ポケットモンスター 〜New Generation〜   作:なかムー

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 皆さまお待たせしました。本日は久しぶりに最新話を投稿します。

 今回は前回の続きからとなります。しかし本当なら今回で『ニャオハとなら、きっと』を終わらせて『ながれついた宝物』の予定でしたが、執筆してたら長くなったので2話に分けて投稿しようと思います。

 それでは、どうぞ。


第6話

 ブレイブアサギ号にてサツキが周囲の見張りをしたりオリオが船の修理をしている最中、キョウスケとリコはモリーに頼まれた傷薬の受け取りを済ませたところであった。

 

 途中キョウスケが知り合いと電話でやりとりをして数分席を空けたり、急患が入って少しばかり遅くはなった事があったものの、エクスプローラーズの襲撃に遭ったなどの問題は特に無く、無事に傷薬を受け取れたのだが、問題は船で生活している都合上薬の量が基本多めにストックしている事だ。

 

 「道理で俺に手伝わせようとしたわけだ。……ったく、しょうがないなぁ」

 

 流石にリコに持たせるわけにはいかないので、キョウスケは渋々コートの懐から迷彩柄のモンスターボール──サファリボールからサソリのようなポケモンを取り出した。

 

 「ロトム、あのポケモンを教えて」

 

 リコは自分にとっては見た事無いポケモンであるため、スマホロトムを取り出して図鑑機能でキョウスケが出したポケモンを調べた。

 

 『ドラピオン。ばけサソリポケモン。どく・あくタイプ。 猛毒をもつが使うことはまれ。 車も叩きつぶす怪力で暴れまわる』

 

 リコは図鑑の説明を聞くとドラピオンによって叩きつぶされた光景を想像してしまったのかゾッとしていた。しかしキョウスケはそんな気はハナからする気は無いようでドラピオンに軽く説明すると、納得したのかドラピオンは軽く頷いて了承した。その後はゲッコウガと協力して、1人と2匹で分配して薬を船まで運ぶ事となった。

 

 ポケモンセンターを出ると、ちょうどそこにモリーと、彼女のポケモンであるピンク色のポケモン──ラッキーと合流した。

 

 「ご苦労さん」

 『ラキラキ!』

 

 合流するとラッキーはゲッコウガに傷薬を促した。ゲッコウガも周囲の警戒を怠るわけにはいかないので、素直にそのままラッキーに傷薬を渡した。

 

『ワン! ワン!』

 

 しかし船に帰ろうとしたちょうどその時、イワンコの鳴き声が鳴り響いた。しかも鳴き声というよりは遠吠えに近かった。

 

 それを聞いたリコはすぐさまイワンコの声がした方に走り出してしまった。

 

 「ちょっ、リコっ⁉︎仕方ねぇ…すまないモリー、この埋め合わせは必ずする。俺はリコを追いかけるから後は頼む!」

 「分かったから早く行ってきな!」

 「感謝する。行くぞゲッコウガ!ドラピオン、あとはお前に任せる!」

 『コウガ!』

 『ドラッ!』

 

 キョウスケはモリーとドラピオンに荷物を任せた後はゲッコウガを引き連れてリコを追いかけた。その道中、船で待機していたキャップも騒ぎを聞きつけたようで一緒にリコを追いかけると、そこには紙袋を持ってる女性──というより、変装したコニアに吠えているイワンコがいた。その他にもフリードとマードックとチカ、リコと合流を果たした。

 

 「すまないフリード。リコがイワンコの鳴き声に反応したみたいで…」

 「大丈夫です。目の前の女性を捕まえて潜伏先を洗いざらい吐き出さ…聞き出せばニャオハの居所が分かりますから」

 「物騒な事を考えるなぁ……」

 

 キョウスケが申し訳なさそうにフリードに謝罪するも、チカはニッコリと笑って女性の身柄を拘束して尋問しようと画策し始めた。フリードとマードックとイワンコも、それには思わず顔を青ざめながらドン引きしかけた。キャップもゲッコウガもやれやれと言わんばかりに呆れていた。

 

 一方、リコを除いた4人にポケモン3匹…この状況では分が悪いと感じたコニアは持っていた紙袋をリコ達に投げつけて一目散に逃げて行った。

 

 「待って!ニャオハはどこっ⁉︎」

 

 コニアの逃げた方向にリコも追いかけるように走り出した。当然、他のメンバーもその後に続いた。

 

 その後は途中露天商の店員とぶつかって商品をばら撒いたが、マードックが対応に買って出たため、追跡に特にこれといった支障はなかった。

 

 「おいリコ!お前は船に戻ってろ!バトルになる!」

 

 追跡中、フリードはリコに忠告をするも彼女は聞く耳を持たなかった。仕方ないのでチカに耳打ちしてリコを連れて船に戻るよう指示を出した。

 

 「リコさん。貴女は私と一緒に…」

 

 チカはリコの腕を掴んで無理矢理止めようとするも、リコに手を払われてしまった。どうやらチカよりリコのニャオハに対する想いが(まさ)っているようだ。

 

 「フリードさん。どうやら失敗しました。おそらく貴方やキョウスケさんでも彼女を連れ戻すのは無理です」

 

 チカのその報告を聞いたフリードは走りながら頭を抱えた。しかしこうなってしまった以上仕方ないと割り切り追跡に集中するのであった。

 

 

 一方、キョウスケやフリード達がコニアを追跡している最中、ジルは物陰に隠れてブレイブアサギ号の見張りをしていた。彼は船に発信機をつけてくる事をアメジオの命じられたため、時が来たら実行するためにずっと船を張り込んでいたのだ。

 

 しかし、船で見張りをしているサツキとデッキの先端で釣りをしているランドウの姿を見てからなかなか行動に移す事が出来なかった。

 

 後者だけならまだ大丈夫だが、前者は相方のコニアと一緒に自分をポケモンバトルで打ち負かした相手だから、もし鉢合わせしたら勝ち目がないのは明白なので、ここは慎重に徹してタイミングを見計らっているのだ。

 

 その後はアメジオに定期連絡を入れたり監視を暫く続けると、最後に数分前にサツキを見たのを機に彼の姿を見る事はなかった。おそらく船内の見廻りに行っているようだ。

 

 それに加えて今自分の視界に入っているのはコイキングを釣り上げて夢中になってるランドウの姿…これを絶好のチャンスと捉えたのかジルは懐から円盤状の発信機を取り出してそれを船に目掛けて投げつけた。すると発信機は船底にあたる部分に張り付いた。

 

 「これでよ「残念だけど、逃がさないよ?」…⁉︎」

 

 発信機を取り付けて引き上げようとしたその時、ジルの背後にはいつのまにかサツキが控えていた。サツキだけではなく、彼の隣には青を基調としたポケモン─ルカリオが控えていた。しかもこのルカリオ、キョウスケのハッサムと同じ柄の石を付けた腕輪をしている。

 

 「貴様っ!何故此処に…⁉︎」

 「じっちゃんの反応を見て「もしや?」と思ってルカリオを出して警戒していたけど……ビンゴ、アンタがいたよ。それであとは隙を見て物陰に隠れてそっちが尻尾を出すまで待機していたんだよ」

 

 してやられた。ジルが最初にそう思ったのは正しくそれであった。よりにもよって発信機を取り付けた直後に遭遇したのだ。こうなると他のメンバーに報告されて駆けつけてくるのは時間の問題、そういう状況であった。

 

 「さて、アンタに一つだけチャンスを与える。このまま僕に潜伏先を教えてくれれば命だけは見逃してあげるよ?」

 「クソッ!調子に乗るな小僧!エアームド!」

 

 そしてサツキは遠回しに命乞いを要求するよう促すも、ジルにもプライドはあるので、モンスターボールからエアームドを取り出した。

 

 「バトルか。僕には勝てないのは目に見えて理解しているはずだろ?」

 「バトルじゃないさ!俺は戦うなんて一言も言ってないぞ?エアームド、地面に向けて『エアカッター』!」

 

 エアームドがジルの指示を受けて『エアカッター』を地面に放つと砂埃が辺りに舞い散った。漸く視界が晴れると、ジルはエアームドに乗ってその場から立ち去っていた。

 

 追いかけようにも、自分が船を留守にするわけにはいかないので仕方なくサザンドラを出して追跡に回す事も考えたが、自分がいない分命令も単調になるため詳しい指示を出す事はできなくなる。ここは仕方なくフリード…の前にキョウスケに報告する事にした。(先にフリードに連絡すると全員に伝わってない可能性もあるため)

 

 「すまないキョウスケ、エクスプローラーズが監視していた」

 『そうか。俺は今フリード達と合流して奴らの潜伏先を見つけた』

 「は?潜伏先?お前モリーの仕事の手伝いをしてた筈だろ?」

 『順を追って話すとだな…』

 

 報告の最中にキョウスケの口から想定外な言葉が出たため、彼は先程何が起きたかサツキに重要な事だけ掻い摘んで説明した。

 

 「……そうか。だからフリード達と行動してるのか」

 「そうだ。しかしリコのニャオハに対する気持ちがあそこまで強いとはおそれいったよ……それで船を監視していたヤツはどうした?」

 「追っ払った…正確にはあっちが尻尾巻いて逃げたけどね。どうする?エアームドに乗って逃げたとはいえまだそんなに遠くに行ってないかもだから追いかけようか?」

 『少し待て……………分かった。フリードからの伝言だ…『深追いはせずにそのまま船の見張りをしていてくれ』だそうだ。あと、『これから俺たちはニャオハを取り返す。それまで船で待機していてくれ』との事だ」

 「了解、ニャオハを取り返したら連絡を頼む。その際に何かあった事の報告をすると伝えてくれ」

 「分かった」

 

 その後キョウスケは電話を切った。サツキもその後見張りに戻ろうとしたけど、ルカリオが何か見つけたようでサツキに見せた。それはジルが先程取り付けた発信機であった。

 

 「奴ら、これで僕らの追跡をするつもりだったか……」

 

 その後はルカリオに発信機を破壊するよう指示を出した。それを受けて、ルカリオは発信機を踏みつけた。発信機が破壊された事を確認したサツキは、ルカリオと共に船の見張りを再開する事となった。

 

 しかしサツキ達はまだ気づかなかった。実は船に取り付けられた発信機はもう一個あって、それはすでに船の別の場所に取り付けられていた事に────。

 


 

 サツキとの電話を終えたキョウスケはフリードやチカとリコと一緒に、エクスプローラーズの潜伏先であろう倉庫の門の前で身を隠しながら様子を伺っていた。

 

 「しかし奴らが監視していたとはな…」

 「ですが早く気づいてよかったですね」

 

 サツキの伝言を聞いたフリードとチカは安堵の表情を浮かべていた。しかしその傍でリコは様子を見ながら倉庫内に入ろうとしたがキョウスケにすぐ止めらめてしまった。

 

 「止めとけ、此処からは危険だ。あとは俺らが何とかするから此処で待ってろ」

 「分かってます!でもニャオハは私のポケモンです!きっと今も一人で心細いはず…私が行ってあげなきゃ…」

 

 キョウスケはリコの腕を掴みながら此処で待つよう促すも、リコはニャオハのトレーナーの責務からか、あるいはパートナーとしてかいてもたってもいられなかったようだ。

 

 「そしたらこれでどうだ?」

 

 すると何か考えが浮かんだのかフリードはキョウスケ達に何やら耳打ちをした。

 

 「できるか?」

 「はい」

 「それと、危険になったらすぐに逃げろ」

 「分かりました」

 

 リコの返事を聞いたフリードは一度頷くとキョウスケ達の方にも目を向けた。キョウスケ達もそれに同意するように軽く頷いた。

 

 そして周囲の警戒をしながら倉庫内に入って行った。そして倉庫の奥にアメジオが待ち構えていた。

 

 「やっぱりいたのねアメジオちゃ〜ん」

 

 アメジオの姿を見るや否や、キョウスケは口元をニヤつかせながら彼に手を振っていた。

 

 「ペンダントは持っているか?」

 「これをあげればニャオハを返してくれるの?」

 

 しかしアメジオはキョウスケを無視してペンダントの所在を確認するも、リコはペンダントを手に取りながらアメジオの方に差し出した。

 

 「オイオイスルーは酷くない?せめて「よぉ」の一言くらいは声かけてくんないと泣くぜ、俺が?」

 「今はお前に用はない。此方の目的はペンダントだ」

 

 だがキョウスケはヘラヘラ笑いながらアメジオにしつこく絡むも、当の本人に一蹴されるのであった。

 

 「まぁまぁ落ち着け……提案なんだが、此処はポケモンバトルと行こうか?お互い、前回の決着がまだだろ?」

 

 そんなキョウスケを見兼ねたのか、フリードはこのタイミングでポケモンバトルを提案してきた。

 

 「ほう?それはいいねぇ。それでも構わないよ。受けるよな、この提案?それとも何?もしかして俺に負けるのが怖いの?」

 「ふざけるな!」

 

 それに立て続けにキョウスケはフリードの提案に乗ると同時にアメジオにバトルに誘導させるよう挑発をした。(もっと)も、キョウスケの場合は先程一蹴された腹いせも兼ねているが。それに対しアメジオはまんまとキョウスケの挑発に乗ってしまうのであった。

 

 「俺とキョウスケが勝ったらニャオハを返してもらう」

 「ならば俺が勝てば、ペンダントと一緒に来て貰おう」

 「決まりだ。チカ、リコ。バトルに巻き込まれるから離れていろ」

 「はい」

 「あとは頼むぞ」

 「えぇ。もちろんです」

 

 バトルの段取りが決まったと同時にリコはチカに連れられて物陰に隠れた。その際にキョウスケとチカはすれ違う際、小声で耳打ちをしていたが。

 

 「キャップ、行くぞ!」

 『ピカチュウッ!』

 「頼むぞ、ゲッコウガ」

 『コウガッ!』

 「ピカチュウとは舐められたものだ…まぁいい。出てこい、ソウブレイズ!アーマーガア!」

 

 キャップとゲッコウガは戦闘態勢に入り、アメジオはモンスターボールからソウブレイズとアーマーガアを出した。

 

 「キャップ、『かげぶんしん』!」

 「ゲッコウガ、ソウブレイズに『みずしゅりけん』」

 

 バトル開始直後、先手必勝と言わんばかりに『かげぶんしん』で陽動しつつゲッコウガの『みずしゅりけん』で牽制をする。

 

 「アーマーガア、『エアスラッシュ』!ソウブレイズ、『つじぎり』!」

 

 しかしその攻撃は、アーマーガアの『エアスラッシュ』で打ち破った直後、ソウブレイズの『つじぎり』でキャップの『かげぶんしん』を斬り払っていくも、『かみなりパンチ』を使用してきたため『ゴーストダイブ』で躱すと同時に追撃をした。

 

 「へぇ、なかなかやるじゃないの」

 

 キョウスケはアメジオの無駄の無い指示に感嘆の声を上げた。

 

 その間、チカはリコと共にアメジオに気づかれないように物陰に移動しながらイワンコの鼻を頼りにニャオハの捜索に当たるのであった。

 

 そしてイワンコの案内の元、倉庫内の奥の部屋の扉の前でイワンコが鳴きながら反応した。扉の窓から部屋を確認すると、奥にニャオハの姿が確認できた。

 

 「待っててニャオハ、今開けるから…」

 「待って下さい、リコさん。此処は私が開けますので」

 

 扉には鍵がかかっていたので強引に開けようとしたリコだが、チカに制止されると同時に彼女はモンスターボールを取り出して宙に軽く投げた。すると中から黒い人形みたいなポケモンが出てきた。

 

 「ジュペッタ、中から扉の鍵を開けてきて貰えますか?」

 『ジュペッ!』

 

 チカは人形みたいなポケモン──ジュペッタにそう指示を出すと扉をすり抜けるように部屋に入っていった。その直後、鍵が開けられる音がすると同時に扉が開かれるのであった。

 

 リコは一目散に部屋に入ると、すぐさまニャオハに駆け寄って抱きしめた。ニャオハは無事である事を示すようにリコに寄り添った。それに対しリコは涙を浮かべると同時にニャオハを抱き締める力が強くなった。

 

 「リコさん、目的は果たしました。此処に長居する理由はありません、今のうちに脱出しますよ?」

 

 チカにそう言われて現実に引き戻されるリコであった。その後は誰にも気づかれないように倉庫内部から脱出するのであった。

 

 倉庫から出て、誰もいない事を確認したチカはリコを引き連れて門を出て脱出を図った。

 

 「私の可愛いニャオハちゃんを連れ去ろうなんていけない子ねぇ…」

 

 しかしタイミング悪く、変装を解いたコニアが物陰から現れてチカとリコの目の前に立ち塞がった、のだが……

 

 「ニャオハちゃ~ん!こっちにおいで~!美味しいご飯もあるわよ~」

 

 逃がさないよう此方に攻めてくるかと思いきや、目をハートにして猫撫で声でニャオハを自分のところに来ないか促してきた。当然チカとリコはドン引きしながら困惑していた。しかしニャオハは嫌って表情でそっぽを向いた。

 

 「あなたとあんなことや こんなこと…これからたくさん愛を育むはずだったのに!」

 

 そして立て続けに『ニャオハと一緒になったら』という妄想の暴露をし始めた。リコは困惑するもチカは呆れるほかなかった。もし、エスパータイプのポケモンがこの場にいてコニアの思想(という名の妄想)を読み取ったりしたら確実にドン引きされる…そういうレベルであった。

 

 「よくも私の純情を(もてあそ)んだな!」

 「それ以前にそのニャオハは貴女のポケモンではなく、リコさんのポケモンです」

 

 最後にコニアは悲嘆な声を上げるも、チカに正論で一蹴された。それに逆上、もとい逆ギレしたのかコニアはモンスターボールからエアームドを取り出した。

 

 バトルになると予想したのか、チカもモンスターボールを取り出して投げた。ボールの中からは胸元から白いロングドレスの様なもので覆われている人型に近い頭部が緑色のポケモンであった。そのポケモンにはキョウスケのハッサムやサツキのルカリオと同じ柄の石を付けたペンダントをしていた。

 

 「ロトム、あのポケモンは?」

 

 『サーナイト。ほうようポケモン。エスパー・フェアリータイプ。心の 通い合ったトレーナーを守るとき 最大パワーのサイコエネルギーが発揮される』

 

 チカも自分のために戦ってくれる…そう感じたリコは涙を出そうになるも、この場から逃げるために身構えた。

 

 「やぁん♡あのサーナイト可愛い〜!」

 

 しかしこんな緊迫とした状況でコニアは先程のニャオハと同じようの反応をした。当然サーナイトは困惑していた。だがコニアは我に返ったのか首をブンブンと横に振って自我を取り戻した。

 

 「でもくさタイプのニャオハとフェアリータイプのサーナイトでエアームドに勝てるわけがない」

 

 今この場で一番有利なのはタイプ相性を考慮すればコニアのエアームドだ。ニャオハはともかくとしてサーナイトならなんとか出来るかもしれないが、タイプの不利有利は覆らないため苦戦を強いられるのだ。

 

 「分かってますよ。しかしタイプの相性で強さが決まるわけではありません。行きますよ、リコさん」

 「分かりました」

 

 しかしそんな事はチカには関係は無い。それに、今の目的はバトルをする事ではなく無事に逃げ切る事。それを成しえばそんなのは関係のない事である。

 

 「(学校のときを思い出そう。ニャオハと一緒に逃げてあいつらが追いかけてきて…)ニャオハ、めいっぱい『このは』!」

 

 セキエイ学園の一件の事を脳裏に浮かんだリコは、ニャオハに『このは』の指示を出した。その時、『このは』の量は学園の時や船で出した時のような、相手の視界を遮らせる程であった。

 

 「……いいでしょう。サーナイト、『このは』に『サイコキネシス』」

 『サナ!』

 

 それを見たチカはリコの思惑にいち早く察したようで『このは』を『サイコキネシス』で操った。すると、大量の『このは』はコニアとエアームドを覆った。

 

 「こんなに出してもエアームドには痛くもかゆくもない!(しかしなんて量よ!これじゃあ前が見えな…!)」

 

 『このは』がコニア達覆って暫くすると、『このは』は『サイコキネシス』に解かれたからか、何処吹く風に飛ばされた。しかしコニア達の目の前にはチカやリコ達の姿が無かった。

 

 「あっ…やられたっ!」

 

 『このは』と『サイコキネシス』を利用しての目眩しに見事にやられたのであった。ちなみにその間にチカとリコ達は敷地内から既に脱出していたのだ。

 

 「なかなかやるじゃあないの」

 「ホントに。でも流石に其方の方は分が悪かったな」

 

 一方、いつのまにか倉庫の屋上に移動していたキョウスケとフリード、アメジオのポケモンバトルが続いていた。どちらのポケモンも白熱したバトルであったためか息を切らしていた。

 

 ソウブレイズも腕の剣をキャップとゲッコウガに向けるも、ちょうどその時、キョウスケとフリードの背後にニャオハが放った『このは』が舞い上がってきた。それに気づいた2人は、屋上から飛び降りるも、フリードはリザードンに、キョウスケは頭部がブーメランのような暗緑色のポケモン──ドラパルトに乗っていた。

 

 「まさか…奴らが逃げ出すまでの時間稼ぎをしていたというわけか」

 「そういう事。それじゃあ今回のバトルはお預けね〜。またやろうぜ、アメジオちゃ〜ん!」

 

 此処で漸くキョウスケやフリード達の思惑に気づいたアメジオだが、時は既に遅し。2人は乗っていたポケモンに指示を出してその場から立ち去った。

 

 アメジオも追跡しようとしたが、ソウブレイズもアーマーガアも疲労困憊(こんぱい)であるためかそうしなかった。そして、2人が立ち去った方角をただ眺めるしかできなかった。




 まずは読んでくださった方、お気に入り登録をしてくれた方、こんな拙作を応援いただきありがとうございます!こんな拙作読んでくれるだけでもありがたいです。

 今回はオリ主とオリキャラの手持ちポケモンを最低1匹ずつ出せてよかったです。ちなみにキョウスケはドラピオンとドラパルト、サツキはルカリオ、チカはジュペッタとサーナイトになります。

 ちなみにドラパルトはキョウスケのライドポケモンなのですが、今まで出さなかった理由としましては、物語開始時点で、知り合いのポケモン博士に『ガラル地方のポケモンの生態調査をしたいから暫く貸してくれないか?』と頼まれたので今回まで出番がありませんでした(ちなみにキョウスケはこの時マスターボールをさりげなく要求したという裏話もあります)。

 あとは近日中にはキョウスケ、サツキ、チカの手持ち6匹全てを出したいところです。ちなみにサツキやキョウスケ達はいろんな地方に足を運んでいるから結構多いので控え(ボックス)のポケモンはまた今度にしようと思います。

 次回は今回の続きで『ニャオハとなら、きっと』を終わらせようと思います。

 それでは、また次回。

スカーレット・バイオレットには未登場のポケモンをテラスタルさせても……

  • 断然OK!だってアニポケだもの!
  • ダメ。パワーバランス崩れるおそれがある。
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