今回はちょっとラブコメ要素が入ってます。
USJ事件が発生してから2日が経った
雄英高校は臨時休校になったが、誰も気を休めることは出来なかった。
世間はこぞって話題に取り上げ、ニュースやネットでは敵専門の心理学者やコメンテーター達が意見や憶測を述べていた。
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雄英高校1年A組 教室
2日が経ち、朝の教室にA組の生徒達が次々と登校してきた。席に着くなり、葉隠や芦戸といった陽キャは、事件のニュースのことを話していた。
そこから芋づる式に会話に多くの人が加わり、教室にいるほぼ全員が事件のことを喋っていた。
葉隠「ねぇねぇ!ニュース見た?クラスの皆が一瞬映ったでしょ?」
尾白「うん。」
葉隠「だけど、なんか私だけ………全然目立ってなかったよね……」
障子「たしかにな。」
尾白「いやほら……手袋とブーツだけじゃあ目立ちようが無いもんね。」
上鳴「どのチャンネルでも結構でかく扱ってたよな?」
切島「あぁ、びっくりしたぜ。」
耳郎「無理ないよ。プロヒーロー輩出するヒーロー科が襲われたんだから。」
瀬呂「あのとき先生達や皇が戦ってくれなきゃどうなっていたか」
峰田「止めろよ瀬呂!!考えただけでもチビっちまう!」
爆豪「うっせぇぞ!!黙れカス!!」
砂藤「けど、流石雄英の先生達だよな!あんな一瞬で敵達を鎮圧しちまうなんて」
常闇「あぁ。皆、驚愕に値する強さであった。」
そんな中、切島がふと、お茶子にずっと気になっていたことを尋ねた。
切島「な、なぁ麗日?今日って皇の奴休みなのか?」
ホームルームまであと数分というのに、創破の席だけは何故か空席のままであった。
お茶子「それがね、今日は何か、先に学校に行くってメールが来とって……てっきりもう教室に着いてると思ってたんやけど……………」
今朝、お茶子はいつも乗ってる電車の中でスマホをいじっていると突然創破から『先に学校に行く』という趣旨のメールが来たのだ。
そのため、今日は一人で登校したのだが、教室に入っても創破の姿は無かったのだ。
蛙吹「皇ちゃんなら、職員室に入っているのを私見たわよ。」
切島「え!?職員室!?」
緑谷「先生から何か呼び出しがあったのかな?」
葉隠「もしかして、USJでのことかな?ほら、皇君1人であの敵を倒しちゃったし!!」
尾白「葉隠さん、それだったら普通に学校がある日にはやらないと思うけど。」
葉隠「あ!確かに!だったら、なんだろう?」
ガヤガヤと話していると飯田が教壇の前に立ち
飯田「みんなぁー!朝のホームルームが始まる!席につけー!!」
と声高々に宣言したが
瀬呂「ついてるよ、ついてねーのおめーだけだ。」
飯田「くっ!不覚!!」
お茶子「ドンマイ、飯田君。」
そんなショートコントを繰り広げた後に、教室の扉が開いた。
ガラガラガラ
教室の扉が開き、入ってきたのは包帯まみれの相澤と彼に続くような形で創破が入ってきた。
相澤「おはよう。」
創破「みんなおはよう!」
創破以外のA組全員
「「「「「相澤先生復帰早ぇぇぇ!!!あとなんでそこから!!??」」」」」
担任である相澤が全身に包帯を巻いた状態で、いつも通りの感じで入ってきた。
そして、それに続くようにして今朝、A組でただ1人登校していなかった生徒、皇創破が入ってきた。
飯田「先生!無事だったのですね!!」
お茶子「無事言うかなぁアレ………」
切島「おい、皇!お前なんで相澤先生と一緒に入って来たんだよ?」
創破「あはは、まぁちょっと色々あってね。」
相澤「俺の安否はどうでも良い。あと、皇に関しては俺が朝呼んだんだ。理由は聞くなよ、重要事項だからな。」
相澤は若干ゆっくりめに教壇の前に立ち、創破は早歩きで自分の席に着いた。
相澤「何より、まだ戦いは終わってねぇ。」
包帯の隙間から両目を覗かせた。
爆豪「戦い?」
緑谷「まさか………」
峰田「まだ敵が!?」
相澤「雄英体育祭が迫っている。」
A組全員「「「「「クソ学校っぽいの来たぁぁーーーーーーーーーーーーー!!!!」」」」」
教室中にその声が響いた。
創破「(雄英体育祭か………毎年テレビで見てたけど、もうそんな時期になるのか。)」
耳郎「ちょっと待って下さい!敵に侵入されてばっかなのに大丈夫なんですか?」
相澤「いや、逆に開催することで雄英の危機管理体制が磐石だと示すって考えらしい。何より、雄英の体育祭は最大のチャンスだ。敵ごときで中止して良い催しじゃねぇ。」
峰田「いやいやいや、そこは中止しろよ。体育の祭りだろ。」
緑谷「峰田君、雄英体育祭見たことないの!?」
峰田「あるに決まってんだろ!そういうことじゃなくてよ………」
相澤「
創破「(オリンピックかぁ~懐かしいな。この世界に転生したからは一回も見てないけど。)」
八百万「当然全国のトップヒーローも観ますのよ、スカウト目的として!!」
上鳴「
耳郎「そっから独立しそびれて、万年サイドキックっていうの多いんだよね………上鳴、あんたそうなりそう。」
上鳴「ゔっ!!」
創破「(否定しないってことは自分でもそう思ってるんだ。)」
相澤「当然、名のあるヒーロー事務所に入った方が経験値も話題性も高くなる。
時間は有限、プロに見込まれればその場で将来が拓けるわけだ。」
創破「・・・・・」ゴクリ
相澤「年に1回、計3回だけのチャンス…………
ヒーローを志すなら絶対に外せないイベントだ!
気を引き締めて行け!!」
A組「「「「「はい!!」」」」」
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昼休み
朝に相澤から言われた雄英体育祭の話題は昼になっても消えることはなく、むしろ他者と話すことで更に盛り上がっていた。
切島「あんなことはあったけど、なんだかんだテンション上がるなオイ!!」
瀬呂「活躍して目立ちゃ!!プロへのどでけぇ1歩を踏み出せる!!」
常闇「準備しておくに越したことはない」
砂藤「やっぱこういう行事があれば燃えるよな」
切島、瀬呂、常闇、砂藤は1ヶ所に集まり各々の意見を述べていた。特に普段から熱血漢である切島いつにも増して声が大きい。
緑谷「皆すごい・・・ノリノリだ。」
飯田「君は違うのかい?緑谷君?」
緑谷「え?いやぁ~そういうわけじゃ………やっぱり飯田君も燃えてる?」
飯田「当たり前さ!!ヒーローになるため、在籍しているのだから!燃えるのは当然だろう!」
飯田は両手をグーにして腹の前に持ってきて、グルグルと小さく回している。傍らから見れば、小さい子供が手をもごもごして恥ずかしがっているよう
蛙吹「飯田ちゃん独特な燃え方ね……変。」
緑谷「あ、アハハハハ……」
蛙吹のはっきりとした物言いに思わず緑谷苦笑い
そんな中、創破はというと
お茶子「そうくん!!頑張ろうね!!体育祭!!」
創破「・・・・あ~うん。勿論頑張るけど……」
お茶子「声が小さいよ!!ほら、もっと腕を高く揚げて!!エイ!エイ!オー!!」
創破「オ・・オ~~!」
表情が全然麗らかじゃないお茶子に差し迫った勢いで話しかけられていた。
お茶子と創破の掛け声によって教室に残っているクラスメイト達は2人の、主にお茶子の方を向いた。
緑谷「麗日さん!?顔が怖いよ!?」
芦戸「どうした?全然麗らかじゃないよ麗日?」
飯田「麗日君!?どうかしたのかい!?」
皆の心配を他所に、お茶子は拳を揚げながら気合いを入れるように掛け声を出していた。
お茶子「皆!私!!頑張る!!オォォーーー!!」
切島「オ、オ~~。けど、どうした?キャラがフワフワしてんぞ?」
お茶子「大丈夫!!さぁそうくん!!ご飯!食べに行こう!!」ガシッ‼
創破「え?ちょ!?お茶子さん!?わ、分かった分かったから!!そんな腕組まなくても大丈夫だから!?いつものお茶子さんに戻って~~~~!!」
創破はお茶子に左腕をガッシリと掴まれ、半ば連行されるような感じで廊下を歩いていった。
そんな一連の様子を見ていたクラスメイト達は
瀬呂「・・・なんだったんだアイツ等?」
緑谷「麗日さんも凄い燃えてたなぁ。」
飯田「うむ!やはり麗日君も雄英体育祭で活躍し、プロの目に止まろうと気合いを入れているのだろう!!」
葉隠「ねぇねぇ!!前から思っていたけど、2人の距離感ってスッゴク近くない!?」
芦戸「分かる分かる!!さっきも麗日、ナチュラルに皇と腕組んでたし!!」
葉隠「だよねぇ!!聞けば2人、幼稚園の頃からの幼馴染みらしいしさ!!………ひょっとして!!///////」
芦戸「キャ~~!!/////それだったら面白そう!!」
雄英体育祭の話から何故か創破とお茶子の関係の話になってしまっていた。
一定数の男子は女子達に気付かれないように微かに目をそらしながら、ほんのり頬を染めていた。(男子約1名は「あのヤロォ!!」と言いながら血の涙を流し、悔しそうに歯を食い縛っていた)
芦戸や葉隠はああじゃないかこうじゃないかと妄想を広げ、八百万や耳郎などの女子達は関わらないようにしようとしながらも、内容が気になるのか弁当を食べながら耳を傾けていた。
蛙吹「・・・・・・。」
霧雨「・・・・・・。」
一方で、蛙吹と魔理沙は何処か悲しそうな顔をし、2人が出ていった扉の方を見つめていた。
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雄英高校 屋上
屋上では普段、持参した弁当や購買の物を買って食べる際に多くの生徒がここを利用している。
だが、今日は珍しいことに誰もいない状態であった・・・・・・いや、この2人のみがいた。
創破「・・・・・・。」
お茶子「・・・・・・。」
だが、2人の間に会話は無く、ただただ無言が続いていた。今日は食堂ではなく、弁当をそれぞれ作ってきたため屋上で食べようと約束していた日であった。
だが、さっき教室で自覚してなかったとはいえ、創破の腕をこれでもかとお茶子の方に、正確にいうと胸の所までがっしりと組んでしまっていた。
腕組みは屋上に着くまで続いた。
屋上のドアを開けた瞬間、「ハッ!!」と気付いたお茶子はすぐさま創破の腕を離し、腰を90度直角に曲げて地面に頭を付ける勢いで何度も謝り倒したのだ。
創破は直ぐに許してくれたが、お茶子の申し訳無いという気持ちは拭えず、弁当を食べ始めてからは一言も会話をせずにいた。更に不幸なことに今日に限って創破とお茶子2人しか屋上にいないため、屋上の広さも相まって気まずさが増してしまっていた。
お茶子「(あぁぁーーーー/////もう!ウチのアホ!!何であんな!!あんな!!あんなことをーーーー//////!!)」チラッ
お茶子は弁当を食べながら気付かれないようにして横目で創破のことを見る。
創破「・・・・・・。」
創破は何か考え込むような表情をして弁当を食べている。
最も、今のお茶子からしてみれば、まるでこちらを軽蔑しているかのような表情に見えなくもない。
お茶子「(絶対そうくんにはしたない奴って思われたやん!!そうくんの腕を……く、く、くくくく組んで、わ・・・わわわわわたしの・・・むむむむむ胸に!!/////)」
創破「お茶子さん。」
お茶子「!!は、はい!ごめんなさい!!!」
創破「あ、いや大丈夫だよお茶子さん。ちょっとびっくりしただけだから。」
お茶子「うぅぅぅ………ごめん、ありがとう。」
創破「いいよ、気にしないで。だけどお茶子さんがそんなに気合い入ってる理由って、やっぱり早くプロになって親孝行するため?」
お茶子「………うん。それもある………かな?」
創破「それも?他にも理由が?」
お茶子「・・・・うん。」
お茶子は自分の身体を少しずらし、右側に座っている創破に向き合うような体制となった。
お茶子「ウチ、正直プロのヒーローになるってこと、甘く見てたんやと思う。」
突然の発言に、創破は目を少し見開き、驚いたものの口を挟まずに黙って聞いていた。
お茶子「雄英高校のヒーロー科に入学して、授業や実習を受けていれば、きっといつかヒーローになれるんやって思ってた。だけど、USJで敵と命懸けで戦っている先生達やそうくんの姿を見て、本当に甘かったんやなあって思ってしもうた。」
創破「お茶子さん・・・。」
お茶子「そうくん・・・そうくんは戦闘訓練でもUSJでも凄かった。本当に、うちなんかとは比較にならんぐらい。………でもね!うちは絶対に!!そうくんにも負けないくらいのヒーローになる!その1歩として、体育祭で
優勝してみせる!!!」
創破「!!」
お茶子の口から出た優勝宣言
優勝するということは、創破は勿論、魔理沙や爆豪、轟やB組・サポート科・普通科・経営科の生徒全員の1番になるということであり、創破はとても驚いた。
お茶子「だから、そうくん。うちはお互い頑張ろうなんて言わない………そうくんにも勝って一番になるから!」
そう言うとお茶子は、いつの間にか食べ終わっていた弁当箱をさっと片付け、立ち上がると
お茶子「決勝で...…………会おうぜ!!」
創破「!!!」
お茶子は右手親指を立てて、グーサインを創破に向かって行った。
その時の彼女の表情は笑顔であったが、いつものような麗らかな笑顔でなく覚悟を決めている1人の戦士の顔に見えた。
創破「…………分かった、お茶子さん。」
創破も残っていた弁当を食べ終わると、立ち上がって
創破「決勝で会おうぜ!!」
お茶子に向かってグーサインを行った。
お互いに笑みを浮かべながら、決勝で必ず戦おうと2人は誓った。
創破「あ~~お茶子さん、その~今こんなこと言うのもあれなんだけど……………」
お茶子「え?どうしたの?」
創破はお茶子に少し近付き、お茶子の右頬に手を触れた。
お茶子「へッ!?//////」
創破「ほら、頬っぺたにご飯粒がついてた。」ペロッ
そのまま創破は指についたご飯粒をペロッと舐め、ご飯粒を飲み込んだ。
お茶子「そ、そそそっそそうくん!?/////////」
創破「あ、ごめん!その………ほっぺにご飯粒付いているお茶子さん、面白くて...……言いそびれちゃった。」
お茶子「…………………////////」プルプルプルプル
お茶子は顔を真っ赤にしながら俯かせ、まるでマグマが噴火する前兆の山のように小刻みに震わせている
創破「お、お茶子さん?」
恐る恐る、創破は声を掛けると
お茶子「……………///////」プルプルプルプル
ポン!!!
火山が噴火した。
お茶子「そうくんの!!アホォォォォォォォォ!!」
両腕をギャグ漫画のようにグルグル回転させ、創破に向かって殴り掛かってきた。殴り掛かる言っても傍から見れば『ポカッ!ポカッ!ポカッ!』という擬音がつくようなものである。
だが、地味に痛いため、創破はたまらず逃げ出す。
それを腕を回転させながら追いかけるお茶子。
創破「うぉっ!?やっぱ怒ってた!?ごめん黙ってたのは謝るから!!」
お茶子「そうやけど!!そうやないねん!!バカ~!!ニブチン~~!!!!!」
創破「えぇ~~!?」
屋上は2人しかいないため、追いかけっこをするのに十分なスペースがある。端から端まで走ったら、また端から端まで走るという、これまたギャグ漫画のような追いかけっこが始まった。
そんな第三者から見た微笑ましい様子を
蛙吹「・・・・・・。」
1人の少女が見ていた。
今回はここまでです。
小説書くとき、文字の上に・・を付けて強調させる表現をしたいのですが、やり方が分かりません。知っている方がいれば教えて頂けるとありがたいです。
雄英体育祭はヒロアカで自分が最も好きな章なので、なるべく慎重に書いています。
結構、創破の無双シーンやらヒロインズの動向やらを考えると時間が掛かりそうですが、首を長くして待っていただけると幸いです。