レイヴンの休日   作:鳳.

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ウォルターが621に性別の公表を控えさせてるのは可愛すぎて変な虫が寄りかねないからです。本人は気付いてないけど。
ラスティが嘘を見抜くのがうまい理由はラスティ自身が嘘をついているからです。


大豊娘娘

考えてみれば、服の着替えといった着替えをするのは久しぶりな気がする。

いつもはボタン一つでピッチリハマるパイロットスーツを着るか脱ぐかで、部屋などそれ以外の時ではいつも下着でいたからだ。

だから、下着の着替えくらいしかしていなかった。前までだったら気にしなかっただろうけど、一段落したら私服を買おうかな。

なんて気をごまかしていたが。

目の前の大豊娘娘さんの胸が大きすぎて、目のやり所に困る。

「レイヴンちゃん、でいいわね?貴女、大豊って会社をどれくらい知ってる?」

「えーと、ベイラムの同盟企業で…武器とか作ってて…」

「社訓は?」

「樹大…枝…細…?」

「よくわかってるじゃない。そう、大豊の社訓は『樹大枝細』よ。それでもって、この大豊娘娘のテーマも、『樹大枝細』なの」と言って、胸をそらせてくる。

「え…それって…む、胸が大で…腕とかが…細…の…?」

「そーそー。貴女、胸はほどよくデカいし、腕や脚は程よく細いし、樹大枝細を体現できてるわよ。傭兵稼業やめたら大豊で働かない?」

「え、遠慮…しておきます」

「あっそ。ざーんねん   …ところでさぁ、早く脱いでくれない?着替えるんでしょ?」

「あっ…は、はい…」

娘娘さん(仮称)の撫でまわすような視線を受けながらで正直少し辛いが、パイロットスーツの密着を解除させるボタンを押す。

 

すると、ダボっとしたスーツが身体から脱げ落ち、下着だけになる。

「…あの、はやく…服…」

「何言ってんの?早く下まで脱ぎなさいよ」

「!?!?!?」

娘娘の言葉に621は驚愕する。

いくら同性でも他人の前で下着姿になることすら(前までならなんとも思わなかっただろうが)気恥しいのに、どうして全裸になる必要があるのかー

「これが大豊娘娘の服よ。」

といって娘娘が一つの服を取り出す。

それはー

「チャイナ…ドレス…?」

「あら、詳しいじゃない。でも、ただのじゃないのよ。ほら、ここ見て」

といって、服の胸の辺りを指さす。

「ほらここ、穴空いてるでしょ。ここから上乳を見せるのよ。下着なんか着てたら隠れちゃうわ」

「…は?」

「だーかーらー、下着なんか着るなってことよ。分かってて受けたんじゃないの?この仕事」

「…いや…正直…大豊娘娘とかよく知らなくて…」

「はーーー(クソデカため息)、あっきれたー。この服は色んなコたちが着る日を夢見てる服でもあるのよ。それをあなたは…」

「い、いや、着ます!仕事受けたからには着ます!」

「…よろしい。じゃ、脱いで。」

「はい…」

 

 

されるがままに着替えは終了した。

特に危惧したイタズラもされずに、無事に更衣室から出れることになったのだが…

「(さ、流石に…露出が…この格好でラスティさんの前に…?)」

大豊娘娘の服は、チャイナドレスだが横のスリットがとても大きく、迂闊に動けばパンツが見えてしまう危険もある。胸の部分は先程言った通り上乳が見える仕様で、人前でここまでの薄着をするのは621初めての経験だった。

こういう服は本来こういう服を着れる覚悟の人が着るモノである。

【大丈夫ですレイヴン。すごく、可愛いです。】

「(そういう問題じゃあ…)」

【いつもより魅力が活きてるんで、大丈夫です。】

「(ええい…ままよ!)」

 

と脳内会話を繰り広げながら居間(?)に帰ってくる。

と、丁度こっちを向いていたラスティと目が合った。

「あ、戦ゆ……」

と、声を掛けようとしたのか名前(?)を呼んできたラスティの声が尻すぼみになり、そっぽを向いてしまった。

「確かにこれは…強烈だな…というより…樹大枝細…」

とラスティが呟いたが、621は一つ思い当たることがあった。

「…ラスティさんが、『この仕事は君に受けてもらいたい』って言ったのって…」

「ち、違うぞ戦友!そういった邪な理由では断じてない!ただ、誰か代わりが受けないなら代わりに我が部隊のメーテルリンクが変装する予定でな…、こんな格好をした彼女と一緒にいるなんてことになれば、地獄の空気で偵察どころでないと…」

「そ、そう…でも、私でも正直この服でずっとラスティさんの傍いるのは微妙な空気にならざるを得ないけど…」

「メーテルリンクよりはよほどマシだ。彼女はバリバリのキャリアウーマンだからな。君の方が気が楽だ。」

「そうなんだ…」

「まぁ…じゃ、会場に…向かうってことで」

とラスティが作戦終了までここで待機することになっているホンモノ娘娘とマネージャーさんに挨拶をしてACの方に向かう。

 

「私の機体だと目立つ。戦友、君の機体に同乗させてもらえないだろうか」

「え…いいけど、スティールヘイズも組み替えてくるべきだったんじゃ…?」

「企業というのは面倒くさいものでね。独立傭兵と違って、フレーム一つ換装するだけでも報告書やその他諸々の書類の提出が必要になってしまうんだ」

「なるほど…」

と言いながら、コクピットに乗り込む。

座り込んだ時、裂けたスリットのせいで前布が横にずれて太ももが露になってしまったが、それを直そうとする前にラスティが乗り込んできてしまう。

 

「…失礼」

といって横に座る。

正直、意識してしまう距離だが、頑張って思考をシャットアウトする。

こうして二人乗りACは、ベイラムグループ新商品発表会場へと向かうのであった。




多分次回で終わる
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