ポケットモンスター 〜New Generation〜   作:なかムー

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 皆さまお待たせしました。

 今回は間を空けずに投稿する事が出来ました。

 先日発売のZA…まったりとプレイしながらストーリーを進めています。

 この場で感想を述べると…メガシンカの追加も豊富で、どのポケモンも魅力的でした。ぶっちゃけちゃうと、キョウスケやサツキ達に使わせたいメガシンカポケモンばかりです。ですがオリキャラ提供者の『咲野 皐月』様と検討しないと実現には至りませんが(苦笑)

 前座は置いといて…そして今回の話は前回の続きからとなります。

 それでは、本編をどうぞ。


第20話

 パルデア地方に到着してサツキとノゾミが思わぬ再会を果たした翌日。キョウスケとユウナの案内もあって、二人とサツキも含めた5人でセルクルタウンへと訪れた。

 

 本来ならフリード達とともにリコの実家にリコを送り届けないといけないのだが、「俺とロイでリコを送り届けるから、お前達はパルデアの観光でもしてこい」と言われたので、それに甘える形としてパルデアの案内をする事になったのだ。

 

 その際、何処から手をつけようかと考えた矢先、近場から案内する事にして、徒歩で数十分かかるが、場所としては悪くないセルクルタウンに白羽の矢が立ったので訪れる事となったのだ。

 

 本来ならライドポケモンに乗って行こうとしたのだが、「どうせならパルデア地方固有のポケモンを詳しく見たいしゲットしたい」というサツキ達の気持ちを汲んで敢えてそうするのであった。

 

 しかしいざ野生のポケモンに出くわすも、ハネッコやヤヤコマといった他の地方でも見かけるポケモン達であった。

 

 「しかしパルデア固有のポケモンにはなかなか会えないな…」

 「他地方のポケモンも生息してるからな…でもこういう場所以外でも砂漠や海辺もあるから、そこに行けば会えるかもだぞ?」

 

 パルデアにいる経験のあるキョウスケのアドバイスをサツキは真摯に受け止めていた。自分はパルデアの滞在期間が短いのに対し、キョウスケの方が長いのでアテにあるのは目に見えて分かるのだ。

 

 「ねぇキョウスケくん!パモは?パモはいるっ⁉︎」

 

 そこにノゾミは目を輝かせながらキョウスケにそう尋ねたきた。ノゾミの反応を見る限り、パモに対して相当思い入れがあるようだ。

 

 「パモを最初に発見したのはパルデアだから当然いるぞ。でもめったに見かけないうえに、セルクルタウンの近くでは生息は少ないぞ。会いたければ此処から更に南に行かないと」

 

 しかし今いる地点でノゾミの要望には答えられないようだ。ノゾミはそれを聞くとガックリと俯いた。

 

 「…もうすぐ町が見えてきますよ?」

 

 そんなノゾミに対してチカはそう言うとある一箇所を指差した。その先は、今回の目的地であるセルクルタウンが見えてきた。

 

 「ホント⁉︎ヤッタぁぁぁぁぁぁぁぁっ‼︎」

 

 先程まで落ち込んでいたノゾミは目的地が目と鼻の先にあると知った途端、セルクルタウンを目掛けて元気よく走り去るのであった。

 

 「…相変わらず、単純ですね」

 

 ノゾミの掌返しに対してチカはため息をつきながら呆れた。キョウスケ達も苦笑いするも、ノゾミは先に行ったため何をするか分からない事もあり、全員はノゾミの後を追いかけるようにセルクルタウンに向かって走り出た。

 

 『…チュララ!』

 

 しかしそんな彼らの行動を、木の上にいたポケモンは見逃さないと共にセルクルタウンに向かって歩みを進めるのであった。

 


 

 セルクルタウン。

 

 首都テーブルシティの隣町にあたり、乾燥した荒野の中心にあるが、その環境を活かしたオリーブ畑に囲まれた活気のある町。

 

 畑にはミニーブというオリーブに酷似したポケモンやディグダが数多く集まり、人々と共生関係を築いている。

 

 名物および特産品も勿論オリーブで、オリーブの実を模した大玉を転がす年に一度の収穫祭はパルデアの良き一つの文化になっている。

 

 そんな彼らの目的なのはこの町にあるパティスリー『ムクロジ』にて用事があるのだ。

 

 昨日の夕飯後に行なわれたノゾミの特別レッスン(オシオキ)が深夜に及んだ事により、朝からノゾミは寝不足などで不機嫌になっていた。流石にやり過ぎたと感じたサツキとチカはキョウスケとユウナの助言の元、『セルクルタウンのパティスリー『ムクロジ』でケーキでもご馳走した方がいい』と結論に達したため、今回の経緯に至ったのだ。

 

 本来ならサツキとチカとノゾミの三人で行く手筈であったのだが、土地勘が無いので、キョウスケとユウナも同行しているのだ。

 

 そんな彼らだが、セルクルタウンに入ってある一つの事に気づいた。

 

 「この町はむしタイプのポケモンが多いな…」

 

 木の上に集まっているミニーブを除けば、オレンの実の収穫を手伝っているヘラクロスや買い物に付き添っているクルミル、途中でマメバッタが横切ったり上空にビビヨンが羽ばたいている姿を確認する事ができた。

 

 「此処はむしタイプのポケモンにとって住み心地がいいからな。あとはむしタイプのエキスパートがこの町のジムリーダーなのもあるんだ」

 

 キョウスケの説明にサツキとチカは関心しているも、ノゾミだけは違っていた。先程までとは違い、何故か暗い表情を浮かべていたのだ。

 

 「ねぇキョウスケくん。この町のジムリーダーってむしタイプのエキスパートって本当なの?」

 「……?本当だ」

 

 再度キョウスケに確認をしたノゾミだが、変わらぬ答えに項垂れるのであった。

 

 「なぁ、ノゾミはどうしたんだ?」

 「ノゾミはむしタイプのポケモンが苦手なんです」

 

 唯一事情を知らないキョウスケはチカにノゾミの事を尋ねると、事情を聞いて苦笑いを浮かべていた。

 

 「そうだったんだ…でもむしタイプにもなかなか可愛らしかったり愛嬌が沸くものいる「それはないっ!」…はい?」

 

 しかしむしポケモンには罪は無いので苦笑いしながら諭すも、ノゾミは何故かキョウスケの両肩を掴み始めた。

 

 「君はむしタイプの恐ろしさを知らないからそんな事を言えるんだよ!子供の頃にスピアーの大群に追い回された挙句、アリアドスが一度捕獲した獲物に糸を掛けてからわざと逃がしてから糸を辿って捕食するポケモンの仲間を一網打尽にしたところから始まって…メガヤンマやドクケイルを見つめられて夜眠れなかったり、ヌケニンのあの空虚な目には一種の虚無感や恐怖を抱いたりしないの⁉︎」

 

 ノゾミは何故自身がむしポケモンが苦手になったか必死にキョウスケに熱弁をするのであった。前者二つならまだ分かるが、後半三つに関しては本人の捉え方だったり偏見に近い気もするが、ノゾミはそんな事お構いなしであった。

 

 「ノゾミ、ステイステイ。キョウスケが困惑してる」

 「でもサツキくん!私のこの話はまだ序の口だよ!」

 

 見るに堪えなかったのかサツキが割り込んできてノゾミにストップをかけた。しかしノゾミはまだ言い足りない様子なのは明らかなのでサツキとチカは呆れるしかなかった。

 

 「それじゃあノゾミさんはケーキはお預けですね」

 「…へ?ユウナちゃん、なんでそんな話になるのっ⁉︎」

 「この町のジムリーダーのカエデさんはむしタイプのエキスパートで、本職はパティシエールだからです。それにこれから行くムクロジの店長でもあるのですよ。その様子だとケーキはお預けになりますねぇ」

 

 それを見兼ねたユウナは、ノゾミに脅しに近い打診を掛けた。しかも遠回しに我慢するよう促すのであった。

 

 「……分かった。我慢します…」

 

 ケーキと天秤に掛けたようで、ノゾミは渋々観念して我慢する事にした。

 

 「やはり単純ですね……」

 

 ノゾミ行動理念を理解したチカは呆れながらため息をつくのであった。サツキとキョウスケも苦笑いするしかなかった。

 

 そんなやりとりはあったが、歩く事約数分で目的地のムクロジの前に到着した。

 

 「わぁ、美味しそう…!」

 

 着くや否や、ノゾミはいつのまにかショーケースに釘付けになっていた。しかも涎を垂らしていたのは言うまでもなかった。

 

 「ノゾミ、他の客の迷惑になるから一度離れろ」

 「……はーい」

 

 サツキはそんな様子のノゾミを咎めると共にショーケースから離れるよう促した。その後は他の客の事も考慮して、タマンチュラというポケモンを模したチョコ細工と金色の飴細工で象られたチョコレートケーキ…ムクロジ名物の『タマンチュラ・トルテ』人数分と他数種類のケーキを注文すると、店に併設されているテラスの一席まで店員に案内されて、先程注文したケーキが来るまで待つ事となった。

 

 「早く来ないかなー…楽しみ楽しみ♪」

 「ノゾミ、そんなに急かさなくてもケーキは逃げないから…」

 

 ケーキが来ないか待ち侘びているノゾミに対してサツキはため息をつきながら彼女を諭していた。キョウスケとユウナは苦笑いしているも、チカは無言で呆れていた。

 

 すると彼らの席に誰かが尋ねてきた。

 

 「申し訳ない。少しだけ時間をよろしいか?」

 

 ノゾミは注文したケーキを運んできた店員かと思い期待に満ちた表情を浮かべるも、違った事で残念そうな表情を浮かべた。ちなみにサツキ達を尋ねたのは、彼らとは年齢が然程変わらない青年であった。

 

 その青年はショートヘアの銀髪が特徴のサングラスをかけている人物であった。あと特徴らしき物を強いて言うなら、黒で統一されたジャケットとスラックスで赤いタートルネックのインナーを着ているくらいである。

 

 「えぇーと、なんでしょう?」

 「この町で仕事仲間と待ち合わせしているのだが…と、その前に軽い特徴だな。俺達と歳が然程変わらない少女と、10代半ばの少女の二人組を見かけなかったか?」

 

 どうやらこの青年は待ち合わせをしていたが、合流できてないようでやむなく人探しをしているようであった。しかしサツキ達は青年が言った二人の少女には心当たりは無かった。尤も、彼らが来たのはほんの数分前なので心当たりは無いのは当然であるが。

 

 「…すまない。僕達も此処には今さっき来たばかりだから心当たりはない。それに、その特徴の子達とすれ違った記憶は無いな…」

 「そうか。時間を取らせてすまなかった…。他を当たってみる(あの馬鹿ども…!だからアレほど独断で行動するなと釘を刺したというのに……!)

 

 サツキ達から情報を得た青年はお詫びの言葉を述べると共に懐から財布を取り出すと、紙幣を数枚取り出してテーブルに置いた。

 

 「このお金は?」

 「僅かだが君達の時間を取らせたお詫びだ。これで好きなケーキを好きなだけ食べるといい」

 「いや、そんな悪いですよ!」

 「見た感じお楽しみの最中みたいだったからな。流石に俺だけ何もしないというのは気が引けるものだ」

 

 初対面の見ず知らずの人物からお金を貰うのは気が引けたサツキとノゾミは受け取るのを断ろうとするも、青年の方も頑なに引く気はなかったようだ。しかし他の客の事も考慮してか、サツキは渋々お金を受け取る事にした。

 

 「…ではありがたく貰っておきます」

 「分かった。それと敬語はいい、見た感じ俺と君達は年齢は然程変わらないだろ?」

 「それもそうか。それとあな…君の名前は?」

 「俺か?俺は…(名前か…。まぁ。そのくらいなら教えても損は無いか…)ツバサだ」

 「ツバサね…分かった。ケーキ代、感謝する」

 「礼は結構だ。それでは俺は此処で失礼する」

 

 サツキ達とひと時の交流を経た青年…ツバサは人探しのためにムクロジを後にした。しかしこの時点でサツキ達はまだ気づいていなかった、このツバサとは少し先の未来で再会して、()()()()()()()()()に……。

 

 ツバサとすれ違うかのように店員が先程注文したケーキを運ぶ形でやってきた。店員がケーキをテーブルに並べ終えると、ノゾミは後ほどSNSに投稿するのか、目を輝かせながら自身のスマホロトムでケーキの写真を撮っていた。

 

 サツキ達はやれやれと言わんばかりに呆れるも、ポケモンコーディネーターだからSNSの普及も大事な仕事なのは理解しているのか、サツキ自身もゆっくりと待ちながら自身のスマホロトムで『タマンチュラ・トルテ』の写真を撮り始めた。そして写真を一通り撮り終えた後は、お待ちかねのムクロジのケーキを堪能する事となった。

 

 「おおっ、美味いな」

 「えぇ、美味しいですね」

 「うん。美味しい!」

 「久しぶりに食べたけど、やっぱり美味いな」

 「そうですね」

 

 全員の口から出たのは、ケーキの味の感想であった。初めて口にする味にサツキ達は感嘆な声を上げるも、キョウスケとユウナは懐かしい雰囲気であった。

 

 「そういえば二人は此処に来た事ってありますか?」

 「パルデアにいた時にな。最後に食べたのは、以前テラスタル研修が行なわれた際に手伝いとして要請された時にご馳走になった時だな。本来はみんなが来るのを待ちながらにしたかったが、カントーまで来る羽目になったけどな…」

 

 キョウスケは思い出したようにそう愚痴を呟くのであった。しかしこのタイミングでリングマを連れた店員がキョウスケ達の席を訪れた。

 

 「あら〜。お二人とも、久しぶりですね」

 

 その店員はキョウスケとユウナに声を掛けてきた。その人物はコックコート姿が特徴的であった。

 

 「「カエデさん、お久しぶりです」」

 「キョウスケ、この人は?」

 「セルクルタウンのジムリーダーのカエデさんだよ」

 「貴女がカエデさんか…初めまして、サツキです」

 「貴方の噂はかねがね耳にしてますよ♪」

 

 軽い自己紹介を済ませたサツキはカエデと握手をした。

 

 「あのカエデさん!ここのケーキとても美味しいです!」

 「あらあら気に入ってくれたんですか?私としては嬉しいかぎりです」

 

 そこに割り込むようにノゾミがムクロジのケーキの感想は述べるとカエデは嬉しそうに笑みを浮かべるのであった。

 

 「ここのケーキを食べてこの後の景気付けにして…ってアレ?」

 

 ノゾミが意気込みを語りながらケーキを食べようとフォークで一掬いするも、何故かケーキに当たらず、皿に当たる音が響いた。違和感を感じたノゾミは自身の皿を見るも、何故かケーキが無くなっていた。

 

 「あーっ!私のケーキが無くなってる⁉︎」

 「誰かが奪われたのでしょうか?」

 「全く、ノゾミは詰めが甘いですね…」

 「ていうがチカは今そんな事言わないでよ!私のケーキぃぃぃぃ‼︎」

 

 チカに詰めの甘さを指摘されるも、ノゾミは足元を見渡しながらケーキを探していた。

 

 「もしかしたらアイツが犯人じゃないか?」

 

 キョウスケが何かに気づいたようでとある方向に指を差した。全員もキョウスケの指差した方を向いた。そこには、毛糸玉から蜘蛛の身体が生えた、見た目が奇妙なポケモンであった。そのポケモンはおそらくノゾミのものであろうケーキを食べていた。

 

 「あっ、私のケーキ…って、虫ポケモン⁉︎」

 

 ノゾミがそのポケモンの姿を確認するも、虫ポケモンであった事に若干怯えそうになった。しかしその虫ポケモンはノゾミの姿を確認すると、目をハートにして、ケーキを食べるのをやめてノゾミの頭に飛び乗った。そしてノゾミの頭に糸を絡ませながら引っ付き始めた。

 

 「うわーん、サツキくんこの糸取ってよー!」

 「……全く、世話の焼ける幼馴染だよほんと。あれ、何このちっこいの?ロトム、このポケモンを教えてくれ」

 

 虫ポケモンに絡まれて慌てふためくノゾミとは対照に、サツキは冷静にポケモン図鑑でその虫ポケモンの生態を調べ始めた。

 

 『タマンチュラ、いとだまポケモン。虫タイプ。お尻から 出す 糸は ワイヤーに 匹敵する 強度。 強さの 秘密が 研究されているのだ』

 

 「……へー、コイツはタマンチュラって言うのか。他の地方で言うところのイトマルに近いね」

 「冷静に分析してないで助けてー!」

 

 サツキがポケモン図鑑でタマンチュラの生態を調べて納得している傍らで、ノゾミはタマンチュラの糸に悪戦苦闘しながらも糸を取り払おうとするも、タマンチュラがいつのまにか顔面にしがみつくので右往左往していた。、

 

 「…カエデさん、このタマンチュラも野生なんですか?」

 「えぇ、そうよ。この子だけに限らずマメバッタちゃんやミツハニーちゃん達も時折来るわよ。でもこの子は新顔だけど、毎日のように来るの」

 「「「へぇー…」」」

 「だから誰か私を助けてー!」

 『チュラチュラ♪』

 

 しかしそんなノゾミの反応が面白いと感じたのか、チカは敢えて彼女を助けずにカエデに聞き込みを始めた。サツキ達もチカに併せたのか、助けずに興味深そうに見ていた。

 

 「しかし何故あのタマンチュラはノゾミに異様に懐いているのでしょう…?」

 「おそらく俺達がこの町に入ってからムクロジに着くまでの間にノゾミに見て一目惚れしたんじゃないか?でも他のタマンチュラとすれ違ったけどあそこまで大きくないから、多分何処か物陰で見てたと思うが…」

 「確かに。その推測を聞くと納得がいきます」

 

 そんなキョウスケの推測を聞いていたユウナは、顔面に貼り付いていたタマンチュラをサツキによって解放されるのを見ながら同意するのであった。

 

 「それならノゾミがゲットしたらよろしいのでは?」

 

 しかしこのタイミングでチカが笑みを浮かべながらそんな提案をしてきた。

 

 「チカは何言ってるのっ⁉︎私がむしタイプのポケモンが苦手だって知ってるでしょ!」

 「あら、そうでしたっけ?」

 

 確かにチカの言い分は至極もっともであるが、ノゾミは虫タイプのポケモンが苦手と欠点があるのだった。そんなチカだが、何処か(とぼ)けた表情で首を傾げていた。

 

 「(とぼ)けないで…ってうわっ⁉︎」

 

 そんなチカの態度が気に入らなかったのか、ノゾミは詰め寄ろうとした。しかし怒りで足元をよく見ていなかったのか、段差に躓いて転んだ。その際、自分の鞄の中身もぶちまけて、その中の一つである空のモンスターボールが一個、サツキの足元に転がり落ちた。

 

 『チュラ‼︎』

 

 サツキの手を振りほどいてモンスターボールに飛びつくと、スイッチの開閉部分を自ら押してボールに入る。その後1回大きく揺れると、小さく音が鳴って動きが止まった。

 

 『あ…』

 「ゲット、しちまったようだな…」

 「そのようですね。おめでとうございます、そのタマンチュラは名実共に貴女のポケモンとなります」

 

 この場にいる全員が唖然としている中、チカだけは真顔で拍手しながらタマンチュラのゲットを祝福した…というより煽りに近いが。

 

 「ちょっとチカ!煽らないでよ!」

 「私は心から祝っているだけです。それとタマンチュラをゲットする事になったのは、貴女の不注意が大元の原因でしょうに」

 「それと話はべ『チュラ!』…って、わっ!引っ付かないでよー!」

 

 チカの指摘に腹を立てたのか、ノゾミは食ってかかろうとするも、ボールから勝手に出てきたタマンチュラによって妨害された。しかも先程と同じ要領で頭上にしがみついた。

 

 「そ、そうだ〜。サツキさん、私とポケモンバトルなんて如何です?」

 「僕とですか?」

 「はい。これも一つの縁、それに貴方の噂を聞いている身でもありポケモントレーナーとして、ジムリーダーとしての(さが)もあるので、お手合わせしたかったのです」

 

 此処で話を逸らすかの如く、カエデはサツキにポケモンバトルの申し出をした。

 

 本職はパティシエールであるカエデだが、元はジムリーダー…やポケモントレーナーでもあるので、名の知れたたポケモントレーナーとバトルしたくなるのは至極当然であるのだ。

 

 「…分かりました。その挑戦、引き受けましょう」

 

 カエデの申し出を受けたサツキは快く引き受けるのであった。そして一同はバトルフィールドに移動するのであった。

 

 「ねぇ!誰かとってー‼︎」

 『チュラチュラ〜♪』

 

 ……未だにタマンチュラが頭上に引っ付いているノゾミを除いて────。




 まずは最新話の読了とお気に入り登録をしてくれた皆様、ありがとうございます。こんな拙作にお付き合いいただいた事に感謝感激です。

 次回の投稿はまだ未定となりますが、サツキVSカエデの話になります。

 多分ZAをプレイして、ストーリーの状況次第で執筆に捗って今回のように間を空けないと投稿できるかなと思います。でもそれが実現できるかは今は不明ですが(苦笑)

 それでは、次回もお楽しみに。

スカーレット・バイオレットには未登場のポケモンをテラスタルさせても……

  • 断然OK!だってアニポケだもの!
  • ダメ。パワーバランス崩れるおそれがある。
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