IS 少女の怨嗟と憎悪による復讐 作:来亜
「幽・・・・。」
おれは病室にいた。あのあと幽は爆風で飛ばされ気を失った。すぐに先生達がかけつけて幽を運んでいった。幽が気絶した時にはISはいつものカラーリングにもどっていた。幽はまだ寝ている。いつ起きるかわからない状態だ。
ふと窓を見ると、窓越しに男が映っていた。
「?、なんだ?」
後ろを振り向くもそこには誰もいない。窓をもう一度見てみるもそこには男の姿はなかった。
「気のせいか。」
おれはそういうことにした。疲れたんだな。きっと。でもさっきの人、昔どこかで会った気がする。おれは思い出せないまま部屋を出ようとした。そのとき、
「・・・っ、・・お・・にい・・っ・ちゃ・・ん・・・」
声がした。ふりむくと幽の寝言だった。しかし、ただの寝言じゃない。そう思いもどると幽は泣いていた。涙を流して。
「幽・・・・。」
おれは見ていられず幽の涙をぬぐった。何か事情があるのかと思いつつ涙をぬぐった。
幽の目元は赤くなっていてまだ少量の涙がのこっていた。
「一夏。ここにいたのか。」
誰かと思ったら箒だった。
「なんだよ。箒。」
「そ、その、夕食にいくぞ。」
「わかった、行こうぜ。」
「! ああ、いこう!」
おれは病室をあとにした。
IS学園研究室
「織斑先生。あのISの解析結果が出ました。あれは無人機で、コアも未登録のものです。」
「そうか。ご苦労。」
私たちは地下のIS研究室にいた。あの無人機について調べたが1機目は答えが出たが、2機目は、あの時自爆をして残骸すら出なかったのでなにもわからなかった。もう映像しか残っていない。しかしなんだあれは。IS反応がないということはISではないというのか?だとしたらISを相手にしてなぜ圧倒できる。現存の兵器でISに勝るものなどないはずだ。
それに・・・
「織斑先生。2機目のあれは・・・・」
「わかっている。委細は私に任せてくれ。」
私はあの緑の巨人の映像を見た。あの形、やはり関連性があるのかもしれない。
話を聞く必要があるな。
わたしはゆめをみていた。いつも見るあのゆめ。でも今日はおかしかった。このゆめの続きらしきものを見た。わたしが慟哭したあと、ふりむくとミラーマスターを展開した『わたし』が目の前にいた。しかし普通のミラーマスターではない。カラーリングが完全な黒になっており非固定浮遊部位の鏡まで黒くなっていた。
「なに・・・?」
「・・・おまえは弱い。自分の身すら守れない無力な奴だ。そんな奴が復讐を成し遂げられると思うのか?」
「・・・・」
『わたし』は続ける。
「おまえは何一つ変わってない。」
「やめて・・・もう・・・」
「なにもできない愚かな存在だ」
「やめて!!!!!!!!!」
「・・・・・はっ!」
わたしは目が覚めた。あれはいったい・・・・。
「目、覚めた?よかった。おねえさん心配しちゃったわ。」
「・・・・・」
生徒会長がいた。なぜここに?
「無茶したのね。」
会長はわたしの髪をなでながら言った。
「そんなぼろぼろになって、悲しむ人だっているわよ?」
「・・・いませんよ。そんな人たちなんてもう・・・」
そうだ。わたしはもう、ひとり。失うものなど、もはやどこにもありはしない。
だからわたしは・・・・
「そんな悲しいこと言わないの。ここにいるじゃない。心配してくれる人が。」
え・・・・?
「あなたはひとりじゃないわ。それを忘れないで。」
「・・・・」
なんのつもり?それにこの様子じゃ・・・・。
「ワタシはもう行くわ。怪我、お大事に。」
そう言うと会長は去っていった。
わたしはひとりになった。
会長は事情を知っているな。先ほどの言葉は同情か何かだろう。
わたしは先ほどのゆめにでてきた『わたし』のことを考えながら目をつむった。
「言葉を選んだつもりだったけど、どうだったかしら。」
ワタシは幽ちゃんに会いに行った。彼女のことは自分なりに調べた。驚くことに彼女は白騎士事件の被害者だった。公式には被害者0というはなしだったが、彼女のことを洗いざらい調べるうちにわかったことだった。この事件で彼女は兄を亡くしていた。
なら、あのときの憎悪と悲しみは、白騎士事件の首謀者に対するものなの?
ワタシは考えながら生徒会室にむかった。