ガチャ
霧雨「ほら、遠慮しなくていいから、入って入って。」
創破「あ、うん。お、お邪魔しま~す。」
僕は霧雨さんに誘われて、彼女の部屋に来ていた。
話をするためとはいえ、女子の部屋に入るのは初めてだから少し緊張する。
霧雨「あ、ちょっと待っててくれ、お茶だすからそこのソファーにでも座っててくれ。」
創破「あ、わ、分かった。」
ソファーに座り、台所でお茶の用意をしてくれている彼女を待つ。
創破「・・・・・(チラッ)」
待っている間、僕は彼女の部屋を少し見回した。
彼女の部屋は一言で言うと実に女の子らしい部屋だった。
可愛らしいぬいぐるみや絵、花が飾られている。
なんていうか、フローラルな良い匂いがする。
霧雨「お待たせ。」
霧雨さんがお茶とお煎餅を持って来た。
霧雨「この醤油味のお煎餅、美味しいんだぜ。この日本茶も結構良いもん使ってるんだ。」
創破「あ、ありがとう。」
僕と霧雨さんはお茶とお煎餅を食べながら話をした。
霧雨「(パリッもぐもぐ。)それじゃ、始めようか。食べながらで良いぞ。」
創破「あ、うん。それじゃ最初の質問なんだけど……何で試験の時や把握テストの時とか僕のことを見ていたの?」
霧雨「………。」
創破「僕たち、何処かで会った?」
霧雨「……………。ボソボソ」
ん?
創破「霧雨さん?」
霧雨「あ!な、何でもない!何でもない!実はさ、俺の知っている人にお前の顔がよく似てるなぁて、思ってさ。それでつい、お前の顔をじっくり見ちまって。不快だっただろ!謝る。」
そう言って霧雨さんは頭を下げた。
創破「あ、いや!頭を上げてよ。ただ気になっただけだからさ!もしかしたら僕が忘れてしまってるんじゃないかって不安だったからさ。」
霧雨「あはは、そうか……わりぃな。」
「「………………」」
空気が重くなってしまった。まずい、何とかしないと。
と思っていると
霧雨「じ、実はさあ!」
沈黙を破るようにして霧雨さんが大きい声で言った。
創破「は、はい!」
霧雨「頼みたいことがあるんだよ!」
創破「?頼みたいこと?」
霧雨「その……あたしの個性は知ってるか?」
創破「え?あ~~ごめん、詳しくは知らないんだ。ビーム出したり空を飛んでたりしてたことは話に聞いてたけど……。」
霧雨「そうか、それじゃあ教えるよ。あたしの個性は魔法。その名の通り、魔法を扱える。だけど、さっき言ってたビームとか魔法を使うと体力を消費するんだ。」
創破「へぇぇ!魔法ってどういうのがあるの?」
霧雨「実は……さっき言ってたビームとか空を飛ぶ魔法の他に身体能力を高める魔法とかしかないんだ。」
創破「3種類もあるのか!凄いな!」
霧雨「いや。それじゃあ駄目なんだよ。」
創破「駄目?」
霧雨「あぁ。戦闘訓練、お前と闘ってみて自分の力が足りないことを感じたんだ。入学前は自分が一番だと思っていて、天狗になってたと思う。だけど、入学試験や戦闘訓練を通じて実感したんだよ。そこで頼みたいことがあるんだ。」
霧雨さんは真っ直ぐ僕の目をみて
霧雨「放課後で良いんだ、私の特訓に付き合ってくれないか?」
創破「特訓?」
霧雨「魔法はな、特訓次第で違った魔法を生み出すことが出来る。元々この個性もビームだけしか出なかったんだけど訓練していって2つの力が身に付いたんだ!」
創破「そうなのか。だけど、僕で良いの?」
霧雨「逆にお前にしか頼めないぜ。私の見立てではお前は1Aの中でも最強だ!だから頼む!」
創破「………(う~~ん)」
霧雨さんの提案は僕にも特にデメリットは感じられない。放課後の時間は潰れるかもしれないけど、自分の成長にもなるし、良いだろう。
創破「分かった。僕で良ければ付き合うよ。」
霧雨「ほんとか!!」
おおぅ。霧雨さんが急に顔を近付いてきた。びっくり。
創破「う、うん。」
霧雨「やったぜ!ありがとな!それじゃあ早速、明日にでも頼めるか?」
創破「あぁ、良いよ。」
霧雨「よっしゃあ~!」
霧雨さん、アグレッシブだなぁ。
霧雨「あ!もうこんな時間か。」
創破「うん?」
霧雨「ほら、もう直ぐ19時半だぜ。」
創破「あ、ホントだ。」
霧雨「良かったら、ここで夕飯食わねぇか?」
創破「え?だけど」
霧雨「良いんだよ。私もこっちに来て一人暮らし始めたんだけど、一人で食うよりやっぱ誰かと食うほうが楽しいからさ!」
創破「そう?ありがとう霧雨さん。」
霧雨「その霧雨さんって言うの、何かむず痒いから呼び捨てにしてくれ、あと敬語も必要ないから。」
創破「そう?分かった、霧雨。これで良いかな?」
霧雨「…………あぁ。」
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その後、僕は霧雨と一緒にご飯を食べた。
僕も手伝おうとしたんだけど、お客ということで寛いでくれということでした。
作り置きがほとんどだったけど、今日は僕もいるということでさばの味噌煮を作ってくれた。
いやぁ久しぶりに食べたけど、美味しかったなあ。
霧雨の料理は作り置きのものでも充分美味しかった。それこそ店に出しても普通に売れるぐらい。
今は2人で食器洗いを終え、自分の部屋に帰るところだ。
創破「それじゃあ、霧雨。夕飯美味しかったよ。ご馳走さま。」
霧雨「満足してくれたなら何よりだ。なぁ、部屋も隣だってことが分かったし、明日は一緒に登校しないか?」
創破「良いぞ。7時半ぐらいで良いか?」
霧雨「あぁ!OKだ!」
創破「それじゃあ、また明日な。」
霧雨「あぁ!お休み!!」
創破「お休み。」
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ガチャ
創破「ふぅ、美味しかった。」
僕は自分の部屋に戻ってきた。
それにしても、まさかお隣同士だったとは、全然気付かなかった。
クラスメイトだし、何だか落ち着く感じがして良いな。
明日から一緒に登校するし、放課後も一緒に特訓する。
益々、楽しくなってきたなぁ……と思っていると、
???『おい。』
創破「何だよ、カゲロウ。」
僕の中に住んでる仮面ライダーリバイスに登場する悪魔カゲロウが心の中で話し掛けてきた。
カゲロウ『何だよじゃねぇよ。分かってるだろ。あの女が言ったボソッと言ったこと、忘れたのか?』
創破「………分かってる。だけど」
カゲロウ『なら警戒しろ。少なくともあいつはお前がこの世に生まれて会ってもいないし知りもしない。それなのに、あいつはあんなことを言った!』
創破「分かってる!だけどなぁカゲロウ!あの人に悪意はなかった!欠片も感じなかった!分かるだろう!アークも僕の中にあり、人の悪意に敏感な僕が、悪意を感じなかったんだぞ!そんな人が僕に危害を加えるとは思えない!」
カゲロウ『………チッ。』
創破「カゲロウ、注意してくれてありがとう。もう少し様子を見てからでも良いか?」
カゲロウ『勝手にしろ。だけど勘違いするな。俺はお前が心配なんじゃない。お前が死ぬと俺も消滅するかもしれないからだ。』
創破「はいはい。分かったよ。」
カゲロウ『………フン!』
カゲロウは僕の中で眠りに付いたみたい。
創破「……………。」
霧雨はボソッと呟き、僕に聞こえてなそうな感じだったけど、修行によって5感も常人の倍に成長したため、はっきりと聞こえてしまったのだ。
何処かで会った?と聞いた時
創破「『やっぱり気付かない』かぁ。」
今回はここまでです。更新頻度が遅くなってしまいますが随時投稿していきますのでよろしくお願いいたします!