ポケットモンスター 〜New Generation〜 作:なかムー
それでは、本編をどうぞ。
ニャオハを無事救出したチカとリコは途中自分達の時間稼ぎをしてくれたフリードとキョウスケと合流した後、一緒にブレイブアサギ号に向かった後は無事に船まで辿り着く事が出来た。船の応急処置はとっくに終わっていたため、その後はすぐさま出航。今現在船は海の上を飛んでいるのであった。
「冒険… しちゃったね」
『ニャア』
出航している最中、リコはニャオハと一緒に展望室前に座りながら黄昏ていた。
「ニャオハは、この船の人たちの事をどう思う?私は、信じていいと思えた。
『ニャア』
途中、ペンダントを見ながらリコは自分が思っている事をニャオハに打ち解けた。ニャオハはリコの話を理解できなくても真摯に話を聞いてくれていた。
「『怖いのは最初の一歩だけ。ポケモンが一緒なら大丈夫』…おばあちゃんが言ってた意味、やっと分かったよ。何度も一歩を踏み出して、ニャオハとだから、動き出せた。見つけた、新しい景色」
そして幼少期の頃に祖母から聞いた言葉が今になって理解できた。そう思った瞬間であった。
その頃、キョウスケやサツキ達は他のメンバーと共に船のデッキにいた。マードックに至っては自分のパートナーであるイワンコを抱き締めながら褒め称えていた。キョウスケも、ゲッコウガやドラピオンの頭を撫でながら夕陽を見ていた。
ちょうどその時、リコが皆んなの元まで降りてきた。
「あの…こんな事言うのも、今更なんですけど…私、みなさんを信じてみようかなって」
勇気を振り絞ってリコはニャオハの救出を手助けをしてくれたフリード達を信頼する事を伝えた。
「なんだ?疑っていたのか?」
「だって!何の説明も無いし、連れ去るし、その…正直、見た目も充分に怪しいので……」
リコにそう言われて全員は何も言い返せなかった。特に何も事情を教えてくれずに自分を連れ去る形で船まで乗せられたので信じるまでは誘拐だと疑われても文句は言えないのだ。
「私に何が起きてるのか分からないけれど、ペンダントの事とか、何故あの人たちに狙われているのか、それを知りたい。だから、もう少しだけ私に付き合ってください!」
自分の身に起きている事が知りたい…当事者にとっては知らない事だらけだ。だから祖母から貰ったペンダントや【エクスプローラーズ】の事も、知っておかない。これも義務であると感じ取ったようだ。
「どうする、キャップ?」
『ピッカチュウ』
それを聞いたフリードは傍にいたキャップに判断を委ねた。するとキャップは笑顔でサムズアップをした。どうやら同意したという合図のようだ。
「キャップがそう言うなら…改めて引き受けよう」
キャップの同意を得たフリードは一度立ち上がってリコと向き合う。それ。見兼ねた船員達もフリードの元に駆け寄った。
「いいんですか⁉︎」
「どのみち俺たちは最初からそのつもりだしな。それに、ペンダントの謎だって俺たちだって知りたい。俺たちの使命はポケモンの謎、世界の謎を解き明かす事……人呼んで、【ライジング・ボルテッカーズ】だ!」
そして全員が集まると、フリード率いる【ライジング・ボルテッカーズ】は自分達の目的を堂々と宣言した。彼らの目的や使命にはロマンチックに感じてくる瞬間がよぎった。
「そういう人たちだったんですか……」
「あれ?言ってなかったか?」
「聞いてません」
当然リコには何も説明していないので当然の反応が返ってきた。フリードとリコ以外の全員は呆れてため息をついた。
「そりゃ何も説明してないから僕らは怪しい集団に見えるよ……」
「全員服装もバラバラだから冒険家集団なんて言われても、誰も納得してくれないさ」
「本当に。せめてフリードさんが一言説明してくれたら話は変わってくるのですが」
サツキを筆頭にキョウスケとチカがフリードにダメ出しをしてきた。もちろんオリオ達も無言で首を縦に振った。
「まぁまぁ。それは置いといて……よろしくな、リコ!」
そう言ってフリードは手をグーにしてリコに差し出す。キョウスケやサツキ、チカ、オリオ、マードック、モリーもそれに続いた。そしてリコもそれに続いて手を出すと、グータッチして手を上下するのであった。
「それじゃあ…目指すはパルデア地方、リコの家!ヨーソロー!まずはパルデアにいる仲間と合流してから、依頼主のリコのお母さんにボディガード代を貰いに行こう」
「さっき言ったことが台無しだろ」
そしてフリードは船に身を乗り出しながら今後の目的を全員に伝えると同時に進行方向に指を差した。しかし、内容が内容なためにサツキに呆れられると同時にツッコミを入れられた。
「後半がなければカッコがついたのにな」
「そこはしっかり決めて下さい」
「金が無ければ冒険もできんよ」
キョウスケもチカもフリードに苦言を呈するが、当の本人は(割と)正論な指摘を口にこぼした。全員も事情が事情なためか、呆れるか苦笑いするしかなかったのだった。
「うん、うん……今はまだ帰れそうにない。いつ帰ってくるか?……すまない、暫く帰ってこれそうにない。だから目処が着いたら掛け直す。それまで待て」
自室で誰かと電話で連絡を取り合っていたキョウスケは、「それじゃ」と言って電話を切ると、スマホロトムをポケットに仕舞って、ロッキングチェアに座り直してため息をついた。
実はキョウスケと電話をしていたのは彼の妹で、冒険家集団の一員である以上、家を空けるキョウスケに対し心配になっているのだ。しかも今はリコやペンダントの一件もあるから、そう迂闊に家に帰るのはかえって家族を危険に晒す可能性があるため、敢えて帰るのを避けているのだ。
次はユウナと連絡を取ろうとしたが、喉の渇きを覚えたためか、一度自室を出た後は、キッチンにてコーヒーを淹れてミーティングルームで一服しようとした。
しかし、ミーティングルームには先客がいた。そこには、同じくスマホロトムで電話をしているサツキがいたのだ。
『あ、もしも〜し。聴こえてるかなっ』
「大丈夫。問題無しだよ、ノゾミ。それでどうしたの、こんな夜更けに」
電話はどうやら始まったばかりのようだ。しかもテレビ電話で会話しており、サツキと電話をしている相手はノゾミと呼ばれた少女であった。そのノゾミの特徴としては、画面に映り込んでいる範囲で挙げると、濃い茶髪のロングヘアで赤色の瞳、髪の両端の一部を取って、ツインテールにしているのであった。
『うん、サツキくんの声が聴きたくなって。……ね、ホウエンには次いつ帰って来るの?』
「……ごめん、今取り掛かってる一件が終わらないと暫くは。ちょっと大変な事になっててね」
『そうなんだ……』
そんなノゾミは(電話越しではあるが)顔を近づけながらサツキにいつ自分の元に来るのか尋ねるも、暫く帰って来れないとキッパリと伝えられたからか残念そうな表情を浮かべた。
「そんなに気を落とさないで。この案件が片付き次第、フリードに掛け合ってみるよ。もしかしたらそっちに真っ先に行けるかも」
しかしすぐさまサツキからのフォローが入ったため先程まで残念そうにしていた表情もパァッと明るくなった。しかもその表情に加えてか、一瞬だけイワンコのような耳が見えたような気がした。
『……うん、待ってるね!……あ、ヨノワール!今ちょうどサツキくんと話してて…』
そんな事を話していると、ノゾミの通話口から誰かの鳴き声が聴こえた。少ししてその出処は、サツキがホウエンを発つ前にノゾミに預けたヨノワールからだ、と言う事が判明した。
傍から見れば近寄り難い印象のあるポケモンだが、自らが主と認めたトレーナーには甲斐甲斐しく世話を焼く事のできる頼れるヤツとの事で。
そのヨノワールは、サツキの姿を見ると三日月型に空いた所から覗く眼を変え、嬉しそうな表情を見せていた。
「ヨノワールも元気そうで何よりだよ。何か粗相をやらかしてない?」
『ううん、私のボディーガードとしてよく頑張ってくれてる。サツキくんの育て方が良かったのかなっ』
「それは何より。ヨノワール、僕が不在の間はノゾミの事を頼むぞ?」
サツキからの問い掛けにヨノワールが軽く鳴く事で答え、ノゾミは再びサツキと向かい合った。その後はお互いの近況報告も兼ねて話を続け、暫しの談義に花を咲かせていた。
『あっ、もうこんな時間……やっぱり、サツキくんと話していると、時間を忘れちゃうねっ』
「……それは良かった。じゃ、夜更かしは程々に『待って!』ん?」
『……サツキくん、大好き。私、ずっとず〜っとサツキくんの帰りを待ってるから!』
「……ありがとう、ノゾミ。成る可くそっちに早く帰れる様、頑張るよ。それじゃ」
『うん、おやすみなさい』
ノゾミはそう一言サツキに伝えると、テレビ電話を終えたのだ。終えた事を確認したサツキは、一息吐いて持参していたコーヒーを一口啜るのであった。
「それでノゾミはなんだって?」
「聞いてたのか。まぁお前ならいいか……聞いてたなら分かるだろ?いつ
電話を終えた事を確認したキョウスケは、ミーティングルームに入るとサツキと対面になるように座った。どうやら先程サツキにかかってきた電話の内容が気になったので尋ねたのだ。
「そうか。まあ時間ができたらフリードに頼んでホウエンに寄るようお願いするんだな」
「そうするよ。それでキョウスケは?今はカントーの圏内だから今のうちに少しだけ里帰りさせてもらったらどうだ?」
「バカ言うな。今はリコのペンダントの一件もある。それに【エクスプローラーズ】といつ鉢合わせしても可笑しくない状況だから里帰りなんて、そうそう出来ないさ」
コーヒーを啜り合いながらキョウスケとサツキは里帰りの話になった。2人も冒険家集団の一員である以上、冒険をしていけば危険はつきもの
だ。だからそのため家族に顔を合わせるのは一種の安定剤にもなるが、時期が時期のためか、そう易々と出来ないのだ。
「それもそうだね。里帰りの件はペンダントの一件が終わるまで一旦保留にしようか。下手したらキョウスケや僕、チカの家族も【エクスプローラーズ】に狙われたら大変だしね」
「それもそうだな」
その話を一旦区切りをつけたのか、そのあとはそれ程大した事ない雑談に入った。そこから暫くするとフリードもミーティングルームに入ってきた。
「お前ら、寝てなかったのか?」
「まだ寝る気にもなれんよ。さっきまでいつ里帰りするか相談してたところだ」
「あーそうだったのか。それなら早いうちにした方がいい…って言ってもリコのペンダントの一件があるからそれは厳しいか」
「いや、大丈夫。気にしないでくれ」
キョウスケに伝えられた事に対してフリードは里帰りを提案するも、今の現状を思い出したのか目を逸らしながら気まずくなった。
「そうするか。それはそうとサツキ…さっき電話してた相手って、もしかして最近話題になってるポケモンコーディネーターのノゾミか?」
「おいもしかして、お前聞いてたな?」
「正確には『あ、もしも〜し。聴こえてるかなっ』ってところから…」
「最初からじゃないか!」
そこからは気持ちを切り替えたフリードはサツキの電話の相手について尋ねてきた。しかも表情もニヤつきながらサツキの肩を組んできた。
実はまだサツキが知るのは後になるが、フリードと…リコ以外の女性陣もミーティングルームの前で息を潜めてサツキとノゾミの電話の内容を聞いていて、サツキの口から色々と聞いた上で行動に移したのだ。
しかもキョウスケもグルになっており、色々と軽く打ち合わせした事により、まずキョウスケが訪れて、次にフリードは偶然訪れたのを装った…というのだった。
ちなみに余談だが、ノゾミはホウエン地方でポケモンコーディネーターをしているがまだ駆け出しの部類であった。
しかし、サツキのコネとかもあってか、トップコーディネーターであるルチアと共演した事により人気もシビルドン昇りになってきたのは最近の話だ。
今話題のポケモンコーディネーターと知り合いと知ったフリードも興味を持つのは無理のない話である。
「その話、あたし達にも教えてくれないかナットレイ」
「
そこから更に追い討ちを掛けるようにオリオもモリーもポケモンギャグを交えながらミーティングルームに入ってきた。2人も大人の女性であるためか、若い少年少女の色恋沙汰も気になっているようだ。
「サツキ?少しオハナシがあるのですが、よろしいでしょうか?」
そしてオリオとモリーの背後には、チカも控えていた。しかも今のチカは、ハイライトが
「……それじゃあ俺は寝るとするかねー」
「待てキョウスケ!僕を置いて逃げるな!せめて助けるのがスジってもんだろ!」
キョウスケは立ち上がってその場を後にするのであった。もしこの場に長居したら自分にも飛び火が来るので、足早に立ち去る他なかった。
「待て、逃がさないぞ?」
「洗いざらい話してもらうからね?」
「その後は私と……♡」
サツキは立ち上がってキョウスケを止めようとするも、フリードとオリオ、チカに腕や肩を掴まれてしまって身動きが取れなくなった。しかもミーティングルームの物陰にはジュペッタもサーナイトも控えていて、もし仮にこの場から逃げ出せても、此処から出た瞬間に捕まるのは明らかであった。
「……そんじゃあおやすみ、みんなー」
「おやすみなさい、キョウスケさん」
『おやすみ』
「逃げるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
キョウスケはそう言ってミーティングルームを後にして自分の部屋に戻るのであった。そして暫くするとミーティングルームからサツキの悲鳴が聞こえてきたのだが、キョウスケは振り返らずその場から立ち去った。
ちなみに、自室に戻ったキョウスケはユウナと暫しのテレビ電話をするのだが、彼女と電話が終わった直後に、自分の幼馴染からテレビ電話をするハメになったのは、また別の話である────。
後日、とある島にて……
「じいちゃん、おはよう!」
「おはよう、ロイ。今日は早いな」
「うんっ!だって嵐の後だからさぁ!」
その島にある村の一軒家にて、1人の少年が朝早くから元気よく家を飛び出て、自分の祖父に朝の挨拶をすると海岸の方角に走り出した。
それもそのはず、この少年が住んでいるこの島は先日嵐が通ってきたのだ。少年は嵐の後に何かあると踏んでいるのか、直感的に飛び出したのだ。
そして海岸に着くと、準備運動がてらに足元にある石を拾って事前に用意された海に浮かんだウキ目掛けて投げつけた。すると石は数個ある内の一つに命中した。
「よしっ!ゲット!……ん?」
ウキに命中したその束の間、少年は砂浜に打ち上げられた何かを見つけて確認すると、それは何かの旗らしき物であった。
「嵐の後は、お宝がやってくる!」
旗を広げた少年は目を輝かせながらそう呟くのであった。
そしてこの少年…ロイは、今手に持っている旗の持ち主である【ライジング・ボルテッカーズ】と出会う事になり、リコと共にペンダントを巡る戦いに巻き込まれる事になるのは、少し先の話である────。
まずは感想、お気に入り登録をしてくれた方、こんな拙作を応援いただきありがとうございます!こんな拙作読んでくれるだけでもありがたいです!
今回は、最後になるに連れてポケモンギャグや比喩表情も入れてみました。意外と考えると面白いものですな(笑)
そして今回、私と普段から親交のある作家さんである…咲野 皐月様考案のオリキャラ、ノゾミも登場しました。
事前にお話などは済ませており、手持ちは(元はサツキのポケモンですが)ヨノワールを含めた6匹は既に決まっておりますので、キョウスケやサツキ同様、どのようなポケモンが手持ちなのか予想しながら見ていただくと幸いです。
ちなみに、彼女のポジションはアニポケでいうゲストキャラクターとなりますが、話の展開や興が乗ったら、今でいうナンジャモのような準レギュラーのような立ち位置になるかもしれません。
実はまだ先になりますが、今放送中のアニメでリコ達はテラスタル研修を受けている最中、キョウスケやサツキ、チカの3人は他地方に行かせるためであり、サツキはノゾミのいるホウエン地方に行かせる事は確定しております。ちなみにキョウスケ達も何処の地方に行かせるかは決めておりますので、その時をお楽しみに下さい。
ここで次回の予告をしますと、アニメ4話『流れついた宝物』のお話となります。予定では1〜2話の範囲でお送りしたいと思います。
それでは、次回をお楽しみに。
スカーレット・バイオレットには未登場のポケモンをテラスタルさせても……
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断然OK!だってアニポケだもの!
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ダメ。パワーバランス崩れるおそれがある。