンキー!

 

 

 

「潤動」

 

 

 その掛け声と共に頭上に向かって、左手でトリガーを引く。すると銃口からシステム音声と共に、灰色の薄汚れた特殊蒸気、トランジェルスチームが放出され僕の周りを取り囲む。スチームはやがて数個の歯車へと形状を変え、僕の身体へと装着される。

 

 

 

 

 

リモートコントロールギア

 

 

 

 

 

 カイザー、左右非対称で黒色のアンダースーツに、左半身に無数の蒼青い歯車が装着された戦士へと僕は姿を変えた。

 

 

《ライフルモード

 

ファンキー!》

 

 

 

 スチームブレードを出現させるとネビュラスチームガンに接続、ライフルモードへと変形させ、編隊を組んでいる先頭のガーディアンの頭部を、スコープ越しに捉える。

 

 狙撃されたガーディアンは沈黙し、その場で崩れ落ちた。それを見た他のガーディアンは、辺りを警戒し索敵する。そしてこちらの姿を捉えたようで、ライフルを乱射してくる。

 

 しかし、この距離はガーディアンのライフルの有効射程の外側、一発も当たることなく、弾丸は重力に引かれ落ちていく。そのまま、偶に出撃してくる巨大ガーディアンをボトルを使って撃破などしていたら,三十分ほどでここの戦線における戦闘は終了を迎えた。

 




擬似ライダーいっぱいしゅき♡

・オリ主くん
食事会で場の空気に酔ってダウンした

・猿渡一海
世界一カッケェドルオタ
オリ主くんには、割と思うところがある

・北都三羽ガラス
弟分ができた感じ
最近北都四羽ガラスに改名しようか本気で迷っている



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