【第1章完】異世界スカウトマン~お望みのパーティーメンバー見つけます~   作:阿弥陀乃トンマージ

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第8話(2)面接

「お名前をよろしく……」

 

 リュートが自己紹介を促す。

 

「はい。ユキと言います」

 

「ふむ、責任感が強そうだね~」

 

 小太りの勇者がニヤニヤと見つめる。

 

「クラス委員長を務めておりました」

 

「クラス? 委員長?」

 

 小太りの勇者が首を傾げる。

 

「彼女は転生者だ」

 

「ほう、転生者!」

 

 リュートの言葉に小太りの勇者が驚く。

 

「珍しいか?」

 

「いや、話は聞くが……初めて見るな」

 

 小太りの勇者がジロジロと見る。

 

「あ、あの……」

 

「……ふむ……」

 

「えっと……」

 

 ユキが困った様子を見せる。

 

「そう言われてみると……」

 

「え?」

 

「その綺麗な黒髪も、どことなく異世界チックだね~」

 

「そ、そうですか? 自分ではよく分かりませんが……」

 

 ユキが自らの髪を触る。

 

「彼女は光明魔法の使い手だ。魔法に目覚めたばかりで未熟な部分もあるが、元来の生真面目な性格で、どんどんと習得している……」

 

「ほう、それは頼もしい限りだよね……」

 

 小太りの勇者が自らのたるんだ顎を撫でながら頷く。

 

「何か質問は?」

 

「明るい方が便利だよね?」

 

「はい?」

 

「あ、暗い方が好きかな? はっはっは!」

 

「は、はい……?」

 

 ユキが首を傾げる。

 

「……どうだ?」

 

「合格!」

 

 小太りの勇者がだらしない笑顔で告げる。

 

「……それではお名前の方を……」

 

 リュートが促す。

 

「えっと、カグラって言います」

 

「うんうん、活発そうな娘だね~」

 

「まあ、スポーツばっかりやっていたからね」

 

「スポーツ?」

 

 小太りの勇者が首を捻る。

 

「おじさん、スポーツ知らないの?」

 

「お、おじさん⁉」

 

 小太りの勇者が面食らう。

 

「おじさんはおじさんでしょ」

 

「ま、まだ二十代なんだけどな~」

 

「え、嘘だ⁉」

 

「う、嘘?」

 

「全然二十代には見えないよ!」

 

 カグラが小太りの勇者を指差す。

 

「は、ははは……」

 

 小太りの勇者が思わず苦笑する。

 

「……貫禄があるということだろう」

 

「あ、そ、そうか、なるほどね……」

 

 リュートの言葉に小太りの勇者が納得する。

 

「彼女も転生者だ」

 

「ほう」

 

「蒼翠魔法の使い手だ。まだ覚えたてだが、伸び代はある」

 

「蒼翠魔法ってなんだっけそれ?」

 

 小太りの勇者が首を傾げる。

 

「……説明すると長くなるが」

 

「要点だけよろしく」

 

「はあ……主にサポート系の魔法だと考えればいい」

 

 リュートがため息まじりで説明する。

 

「そっか、色々とサポートしてもらっちゃおうかな~? あっはっはっは!」

 

「えっ……」

 

 カグラが戸惑う。

 

「……どうかな?」

 

「合格だ!」

 

 小太りの勇者が締まりのない笑顔で告げる。

 

「それでは、自己紹介をよろしく……」

 

「マイ……」

 

 マイが心底面倒くさそうに名乗る。

 

「ほ~う、強気そうな娘だね~良きかな、良きかな♪」

 

「ああん?」

 

 マイが小太りの勇者を睨む。

 

「おおっ、そういう目つきも実にたまらないね~♪」

 

「な、なんだ……?」

 

「見た感じ、さっきのユキちゃんやカグラちゃんと似た雰囲気を感じるのだけれど……?」

 

 小太りの勇者がリュートに問う。

 

「察しの通り、彼女も転生者だ」

 

「やっぱり!」

 

 小太りの勇者が両手をポンと叩く。

 

「なにテンション上がってんだよ……」

 

 マイが目を細める。

 

「ユキちゃんやカグラちゃんと同じクラス?だったってことだよね?」

 

「……そうだよ」

 

「いや~俺もそのクラスに入りたかったな~」

 

「ああん? てめえの年齢考えろよ」

 

「て、てめえ⁉」

 

「なんだ?」

 

「いや~生意気な言動もまた良きかな~」

 

「な、なんだよ……?」

 

「彼女は紅蓮魔法の使い手だ。実にユニークな使い方だ。転生者ならではの発想とでもいうのかな。未熟な点はあるが、さきほどの二人との連携には目を見張るものがある……」

 

「ほ~う、連携ね~」

 

「……何か質問は?」

 

「ユキちゃんとカグラちゃんとは仲が良いのかな?」

 

「……それを聞いてどうするんだよ? 仲良くなければここまで来ねえよ」

 

 マイがムスっとした様子で答える。

 

「そっか~それなら別の意味でも連携出来そうだね~がっはっはっは!」

 

「は、はあ……?」

 

 マイが困惑する。

 

「……どうだい?」

 

「合格だね!」

 

 小太りの勇者がいやらしい笑顔で告げる。

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