ポケットモンスター 〜New Generation〜   作:なかムー

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 皆さまお待たせしました。あけましておめでとうございます…といっても、年が明けて2週間以上経ちますが(苦笑)

 そんな事はさておき、新年最初の投稿となります。

 それでは、本編をどうぞ。


第22話

 「……はぁ」

 

 読者の皆様、私視点ではお久しぶりです。私はリコです。私は今一人でテーブルシティの外れにいます。

 

 セキエイ学園に入学して初めて実家に帰ってきた私ですが…ニャオハが急に不貞腐れたと思ったら私のそばを離れて、ニャオハを探してた最中にお父さんとフリードの話を偶然聞いちゃって……なんだかモヤモヤした気分になってつい家を飛び出しちゃいました……。それにニャオハも「そこの君」…えっ?

 

 「君、何か困り事かい?」

 

 …突然私に声を掛けてきた人物がいました。その人はオレンジアカデミーの制服を着ているけど、白のバケットハットに顔の上半分を覆う大きいサングラスを掛けていました。性別は分からなかったけど、声の高さからして男の子じゃないかという推測しか出来ませんでした。

 

 「あの、あなたは…?」

 「そういえば自己紹介すらしてなかったね。僕はレオン。この春からパルデアに来て、オレンジアカデミーに通ってる者だよ」

 

 オレンジアカデミーに…制服を着てるから当然だよね。

 

 「で、君は?」

 「私?私はリコです」

 「リコさん、ね…そういえばアカデミーでは見ない顔だな」

 「私はこの春からカントーのセキエイ学園に通ってるからオレンジアカデミーには通ってないよ」

 

 それならレオンとはすれ違いになるみたいだ。それに私はレオンみたいな人と対面した記憶は無いからパルデア以外の出身なのは確かに見える。

 

 「それでリコさん。こんな町の外れで何をしてたの?少なくとも好き好んで此処に来た…は無理があるよ」

 

 うっ、痛いところを突かれた……。確かに私のような子供は来ない場所に来ちゃってたね。

 

 「でも無関係な君に話すのは気が引けるというか…」

 「無関係だから話せる事なんじゃない?逆に関係ある人なら返って話しずらくなるだけだよ」

 

 ま、まずい…何も言い返せない……。正論を突いてくるんだけど。

 

 「……分かった。君に何があったか話すよ」

 

 観念した私は、レオンに何があったか正直に話しました。

 

 「なるほど。ニャオハの事とお父さんが言ってた事、ね……」

 

 私が何があった事を話すと、レオンはそれを確認するように復唱をし始めた。

 

 「……一つ聞きたいんだけど、家にはニャオハ以外にもポケモンはいたかな?」

 

 何か気になるようでレオンは尋ねてきたんだけど、それが気になるの?

 

 「それ、関係あるの?」

 「もしかしたらね。それがニャオハの事と繋がってるかもよ?」

 

 ニャオハと…確かロイのホゲータ以外にもお父さんのパートナーポケモンのパピモッチがいたなぁ。私はその事をレオンに話した。

 

 「なるほど、パピモッチか…それならニャオハの事は分かったような気がするよ」

 「本当?」

 「おそらくだけど、ニャオハはパピモッチに焼きもちを焼いてるはずだよ」

 

 えっ、焼きもち…?

 

 「ニャオハ系統のポケモンによくあるケースだよ。おそらく君がパピモッチと触れ合った事が気に食わなくて冷たい態度を取ったんだよ」

 

 そ、そうだったんだ……。私、そうとは知らずにパピモッチと……

 

 「……それなら私、一度ニャオハに謝ってくるよ」

 「それが良い…とは分からないけど、それがベストだと思うよ」

 「曖昧なんだね…」

 「こういったものに対しての答えは教科書や参考書には書いてないんだよ」

 

 確かに書いてないかも…。でもそれを言えるあたりレオンは結構ジョークとか使う感じなのかな?

 

 「それともう一つ、君のお父さんの言ってた事についてだね」

 

 ニャオハに対しての明確な答え(…といえるか分からないけど)を導くと今度の話題はお父さんの事についてどうするかだった。

 

 でもお父さんは此処からでもセキエイ学園に通わせる事を考えてた。エクスプローラーズの一件もあってなんだろうけど、この家にいて欲しいのがお父さんは願ってるは…

 

 「レオン?」

 

 …と思った矢先、サングラスで表情は分からなかったけど、レオンの表情が何処か淋しそうに見えたのは確かだけど…。

 

 「レオン?どうしたの?」

 「あっ、ごめん。お父さんの話題を聞いて、昔を思い出してね…」

 「昔?」

 

 昔に何かあったのかな?もしかして喧嘩したとか?

 

 「実は…僕は幼い頃から両親はいなくてね。ずっと一人で生きてきた」

 

 するとレオンの口から出てきたのは、彼の昔の話でした。私はそれを聞いた時、驚きを隠せなかったのは正直な話でした。

 

 「何処にも頼れるものがなくて、今日食べる物だって危うかった日々を過ごしてきた。でも、とある人物と出会った事で僕は人生は大きく変わった」

 「とある人物?」

 「その人は僕を保護してくれて色々な援助を受けた。勉強やポケモンバトルとか…一から全部教えてくれた。僕にとっては育ての親といっても過言ではないよ」

 

 レオンにそんな過去があったんだ……。その人が父親代わりなのは分かった。でもそれと何が関係が……?

 

 「でも数年前のあの事件があった」

 

 あの事件……?

 

 「君は数年前のカロス地方の事件、覚えているかな?」

 

 数年前のカロス地方…あっ、確かニュースでやってた!最後にそのニュースを見たのは随分前だったからよく覚えていないけど、フレア団という組織がカロス地方に甚大な被害を出したって話だ。

 

 確かその影響でカロス地方は今でもミアレシティを中心に復興に取り組んでいるってネットニュースでやってたっけ……。

 

 「でもその事件と何が関係があるの?」

 「実は事件当日の数日前に僕はその人と些細な事があって口論になってね。でも…」

 

 なんだろう…歯切れが悪い感じになってる……。

 

 「僕が謝ろうとする前に、その人は消息を絶った」

 

 えっ。そ、そんな事が……。

 

 「おそらくあの事件の際に巻き込まれたのは確かだけど、それ以上の事は今でも分からない。それを聞かされた時、僕はショックを受けたよ。失った事は勿論だけど、それ以上にあの時にちゃんと言いたかった事を伝えておけばよかったって、ね……」

 

 レオンの過去にそんな事が……。私も同じような立場だったら、何が出来てたかな…。想像にも及ばないよ……。

 

 「……まぁこの話は此処までにして、僕が言いたいのは…自分の思いややりたい事を、意地でもちゃんと伝えないとダメって事さ。人生何が起こるか分からない、それを相手に伝えないと必ず後悔する事になるよ」

 

 話を切り替えたと思ったら、大事な話をしてきた。おそらくこれが本題なのは理解できる。だって、自分の事を相手にちゃんと伝えないと後悔する……って事で合ってるよね?

 

 「私が、やりたい事…」

 

 私がレオンに「おーい!リコー!」…あれ?誰かが私の事呼んでる……と感じてたら、ロイとフリードが此方に来ていました。

 

 「フリード!ロイ!」

 「全く、急に家を飛び出すから心配したんだぞ」

 「ごめんなさい…」

 

 フリードとロイと合流したのはいいものの、フリードに注意されました…。

 

 「ところで、ソイツは?」

 「レオン。さっき会ったの。アカデミーの生徒さんだって」

 「アカデミーというとオレンジアカデミーの生徒か。リコが迷惑をかけた、すまなかった」

 「いえいえ。特に迷惑とか掛けたとかは無いのでお気になさらずに」

 

 「あっ、そうだ。ニャ「ニャオハならリコの家にいるって」そっか。じゃ、今か「待て、リコ。今日はもう遅い、行くなら明日にしろ」…分かった」

 

 フリードがレオンと話している最中、ニャオハがいない事に気づいたけど、ロイが『ニャオハは私の家にいる』って事を教えてくれたため今すぐにでも向かおうとしたけど、フリードに止められました。

 

 「それじゃレオン、今日はありがとうね」

 「このくらい問題無いよ…あと、連絡先を交換しない?君に少し興味が湧いた」

 「うん。そのくらいなら大丈夫だよ」

 

 私たちはスマホロトムを取り出して、お互いの連絡先を交換しました。

 

 「それじゃ、またね。リコさん」

 「うん、またね。レオン」

 

 私たちはそう言って各々の帰路に着くのでした。ちなみに私が飛び出した事はサツキ達にも連絡は行き届いていたらしく、彼らのお説教を受ける事になったのは此処だけの話です────。

 


 

 あの後は船に戻ってきたけど、結局今日は一睡も眠れずにいました。レオンに言われた『自分の思いややりたい事』について考えてたからだ。

 

 しかし時間は朝になっていたためか、少し空腹感を抱いたので何か食べようと部屋を出ると、一枚の紙が私の部屋の前にポツンと置いていました。

 

 その紙を拾いあげると、そこにはブレイブアサギ号に乗っている私とニャオハの絵が描かれていました。この絵の私とニャオハは、なんだか楽しそうな表情で船に乗っていました。

 

 「(もしかして、私はみんなと一緒に旅を続けたいのかな…?)」

 

 この絵を見て感じたのはまさにそれでした。私はその絵を上着のポケットに仕舞ってから食堂に向かったのですが、そこには何故か悲しい表情を浮かべているノゾミとそれを慰めているサツキ、呆れているチカと若干苦笑い気味のキョウスケとユウナがいました。

 

 「あの、これって…」

 「今日、ノゾミさんがホウエン地方に帰らなければならないんですよ」

 

 そういえばノゾミはポケモンコーディネーターで、仕事のオフでパルデアに観光に来たって言ってたっけ。もしかして仕事があるから帰らないといけないのかな?

 

 「ノゾミ、元気出せ。もう会えないってわけでもないからな?」

 「だって〜……」

 

 凄く落ち込んでる…。それほどショックだったんだ……。今なおサツキがノゾミを慰めている。

 

 「…キョウスケ、船の便は知ってるか?」

 「嗚呼。一応教えとくと、最終は夜になる。でもそれがどうした?」

 

 本当にそれだよ。なんでサツキは船の便を尋ねたんだろ…?

 

 「……それならノゾミ、これからバトルをしないか?」

 

 まさかのバトル⁉︎突然すぎてどんな反応すればいいのっ⁉︎

 

 「サツキ君と?」

 「そうだな。ノゾミを励ますだけじゃなくてな…」

 

 サツキはそう言うと、私の方を見てきた。

 

 「私?」

 「そう。リコにも見て貰いたくてね」

 「でもなんで…?」

 「リコのやりたい事を後押ししようと思ってね。それに、バトルだけじゃない事を教えるためでもあるんだよ」

 

 私のために…でもサツキにはこの事は話してないけど、もしかして私の気持ちを汲んでくれたのかな?

 

 「それならサツキ、私がノゾミとバトルをしましょうか?」

 「チカが?」

 「はい。構いませんよね?」

 

 チカがノゾミと?でもなんでと思ったけど、チカはチカなりにノゾミとぶつかり合うって事かな?

 

 「…分かった。チカに任せる」

 「ありがとうございます。ではノゾミ、時間はあまり残されていませんので、朝食を終えたらウィングデッキに向かいますよ?」

 「分かった!」

 

 サツキからの許可を得ると、私たちは朝食を終えてウィングデッキに向かいました────。

 

☆☆☆

 

 ウィングデッキに着くと、フィールドにはノゾミとチカがお互いのポケモンを出して対面するように立ってました。私はサツキとキョウスケ、ユウナ、ロイとフリードと共に観戦していました。

 

 まずチカが出してきたポケモンは、サーナイトと…体毛はクリーム色、足先は茶色で、体の数カ所から緑色の芽のようなものが生えており、特に額の部分のものが大きく長い。耳と尻尾は緑色で、葉っぱの形をした四足歩行のポケモンでした。

 

 一方のノゾミのポケモンは、アシカと人魚が合わさったような容姿をした後頭部から水色の髪の毛のような毛が長く生えており、その途中を真珠の髪飾りで結んでいるポケモンと、ブラウンの体毛と長い垂れた耳と長く綺麗な足が特徴のポケモンでした。

 

 ちなみにポケモン図鑑で調べたら、チカの方はリーフィア、ノゾミの方はアシレーヌとミミロップというポケモンでした。

 

 ポケモンを出してきたからバトルが始まる…というわけにはいかないようで、なぜか知らないけど、アシレーヌはサツキを抱きしめていました。

 

 『レーヌ♪』

 「アシレーヌ、久しぶりに会って嬉しいのは分かるが、一旦離れてくれないか?」

 『レヌ』

 

 サツキに離れるよう促されるも、アシレーヌは嫌と言わんばかりにそっぽを向きました。

 

 「ねぇ、あのアシレーヌはなんでサツキにベッタリなの?」

 「あのアシレーヌは、ヨノワールと同じく元はサツキのポケモンでしてね。ヨノワールはボディガードの役割なのに対してアシレーヌはノゾミがサツキに無理を言った末に、彼女に譲ったものなんです…」

 

 チカが呆れながらアシレーヌの事を説明してくれた。元はサツキのなんだ……だからあんなに懐いているんだ。

 

 「アシレーヌ、そろそろバトルに入るよ!」

 『……』

 

 痺れを切らしたのか、ノゾミがそう促すも、アシレーヌは無言で小さく舌を出して拒否をしました。

 

 「グヌヌヌヌヌ……!」

 「はーい、落ち着けノゾミ。アシレーヌ、後で時間が許すまでいっぱい遊んでやるからひとまず離れてくれ」

 

 事態の収集がつかなくなると判断したのか、サツキが妥協案をアシレーヌに出したきた。するとアシレーヌは渋々サツキから離れてフィールドに降りて、バトルの態勢に入った。

 

 「それだと先が思いやられます…」

 「失礼だよ!…てな訳で、ミミロップ、『ハイパーボイス』!」

 

 先制攻撃と言わんばかりにノゾミがミミロップに指示を…って、バトル開始の合図すらまだなのにっ⁉︎いくらなんでもフライングじゃないの‼︎

 

 「オ、オイオイ…ありゃフライングだろ」

 「それだけノゾミがムキになってるって事だろ…」

 

 フリードもキョウスケも呆れてるのは無理もないか…ちなみに余談だけど、このバトルのジャッジはフリードが務めています。

 

 「……リーフィア、ミミロップに『でんこうせっか』。サーナイトはアシレーヌに『10まんボルト』」

 

 しかしこの事を分かっていたのか、チカは冷静に対処しました。ミミロップの『ハイパーボイス』はリーフィアの『でんこうせっか』の方が先に発動された事で不発に終わりました。

 

 あとはアシレーヌはその場でぐるぐる回って『10まんボルト』を受け流していたけど、何処か氷みたいなものが纏わりついてました。

 

 「キョウスケ、アシレーヌが出したあのワザは?」

 「あれは『アイススピナー』ってワザなんだけど…」

 

 ん?なんか歯切れが悪いけど、何かあったの?

 

 「どうもノゾミが指示した訳ではなさそうだな。どっちかと言えば、()()()()()()()()()()()()()()としか思えん」

 

 そういえばキョウスケの指摘通り、ノゾミはアシレーヌに何も指示してなかった。なんでだろう…?

 

 「…もしかすると、アシレーヌはノゾミを自分のトレーナーとして認識してないんじゃあないか?」

 

 えっ、それ本当なの?

 

 「キョウスケさんの指摘は尤もです。少なくともポケモンがトレーナーとアイコンタクトをして意思疎通してたら話は別ですが、ノゾミさんとアシレーヌの間にはそんな素振りはしていないように見えますね」

 

 なるほど…そういえばノゾミはミミロップにしか指示を出してなかったなぁ。もしかすると、アシレーヌに指示を出しても意味は無いからしなかったんだ……。

 

 「私にそんな単調なワザは通じませんよ。それに今回の目的はこうですからね……リーフィア、『マジカルリーフ』!サーナイト、『マジカルリーフ』に『サイコキネシス』!」

 

 今度はチカの方からワザを繰り出してきたと思ったら、リーフィアの『マジカルリーフ』に向けて『サイコキネシス』を放ったのだ。

 

 すると、『マジカルリーフ』はアシレーヌを取り囲むように配置され…もしやこれって……

 

 「リップさんと同じ戦い方だ!」

 

 …そうだ!ロイの言う通り、昨日見たリップさんのとの戦い方と酷似していた。しかもチカなりにアレンジしているのか、リップさんのように動きを妨害するだけじゃないみたいで、不用意に動けば顔以外にも前足や身体に…と、『マジカルリーフ』が当たる位置であった。

 

 「マズイ……ミミロップ、『れいとうビーム』!アシレーヌはその場で『アイススピナー』!」

 

 この状況はマズイと察知したノゾミはワザの指示を出し…ってちょっと待って、なんでアシレーヌに『れいとうビーム』を撃つのっ⁉︎

 

 しかしアシレーヌは何かを感じ取ったのか、ノゾミの指示通り、そのまま『アイススピナー』をその場で発動…ってアレ?確かワザの指示を聞かずに勝手にワザを出してたよね?なんで……

 

 「どうやら利害が一致したら流石に聞くようだな…」

 「そのようですね…」

 

 キョウスケ達が呆れているなか、アシレーヌは自身の周りに漂う『マジカルリーフ』…もとい葉っぱを身体を回転させて打ち落としているけど、『れいとうビーム』を受けた影響なのか、葉っぱの一つ一つが大きく感じた。

 

 しかし私がそう感じてると、アシレーヌは自身の周りの凍った葉っぱを身体を一回転させて砕きました。

 

 でも一つここで違和感を抱きました。

 

 「アレ?でもコレってバトル、なんだよね…?なんかあの二人がしているバトルは違うように見えるんだけど…」

 

 そう。ノゾミとチカのしているバトルはいつも私が見たり、自分でしているものとは違うものだ。なんだか、見せるというより()()()()()感じがする…

 

 「いいところに気づいたな。アレはポケモンバトルじゃなくて、ポケモンコンテストのやり方と似ているな」

 

 ポケモンコンテスト…あっ、確かこの前ぐるみんの動画で見た事ある!

 

 「……もしかしてサツキ。私に見せたかったものって、これの事だよね?」

 

 私がそう尋ねるとサツキは無言で首を縦に振るのでした。

 

 「ちょっとチカ!さっきのアレは私に対しての当てつけか何か⁉︎」

 「あら、私はそんな事は微塵も思っていません。リップさんの戦い方を自分なりにアレンジしただけですがなにか問題でも?」

 

 しかしそんな矢先、ノゾミが先程のチカの戦い方に対して指摘した事がキッカケで口喧嘩が始まった。それが数分にも及ぶから、二人のポケモンは困惑しているも、呆れているようにも見えた。

 

 「あの二人、完全に今回の目的の主旨を忘れているな…」

 「ホントですね…」

 

 キョウスケとユウナもため息をつきながら呆れている……。私も困惑するかも。ロイは苦笑いしているし、フリードも呆れてる……。

 

 「もうこうなったら実力行使をするしかないね!」

 「ほう。それなら此方も本気を出すとしましょう」

 

 そう言うとチカは右側の髪を掻き分けると、右耳に遺伝子を思わせる謎の模様が付いた七色に光る宝珠を埋め込まれたイヤリングが露わになった。

 

 それに対しノゾミは、チカと同じ宝珠が埋め込まれた指輪を右手の薬指にはめた。

 

 「なるほど、メガシンカバトルか」

 「メガシンカ?」

 「見てれば分かる」

 

 『メガシンカ』?『見てれば分かる』?なんのこと…

 

想いを紡ぎ、祈りを重ね、生まれ出てるは新たな進化。

己が限界を超え、貴女の秘められし才は……今、華開く。

進化を超えなさい、メガシンカ

 

我が心に応えよ、キーストーン。

進化を超えし進化……

今こそ、その力を我が下へ!メガシンカ!

 

 ……って、えぇっ⁉︎

 

 二人がそう言うと、サーナイトとミミロップの姿は光に覆われたんだけどっ⁉︎

 

 覆われた光が収まると、サーナイトとミミロップの姿が大きく変貌していた。

 

 サーナイトは花嫁のような姿に、ミミロップは耳が三つ編み状になってて、スタイリッシュな姿になってました!

 

 「サーナイトとミミロップの姿が変わった⁉︎」

 「アレはメガシンカだ」

 「「メガシンカ?」」

 「ポケモンとトレーナーの間に強い絆で結ばれた際に起こる現象の事だ。一部のポケモンに対応したメガストーンとトレーナーが持つキーストーンが共鳴してメガシンカは起こるんだ。ちなみに起源はホウエン地方やカロス地方だと言われている」

 

 メガシンカ…チカ達はあんな力を持ってたんだ。パルデアでいうテラスタルと一緒みたい。

 

 「もしかしてサツキのポケモンもメガシンカするの?」

 「僕だけじゃない。キョウスケやユウナのポケモンもメガシンカする」

 

 その話が本当なら、キョウスケ達もキーストーンやメガストーンを持ってるんだ……。

 

 「キョウスケ!ユウナ!僕、二人のポケモンがメガシンカするところを見てみたい!」

 

 サツキの話を受けたロイは、目を輝かせながらキョウスケ達にメガシンカするポケモンを見せるようせがんだ。フリードもそれを受けて苦笑いしている…。

 

 「まぁ、それは何処かの機会にお披露目するとしよう。でもその前にあの二人のバトル、だろ?」

 

 しかしまだチカとノゾミのバトルは終わってないので、キョウスケはそっちに集中するようロイに諭してきた。

 

 でも……

 

 「ノゾミ、あの口上は私に対しての当てつけですか?アレはサツキが言ったら様になりますが、貴女がやると滑稽としか思えませんよ?」

 「そんなの関係ないねっ!早いもの勝ちだよ!それを言ったらチカもサツキくんと同じ口上(もの)にすればよかったじゃん!今それを指摘すると負け惜しみにしか聞こえないよー?」

 「この……!」

 

 ……ポケモンバトルそっちのけで口喧嘩を始めてる……。お互いのポケモンは呆れ返っている上に、アシレーヌに至っては欠伸してる……。

 

 しかし……

 

 「……貴女たち?」

 

 ……そこに、ユウナが話に割り込んできたけど、黒い笑みを浮かべてました。この笑み知ってる、フリードやマスカーニャにしてたものと一緒なんだからっ‼︎

 

 二人も口喧嘩をやめて背筋を伸ばしてるしっ!

 

 「早く再開しなさい。でなければ強制引き分け(はいぼく)として扱いますが?」

 

 めっちゃ怖いっ!私も語彙力を無くしそうになった!フリードに至ってはいつのまにかキョウスケの背後に隠れ始めて震える始末だし……。

 

 「……ミミロップ、《ばくれつパンチ》!」

 「リーフィア、《リーフブレード》!サーナイトは《ムーンフォース》!」

 

 その後はヤケクソ気味にワザの指示を出してバトルは再開しました。それでいいの…と言いたいけど、これ以上言ったらキリが無いのでやめておきます……。

 

 サーナイトの《ムーンフォース》はミミロップに向けて発射されたけど、アシレーヌが機転を利かせて《ムーンフォース》を発射した事により相殺、続いてリーフィアのワザはミミロップのワザがぶつかり合った事により相殺されました。

 

 「リーフィアの足元がお留守だよ!アシレーヌ、《アイススピナー》!」

 

 冷気を身に纏った回転はリーフィアを襲った。しかしリーフィアは咄嗟に避ける事が出来ず直撃するのであった。

 

 「勝ちに焦ったようだね!」

 

 リーフィアに効果ばつぐんのワザを当てた事にノゾミは得意気にふんぞり返ってた。しかもドヤ顔で……。でもチカはまだ余裕があるみたいなのは気のせいかな……?

 

 「残念ながら、それは想定内です。サーナイト、アシレーヌに『10まんボルト』、リーフィアはミミロップに『でんこうせっか』」

 

 アシレーヌの背後にいつのまにかサーナイトがいて、そのままワザをアシレーヌに撃ち込んできた。

 

 リーフィアはアシレーヌのワザが直撃したから大丈夫かなと思ったけど、どうやら攻撃の当たった箇所が浅かったからか、まだ動けたみたい。

 

 するとチカの指示を受けたリーフィアは、ミミロップのスキを突いて『でんこうせっか』を当てる事に成功した。

 

 ミミロップは大丈夫そうに見えるけど、アシレーヌはなんだか苦しそうな表情を浮かべていた。なんか身体の周りに電気が走っているように見えた。

 

 「アシレーヌ、『まひ』したみたいだ」

 「そうだな。アレだと上手く動く事も出来ない。状況が一気にチカに傾いたな」

 「(全く、油断するなってアレほど釘を刺したのに……)」

 

 アシレーヌが『まひ』…だから苦しそうだったんだ。ノゾミは先程とは打って変わって、険しい表情を浮かべていた。

 

 「それならミミロップ、リーフィアに『れいとうビーム』!アシレーヌは「その考えはお見通しです。サーナイト、ミミロップに『ムーンフォース』。リーフィアはアシレーヌに『リーフブレード』」…しまった!」

 

 ノゾミが気づいた時にはサーナイトとリーフィアはそれぞれミミロップとアシレーヌに接近していて、ワザの準備をしていました。そしてチカの指示によってワザは放たれ、それぞれの効果ばつぐんのワザが直撃しました。

 

 そしてミミロップとアシレーヌはその場で目を回しながら倒れ込みました。しかもミミロップに至ってはメガシンカする前の姿に戻りました。

 

 「…ミミロップとアシレーヌ、ともに戦闘不能。サーナイトとリーフィアの勝ち!よって勝者、チカ」

 

 そしてこれ以上のバトルは不可能と判断したフリードのジャッジにより、チカの勝利に収まりました。

 

 「対戦お疲れ様です、ノゾミ」

 

 バトルが終わると、チカは自身のポケモンをボールな戻すと、健闘を称えるために、ボールにポケモンを戻し終えたノゾミに握手を求めた。

 

 「ふんっ!次は絶対負けないからね!」

 「おや、それは楽しみですね」

 

 バトルに負けて悔しかったのか、ノゾミは握手に応じながらも次は負けない事をチカに宣言するのでした。

 

 所々で中断はあったものの、バトルは無事に終わったと同時にある感情が芽生えてきました。

 

 「私、やっぱり旅を続けたい!このまま此処で終わるのはイヤ!」

 

 そう、私はライジングボルテッカーズのみんなと旅を続けたい…そう感じました。

 

 「…そうか。リコが決めた事なら俺は何も言えんな。それなら親御さんにその事を伝えないとな。俺も同行するよ」

 

 フリードも私の意見を汲み取ってくれた上に、家まで一緒に来てくれるのを買って出てくれた。

 

 「それならフリード。テーブルシティに寄りたいところがあるんだけど…」

 「テーブルシティに?何故だ?」

 「それはね────」

 

 そしてある事をフリードに耳打ちしました────。

 

☆☆☆

 

 『そう。自分が思った事をちゃんと伝えられたんだ』

 「うんっ!」

 

 その日の夕方、その後はお父さんお気に入りのコーヒー豆をプレゼントした上に、みんなと旅を続けたい事を伝えられる事ができました。

 

 あとはニャオハともちゃんと仲直りしました。

 

 最初は複雑そうにしていたけど、それでも昔、おばあちゃんが言ってた事、ロイがおじいさんに気持ちを伝えた事を思い出して、お父さんと向き合えました。

 

 で……今はニャオハやお父さんの事をアドバイスを送ってもらったレオンに報告している最中です。

 

 『それならよかった。それなら君はもう此処を出るのかい?』

 「いや、明日コルサさんの所に用があって行くの。その後の事はそれから考えるよ」

 『そう……』

 

 レオン、なんだか淋しそう。こう考えるのは失礼だけど、アカデミーで友達がいないのかな……?

 

 『……それならリコさん。僕と友達にならない?』

 「えっ…いいけど」

 『ありがとう』

 

 なんか呆気なく友達になっちゃったけど、いいのかな…?でもレオンはいい人なのは分かってる。

 

 「リコー、そろそろノゾミの見送りに行くぞー」

 

 あっ、そうだった。確かノゾミは今日の船の便でホウエンに帰るから、その見送りをしなきゃいけないんだった。

 

 「ごめん、レオン。私、予定があるからそろそろ切るね」

 『大丈夫だよ。ありがとう、リコさん』

 「うん、それじゃ」

 

 私はそう言うと、電話を切るとスマホロトムを仕舞ってノゾミの見送りをするためにハッコウシティに向かうのでした────。

 


 

 とある町のカフェ。電話を終えたレオンはスマホロトムをテーブルの上に置くと、少し冷めたコーヒーを口に含みながらこの後の事をどうするか考えた。

 

 実は彼はアカデミーの人間ではなく、とある組織の構成員のため、彼女とはいずれ敵対する運命に当たるからだ。

 

 しかし標的(ターゲット)の接触に成功したため、上手くいけば後に自分にとって大きなアドバンテージになるため、その後の事を考えるのであった。

 

 だがこのタイミングでレオンのスマホロトムから着信音が入るのであった。

 

 「……はい」

 『突然のところ申し訳ございません』

 

 レオンに電話を出るのであった。しかも彼に連絡をしてきたのは、声の高さからして男のようだが、物腰が柔らかそうに聞こえた。

 

 「いえ、大丈夫です。それで」

 『それで、とは?』

 「()に用があって連絡をよこしたのでしょう?」

 『えぇ。◾️◾️◾️◾️◾️からの伝言を預かってきました』

 「◾️◾️◾️◾️◾️から?」

 『はい。次回の会議は必ず参加するように…との事です』

 

 伝言の内容を受け取ったレオンは暫し沈黙していた。それもそのはず、最後に会議に参加したのは1ヶ月くらい前なので、そろそろ会議に参加しないと自身の進退に大きく影響するのだから。

 

 「……分かりました。日程を教えていただければ調整します」

 『◾️◾️◾️◾️◾️と◾️◾️◾️◾️◾️が任務中です。二人の報告が到着次第、会議を開くとの事です』

 「……分かりました。おそらく内容は二人の任務次第になりますね」

 『そう理解してくだされば此方としてはありがたいです。それでは日程が分かり次第折り返しご連絡差し上げます』

 「ありがとうございました……◾️◾️◾️◾️◾️」

 『問題ありません。それではまた後日…… ◾️◾️◾️◾️◾️◾️』

 

 レオンの連絡相手…ハンベルは最後にそう告げると、電話を切るのであった。その後は残ってコーヒーを飲み干してから会計を済ませると、店を後にするのであった────。




 まずは感想、お気に入り登録をしてくれた方、こんな拙作を応援いただきありがとうございます!こんな拙作読んでくれるだけでもありがたいです!

 ここ数話は今話に至るまでオリキャララッシュになりました。ちなみにオリキャラ達は今後物語に関わってきますので今一度お楽しみにいただけたら幸いです。

 次回の投稿はまだ未定ですが、今回の続きからとなります。しかしアニメでいうところの『ネモとコルサと』は飛ばして、『オリーヴァの森』からとなります。

 それでは、次回をお楽しみに。

スカーレット・バイオレットには未登場のポケモンをテラスタルさせても……

  • 断然OK!だってアニポケだもの!
  • ダメ。パワーバランス崩れるおそれがある。
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