ポケットモンスター 〜New Generation〜 作:なかムー
今回も変わらず本編の最新話をお送りします。
それでは、本編をどうぞ。
ノゾミがリコとロイ、フリードと自己紹介を一通り済ませると、一行はテーブルシティにあるファミリーレストランバラドにて、交流を兼ねた少し早めの昼食を取る事となったのだが…
「なるほど…仕事のオフを貰ったから、パルデアに観光にした際に偶然僕達の事を聞いた、と」
「はい、そうです…」
サツキとチカに色々と尋問を受けているノゾミであった。サツキがあれだけ釘を刺したのにも関わらず、自分から会いに来たのでまさか仕事をサボってストーキングに走ったのではないか疑っていたのだ。
ノゾミは観念して洗いざらい2人に話すと、事実確認のために彼女のマネージャーやスタッフといった関係者に連絡を取っていた。
『よぉーっす!ポケモントレーナーのみんな!ぐる〜びんしてる〜?ぐるみんの動画だぜ!』
『クワッスー!』
『今日はポケモンコンテストについて紹介するぜ!
『クワッ!』
『ポケモンコンテストはホウエン地方が発祥と言われているポケモンバトルとは一味違う大会だ!まず、ポケモントレーナーと違う所は、コーディネーターと呼ばれて、ポケモンをいかに魅せる事が重視されるのさ!コンテストで行われる工程は2つ…ワザによるアピールをする1次審査と、1次審査突破後には魅せる事を主体とした2次審査が行われるんだ!大会で優勝するとリボンが貰えて、これを5つ集めると…コーディネーター達の憧れの舞台にして最高の大会…グランドフェスティバルに参加する資格を得られるのだ〜!勝ち抜くためにはまず魅せる!魅せる!魅せる!見た目も大事だからその辺は意識するように!』
『クワッス!』
一方のリコは自分のスマホロトムでぐるみんの動画を視聴していた。内容は、今ちょうどポケモンコンテストの事を解説しているようで、熱心に動画を観ていた。内容はぐるみんがとにかく見栄えを意識するよう軽くジャブをしながら解説するのであった。それに合わせてか、クワッスも早着替えをしながらポーズを取っているのであった。
「あっ、ぐるみんだ!リコちゃんもぐるみんを観てるの?」
「うん。私も観てます「あっ、敬語じゃなくていいよ!あと私の事は呼び捨てでも大丈夫♪」…私も観てるよ」
「僕も!ノゾミも観てるんだ?」
「私も観てるよ、ぐるみんの動画。コンテストに向けてのレッスンの休憩中やプライベートで観てる事が多いよ」
サツキとチカが所在確認中のため手が空いたノゾミは、同じく自身が観ている動画配信者のぐるみんの事でリコやロイと話を咲かせていたのだ。
「(キョウスケさん。リコさんとロイさんはぐるみんの正体について何も聞かされていないのですか?)」
「(まだっス。言うタイミングを完全に流しちまったので…)」
リコとロイの反応を見て違和感を抱いたユウナは、キョウスケに小声でぐるみんの一件について指摘した。キョウスケも、小声でまだだと返すのであった。
「……どうやらノゾミの言った事は本当のようだ。スタッフに今一度確認したけど、完全にオフだ」
「マジか…でも仮にも人気急上昇中のポケモンコーディネーターだぞ。此処が一番ファンの書き入れ
「アイドルは休みも必要なのです!」
所在確認の取れたサツキは何処かげんなりとしながらフリードに報告をするも、当の本人であるノゾミはドヤ顔をしながらピースサインをするのであった。
「それと、確か貴方がフリード博士ですよね?」
「そうだが?」
「貴方には言いたかった事があります。サツキくんがいつもお世話になってます!」
「まぁ、サツキには色々助けて貰ってるからな…」
今度はフリードを見ると、自身の幼馴染が普段から世話になっている事を受けて感謝の言葉を彼に投げかけた。
「それはそうと…ノゾミ、貴女は手ぶらで此処に来たのですか?」
「えっ…あっ!カバン置いてきちゃったっ‼︎」
しかし胸の内に秘めていた違和感を抱いたチカはノゾミに指摘すると、彼女はカバンを忘れていたのを今更気づいたようだ。
「ちなみに何処に置きっぱにしたんだ?」
「えーっと…アレ?どこだっけ?」
サツキはすぐさまカバンを何処に置いてきたか尋ねるも、当の本人がド忘れしたようで、全員がズッコケた。仕方ないので、自分らと合流するまで何処にいたか聞き出して、その周辺で聞き込みを始めようとした。
『ワルワール…』
しかしちょうどそこに、死神を彷彿とさせる姿の、太い腕と腹部に口のような模様が特徴の巨体のポケモンが地面からすり抜けるようにサツキの元に現れた。
「このポケモンは…」
「ヨノワールか」
「へぇ、これが!」
『ヨノワール、てづかみポケモン。ゴーストタイプ。弾力のある 体の中に 行き場のない 魂を 取りこんで あの世に 連れていくと 言われる』
キョウスケの説明を受けたロイはスマホロトムのポケモン図鑑を開いてヨノワールを調べるも、図鑑の説明を受けて背筋がゾッとした。しかし当のヨノワールは『そんな事はしない』と言わんばかりのアピールをしていた。
それに対してフリードとリコは苦笑いをするも、同時にある一つの疑念を抱いた。
「ん?ちょっと待て。ヨノワールはパルデアに生息していないはずだが…」
フリードの知る限りでは、ヨノワールの進化前であるヨマワル系統のポケモンはパルデア地方に生息していないのは記憶している。といっても『パルデア地方の生態系が変わって最近生息し始めた』と話が上がらないとかでないと辻褄が合うのだが、パルデアではそのような報告は最近上がっていないのは確かである。となるとその疑念を解消するのは…誰かの手持ちのポケモンだと言う事である。
「……ヨノワール、久しぶりだな」
『ワル!』
「あはは…再会できて喜ぶのは分かるが、少し苦しいよ」
ヨノワールの姿を確認したサツキだが、その反応を見たヨノワールはサツキの事を抱き締めるのであった。
「そのヨノワールってサツキのポケモンなの⁉︎」
「言ってなかったか?」
「聞いてないよっ!というよりフリードの真似はしなくていいからね⁉︎」
「言ってみたかったのさ」
言っていたかと思っていたサツキであったが、そういえばリコ達に言ってない事をたった今思い出した。それを受けてサツキはヨノワールは元は自身のポケモンで、ノゾミのボディーガードとして彼女に預けている事をリコ達に説明をした。
説明を終えたその時、サツキはヨノワールの手に握ってあるものに気がついた。
「あっ、それって…」
『ワル』
「あっ、私のカバンだ!ありがとう、ヨノワール♪」
『ワル』
どうやらヨノワールがノゾミの忘れたカバンを持っていたようで、それを忘れた
「しっかりもののヨノワールなんだね」
「僕がキッチリ育ててるからな。それと、ノゾミのお守りをしてるから自然とそうなったのかもしれないけど」
「それどういう意味っ⁉︎なんだか私が子供みたいじゃん!」
「事実でしょうに…」
リコ達がサツキのヨノワールに対し関心しているが、なんだか『今の主人とボディーガードの関係』が一気に『娘と父親の関係』になっていると感じた場面であった。
「…ユウナさん、せっかく再会した縁です。私とポケモンバトルをしませんか?」
「構いませんが、どうしてですか?」
「貴女の腕が鈍ってないか確認するためです」
時間はそんなに経っていないとは言え、実力が再会した時劣ってないか確かめる名目だからか、チカはユウナにポケモンバトルを挑んできた。
「…いいでしょう。私もちょうど
しかしユウナも何故か鬱憤があったようで、含みのある言い方をしてチカの提案に乗るのであった。
急なポケモンバトルをする事になった一行は、会計を済ませて店を出ると、この付近にあるバトルフィールドに向かうのであった。
バトルフィールドにて、チカとユウナが対面するように立っている。2人の手にはモンスターボールが握られていた。ちなみに審判の位置にはフリードが立っていた。
「「それでは行きますよ」」
2人は一斉にモンスターボールを投げてポケモンを出した。チカの傍には自身の尻尾をサーフボードのように乗りこなしていて浮遊している体色がオレンジ色のポケモンで、ユウナの傍には白い体毛と頭の角が鎌状の四足歩行のポケモンであった。
「ロトム、あのポケモン達を教えて」
『ライチュウ、アローラのすがた。でんき・エスパータイプ。念力で 電気を 操る。 尻尾に 乗ると サイコパワーで 浮きあがり そのまま 移動』
『アブソル。わざわいポケモン。あくタイプ。風のように 野山を 駆けぬける。 弓なりの ツノは 自然災害の 予兆を 敏感に 感じとる』
リコが見た事ないポケモンなので、当然スマホロトムのポケモン図鑑を開いてチカ達のポケモンを調べた。対峙したチカは自身のアローラライチュウとユウナのアブソルとでは相性が悪いからか少し苦い表情を浮かべた。しかし自分からバトルを挑んだ事のプライドとタイプ相性が全てではないので気持ちをすぐさま切り替えた。
「では行きますよ。ライチュウ、『10まんボルト』」
「アブソル、『つじぎり』で切り伏せなさい」
ライチュウはポケモン図鑑の説明通りに自身の念力で作成した電気を星形にしてアブソルに撃ち放つも、アブソルは自身の頭の鎌で一刀両断するのであった。
「それなら視点を変えて攻めますか。ライチュウ、『みわくのボイス』」
ワザを一蹴されてもなお、攻めの姿勢を忘れないチカはライチュウに別のワザの指示を出した。するとライチュウから天使のような歌声でアブソルに攻撃するのであった…が、アブソルはいつのまにかライチュウの懐まで移動していて、頭の鎌でライチュウに攻撃した。
「『ふいうち』ですか…やはり厄介ですね」
「厄介でも攻撃は止める気はありませんよ?アブソル、『つじぎり』」
「躱しなさい!」
今度はユウナがアブソルに指示を出してライチュウに攻撃するも、間一髪で攻撃を躱すのであった。チカは何かに気づいたのか、自身のライチュウ、ユウナとアブソルを交互に見た。
これだけバトルをしていると始まって間もないが、ある程度の疲れが出るのは付きもの。しかしアブソルはそんな様子でもないしむしろやる気に満ちた表情で頭の鎌をぶんぶんと振り回していた。
「…鈍るどころか、鋭くなっていますね。一体この短期間でそこまで進歩したのですか?」
「オレンジアカデミーにポケモンバトルが好きな後輩がいましてね…毎日のようにバトルを挑まれるから自然と強くなりました」
ユウナが話した理由を聞いた一同は耳を疑ったのか少し引き気味であった。しかしリコだけはある程度把握しているのか少し微妙な表情になっていた。
「それとキョウスケさん。その方から伝言があります」
「俺に?」
「はい。『次会ったらバトルを挑むので、今のうちに首を洗って待ってください』…と言ってました」
「……了解」
だがこのタイミングでユウナから告げられたのが、キョウスケに対して言伝であるが、まさかの内容が挑戦状であった。キョウスケは複雑そうにしながらも渋々了承するのであった。
「さて、バトルは終わっていませんよ?アブソル、もう一度『つじぎり』」
必要な事を教えたユウナはすぐさまアブソルに指示を出してライチュウに攻撃を仕掛けた。しかしライチュウは持ち前の素早さで躱した。鎌は地面に直撃するも、当たった箇所の地面が抉られているのを見たライチュウは背筋がゾッとする気分になった。
「(マズイですね。『サイコキネシス』はエスパータイプのワザ…あくタイプのアブソルには効果はありません。『10まんボルト』や『みわくのボイス』も読まれてしまいます、それなら…)ライチュウ、『ほっぺすりすり』!」
今度はライチュウは自身のほっぺを擦り合わせながらアブソルに向かって突進した。
「『ストーンエッジ』」
しかし3つの青白い光の輪が体を包み、輪が光った後多数の石が現れ、その直後、目が光り、石がライチュウに向かって発射された。すると石はライチュウの鳩尾付近に当たり後方に大きく吹き飛ばされた。
ライチュウはなんとか立ち上がるも、『ストーンエッジ』の当たった箇所を抑えながら苦しい表情になっていた。
「アブソル、『つじぎり』でトドメを」
『アブッ!』
これを好機と捉えたユウナはバトルにフィナーレに持ち込むためにアブソルに指示を出した。するとアブソルはライチュウに目掛けて突進し始めた。
「マズイですね…ライチュウ、そのまま『10まんボルト』で…」
これに対抗すべくチカはライチュウに指示を出すも時既に遅し。アブソルの鎌がライチュウを切り裂くのであった。そしてライチュウは力尽きてそのまま地面に倒れて伸びるのであった。
「ライチュウ、戦闘不能。アブソルの勝ち」
この状態で戦闘の続行が不可能と判断したフリードのジャッジにより勝利はユウナとアブソルに軍配が上がるのであった。
「お疲れ様、ライチュウ。ゆっくり休んでくださいね」
『ライ…』
労いの言葉をライチュウに掛けたチカはモンスターボールを手に取り、ライチュウをボールの中に戻した。ユウナもアブソルに『お疲れ様です』と一言残してボールの中に戻した。
「対戦ありがとうございます。それだけの実力があれば心配は要りませんね」
「それはどうも。でもそれは貴女も同じですよ?」
「ほう。でも伊達にエクスプローラーズと相まみえたりしていませんよ」
バトルが終わるとチカとユウナは談笑を交えつつお互いを健闘を称えあった。
「次、私もバトルやりたい!2人のバトルを見てたらやりたくなってきちゃった!」
「僕もやりたい!」
『ホゲホゲ!』
しかしノゾミとロイも対抗意識を燃やしたのか、元気よくバトルの申し出をするのであった。それを見たリコは苦笑いしていた。
「それならノゾミとロイ。
「それはいいな。なら2VS1でバトルするのはどうだ?でも数を合わせてキョウスケがポケモン2匹出して2人が1匹ずつ出す形式にしてみるか?」
それを受けてキョウスケがバトルの相手を買って出て、サツキはそれに便乗するようにルールを提案してきた。
「かなり変則的…」
「バトルにはさまざまなやり方があるんだ。必ずしもフェアとは限らないんだよ」
変則的なルールを提示した事を受けてリコは複雑そうにするも、フリードにお互いの条件は対等ではないと諭されるのであった。しかしリコは先日の変則的なバトルを経験したのを思い出した事もあり、そう割り切る事にした。そして、そう考えている間にも、キョウスケとノゾミとロイはバトルフィールドに立っていて、いつでもバトルが始まる準備は出来ていた。
「あら?面白そうな事してるじゃない」
バトルが始まろうとしたその時、誰かがキョウスケ達に不意に声を掛けられたのだ。
その人物は紫色の髪に、目元のアイシャドウと口紅が特徴的な褐色肌の女性で、白と薄紫のミニスカートワンピを着用し、白のオープントゥヒールを履いている。
あと特徴的なのは、服や靴には、花弁または蝶の羽を模した様な飾りが付いており、常に羽ばたくように動いているように見えるくらいである。
「あの、貴女は…?」
「「リップさん。お久しぶりです」」
「あら、キョウスケちゃんにユウナちゃんじゃない。テラスタル研修以来ね」
女性…リップの姿を見たキョウスケとユウナは彼女に一礼した。リップも、2人を確認すると気兼ねなく話しかけた。
「キョウスケくん、ユウナちゃん、この人と知り合いなの?」
「知り合いもなにも、リップさんはパルデアのジムリーダーの1人だぞ」
「本業はメイクアップアーティストをやっていて、自らがモデルを務めたりコスメブランドを展開していますよ」
いまいち状況が飲めないノゾミとロイにキョウスケとユウナが説明を施した。その際、ユウナはスマホロトムを操作してから画面をノゾミとロイに見せた。
「……あー、思い出したっ!確か私もそのコスメ使ってる!」
「リップが手がけたブランドを使用してくれてるの?個人としては嬉しいかぎりね」
画面を見て思い出したのか、ノゾミは大声を上げた。途中ユウナに叱責されるも、それをリップは微笑ましく見ていた。
「それじゃ、リップと会った記念に…その前に貴女、名前は?」
「ノゾミですっ!」
「ノゾミね…ならリップとバトルしないかしら?」
「えっ、いいんですかっ⁉︎」
「言ったでしょ?
なんとリップがノゾミとポケモンバトルをする事を提案してきた。ノゾミもジムリーダーと対戦する機会はあれど、ポケモンコーディネーターとしてだからその殆どがコンテスト形式でのバトルが多いのだ。
だから純粋にポケモンバトルが出来るとなればノゾミとしては嬉しい限りだが、ポケモンコーディネーターの方に精を出していたのでブランクはあるが、サツキのいる手前と彼の育てたポケモンが手持ちにいるわけだから俄然張り切るしかないのだ。
そして先程のユウナとチカのように、チカとリップはバトルフィールドに対面した。
「いいなぁ…僕もやりたかったよ」
『ホゲ〜…』
「まぁ、もうチャンスが無いわけではないからな?それに他のトレーナーのバトルを観るのも特訓の一つだぞ」
バトルが出来ない事にがっかりするロイとホゲータだが、キョウスケはロイとホゲータの頭に手をポンと置きながら激励した。ポケモンバトルを見学してそれをどう活かすか…といった事も時には必要なのは確かなのでロイは文句を言わずに見学する事にした。
いざバトル開始…といきたいが、リップはスマホロトムで誰かと通話していた。聞き取れた範囲では…スケジュール云々の事は言っていた。キョウスケやユウナ曰く、『リップさんは本業が忙しいから、多忙の時はバトルが始まる前に仕事の打ち合わせが来る事は時折ある』との事なのでそこは気長に待つ事となった。
「…と、お待たせ。随分待ったかしら?」
「全然待ってませんよ」
「そう…それじゃ、始めようかしら」
通話を終えると、リップは気持ちを切り替えるように、モンスターボールを片手に持ってバトルがいつでも出来る態勢に入った。ノゾミもそれに合わせて固唾を飲んで、リップと同様にモンスターボールを持ってバトル出来る態勢になった。
そして2人は同時にモンスターボールを投げるのであった────。
まずは最新話の読了とお気に入り登録をしてくれた皆様、ありがとうございます。こんな拙作にお付き合いいただいた事に感謝感激です。
次回の更新はまだ未定ですが、話の内容は今回の続きからで、ノゾミVSリップとなります。
それでは、また次回。
スカーレット・バイオレットには未登場のポケモンをテラスタルさせても……
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断然OK!だってアニポケだもの!
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ダメ。パワーバランス崩れるおそれがある。