闇堕ちタンクくんの光堕ち   作:傘葉

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感想、評価、誤字報告ありがとうございます

今回は戦兎たち変身〜ハザード暴走の下りはカットしました。
 特に原作と変化ないですし、戦意喪失して無抵抗の相手に、あの三人が戦う場面が想像できなかったので


決意のデュエル

 パンドラボックスを取り返した僕たちは、西都へと戻った。普通に考えれば大金星を挙げたも同然なのだが、今の僕にそんなことを気にする余裕は無かった。

 

 

 

 死んだ………赤羽さんと黄羽さんが、僕の目の前で。あのとき僕がいなかったら………二人は死なずに済んだかもしれない。

 なのに……最後まで二人は、僕のことを案じてくれていた。既に敵に回ったはずの僕をだ。……今も時折り、彼らの顔が頭の中に浮かんでくる。

 

………どうして何だ、どうして僕なんかの為に……あの二人はこんなことで死んでいい筈がない、こんな僕と違って、もっと生きるべきだったはずだなのに………なのになんで………

 

 

 

「よう、随分落ち込んでんな。千華」

「……スターク」

 

 

 

 向こう側から、珍しく変身を解いた状態でスタークがやって来た。

………正直今は、誰とも会いたくない。この感情を他人に見つけられるのが怖いから、今他人にこの胸の内を話せば、多分涙が止まらなくなるだろうから。

 

 

 

「そんなお前にお知らせがある。西都と東都の仮面ライダーによる代表戦が決定した。開催は一週間後、そして今回は一対一の三番勝負だ。お前たちが勝てば東都は、領土とボトルを西都に引き渡す。しかし負ければ、西都は東都侵略から手を引き北都を元に戻す、そういう条件でな」

「お前たちって……僕が出るのは決定事項ですか?」

 

 

 

 戦いたくない────今はそんな気分だ。こんな精神状態で戦っても、負けるのは目に見えてる。だから……

 

 

 

「西都側の選出はヘルブロス、ローグ、そしてお前だ。俺は正直、お前が居ないと多分負けると思ってる」

「……それでも風や雷が、パンツァービルドのデータを使えばまだ勝ち目は─────」

 

 

 

「怖いか?人が死ぬのは」

 

 

 

 スタークの目が僕のそれを貫いた。思わず足がすくみ、言葉に詰まる。

 

 

 

 

「確かに三羽ガラスの奴らは死んだ。

でもな……これは戦争なんだ。戦えば、誰かが傷つき何かが壊れる、当たり前のことだ。それをどう足掻こうたって、変えることは出来ない…………受け入れるしかないんだよ」

 

 

 

 スタークが僕の両肩を力強く掴んでくる。慰めてくれているようだが、今はそんなことはどうでもいい。

 

 

 

 

「………僕は、もう戦わない。戦うことで………これ以上誰かが傷付くくらいなら!」

 

 

 

 

 スタークの腕を振り払い、その場から退場しようとする。一刻も早くこの場から離れるべきだと、脳が警鐘を鳴らす。しかし、

 

 

 

 

 

 

「もう何人も傷付けてる奴が良く言うよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 その言葉に足が止まった。いつものスタークからは滅多に聞かない冷徹でいて見下すような声が、確かに僕の鼓膜を揺らした。

 

 

 

 

「いいか?戦争が始まった時点で、既に何人もの人間が傷付き倒れてるのは、分かってるはずだ。そして鷲尾兄弟やローグ、お前にだって死ぬ可能性は等しくあった。今回は、たまたまそれが三羽ガラスだっただけの話だ」

「しかし………」

「しかしもカカシも無いよ………争いが続く限り、この地獄は途切れることなく続いて行く………永遠にな」

 

 

 

 

………………僕のせいなのか?

 

 

─────そうだ、お前が戦っていなければ二人が死ぬことは無かったかもしれない。

 

 

─────目を逸らすな。

 

 

─────いつまで被害者面してる、お前のせいで死んだんだよ!

 

 頭の中でいろんな人の声が響く。赤羽さん、青羽さん、黄羽さん、名も知らない無数の人々、ああわかってる。

 これは幻覚だ。何とか抑え込まない……………いや、ここでこのまま終わったとしてもいいのでは?ああそうだ、それが良い、いっそのこと全部このまま………

 

 

 

「だがな、この地獄を終わらせる方法が一つある」

「…方…法……?」

「そうだ。この地獄を終わらせるたった一つのやり方………この戦争を終わらせればいい」

「………終わらせる?」

「そうだ。代表戦でお前たちが勝利すれば、西都の軍は直ちに撤退、これ以上犠牲が出ることもない」

「でも………」

 

 

 

 また誰かが死ぬかもしれない。怖いんだ、自分がそうなるのも、周りの人間がそうなるのも、卑怯かもしれない、それでも………

 

 

 

「いいか?何かを成せる人間には一つの共通点がある、それは……逃げ出さないことだ。

 お前は黄羽たちが死んだ時、どう思った?怖かったか?悲しかったか?それとも今度は自分と思ったか?」

「………ああそうだよ。怖かったよ、悲しかったよ、辛かったよ!正直……自分はこんな気持ちは抱かないって思ってた。……なのにあの時からずっと、心が叫んでる!あんな風にはなりたくない、自分も他人も傷付けたくないって………だから!」

「だったら!………その意思を、最後まで貫き通して見せろよ!……お前にはそれが出来る、俺はそう信じてる」

 

 

 

 そう言うとスタークは、一つのアタッシュケースを僕に渡した。開けてみろと言うので、片手で底を支えて、二つのロックを外しその中身を見る。そこには、数本のフルボトルが、ベストマッチ同士の組み合わせ状態て入っていた。

 

 

 

「俺からの差し入れだ。今度の代表戦、このボトルを使って戦え。お前の相手は、おそらくグリスかクローズだ。あいつら二人は、成長速度が恐ろしく速い。一週間後にはパンツァービルドの能力もビルドに解析されてるだろうしな」

「僕が……この地獄を終わらせる」

「そうだ、期待してるぜ。Ciao」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから一週間、ただひたすらにハザードレベルを上げて、ボトルに慣れる訓練をした。食事も睡眠も必要最低限、風と雷、果てにはローグにまでも、少しは休めと言われたが、全てはこの日の為にやってきた。だから、負けるわけにはいかない。

 

 試合会場となるドームの控え室にて、あんぱんを一口、口に放り込む。粒あんが多少、歯と歯の間に入り込むが、それを牛乳で流し込む。まもなく第一試合が終わる時間帯、僕の出番だろう。

 

 ビルドドライバーと、パンツァータンクフルボトルを強く握りしめ、もう一度決意を新たにした。そのとき、控え室の扉が外側から開かれた。

 

 

 

 

「邪魔するぞ」

「せめてノックしてくれませんか?」

「………すまん」

 

 ローグが、申し訳なさそうに入室してきた。いや、そこまで反省されても、逆にこっちが困るんだが………

 

 

 

「島田、お前は俺を恨んでいないのか?」

 

 

 

…………しかも開口一番、クソ重い話題出してきやがった。大事な戦いの前だぞ、こっちは。これで負けたらアンタのせいにしてやる。

………その時は、来ないだろうけど。

 

何だろう?この人雰囲気の割に、偶に空気読めない時あるよな。何というかシリアスに振り切れないというか…。

 

 

 

「思うところが全くないと言えば、嘘になります。でも……」

「でも……なんだ?」

「俺にも見つかりましたよ、戦う理由」

「………そうか」

 

 ローグの横を抜け、試合会場に向かう。ああ、そうだこれからが本番だ。最後まで戦い抜いてみせる。

 

 っというかなんかローグの様子が変だ。なんか挙動不審というか、何かを我慢しているというか、少し聞いてみるか。

 

 

 

 

 

「……まだ何か?」

「島田………………トイレはどこにある?」

「はい………………?」

 

 

 

 

 

 聞き間違いだろうか?うん、だよな。そうだよな、聞き間違い…………でもないかも、さっきから足元が小刻みに震えている。まさかこの人…………

 

 

 

 

 

 

「もしかして、知らないんですか?トイレの場所」

「………すまん」

 

 

 

 

 

 

 

 なんだろう一海さんといい、クローズといいこの人といい、仮面ライダーはちょっと変わった人しかいないのだろうか?敵ではあるが、せめてビルドくらいはまともな人間であって欲しい。

 

 

 

 

 

 

「………突き当たりを左に曲がったところです」

「………すまん、助かる」

 

 

 

 

 

 もしかして、この人これ聞くために僕の部屋寄ったの?地味にショックなんだが

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「久しぶり、でもねぇか」

「クローズ……」

「一海はお前のこと、心配してたぜ」

「ありがとう、そう伝えてください。でも僕はそっちには行けません。戦う理由が………出来ましたから」

「そうか、んじゃまあ行くぞ」

 

 

 

 

ドラゴンゼリー!

 

 

シュトルムパンツァー!

《Are you ready?》

 

 

 

「「変身!」」

 

 

 

潰れる!流れる!溢れ出る!

ドラゴンイン

クローズチャージ!
ブラァァァァ!

 

 

パンツァーフォー!

アイアンボディー

アンド

オーバーデストロイ!

パンツァービルド

 

《Yeah……!》

 

 

 

 

『試合開始!』

 

 

 

 司会の宣言と同時に僕とクローズは互いに接近、正面から拳で殴り合う。

 

 

 

「はぁっ!」

「おりゃー!」

 

 

 互いに殴り殴られ、何度もダメージを負いながらも、決して防御をすることはなく、手を緩めることもない。

 拳の先に痛みを感じる。これまでに感じたことがないほど、尋常では無いほどにだ。これをずっと続ければ、長くは持たないだろう。だが、それでも、今はこれでいい!

 

 クローズの拳が顔前へと迫る。その手はハザードレベル上昇の影響か、激しい蒼炎が雄叫びを上げていた。真正面から激突するそれにより、僕の体は後方へと吹き飛ばされ、地面にめり込む。

 なかなかに堪えるものがある、が今はそれが心地よくも感じた。

 

 

 

「お前、変わったな。前戦ったときより、気持ちがいいぜ!」

「褒めてます?それ」

「ああ、褒めてるよ!でも悪いな、俺は負ける訳にはいかねぇんだ」

 

 体を起き上がらせ、視線の先にクローズを見据える。先ほどから彼の闘志は、ますます上がっている。………認めよう、彼は強い。とんでもなくだ。

 

 だが、それでも…………

 

 

 

「僕も、負ける訳にいかないんでね!」

 

 

 

 使おう。スタークから貰ったあれを、出し惜しみは無しだ!

 フルボトルホルダーから、紫と白のフルボトル取り外すと、両手でそれぞれを持ち、数回振るとキャップの位置を前面に合わせる。

 

 

 

「おい、それは……!」

 

 

 

《スパイダー//冷蔵庫》

 

 

 

 ボルテックレバーを回し、スナップビルダーを展開。パンツァービルドを新たな姿へと進化させる。お見せしよう!

 

 

 

《Are you ready?》

 

 

 

 

「ビルドアップ!」

 

 

 

《冷却のトラップマスター》

《スパイダークーラー!》

《Yeah……!》

 

 

 

「………うそーん」

「さあ、この俺を止めてみろ!」




決意のデュエル(決着が付くとは言ってない)

幻さんは、絶対にああいうところで迷子になるタイプだと思うの

・オリ主
色々あって前に進めた人
でもここでどう転ぼうと西都(難波)は、無理矢理戦争仕掛けるから、どっちにしろ戦わなければならないとかいう地獄

・スターク
流石おやっさん枠、良い事イウネ()
こういう時の差し入れは、フルボトルがいいと気づいた男

・氷室幻徳
なんか偉そうな態度して、本当はトイレ行きたかった人
ただオリ主のことを心配してるのはホント

・猿渡一海
描写はされてないが一回戦でヘルブロスと対戦、逆転勝ちした。
さっすがカシラ〜!

・万丈龍我
原作に比べ精神攻撃もなく、割と気持ちよく戦えてる
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