ポケットモンスター 〜New Generation〜 作:なかムー
Z-A、本編クリアしてきました。ラストは特に必見でした。まだプレイされてないポケモン好きの読者様に是非オススメします!そして有料DLCの『M次元ラッシュ』もスタンバイします。
そして今日から放送される【ライジングアゲイン】も勿論楽しみにしてます。
さて…今回は前回予告しました通り、サツキVSカエデをお送りします。
それでは、本編をどうぞ。
「はい…はい……分かりました。大至急お願いします」
バトルフィールドについたノゾミ以外の一同、此処で行なわれるのは当然ポケモンバトルになるのだが…突如サツキのスマホロトムから着信が来て、電話対応に追われているのだ。
そして数分後、電話を終えるとサツキはヤミラミの入ったモンスターボールを片手に持つと、それが何処かに送信するような感じで送り出された。その直後に入れ違う形で別のモンスターボールが彼の手に収まるのであった。
「もしかして手持ちの入れ替えですか?」
「はい。僕のポケモンの一匹が、『自分も戦いたい』と言わんばかりに暴れてたからそれに応じたまでです」
電話の相手はサツキの関係者のようで、手持ちの入れ替えの要請があったようでその対応をしていたみたいだ。一般的にはトレーナーがポケモン研究所の関係者や育て屋に自身がゲットしたポケモンを預けてその都度で手持ちを入れ替える…というのが主流だが、今回のようにその逆は珍しいケースなのだ。
「ですが…僕の手持ちの中では、いっちばん血の気が多いヤツですけどね。まあ、世間一般的な血の気が多い……とは少し程度が抑えめではあるんですが」
「あらあら。やんちゃな子なんですね♪」
そこに付け加えるように、サツキは苦笑いしながら今し方手持ちに加わったポケモンに対しての感想を述べると、カエデは微笑ましく彼の手持ちの感想を呟くのであった。
「私はクマちゃんでバトルさせて貰いますが…貴方はそのモンスターボールに入ってる子でいいんですね?」
「はい」
「分かりました…クマちゃん、お願いしますね♪」
『グマッ!』
ポケモンを出す前に…カエデは今一度サツキにバトルに出すポケモンの確認を済ませると、自身の側にいるリングマがバトルに出るよう指示を出した。リングマはそれに応えてフィールドに立った。
サツキも今手にあるモンスターボールを投げた。ボールから出てきたのは、スラリと伸びた手足に鋭い嘴と一体化した顔、胸から上を覆う二又に分かれた長髪の様な羽根が特徴のポケモン…バシャーモで、バトルフィールドに降り立つのであった。
「おやおや、バシャーモですか」
「はい。コイツはホウエンにいた頃の付き合いです」
「懐かしく感じますね…」
チカがサツキがバシャーモを繰り出した事に何処か懐かしく感じたようで遠い目をしていた。ちょうどその時、タマンチュラからやっとの思いで解放されたノゾミもこの場に合流してきた。しかし頭上から解放されただけでボールには戻していないのだ。そのタマンチュラはというと…ノゾミの肩に乗っていた。
「あっ、バシャーモだ!久しぶり、バシャーモ!」
『バシャ!』
バシャーモの姿を見るも、ノゾミはバシャーモに声を掛けた。バシャーモもノゾミの姿を認知するなりニッコリと笑って返した。
「ほう。それがお前の話に聞くバシャーモか…映像くらいでしか見た事ないから実物は初めて見るな」
一方でキョウスケは、サツキのバシャーモを生で見るのは初めてのようで関心を抱くと同時に何処か手合わせをしたいとも感じている様子であった。
「…それでしたらキョウスケさん、今度時間に都合が出来たらサツキのバシャーモと一戦お手合わせしてみては如何でしょうか?」
そこでキョウスケの気持ちを汲み取ったユウナは今回は無理だが、次回バシャーモと手合わせを提案してきた。
「ハナからそのつもりですよ…サツキ、今度俺の自慢の一匹でバシャーモに挑むから楽しみにしてろよ?」
「勿論だ。その時を楽しみにしてるぞ」
キョウスケからバトルの約束を取り繕うと、サツキはバシャーモと共にバトルの態勢を整えるようにカエデとリングマを見た。一方でカエデもリングマと同じくサツキを見てバトルの準備は万端であった。
その時、ジムトレーナーであろう人物がジャッジを務めるために審判席に立った。
「これよりセルクルタウンのジムリーダーカエデとチャレンジャーサツキの模擬戦を開始します!お互い使用ポケモン1体ずつ…それでは、バトル開始っ!」
ジャッジの模擬戦開始の宣言により、サツキとカエデのバトルが始まった。まずは様子見のためかお互い動かずに相手の出方を伺うのであった。
「先手必勝、バシャーモ、『どくづき』だ!」
最初にリングマに有効なかくとうタイプのワザの『かわらわり』攻めてもよかったのだが、相手の出方を伺うために敢えて『どくづき』で様子を見る事にしたのだ。
「クマちゃん、『10まんばりき』」
しかしリングマから繰り出されたのは、リングマの元のタイプのノーマルタイプでも、カエデのエキスパートのタイプのむしタイプでもなく、じめんタイプのワザであった。
リングマは突進の要領でバシャーモに攻撃を仕掛けた。バシャーモの『どくづき』は当たるも、リングマに跳ね返されるのであった。バシャーモは一旦後退せざるを得なかった。
「まさか『10まんばりき』を覚えてさせてたとは…」
「ほのおタイプの子向けに用意していたものです♪」
「これは一本取られました」
カエデの方もほのおタイプ対策もしていたようで、流石はジムリーダー…一筋縄ではいかないと改めて実感したサツキであった。
「これは様子見とか言ってる場合じゃないな…バシャーモ、『かわらわり』!」
様子を見て出し惜しみしては此方が不利になると判断したサツキは、リングマに有効打のかくとうタイプのワザで攻める事にした。
「クマちゃん、『じゃれつく』!」
今度は文字通り、バシャーモに
「タイミングがズレたか…バシャーモ、『ブレイズキック』!」
「クマちゃん、『かみくだく』!」
バシャーモから繰り出される足蹴りとリングマの牙がぶつかろうとした。しかしバシャーモの脚が一足先にリングマに直撃した。しかしリングマも負けじとバシャーモの右肩に喰らい付いた。効果はいまひとつだが、当たりどころが悪かったようで、バシャーモは右肩を抑えながら険しい表情を浮かべた。
「咄嗟とはいえ、バシャーモに急所を当てるなんて…」
「私もジムリーダーの肩書きは持っているのですよ?」
カエデの人間性とは裏腹に、彼女のその肩書きに恥じぬバトルの腕前に対しサツキは改めて実感するのであった。そしてバシャーモとリングマもお互いの動きを見るためか、一旦動きを止めて牽制しあうのであった。
「うわー、やっぱりサツキくんは凄いや…」
「えぇ。ですがカエデさんもジムリーダーに見合う実力を有してますね」
バトルを見学しているノゾミとチカも、サツキとカエデの実力を称賛するのであった。一方、キョウスケは顎に手を当てながらバトルを見学していた。
「(待て…バシャーモはあんなに素早さは早くないはず……なのにあの速度は従来より早い)」
バシャーモの素早さに疑問を抱いていたのだ。キョウスケの知る限りだと、バシャーモはゲッコウガより素早さは低い…なのに足の早さは勿論のこと、反射神経も徐々に上がり始めているのに気づいたのだ。
「(となると考えられるのは…)」
暫く考えたが…キョウスケ自身、心当たりが浮かんだのか結論に達した。
「…もしかしてあのバシャーモの特性は『かそく』か?」
『かそく』…バトルに出て一定時間に素早さが徐々に上がる特性である。その時間はその特性を持ってるポケモンによってまちまちだが、一度発動させてしまえば一気に使い手側が有利になるのだ。だがあくまで能力の変化なので、ボールに戻してしまえば素早さがリセットされるのは当然であるが。
「ご名答。お前なら気づくと思ったよ」
サツキは、キョウスケが自身のバシャーモの特性を見事当てられた事に、特に何も否定せずに肯定するのであった。
「しかし特性が『かそく』のバシャーモを見るのはごく稀だ。俺も数回しか見た事ない」
キョウスケがそう言うのも無理は無い。サツキのバシャーモ、アメジオのソウブレイズ、ベリルのゴルーグは『夢特性』と言われており、それらをゲットするには困難に極まるものばかりなのだから。
「あらあら。長期戦だと此方が不利になってしまいますね」
バシャーモの特性と現状を理解したカエデは、これ以上バトルが長引けば此方が不利になると判断したのか、テラスタルオーブを取り出した。
「……お砂糖を多すぎた様ですね」
カエデはテラスタルオーブにエネルギーを貯めると、リングマの頭上に投げつけた。するとリングマの全身が宝石のように光り輝き、頭には巨大なを象徴とした冠を着けた姿となって現れた。
「此処でテラスタル…タイプを変えてきたか!」
「時には味を変える事も大事ですよ〜。先程も言ったように、
かくとうタイプの『かわらわり』を主体として攻めてきたが、早期の段階でテラスタルをしてきたのでやむなく戦略を大幅に変えざるを得なくなるサツキである。
しかしリングマの素のタイプはノーマル、今のタイプはむしタイプで、タイプの相性ではバシャーモが有利なのには変わりはないが、ほのおタイプ対策にじめんタイプの『10まんばりき』、かくとうタイプ対策に『じゃれつく』を使ってくるのでまだ油断はできない状況であった。
尤も、後者はほのおタイプとの相性があるためそれほど怖くはないが、前者は効果は抜群なので警戒する事に変わりは無いのだ。
「…『味を変える』、か。それなら此方も味を変えるとしましょう」
サツキはそう言うと、左手の指に嵌めてあるキーストーン付きの指輪を掲げた。バシャーモも、サツキが何をするかすぐに判断できたようで、自身の体毛に仕舞ってあった石…メガストーンを取り出した。
「その石はもしかして…」
「えぇ。そのもしかしてです…行くぞ、バシャーモ!」
『バシャ!』
サツキがキーストーンに触れた瞬間、バシャーモの手に持っているメガストーンが輝き出し、その姿は覆われた。
その後、バシャーモの覆われた光は徐々に収まり始めると、そこには、外見のカラーリングが赤と黒に、頭部に角一本と鶏冠の形が変形した姿になったバシャーモが佇んでいた。更に手首に炎を吹き出しているためか、闘志が湧き出ているように見えた。
「やはりメガシンカですか〜。貴方はそれを使うと有名ですから」
「それはどうも。でもメガシンカしたからには、此方は負けるつもりはありませんよ?」
「それは此方も同じ事です〜」
お互いのポケモンがテラスタルとメガシンカすると、気を引き締めるためなのか真剣な表情を浮かべた。
「バシャーモ、『ブレイズキック』!」
「クマちゃん、『れんぞくぎり』!」
まずお互いが繰り出してきたワザは、タイプが一致するものから始まった。バシャーモの炎を纏った蹴りとリングマの鋭さを増した爪が交差すると、軽い爆発が起こった。砂煙が舞うもすぐに収まるが、お互いなんともなかった。
「えっ、なんでリングマはあんなにピンピンしてるのっ⁉︎ほのおタイプのワザはむしタイプに効くのに…」
タイプ相性はバシャーモが有利なのにリングマは互角に渡り合えているのだ。バシャーモの方がタイプ相性で勝ってリングマを一蹴したのだと考えていたようだ。
その理由が『相手がジムリーダーだから』だけでは腑に落ちてないノゾミであった。
「昨日のリップさんとの戦いで説明は無かったから此処でさせて貰うと、テラスタルしたタイプと同じタイプのワザを使ったら、ワザの威力が上がるんだ」
「今回の場合ですと、リングマの今のタイプはむしタイプだから、『れんぞくぎり』の威力も上がったわけです」
「えっ。でも昨日のフラージェスはそんな風になってなかったけど…」
「レパルダスのタイプはあくタイプ。エスパータイプのワザは効かんでしょうに」
「だから花びらに『サイコキネシス』をして目眩しにしていたじゃないですか…」
「あっ…」
昨日のバトルの事で、腑に落ちなかったノゾミだったが、キョウスケとユウナにタイプ相性の事を指摘されて、それをウッカリ見落としていたのであった。
「ノゾミ、今度は私と一緒にタイプ相性について予習復習しましょうか?」
「え、遠慮します!」
タイプ相性の事を失念していたノゾミに、チカは黒い笑みを浮かべて勉強会を開こうかと提案してきた。当然ノゾミは即座に断ると同時にチカに土下座をする始末であった。
それを遠目で見ていたサツキは呆れてため息をつくしかなかった。しかしカエデはそれを微笑ましく見ていた。
「なかなかお茶目な子なんですね〜、彼女」
「オツムが悪いのが短所なんです…」
その一言が終わるとバトルを再開させた。
「もう一度『れんぞくぎり』!」
「躱わせ!」
いくらメガシンカしていて素のパワーが上がってバシャーモの方が強いとはいえ、リングマの素のパワーはそれに負けず劣らずであるのだ。
しかもタイプ相性の対策でバシャーモに不利なじめんタイプの『10まんばりき』を持っているため、闇雲に突っ込めば返り討ちにあう危険も兼ね揃えている。
だがスピードなら確実に勝てるが、それが油断して此方に不利な状況も考えているため、そう言った意味では命取りと考えているのだ。
だがカエデもバシャーモの特性が『かそく』だと知った際は長期戦はやめて短期戦に持ち込もうとしているから、それを逆手に取れば勝機はサツキの方に一気に傾くのは確実だ。
しかしサツキはこのタイミングで考えるのをやめた。どれだけタイプの優劣を考えようとも、自身が出来るのは今あるワザを指示するだけであるのと、4つあるワザをカエデのリングマにぶつけるだけだからだ。
「(……よしっ、一か八かだ)バシャーモ、リングマに突っ込め!」
『⁉︎』
意を決したのかサツキはバシャーモに特攻を仕掛けた。バシャーモはサツキの指示を受けてリングマ目掛けて突っ込んでいった。
「…捨て身の戦法が何処まで通用するか分かりませんよ?クマちゃん、『10まんばりき』!」
此処でチャンスと言わんばかりにリングマもバシャーモ目掛けて突っ込んだ。しかも『10まんばりき』であるため、当たれば確実に致命傷は免れないものだ。
「(やはり来たか…!)バシャーモ!もっとだ!もっと突っ走れ!!」
サツキは狙いがきたと言わんばかりに指示を変えずにそのまま突撃の指示を出した。バシャーモのスピードが早いのか、リングマとの距離まであと僅かとなった。
そしてバシャーモとリングマの距離があと数センチのところまで迫って、『10まんばりき』の直撃するのも時間の問題であった。
「今だ!躱わせ!!」
しかしその直後、バシャーモに回避の指示を出した。そしてバシャーモら身体を回転させてリングマの側面に避ける事に成功した。
「…しまった!」
此処で漸くサツキの狙いに気づいたカエデだが時既に遅し。リングマの攻撃は正面を向いているためスキが大きくできた。しかも今から指示を出してもガードには間に合わない…そんな状況であった。
「『かわらわり』!」
まずはワザを決めるために、『かわらわり』でリングマの態勢を崩す事を敢行した。リングマは正面に一点集中していたため躱す事が出来ずにワザが直撃して態勢が崩れた。
「トドメだ!連続で『ブレイズキック』!!」
極限にまで早くなったバシャーモの炎を纏った蹴りはリングマに一撃、一撃…と目にも止まらぬ速さでダメージを与えていった。
そして最後の一撃にバシャーモはその場から大きく飛び上がって、リングマの腹部に飛び蹴りを決めた。
『グマァ〜……』
連続の『ブレイズキック』の猛攻を喰らったリングマはフィールド上に仰向けになると同時に、頭の王冠が弾け飛ぶと同時にテラスタルも強制的に解除されてしまった。
「あっ!テラスタルが解除されたよ!」
「戦闘不能になると、テラスタルしたポケモンはあのように解除されるのです」
「なるほど…」
ユウナの解説を聞いて納得するノゾミとチカだが、彼女達の目に映ったのは、目を回して戦闘不能状態のリングマであった。
「リングマ、戦闘不能!バシャーモの勝ち!よって勝者、チャレンジャーサツキ!」
審判のジャッジが入り、ポケモンバトルはサツキに軍配が上がった。
「お疲れ様、クマちゃん。あとはゆっくり休んでくださいね〜」
『グマァ….』
カエデはリングマに労いの言葉を掛けるとモンスターボールに戻した。サツキも、バトルが終わってメガシンカが解除されたバシャーモの元に駆けつけた。
「お疲れ様、バシャーモ」
『バシャ!』
サツキもカエデのように労いの言葉を掛けた。それと同時にカエデやキョウスケ達はサツキの元で駆けつけるのであった。
「サツキくんお疲れ様!」
「ありがとうノゾミ…って抱きつくのはやめろ」
「ホントですよ。見て呆れます」
「そう言ってチカも抱きつくのをやめてほしいんだけど?」
サツキに駆けつけると同時にノゾミとチカは彼に抱きつくのであった。サツキは勿論の事、キョウスケとユウナは呆れるしかなかったが、カエデはその光景を微笑ましく見ていた。
「あらあら、両手に華ですね〜♪コルサさんが見たらどんなインスピレーションが生まれるか楽しみです」
「そのコルサさんなる人物は知らないけど、勘弁してほしいです…」
他人事のようにカエデはそう呟くも、サツキの方は勘弁したい気持ちであった。
ちなみにサツキはこの後キョウスケからコルサという人がどんな人物か尋ねるのは此処だけの話である。
その時、彼らの近くから拍手が聞こえた。
「お疲れ様。いいバトルだった」
「あっ、ツバサ」
カエデとのバトルで見ていたであろうツバサも拍手をしながらサツキの元で歩いて駆けつけた。
「それで知り合いとは合流でき…てなさそうだな」
「嗚呼。この町を隅から隅まで探したが空振りに終わってな…入れ違いの可能性もあるから此処に戻ってきたが当然いなくて二人がバトルしてたから仕方なく見学していたのだ」
結局待ち人と合流出来ず終いで、偶然目に入ったサツキとカエデのバトルを見ながら待ち合わせしていたツバサであった。ワケを話した直後、ツバサのスマホロトムから着信が入った。
「はい…はい……分かった。今から向かう」
どうやら先程から言ってた待ち人のようで、漸くツバサとコンタクトが取れたようだ。
「だがそこから絶対動くなよ?いいか、絶対だ!でなければ私のリザードンが貴様達を灰にしてやるから覚悟しておけ」
念入りに忠告を終えたツバサはスマホロトムの電話を切ったようだ。先程見せていなかった怒りは周りを威圧するもので、サツキでさえ圧倒しそうになった。
「今のって…」
「同僚だ。今ハッコウシティにいるようだ…」
それを受けてサツキ達はため息をつくと同時に、目の前のツバサの苦労に同情した。
「それでしたら…はい、ムクロジ名物の『タマンチュラ・トルテ』をどうぞ〜♪」
暗い話になりそうと予期してか、カエデはいつのまにか用意していたケーキの入った箱をツバサに差し出した。
「…いいのか?」
「はい。バトルを見学してくれたお礼です♪あとお代は結構ですので」
「…分かった、ではありがたく受け取る。それと後日また来店する」
「分かりました〜。ご来店お待ちしてます♪」
カエデに確認を取ったツバサは、箱を受け取ると同時に来店の約束もさりげなく取り繕うのであった。いくらカエデのご厚意であっても、流石に無料でケーキを受け取るのは気が引けるのでやむなしの配慮であった。
「それとお前、ツバサと言ったな?今度会ったらバトルしてもいいか?」
「別に構わんが、どうしてだ?」
「先程の会話で自身のリザードンに対しての絶対の自信があるから、それ相応の実力があると思ってな」
会話の一部を聞いただけでキョウスケは、ツバサの実力者と窺えたと感じ取ったようだ。
その後は対戦の約束をいつでも取り入れられるように、スマホロトムを取り出してお互いの連絡先を交換するのであった。それに加えて、念のためにという事で、サツキ達とも連絡先を交換するのであった。
連絡先の交換が終わると、ツバサはスマホロトムを仕舞ってモンスターボールを取り出し、ポケモンを出した。中からは、黄色の身体と長いヒゲが特徴の両手にスプーンを持つポケモン…フーディンが出てきた。
「フーディン、ハッコウシティまで『テレポート』」
『ディン』
フーディンに『テレポート』を指示すると、ツバサとフーディンはその場から一瞬で消え去るのであった。
「また会えるといいな…」
「連絡先も交換したし、可能なら会えるさ」
ツバサが去って、そうしみじみと会話をするノゾミとサツキであった。するとカエデは一度店内に戻ると、ケーキの入った箱を持って戻ってきた。
「皆さん、これはお土産として持っていってくださいね〜」
「えっ、いいんですか?」
「はい。私に勝ったご褒美ということで♪」
サツキが勝利したご褒美として、ケーキをお土産としてタダでプレゼントされるのであった。最初は受け取るか躊躇うも、先程のツバサに倣ってご厚意を無駄にする訳にはいかずに、「パルデアに来る事があったらまた来店します」と約束を交わした上で受け取って、ムクロジを後にした。
そして時間を確認すると、フリードとロイがリコを実家に送り届けて戻ってくる頃合いであった。それなら一度ケーキを一旦船に持って帰る意味合いも兼ねて戻ろうとした。
しかしその直後、キョウスケのスマホロトムから着信が入った。誰かと思い確認するとロイからであった。
「ロイか。ちょうどよかった。フリードに今から船にもど『キョウスケ!大変な事が起きた!』…分かった、少し待て」
ロイからの連絡は何やら慌ただしいもので、キョウスケは一度待って貰ってスマホロトムのスピーカーをオンにして全員に聞こえるようにした。
「いいぞ。何が起きた?ただならぬ雰囲気だが…」
『…リコが家を飛び出していっちゃったんだ!』
新たなトラブルが発生した瞬間であった────。
まずは最新話の読了とお気に入り登録をしてくれた皆様、ありがとうございます。こんな拙作にお付き合いいただいた事に感謝感激です。
今回も前回に続いてオリ回ラッシュになります。ちなみに予定では次回までオリ回並びに原作本編に合流させようかと思います。
あと前回から新しくオリキャラが登場しましたが、次回も新規のオリキャラの登場を予定しておりますのでお楽しみに。
次回の投稿はまだ未定ですが、今回の続きからとなります。
それでは、次回をお楽しみに。
スカーレット・バイオレットには未登場のポケモンをテラスタルさせても……
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断然OK!だってアニポケだもの!
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ダメ。パワーバランス崩れるおそれがある。