闇堕ちタンクくんの光堕ち   作:傘葉

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今回はあるキャラたちの独自解釈、というか捏造入ります


ローグと呼ばれた男

「ローグ………」

「こいつは俺の獲物だ。勝手に手を出すことは、許さん」

 

 僕とビルドの間に割って入ったローグは、カイゾクハッシャーの一撃をその拳で受け止めた。ローグの防御力は、現状のライダーの中で最高の硬度を誇っており、どれだけ力を加えてもまるで動かない。

 

 諦めた僕は、大人しく手を引く。するとそれで満足したのか、ローグは僕に背を向けて、変身を解除しビルドへと言葉を投げ掛けた。

 

「また会えたな葛城」

「氷室幻徳……!何であんたが仮面ライダーに………?」

「這い上がってきたんだ、地獄から」

 

 そうか、元々氷室幻徳は東都政府の人間だった。どうにもローグとなってからの印象が鮮烈で、すっかり頭から抜け落ちていた。ビルドとの個人的な因縁は知らないが、そう簡単なものでもないようだ。

 

「ここでお前らを仕留めるつもりはない。俺が見た地獄を、じっくり味あわせてやる」

 

 そう言って踵を返した氷室幻徳の後を追う。失礼かもしれないが、こちらにも少なからず不満はあるので。

 

「ローグ、あなたの復讐に興味はありませんが、僕たちの邪魔はしないで頂きたい」

「……心配しなくともパンドラボックスは必ず奪い取る。だが奴らをどう排除するかは、俺の自由だ」

「しかし……」

 

 そのとき、彼が突如足を止めた。

 

「………貴様は、何のために戦う?」

「何のため……?」

 

 予想外の言葉に思わず言葉に詰まった。そんな僕を氷室の冷淡な、だが確かな意志の籠った目が貫く。

 

「俺は、ただ命令のまま自分の意思も持たずに戦う貴様らとは違う。………例え全てを犠牲にしてでも成すべき大義がある。お前はどうだ?」

「僕は………」

 

 彼からしたら、特に意味を持たないかもしれない言葉、しかしそれは、僕の心に重くのし掛かった。戦う理由など、今の今まで気に留めることもなかった。スタークの命令だったから従っただけ、ただそれだけだ。

 しかし、心の中で何か強い違和感を感じる。

 

「あの兄弟はまだいい。忠誠という形と言えど、自分の意思を持って戦っている。だがお前はどうだ? スターク、スターク、スターク………まるであの男の都合の良い操り人形、空っぽな人間だ」

 

 空っぽ………僕が?

いやそんな事はない。僕は、島田千華という人間は………

 

 

 

 

 

────年齢は?誕生日は?好きな食べ物に嫌いな人間のタイプは?

 

 

 

 

 ふと脳裏にあの日の言葉が響く、スタークに出会ったあの日の光景が。

 頭に残っている最初の記憶。あそこから、今の僕の全てが始まった。………いや、待てよ。だとしたら、その前はどうなんだ?僕は一体……

 

 

 

 何かをトリガーにしたように、次々と色々な情報が押し寄せてくる。まるで今まで当たり前だったことがそうではなくなる感覚……例えば人が息をすること、鳥が空を飛ぶこと、空が青いこと、風が吹くこと。当たり前のこと全てに疑問を抱くような、そんな感覚に陥った。

 

 頭に走る激痛を必死に抑える。だが、一向に終わりが見えてこない、それはまるで迷宮のように。

 

「それともう一つ、今のお前では俺には勝てない」

「……何……だと?」

「………背負っているものが違うからな」

 

 遠のいて行く氷室の悲壮感漂う背中、それを最後に捉えた僕は意識を手放した。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「兄貴、千華は大丈夫なのか?」

「……問題ない、とは言い切れないでしょう」

 

 一度西都に引き返したローグたち一行、だが道中で気を失った千華は、ここに戻ってきてもその目を覚さないでいた。

 

 

「しかし……戦う意味か、ローグの野郎になんか言われてたよな?」

「空っぽ……ですか」

 

 鷲尾兄弟、彼らは確かに自分を殺して戦う兵器だ。だがそれは戦場での話、彼らとて人として仲間を心配する善性はあった。

 

「なあ兄貴、もしあいつが記憶を取り戻したとき、そのときはどうする?」

「……私としては、このまま一緒に戦って欲しいですけどね」

 

 スタークが連れてきた少年、それだけで彼の過去がロクでもないことは、薄々想像がつく。しかし、過去がロクでもないのは、自分たちも一緒だ。

 

 幼い頃に難波拾われた風と雷は、難波チルドレンとしてその身を難波に捧げてきた。

 そしてその中には、決して表に出せないようなことも多々あった。初めのうちは、本当にこれが正しいのかと、苦悩することもそれと同じほど。

 

 迷った、迷って迷って迷って……………答えは見つけられなかった。だが,風には雷が、雷には風がいた。どんな状況でも、常にお互いの存在を頼りにここまで来ることができた。

 

 そして二人は、今の千華をかつての自分たちに重ねていた。しかし、千華には自分たちとは違う点が一つある。それは────心の拠り所だ。

 

 千華は出会った当初に比べれば、確かに自分たちに心を開いている。それでも、自分たちでは本当の意味で彼の心は救えないと、二人は薄々気付いていた。

 

「逆に聞きますが雷、彼が敵になったとしたらどうしますか?」

「俺たちの前に立ちはだかるなら、どんな奴でも叩き潰す。たとえそれが千華でもな。

 だが…………それがあいつ自身で選んだの選択なら、俺が言うことは何もない」

「そうですか………やはり、そう考えますか」

 

 二人は顔を合わせて、ニヤリと笑う。自分たちはろくでなしだ。いまさら環境のせいにするつもりなどさらさらないし、この罪を償おうなどとも思っていない。

 だがそれでも、せめてあの空っぽな少年の行く末くらいは………

 

 

 


 

 

 

 

 

 夢を見ていた。

 

 

 

 

目の前には一人の少年と一人の少女、それと一匹の小犬。場所はどこかの豪邸の庭のようで、周りには彼ら以外誰も居ない。

 

 

風が吹いて木々が揺れ、庭の中に置いてある戦車が、日光を反射する。

 辺り一体静寂の中で、二人と一匹は水面が反射する池の近くに腰を下ろした。

 

 

 

 

『…………それなら仕方ないな。でも、少し寂しい。それに■■だって』

 

 

 

 

 少女は悲しそうにそう呟く。しかし少女の言葉に少年が応えると、少女は先ほどまでの面持ちはどこかへ、静かに笑った。

 

 

 

 

『千華、もしまた会えるときは、そのときはもう一度────』

 

 

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 目を覚ました。

 どうやら夢を見ていたらしい。どこか懐かしい感じのする映像が頭を流れたが、所々でボヤがかかり、特に何も思い出すことはなかった。いや………少しだけ懐かしい気持ちがした。

 

 

 気を取り直して………

スカイウォール付近で気を失った僕が、意識を取り戻した頃には、既に作戦は次の段階に入っていた。東都政府に潜んでいたスパイから、パンドラボックスが移送されるとの情報が入ったらしい。

 

 ローグと鷲尾兄弟は東都入りを果たしており、僕は完全に置いてけぼり…………というわけで!

 

 僕は今一人、スカイウォールの上で待ちぼうけ中です。

にしてもずっと一人で、やることなくて結構限界なんですがね………早く来ないかなー。

 こんなことなら、まだ一人ベッドで眠ってた方が良かったかも。

 

 

 

 

 

 っと、来た来た。フェニックスフルボトルの力で不死鳥の姿をとったローグと鷲尾兄弟の二人の姿が見える。その後ろにいるビルドとグリス、赤羽と黄羽の姿も。…………あれ、クローズは?

 

 スカイウォールから飛び降りた僕は、ビルドたちの後方に着地、ローグたちと挟み込める位置に陣取る。すると、横から声が聞こえてきた。

 

「うぉぉぉぉ!」

 

 

………クローズだ。まさか、走ってきたのか?

 

 

 

「俺達の運命を狂わせたスカイウォール。これ以上ない舞台だろう?葛城。お前達からボトルを回収してパンドラボックスを開けば…全てが終わる。いや、全てが始まる」

 

 

 そして始まる戦闘、僕は一番近くにいるクローズへと襲いかかるが、その前に一つ確認したいことがある。

 

 

「クローズ、一つ聞いてもいいか?」

「あっ?何だよ」

「………ここまで、走ってきたのか?」

「そうだよ、それがどうした!」

「………ここから政府官邸まで、どのくらいの距離か知ってるのか?」

「走ってりゃ勝手に少なくなるだろ、んなもん!」

「………ある意味尊敬しますよ」

「何だそれ?褒めてんのか!」

「………褒めてますよ、ある意味ね」

「そうか、ありがとよ!」

 

 

………多分馬鹿だろこの人

 

 内心呆れながらもクローズに攻撃を仕掛ける。頭の方は弱いが、腕に関しては決して油断出来る相手ではない。クローズが得意とするのは打撃を用いての接近戦、ならば相手のレンジ外から仕掛けるのがベストだろう。

 

 

 

パンツァーキャノン!

 

 

 パンツァーキャノンを弾速重視にして展開、並びに無限軌道装置をオンにして機動戦に移行する。

 

「ちっ、捉えきれねぇ!」

 

 手数の多さでクローズを翻弄、反撃の隙を与えずに一方的に攻め立てる。一発一発の威力自体は低いが、時間を掛ければ何も問題はない。

 特に狙うのは、足と腕。そこさえ動けなければ、クローズの勝ち目はさらに薄くなる。

 

 そして、クローズがついに膝をついた。その気を見逃さずボルテックレバーを回し、必殺準備状態に入る。

 

 

 

 

《Ready go!》

 

パンツァーフィニッシュ!

 

 

 

 

「くそ、こっちだって!」

 

 

 

《シングル!》

《シングルブレイク!》

 

 

 

「ふっ!」

「はぁぁぁ!」

 

 

 激突する砲弾とドラゴン型のエネルギー、激突したそれらは僕とクローズの間で拮抗する。が、それも一瞬、砲弾がドラゴンの喉元を突き破り、クローズへ肉薄する。そしてクローズの胴体へと激突、爆発を起こした。

 

 変身を解除されるクローズ。チラリと横を見ると、ビルドとグリスも変身を解除、キャッスルスマッシュとオウルスマッシュも地にひれ伏していた。

 

「これで…最後だ」

 

 ローグがレバーへと手を掛ける。しかし、そのとき

 

 

 

 

  

 

 

─────コンコンコン

 

 

 

 

 

 

 

何者かの足音が近づいてきた。あの人は、

 

 

「みーたん⁉︎」

「美空⁉︎」

 

 

 グリスから以前見せられたネットアイドルみーたん……の筈だが、何か雰囲気が違う。あれは、オフだからなどという単純な理由ではない。もっと違う何かが………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────貴様、珍しいな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼女が目を見開いたと同時に、頭の中に女性の声が響く。

 

 

「ああっ、誰……だ………あんたは⁉︎」

 

 

 激しい頭痛が頭をついばむ。しかし、その正体が何かを考える暇も無かった。視界の端で彼女の腕元が光ると僕、そしてローグたちの体が浮かび上がる。視界が暗転し、視界からの情報が入手出来なくなる。

 

 

 …………スカイウォール……!

 

 

 僕たちの飛ばされた先、そこにそびえ立つはずのスカイウォールの一部に()()()()()

 …………ありえない、どんな方法を使っても破壊できなかったあの壁にいともたやすく大穴を開けるなんて、彼女は一体?

 

 だがその疑問は、スカイウォールの向こう側へ飛ばされると同時に、意識を失うという形で強制終了させられた。




ローグと呼ばれた男(によって変わり始めた男)


・オリ主
万丈がバカだと気づいた男
幻さんのお陰で、若干以前の人格が現れ始めた。

・氷室幻徳
図らずもいい影響を与えた人
現時点だと一方的にパンツァービルドをボコボコに出来る。

・鷲尾兄弟
過去捏造入った人達
原作よりかは、幾分か人間味が増している。

・万丈龍我
バカ認定された男
でも実際国境であるスカイウォールと、首相がいる=国の中で最高レベルで安全な場所までの間を短時間で走ってきているので、体力は相当なモノであると思われる………バカだけど

・石動美空(■■■■■■)
元は別世界の人間だったオリ主に興味あり
場合によっては………


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