ポケットモンスター 〜New Generation〜 作:なかムー
他の小説の執筆と仕事が忙しく執筆時間がなかなか取れなかった事により、投稿が遅くなった事をお詫び申し上げますm(_ _)m
今回の投稿日である10月16日は『Pokémon LEGENDS
今回は最新話で、前回の続きからとなります。
それでは、本編をどうぞ。
ノゾミとリップが同時にモンスターボールを投げて出てきたのは、ノゾミはヨノワールだが、リップの方は尾羽にかけてのオレンジ色を主体とした大きなフリルが特徴の、脚の長い鳥ポケモンであった。
「キョウスケ。あのポケモンは?」
「アレはクエスパトラだな」
『クエスパトラ。ダチョウポケモン。エスパータイプ。色とりどりの フリルの 隙間から サイコパワーを 放出して 時速200キロで 疾走する』
リップが繰り出したポケモンに見覚えの無いサツキは、隣にいたパルデア地方のポケモンに詳しいキョウスケに尋ねた後にスマホロトムに内蔵されたポケモン図鑑でどのようなポケモンか軽く調べると納得したように頷いた。
「それじゃ、バトル開始!」
先程のバトルに続けて審判を勤める事となったフリードの号令の元、ノゾミとリップのバトルが始まった。バトルが入るのかと思いきや、ノゾミとリップ、ヨノワールとクエスパトラはお互い睨み合っていた。お互いがお互いの出方を窺っている、そういう感じである。
「まずは先手必勝!ヨノワール、『シャドーボール』!」
まず動き出したのはノゾミの方で、ヨノワールにワザの指示を出した。ヨノワールは自身の腹の口を開くと、チカのゴーストにも劣らないくらいの『シャドーボール』を生成し、クエスパトラ目掛けて発射した。
ヨノワールはゴーストタイプに対してクエスパトラはエスパータイプ。それに加えて『シャドーボール』はゴーストタイプなので、有利なのはヨノワールの方だ。だがそれは
クエスパトラは素早さが高い部類であるためか、その持ち前の素早さを活かして『シャドーボール』を難なく躱すのであった。
「クエスパトラちゃん、此方も『シャドーボール』!」
ゴーストタイプ対策としてなのか、クエスパトラに『シャドーボール』を覚えさせていたようで、クエスパトラの口から『シャドーボール』を生成した後、ヨノワール目掛けて発射した。しかしヨノワールの咄嗟の起点で『シャドーボール』を生成して発射して見事相殺した。
「お利口なのね、貴女のヨノワールちゃんは」
「それはどうも。でもヨノワールは私のポケモンじゃないですけどね」
「へぇ、ノゾミちゃんのポケモンじゃないんだ。誰のポケモンちゃんかな?」
ヨノワールの要領の良さを称賛するとともに誰のポケモンか尋ねるも、ノゾミは顔を逸らした。しかしその際、ノゾミは一瞬サツキを見ていた事をリップは逃さなかった。
「口で言わなくていいわ、誰のポケモンか分かっちゃったもん。それにノゾミちゃん、その子の事意識してるでしょ?」
そこに立て続けにリップはノゾミに遠回しにサツキのコトネについて指摘すると顔を赤面させるのであった。その場にいたリコとロイ以外の一同は呆れるしかなかった。
「ウブねぇ…でもその調子だとリップとのバトルは勝てないわよ?クエスパトラちゃん、連続で『シャドーボール』!」
ノゾミの反応を見る目的でもっと続けたかったリップであるが、今はポケモンバトルの真っ最中であるのを思い出し、気持ちを切り替えてクエスパトラにワザの指示を出した。
今度は先程より小ぶりの『シャドーボール』をマシンガンの如く発射した。ヨノワールの方は素早さがあまり芳しくないのか避ける際は当たるか否かの紙一重であった。避け切れないものは『シャドーパンチ』で弾き倒すのであった。
「こうなったら…ヨノワール、『ゴーストダイブ』!」
ヨノワールは自身の下の空間に紫色の穴を作り潜り込んだ。ヨノワールが消えた事により、クエスパトラは自身の周囲を警戒した。するとクエスパトラの死角に先程と同じ様な紫色の穴が出現した。そこからヨノワールが出てきてパンチでクエスパトラに攻撃した。
効果は抜群であるが、ジムリーダーが育てあげたポケモンであるためか、多少怯んだ程度の軽傷で済んだ。タイプ相性が此方が有利とはいえ相手はジムリーダー、油断は出来ないとノゾミは改めて実感した。
「あら、なかなかやるわね」
「それはどうも…ヨノワール、もう一度『ゴーストダイブ』!」
効果が良かったのか、ノゾミはすかさずヨノワールにもう一度『ゴーストダイブ』の指示を出した。
「へぇ、また『ゴーストダイブ』を出してくるのね。でもそれで勝てるほどリップは甘くないわよ?」
「どういう事ですか?」
「見てれば分かるわ」
しかし遠回しにただ単調に指示を出すだけでは自分に勝てないとノゾミに指摘するリップであった。
その直後、紫色の穴がクエスパトラの背後に現れてヨノワールが奇襲を仕掛けようとした。
「クエスパトラちゃん、『でんこうせっか』」
「⁉︎」
しかしその直後、ヨノワールに向かって『でんこうせっか』を仕掛けた。だがヨノワールのタイプはゴーストタイプ、ノーマルタイプの『でんこうせっか』は効果が無いのでヨノワールの身体をすり抜けていった。
リップの選択ミスではないかとノゾミは勘ぐった。しかしリップは含みのある笑みを浮かべた。
「クエスパトラちゃん、ヨノワールに目掛けて『シャドーボール』」
「…しまった!」
迷いなくリップがワザの指示を出した事によりノゾミは漸く彼女の目的を理解した。だが時既に遅し、クエスパトラの『シャドーボール』はそのままヨノワールの背後にモロに直撃した。しかも先程のように小ぶりのものではなく、大きさも従来のものであった。
ワザの直撃を受けたヨノワールは、当たった箇所を抑えながら苦しい表情を浮かべた。
「そのまま『サイコキネシス』」
そしてヨノワールはクエスパトラの『サイコキネシス』に見事嵌まり、空中に浮かべられると、そのまま地面に叩きつけられた。
「「『シャドーボール』!」」
トドメと言わんばかりにリップは『シャドーボール』を指示するも、ノゾミも負けじとヨノワールに『シャドーボール』を指示した。しかもお互いほぼ同じタイミングであった。だが、クエスパトラの方が一枚早かったようで、『シャドーボール』を生成中のヨノワールの腹部の口に、クエスパトラの『シャドーボール』が押し込まれる形で直撃するのであった。
直撃後に砂埃が舞い上がると、間もなくして砂埃が収まった。そこには、地面で目を回して倒れていた。
「ヨノワール、戦闘不能!クエスパトラの勝ち!」
フリードのジャッジが入った事により、リップに軍配が上がるのであった。
「ごめんね、ヨノワール。後はゆっくり休んでね」
『ワル』
ノゾミは申し訳無さそうにヨノワールをモンスターボールに戻すのであった。
「さぁノゾミちゃん、次のポケモンを出してちょうだい」
「えっ、今ので私の負けじゃ…」
「リップは1対1と言ってないわ。せっかくだから2対2で勝負続行しない?」
「あっ…」
そういえばそんな事言ってなかった…と言わんばかりにノゾミは頭を抱えた。それを見たサツキやキョウスケ達は呆れるしかなかった。
「…それなら遠慮はいらないよね!」
「もちろんよ」
気持ちを切り替えたノゾミは次なるポケモンを出すため、モンスターボールを手に取り投げた。ボールから出てきたのは、細身で紫色の猫のようなポケモンであった。
「ロトム、あのポケモンは?」
『レパルダス、れいこくポケモン。あくタイプ。神出鬼没な ポケモン。 美しい スタイルと 毛並みが 多くの トレーナーを ひきつける』
見た事ないポケモンであるためか、リコは先程のサツキのようにポケモン図鑑でノゾミのポケモン…レパルダスの生体を調べた。第一印象としては綺麗と感じるリコであった。
しかしその直後、キョウスケのモンスターボールから一匹のポケモンが出てきた。マスカーニャであった。
『ニャア!』
マスカーニャはレパルダスを見ると、すぐさま駆け寄って花弁をレパルダスに差し出した。
『…………』
『ニャオ⁉︎』
しかしレパルダスはマスカーニャに興味を抱いてないようでそっぽを向いた。この時ナンパの失敗でマスカーニャはショックを受けていたからか、自身の足元にいつのまにか潜んでいたロープに気づいていなかった。
『ニャア⁉︎』
そのロープは急に動き出した。マスカーニャは気づくも時既に遅し、ロープはマスカーニャの身体を縛り上げた。
マスカーニャの視線の先にはユウナと、彼女の傍には薄紫色の体色の、額に赤い玉と尻尾の先端が二又のポケモン…エーフィがいた。二人(といっても一人と一匹)は黒い笑みを浮かべていた。
「マスカーニャ、貴方の悪癖がまだ働いたようですね?」
『フィー♪』
ユウナとエーフィは笑みを浮かべる…というより睨みつけるようにマスカーニャに彼の悪癖を指摘した。しかし当の本人はガタガタと震え出していたが。
「…キョウスケさん。マスカーニャをお借りしてもよろしいでしょうか?」
「あっ、どうぞどうぞ」
キョウスケの許可を得たユウナはロープで縛りつけられているマスカーニャの首根っこを掴むと、エーフィと共に路地裏へと連れ去った。その数分後、マスカーニャの断末魔が響き渡るのは言うまでもなかった。
「あら。キョウスケちゃんのマスカーニャちゃんは相変わらずのようね」
「そこだけは治らなかった、の方が正しいですが…」
以前から知り合いであるリップはある程度の事情は汲み取っている様子であった。それに対してキョウスケは申し訳なさとマスカーニャに呆れているのか複雑な気分であった。
「…さて、バトルは続行よ。クエスパトラちゃん、『マジカルシャイン』!」
気持ちを切り替えたリップはすぐさまクエスパトラにワザの指示を出した。しかもあくタイプにとって有利なフェアリータイプで仕掛けてきた。
「でもタダではやられないですよ!レパルダス、『ねこだまし』!」
「しまった!」
しかしノゾミはリップに対して自身もレパルダスにワザの指示を出した。するとクエスパトラが『マジカルシャイン』を放つ前にレパルダスが再接近して、クエスパトラの顔の前でねこだましをした。するとクエスパトラの『マジカルシャイン』は不発に終わると同時に怯むのであった。
「今だレパルダス!『つじぎり』!」
最後のトドメと言わんばかりに、レパルダスの爪が長く伸びて黒いオーラに包まれた。そして『つじぎり』はクエスパトラの腹部を切り裂いた。急所に当たったようで、クエスパトラはその場で倒れ込んで目を回して力尽きた。
「クエスパトラ戦闘不能!レパルダスの勝ち!」
戦闘続行が不可能と判断したフリードのジャッジにより、ノゾミとリップのポケモンバトルはドローに持ち込まれた。此処が正念場…そう感じる一幕であった。
「やるね、ノゾミちゃん。貴女の事は過小評価してたけど、撤回しないといけないわね」
「それどういう意味っ⁉︎」
クエスパトラをモンスターボールに戻すと、リップはノゾミの評価を簡潔に下すも、最初は評価が下気味であった事に彼女は驚きを隠せなかったが、サツキとチカはリップの言い分に同意なのか無言で頷いた。
「でも次は勝てるかしら?」
リップがそう言うと、モンスターボールを投げた。ボールから出てきたのは、首周りが赤い花で覆われたポケモンであった。
「ロトム、あのポケモンは?」
『フラージェス、ガーデンポケモン。フェアリータイプ。自分の テリトリーに 見事な 花園を 作る。 首まわりの 赤い花の パワーを 引き出す』
ポケモン図鑑の説明を聞いたリコとロイは関心するも、サツキはある一つの疑念を抱いていた。
「キョウスケ、一つ聞きたい事がある」
「なんだ?」
「僕の予想が正しければ、リップさんはエスパータイプの専門で間違いないよな?」
「そうだ」
「それに対してフラージェスはフェアリータイプだが、専門外だぞ?」
ポケモン図鑑の説明にもあったように、フラージェスのタイプがフェアリータイプである事だ。ジムリーダーの専門で使うタイプとは異なるのは稀にある事だが、サツキは直感でリップのタイプを察知した。
「それはこのバトルを見れば分かる。尤も、それを披露する機会がリップさんにあればの話だがな」
しかし普通に教えても面白味が無いと感じたのか、敢えてこの場では教えずにバトルを見るようサツキに促すのであった。サツキはそれ以上は何も聞かずに渋々バトルの観戦に戻るのであった。
「それじゃあ、フラージェスちゃん…」
「レパルダス、『ふいうち』!」
フラージェスがフィールドに立つとバトルは再開し、リップはフラージェスにワザの指示を出そうとするも、ノゾミはすかさずレパルダスにワザの指示を出した。
「『あまえる』」
しかしそんなノゾミとは対照的にリップは『ふいうち』の穴を突いてきた。フラージェスは文字通り甘える仕草をレパルダスにすると、レパルダスは一瞬たじろぐと共にワザが不発に終わった。
「『あまえる』ってあんな効果があったんだ!」
「いえ、『ふいうち』のワザが失敗しただけです。『ふいうち』は相手が攻撃ワザを使用すれば先制攻撃できますが、逆に変化ワザを使ってきたら不発に終わるのですよ(全く、ノゾミったら…あとでたっぷりとオハナシする必要がありますね)」
『あまえる』の効果を勘違いしているロイにチカは補足程度に解説を施した。それと同時に勝利に先走ったノゾミに呆れるのであった。
「フラージェスちゃん、『はなふぶき』」
「それならもう一度『ふいうち』!」
フラージェスの放った『はなふぶき』は攻撃ワザであるためか、今度はワザの不発に終わらずにフラージェスに攻撃するのであった。しかしフラージェスにとってはダメージが少なかったようで、『ふいうち』が命中した箇所を軽く叩いた程度であった。
「なんでフラージェスは大丈夫なの?」
「あくタイプのワザはフェアリータイプには効果はいま一つだからだよ(ノゾミ、タイプ相性くらい復習しておけよな…)」
「それに加えて先程の『あまえる』という相手の攻撃を下げる変化ワザなので、大した痛手になってないのですよ(詰めが甘いですね…)」
内心ノゾミに毒づきながらも、ポケモントレーナーとして経験の浅いリコとロイに解説を施すサツキとチカであった。それと同時にフラージェスは『はなふぶき』をレパルダスに放った。レパルダスに纏わりつくも、前足で払いのけて地面に落ちた。
「フラージェスちゃん、『サイコキネシス』」
次にリップが指示を出してきたのは、なんとあくタイプにとって効果が無いエスパータイプのワザであった。タイプ相性を理解しているノゾミは勿論、リコやロイは驚きを隠せなかった。
「キョウスケ、此処で『サイコキネシス』を出してきたという事は何か意味があるのか?」
その光景に、サツキは何かあると瞬時に見抜いた。いくらジムリーダーとはいえ、タイプ相性を忘れているほど愚行をやらかすなんて事はしないと踏んでの事だ。
「あるよ。それは「見ていれば分かります」…あっ、ユウナさん。戻ってきたんですね」
「えぇ。なんとか」
マスカーニャの説教を終えたユウナが再び合流してきた。ちなみにマスカーニャは彼女とエーフィの後ろでロープで簀巻から解放されていないのは言うまでもなかった。
ユウナ達が合流した束の間、レパルダスの足元に落ちてた花びらが宙を舞い始めた。
「これってもしかして…さっきの『はなふぶき』の⁉︎」
「そうよ。『サイコキネシス』にはこういう使い方もあるのよ」
リップがそういうと、花びらがレパルダスの身体中に纏わりつき始めた。しかもその花びらは顔にも貼りつき始めたため、レパルダスは視界を確保しようと払いのけようとした。しかしそれが命取りとなった。
「フラージェスちゃん、『ムーンフォース』!」
リップがそう指示を出すと、フラージェスの上空に月が現れ光が集約し始めた。そして力が溜まったのか、それをビームとしてレパルダスに向けて発射された。
自身の顔に張り付いていた花びらを漸く取り払えたレパルダスだが時既に遅し。『ムーンフォース』はそのままレパルダスに直撃して辺りが砂埃を舞うのであった。
砂埃が舞うとそこにはレパルダスが起き上がっているも、効果抜群のワザを直撃で受けたためか、立っているだけでもやっとな状態であった。
「この状態だとリップの勝ちね「いや、まだです」…?」
この時点で勝利を確信するリップであった。しかもそれは慢心ではなく状況を確認しての判断である。そのままノゾミに降参を促そうとするも、途中で遮られた。
「まだレパルダスは立っています!だからまだ私は…私達のバトルは終わっていません!」
リップにそう啖呵を切るノゾミであった。レパルダスもノゾミの方を向き、苦しい表情を浮かべるも、『自分はまだやれる』と言わんばかりにサムズアップをするのであった。
そんなノゾミとレパルダスを見たリップは降参を促す言葉を口に出そうとしたがそれを止めた。
「ノゾミちゃん達の絆には感動したわ。それじゃ、貴女達にチャンスをあ・げ・る♪」
リップはそう言うと、全体が黒色で構成されたモンスターボールに酷似したアイテムを取り出すと同時に掲げた。
「行くわよ…フラージェスちゃん!」
その瞬間、ボールに徐々に光が集まり輝き始めた。それはまるでエネルギーのように集約するかのようだった。
光がボールに集約し終えると、リップはボールをフラージェスの頭上目掛けて向かって投げた。するとボールは輝きを強めてフラージェスを無数の水晶に包み込んだ。そして水晶が弾け飛ぶと、フラージェスの全身が宝石のように光り輝き、頭には巨大な瞳を象徴とした冠を着けた姿となって現れた。
「リップのマジック・マキアージュ、毛穴の奥まで染み込ませあげる♪」
「すげぇ!フラージェスが輝いてる!」
「綺麗……」
「まるで宝石ですね…」
フラージェスが輝き始めた事に対し、ロイ、ノゾミ、チカは目を輝かせたら見惚れて各々の反応を示した。サツキも初めて事に目の当たりになったのか、無言でフラージェスを見惚れるのであった。
「サツキ、鼻の下を伸ばしてませんよね?」
「えっ⁉︎いや、ただ綺麗なだけで…」
そんなサツキの様子にチカは彼の足のつま先を軽く踏みつけながら睨みつけるように問いただしてきた。
「あれってもしかして…」
「そうだ。テラスタルだ」
サツキがチカに弁明している傍らで、キョウスケとユウナ、リコはこの現象…テラスタルに心当たりはあったので、知っている素振りを見せるのであった。
「「「テラスタル?」」」
テラスタルなるものについて詳しく知らないサツキ、チカ、ロイは口を揃えて聞き返した。ちなみにチカの追及はこれで一旦区切られた事に内心ホッとしたサツキであった。
「テラスタルはメガシンカとかと同じでポケモンの新たな可能性を秘めたパルデアの奇跡とも言える代物です。ですがそれを使用するにはテラスタルオーブという道具を持っていないといけませんが」
ユウナがテラスタルについて軽く説明するとキョウスケはテラスタルオーブを取り出してサツキに手渡した。ユウナもキョウスケに倣って自身もテラスタルオーブを取り出してチカとロイに見せた。
「そういえば二人はオレンジアカデミーの卒業生だったな…もしかしてその時に手に入れた物か?」
「特別な授業を受けた末に使用資格を取得したんだ。ちなみにオレンジアカデミーでは此処最近になって、校外の生徒でもテラスタルを取得するために定期的にテラスタル研修なるものも開いているそうだ」
キョウスケは自身がテラスタルを取得した経緯をサツキに一度手渡したテラスタルオーブを返されると同時にそう説明した。
「ちなみに補足程度に…テラスタルをするとポケモンのタイプも変わるのですよ」
「ポケモンのタイプが変わるのっ⁉︎」
「はい。今回の例でいくと、今のフラージェスはフェアリータイプからエスパータイプになっています」
「ちなみにパルデアのジムリーダーやアカデミーの教員はテラスタルを使ってくる。ジムリーダーに関しては専門のタイプとは別のタイプのポケモンを手持ちに入れるのはそれが理由でもあるがな」
それに続いてユウナはテラスタルの補足を説明するのであった。キョウスケもそれに続いて補足を付け加えた。サツキはキョウスケの説明を聞いて先程の自身の疑問に納得した。
しかしその際にノゾミにとってはいい事を聞いた瞬間であった。
「そっか、今のフラージェスはエスパータイプ…それならレパルダスが有利になった!」
あくタイプであるレパルダスは、先程のフラージェスのタイプがフェアリーに対しては効果はいまひとつだが、エスパータイプとなれば効果は抜群、その逆は効果は無いのだ。タイプ相性が変われば自身に勝機は生まれてくるものだ。
しかしノゾミは気づいてなかった。タイプで弱点は点けるが、素のタイプでは相性は悪い事を見落としている事に…。
「フラージェスちゃん、そのまま『あまえる』」
『ふいうち』を警戒しているのか、リップは変化ワザを使ってレパルダスを牽制すると共に好機を見極めていた。しかしノゾミは流石に同じ轍を踏む程単純ではない様子であった。
「ワザが当たれば致命的って事を忘れてませんよね?レパルダス、『つじぎり』!」
『ふいうち』のリスクを考慮してか、今度は安定してワザを当てるために『つじぎり』を主とした戦法にシフトチェンジした。だが、それを警戒しないリップではなかった。
「『はなふぶき』」
しかしフラージェスにワザを当てさせる気はないのは確かで妨害目的でワザを放った。
「避けて『あくのはどう』!」
『つじぎり』をキャンセルすると、今度は『あくのはどう』で攻撃するも、狙いは逸らされて地面に当たり砂埃が舞った。砂埃が収まるとフラージェスは『ムーンフォース』の態勢に入っていた。これはチャンスと言わんばかりにノゾミは目を光らせた。
「(チャンスだ…!)レパルダス、『ふいうち』!」
フラージェスが攻撃ワザを出してきた事によって、ノゾミはレパルダスに『ふいうち』で迎撃をするよう指示を出した。レパルダスの持ち前の素早さでフラージェスに接近、あと少しのところでワザが当たる範囲にまで迫った。
しかし、あと僅かのところで『ムーンフォース』が発射されてレパルダスに直撃した。直撃を受けたレパルダスは地面に墜落すると、目を回して倒れた。
「レパルダス、戦闘不能!フラージェスの勝ち!よって勝者、ベイクタウンジムリーダー、リップ!」
戦闘続行が不可能と判断したフリードのジャッジにより、リップの方に軍配が上がった。これにより、バトルのルールにより勝者はリップとなった。
そしてバトルが終わると、フラージェスは戦闘が終わったからか、戻ったのか全身の輝きと特徴的な冠はいつのまにか無くなっていた。
「いつのまにかテラスタルが解けてるな…」
「バトルが終わると強制的に解除されるんだ。これはメガシンカとかと同じだよ」
サツキにそう説明している傍では、ノゾミはレパルダスをモンスターボールに戻すと、リップの元まで来ていた。
「リップさん、対戦ありがとうございます」
「此方こそ、急な申し出でごめんなさいね」
バトルが終わった後だからか、ノゾミとリップはお互いの健闘を称えるように握手をして締めを括るのであった。
「リップさん。私、これからコンテストと同じくらいバトルの方も力を入れますので機会があったらバトルをお願いできますか?」
「あら、それはリップに対してのリベンジ?」
「はい!」
しかし突然リップに対して宣戦布告とも捉えられる申し出をするノゾミであった。しかもその目からは決意に満ち溢れていた。
「……分かった、ノゾミちゃんのその決意に免じてそうさせて貰うわ。それならいずれ行なわれるテラスタル研修を受ける事をオススメするわ」
一瞬面を喰らうも、ノゾミの申し出に快く承諾すると共にテラスタル研修の受講を薦めるのであった。
「分かりました!」
「でもその前にスケジュールとか調整しないとダメだけどな」
「そうでした…」
ノゾミは意気揚々と宣言するも、彼女の本職はあくまでもポケモンコーディネーター、それを遠回しに『怠るな』とサツキに忠告を受けて先程とは打って変わって意気消沈するのであった。
「貴女、面白い子ね。でもリップはそれ以上にサツキちゃんに興味があるのよ?」
「僕にですか?」
ノゾミ以上に興味を持っているのはサツキのようで、彼の方に視線を向けながらそう呟いた。
「えぇ、そうよ。少し前に貴方のバトル動画を偶然見かけた時から興味を持ったの。それで貴方とお話したかったけど…」
「したかったけど、なんですか?」
「これから新作コスメの打ち合わせがあるからそれは叶わなそうね。この話の続きはサツキちゃんがテラスタル研修を受講したらにするわ」
リップからしたらサツキに色々話をしたかったところだが…残念ながら自身に予定があるためそれは次回に持ち越しになった。別れ際に「それじやあね、サツキちゃん♡」と投げキッスをしてからこの場を後にするのであった。
「…ノゾミ」
「……チカ」
リップの反応を見たチカとノゾミはそう決意を露わにするのであった。それに対しリコは苦笑いを、キョウスケとユウナとフリードは呆れるも、ロイは理解できずに頭に疑問符を浮かべるのであった。しかしサツキは面倒事が増えたと感じたのか頭を抱えていのは言うまでもなかった─────。
「おかわり!」
「はいよ!」
「よく食べますね…」
「まぁ育ち盛りだからな」
その日の夜。ドット以外の【ライジングボルテッカーズ】のメンバーは船内のミーティングルームで夕飯を食べていた。ロイがマードックにおかわりを頼んだ際にユウナは少し呆気をとられていた。それもそのはず、これでおかわりは2回目だからだ。
しかし…
「おじさん、私もおかわり!」
「はいよ!少し待ってくれ」
「こっちもよく食べる…」
「ホントだよ」
ロイに負けじとか、先程のバトルの一件もあったからか、ノゾミもマードックにおかわりを頼んだ。その光景にモリーとキョウスケは呆れるしかなかった。
ちなみに何故ノゾミが船で夕飯をお邪魔しているのかと言うと…ノゾミが船で宿泊できるかサツキとフリードに頼み込んだからであった。数時間に及ぶノゾミの説得に折れたのか、二人は渋々許可をしたのだった。
「それでノゾミ」
「なに?」
「そんなに食べて平気ですか?」
チカにそう指摘されたノゾミの手はピタリと止まった。ノゾミはポケモンコーディネーターのため、手持ちのポケモンはもちろん、自分の身体のコンディションも気を遣わないといけない立場にあるのだ。しかしこの間にノゾミは先程含めるとおかわりは3回目であった。
「だ、だだだだだ大丈夫だよ!このくらいなら少し動かせば何とかなるから!」
冷や汗を掻きながらノゾミは大丈夫と豪語するも、目が完全に泳いでたため説得力は皆無に等しかった。
「……こうなれば実力行使をせざるを得ませんね。サツキ」
「分かってる。ノゾミ、夕飯が終わったらウィングデッキに来い。でないと分かってるよな?」
ノゾミにそう睨みを利かせるサツキであった。それを見たノゾミはもちろん、リコとロイは身震いした。
「えーっと、拒否権は…「あるわけがなかろう」ですよねー……」
完全に退路を絶たれたノゾミはサツキに従うほかなかった。そして数十分後に夕飯は終わったが…
「…なんて言うと思った?逃げるが勝ちって事もあるんだよっ!」
終わるや否や、ノゾミは一目散にミーティングルームを出ようとダッシュした。
「フギャッ⁉︎」
しかしノゾミの顔の前に花弁が現れると同時に急に爆発、彼女は尻餅をついた。
『『『『…………』』』』
そしてノゾミの背後にゲッコウガとルカリオ、ジュペッタとエーフィが立ち塞がった。その背後にはマスカーニャもシシシと笑っていた。ちなみに花弁を用意したのはマスカーニャで、ノゾミの逃走を妨害するために設置したものだ。
「ありがとうみんな、さてノゾミ…逝こうか?」
「あのー、お手柔らかにお願いし「逃走したヤツに慈悲を与える気はない」ですよねー……」
この時点で逃げ切るのは不可能と判断したノゾミは諦めて受け入れるも、慈悲を懇願する始末であった。しかしサツキは甘くはないようでバッサリと一蹴した。
そしてノゾミは自らボールから出たヨノワールに羽交い締めされると、サツキとチカと共にミーティングルームを後にしてウィングデッキに向かうのであった。
「ねぇキョウスケ」
「なんだ?」
「ノゾミ、大丈夫かな?」
「知らん」
「リコさん。心配するのは構いませんけど、あれは流石に擁護出来ないので何もしないというのが正解ですよ」
ノゾミを擁護する気が無いキョウスケとユウナは、食後のコーヒーを飲み始めた。キョウスケは遠回しにリコに座るよう促しながらコーヒーカップを用意した。リコは戸惑いながらも渋々キョウスケからカップを受け取ってコーヒーを飲むのであった。
そして暫くすると、ウィングデッキからノゾミの悲鳴が
まずは最新話の読了とお気に入り登録をしてくれた皆様、ありがとうございます。こんな拙作にお付き合いいただいた事に感謝感激です。
今回はリップ戦という事もあってテラスタルを原作より前倒しして登場させました。まあパルデアのジムリーダーとバトルだから致し方ないんですけどね(苦笑)
次回の投稿はまだ未定ですが、この話の続きになります。しかし原作と違ってリコロイとは別行動になります事を告知させていただきます。
それでは、次回をお楽しみに。
スカーレット・バイオレットには未登場のポケモンをテラスタルさせても……
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断然OK!だってアニポケだもの!
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ダメ。パワーバランス崩れるおそれがある。