IS 少女の怨嗟と憎悪による復讐 作:来亜
「織斑、おまえのISだが準備に時間がかかる。」
「え?」
「予備機がない。だからおまえの機体は学園で用意する。」
どういうことだ?
おれはひとりで困惑してた。
「専用機!?一年のこの時期に?」
「うそ!?それって・・・」
「政府からの支援が出るってこと?
「うらやましい~私も専用機ほしいな~。」
「??」
みんながざわめいてる中、おれはわからないでいた。
「教科書六ページを音読しろ。」
「は、はい。」
え~と・・あった。
【現在、幅広く国家・企業に技術提供が行われているISだが、その核たるコアを製造する技術は開示されていない。現世界中にあるIS467機、そのすべてのコアを製造する技術は篠ノ之束博士が作成したものである。これらは完全なブラックボックス化しており、未だ博士以外はコアを製造できない状態にある。しかし、博士はコアを一定以上製造することを拒否しており、各国家・企業・機関では、それぞれ割り振られたコアを使用して研究・開発・訓練を行っている。また、コアを取引することはアラスカ条約第七項に抵触し全ての状況下において禁止されている。】
なるほど。
「よくわからないが、おれは特別待遇のようなものなんだな。」
「言うなればそういうことだ。おまえの場合状況が状況だ。データをとることが目的で
専用機が用意されることになる。」
「それを聞いて安心しましたわ。」
「ん?」
セシリアがおれの前に立ちはだかり、そう言った。
「まぁ、勝敗は見えていますが?さすがに専用機と訓練機ではお話になりませんからねぇ。」
「じゃあ、持っているのか?専用機を。」
「愚問ですわね。とうぜんですわ!このわたくし、セシリア・オルコットはイギリス代表候補生ですから!それに専用機を預かることは国からの信頼の証ですわ。1人の人間が国から信頼を得ることは真のエリートの証でもありますわ!!!」
そう言うと満足したのか、セシリアは席に着いた
「へぇ、そんなにすごいんだ。専用機をもっているのって。じゃあ、幽も専用機をもっているのか?」
おれは幽に聞いてみた。
「・・・ええ、もってるわ。」
「どんな機体なんだ?」
「・・・それは、」
「それは?」
「・・・・・・」
「「「「・・・・・・・・・」」」」
「・・・・いずれわかる。」
「「「「「・・・・・・・・・」」」」」
教えてくれないのかよ、とおれは心の中で言った。多分、多数の生徒がおれと同じことを思っているはずだ。
「あの、織斑先生!」
「なんだ?」
「篠ノ之さんて、あの篠ノ之博士の関係者なんですか?」
ひとりの生徒が尋ねた。
「そうだ。篠ノ之はあいつの妹だ。」
千冬姉がそう言うと、
「すごーーーい!篠ノ之さんて篠ノ之博士の妹なの?」
「もしかして、篠ノ之さんもISのこと詳しいの?」
「ねぇねぇ、篠ノ之博士ってどんな人なの?」
生徒たちが箒に質問を浴びせてきた。すると箒は・・・
「あのひとは、関係ない!!!」
「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」
「大声をだしてすまない。だがわたしはあのひとではない。だから教えられることはなにもない・・・。」
そう言って箒は窓の方へ顔を背けた。
「さて授業を再開するぞ。山田先生。」
「は、はい!」
「・・・・・・・」
わたしはこういう人間が嫌いだ。わたしが失ったものを持っているくせにそれをよしとせず
必要としてない素振りすらみせているようでわたしは我慢するのに必死だった。しかも相手が相手だった。お兄ちゃんを殺した相手の妹だった。わたしは体の中に渦巻く殺意を押し殺していた。これ以上暴れるとさすがにやばい・・・
わたしは静かに授業の内容を聞いていた。
「今日はISの特性について勉強します。」
山田先生が講義を再開した。
「ISには意識に似たようなものがあります。つまり、パイロットと操縦を重ねること
によって、特性を理解します。」
となりでは織斑一夏が怪訝そうな顔をしている。内容がわからないのだろう。
「ISは道具ではなくパートナーとして見てください。」
わたしはその言葉に反応した。
渦巻いていた黒い感情が少しだけ表に出てきた。
「パートナー?道具じゃ・・・ない?」
「?どうしました神崎さん。なにか質問ですか?」
「きれいごとは教科書だけで十分・・・」
「えっ?」
「きれいごとなんてこの教科書だけで十分だって言ってるの。」
「なにを「所詮道具じゃないだのなんだの言っても無意味。」
「現に軍事用ISというものが存在している。そんな時点で人殺しの・・・道具にすぎない。
最初は宇宙開発のためにつくられたと言ってもあの事件のせいで兵器としての力は十分に誇示されている。人間は大きな力を手にすれば浮かれる。そして使い方を誤まれば滅びに至る。」
「で、でもISは「ISのせいで女尊男卑という下らない社会が出来上がったりもした。結局
ISとはなんのためにあるの?競技とかいって世界大会など開いているがただ実戦データをとるのが目的なんでしょう。」
「じゃ、じゃあ、あなたはなぜこのIS学園にいるんですの!?そんなにISが嫌いならここに来ること自体おかしいでしょう!?」
セシリア・オルコットはわたしに反論する。
「ええ、わたしはISなど大嫌い・・・存在しなければいいと思っている。だけど国の命令で
不本意ながら来ることになったの。国からの命令でね・・」
「あなたは・・・代表であることを誇りに思わないんですか?」
「ええ。世界大会クラスの殺し合いごっこに参加するなどに興味はないわ。」
「な!?・・・見損ないましたわ!!!あなたが国家代表などとわたくしは認めません!!」
「いいかげんにしろ。おまえら。」
織斑千冬が殺気をむけながら言ってきた。
セシリア・オルコットはひるんだが、わたしはさらに強い殺気をむけた。
「!」
織斑千冬は一瞬たじろいだがすぐに態勢を整えた。
「神崎・・・言いたいことはそれだけか?」
「なんのことでしょう?」
「口が過ぎると言っている。無駄話などで時間をつぶすな。」
「申し訳ありませんでした・・・。」
セシリア・オルコットはうなだれて謝罪してた。
「・・・・・・・」
わたしは実に爽快だった。渦巻いていた殺意は消えていたから。
昼休み
屋上でわたしはひとりでパンをかじっていた。・・・昔のことを思い出しながら。
あの事件の後、わたしが親戚の家にひきとられてから3年が経っていた。
(事件があって半年後に親戚に引き取られた。)
すでにわたしはトルコにいた。叔母さんの前では愛想よくしていたがそのころのわたしはなにもかもがどうでもよいと感じていた。
ある日
わたしはISの適正検査を受けていた。どうやらかなり高かったらしくトルコのIS研究所から協力してくれと催促をうけた。わたしは興味がなくて断り続けていた。そんな生活をして半年が経った。わたしは根負けしてISの研究所に行った。叔母さんにも迷惑がかるし、謝礼金ももらえるということなので受けた。いろいろな実験や研究、訓練ばかりの毎日だった。
そして今に至る。
「・・・・・・・」
「こんなところでなにしてるの?」
「?」
ふりむくとあの青い髪の生徒だった。
最近知ったことだが彼女は生徒会長だった。
「いや・・・その・・・」
彼女はわたしのとなりにきて
「ここ、いい場所よね。風通りもいいし、ひとりになりたい場所にちょうどいいと思うし。」
「・・・・」
「ねぇ。あなたはなぜひとりでいるときが多いの?」
「・・わたしは・・・」
「ん?」
「・・・わたしはひとりでいたほうが気が楽になるので。」
「ふ~ん。なるほどねぇ。ごめんね。まるで、あまり友達がいないの?みたいな感じなことを
聞いて。」
「・・・いえ、わたしの責任です。失礼します。」
わたしはその場をあとにした。