Second World Life ~500円で買ったゲームが神ゲーだった~   作:痛いのは嫌いです

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 2041年7月12日、23時21分。

 それは俺にとって中学が終わり、最後の夏休みに入る日の夜。

 そんな日に俺、琴乃秋也(ことの しゅうや)はいつも通りインターネットのゲームを漁っていた。

 漁っているのもいつも通り、最近ハマっている……というか、世界的に流行しているVRゲームというジャンル。

 データできた仮想世界に降り立って遊ぶ、まさにゲームの世界に入ることができるジャンルだ。

 とはいえ、このジャンルが出来上がったと言えるのは約10年ほど前、

 俺がまだ、小学生にもなっていない頃の話だ。

 

「……んー、めぼしいものは無いか? いや、まぁ1000円以下で検索してもそりゃそうだけどさ」

 

 つまりこのジャンル、決して出来たばかりのジャンルではないのだ。

 なので既に世の中にVRゲームというのは飽和し切っており、手当たり次第やってもハズレを掴まされるだけ。

 いつぞやの携帯やスマホゲームのような状態だ。

 そんな中で予算1000円以内でこの夏休みに遊ぶVRゲームを買おうとするのは、本当に馬鹿のやることなのかもしれない。

 企業が作ったVRゲームは、基本的に安くて1万。

 高ければ普通に3万を超えてくるなど、それだけ作るのに手がかかるゲームなのだ。

 

「……お? 500円のVRMMO?」

 

 なので、VRゲームで1000円以下なんていうものはほとんどが個人制作。

 あとは課金前例のVRMMO辺りだけだろう。

 つまり、500円で買えるVRゲームなんてハズレか結果的にめちゃくちゃ高くなる課金ゲーのどちらか。

 ……だと思ってた。

 

「えーっと……。買い切り500円課金無しの、VRMMO!?」

 

 検索結果の中にあった、一つのVRMMO。

 平気で1万を超えるようなVRゲームの中で、たったの500円買い切りで売られている課金無しのVRMMO。

 はっきり言って信じられないようなことが書いてあった。

 いくつか付いているPVを開いてみれば、どれもこれも凄まじくリアリティのある動画。

 解像度から音質、質感や雰囲気。

 そのどれもが信じられないほどに精巧だった。

 

「詐欺ゲーの可能性もあるけど……」

 

 だからこそ疑ったのは詐欺ゲーの可能性。

 時折あるのだ。PVやサンプル画像だけ凝って、内容は全くなっていないゲームが。

 その判断のためにも評価を見ようとして。

 たまたま目を向けていたゲームの紹介欄でとあることに気がついた。

 

「え? これ今日の0時から配信開始なの?」

 

 配信日は7月13日(土)の0時。

 つまり今から大体30分後。

 しかも『配信開始の30分前からログインが可能』と書いてある。

 ……正直言って、かなり惹かれた。

 確かにこれが詐欺ゲーであれば、俺は500円を無駄にすることになる。

 とはいえ500円くらいならまぁ割り切れる。

 ということで結論。

 

 3秒ほど悩んだあと、電子カートに入れて秒で買った。

 

「……ま、あんまり期待はしないでおくか」

 

 まぁそんな事を言っても内心少し期待はしてるんだけども。

 ダウンロード時間を見れば、残り11分と書かれていた。

 ……どうやら、最速ログインは出来そうだ。

 

 そこまでして、初めて確認したゲームタイトルは……“Second World Life”。

 直訳して、第二世界での人生とでもなるそのゲームタイトル。

 あまりの安直さに笑ったが……できれば一週間くらいは飽きない程度の面白さがあればいいな。

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