仮面の英雄と約束の場所   作:Kod

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コロナに掛かってしまいました。めっちゃキツかったです。

今回の話は他クラスがA組の教室にくるところと蛙吹梅雨が創破にお礼を言う所までです。

それでは、どうぞ!


宣戦布告、そしてありがとう

 

創破とお茶子が教室から出ていき、屋上に向かったあと教室では2人の少女が扉の方をじっと見ていた。

 

蛙吹梅雨と霧雨魔理沙だ。

 

蛙吹はUSJの時にに、死柄木弔に襲われそうになったとき、創破が蛙吹を庇ってくれた、その時のお礼が言いたかったのだ。

 

一応休みの時にメールで感謝のメッセージを伝えたが、やはり直接自分の言葉で伝えたかった。

 

元々は朝のホームルームが始まる前に創破が登校してきたら伝えようと思っていたが、何故か相澤先生と一緒に入ってきたため、言うことが出来なかったのだ。

 

それから昼休みになり、今度こそ伝えようとしたらクラスメイト達に雄英体育祭の話題を振られ、そのまま創破はお茶子と一緒に教室を出ていってしまった。

 

蛙吹「(また言えなかったわ。でも、昼休み中だったら言える時間は沢山あるから、その時にでも言えば━━━)」

 

葉隠「ねぇねぇ!!前から思っていたけど、2人の距離感ってスッゴク近くない!?」

 

蛙吹「!?」

 

思いがけず、蛙吹は話し声の聞こえた方向を見る。そこには、A組の中でも特に明るい女子代表の透明人間である葉隠透とピンク色の肌に角が生えている芦戸三柰がいた。

 

芦戸「分かる分かる!!さっきも麗日、ナチュラルに皇と腕組んでたし!!」

 

葉隠「だよねぇ!!聞けば2人、幼稚園の頃からの幼馴染みらしいしさ!!………ひょっとして!!///////」

 

芦戸「キャ~~!!/////それだったら面白そう!!」

 

2人してさっきの創破とお茶子の様子について盛り上がっていた、ヒーローを多く輩出している雄英ヒーロー科であることを除けば、まだ彼女らは十代の高校生である。そう言う話に興味が無いわけでない。

 

蛙吹「(2人が幼馴染みなのは、お茶子ちゃんから聞いていたけど……)」

 

 

周囲から見れば、2人はまるで恋人のようであった。

 

 

蛙吹「・・・・。」ズキッ

 

一瞬だけ、胸が締め付けられるように痛くなった。

 

蛙吹「・・・?」

 

胸に手を当てるが、もう痛くはない。

こんな気持ちは生まれて始めて感じる痛みであった。それから食堂で昼食を済ませ、教室に入ろうとするが、入り口前で立ち止まってしまう。

 

蛙吹「(皇ちゃん・・・お茶子ちゃんもまだ来てないわね。)」

 

あと15分くらいで、次の授業が始まるというのに、2人はまだ教室には来ていなかった。

 

蛙吹「(食堂にはいなかったから、多分2人ともお弁当・・・校庭の方か……屋上かしら?)」

 

蛙吹は教室に入らず、少し早歩きで第一候補である屋上に向かった。蛙吹が2人を行ったのには2つの理由があった。1つは一刻も早く、創破にあの時の感謝を伝えたかったから

 

 

もう1つは

 

 

蛙吹「・・・・・・。」

 

─────────────

 

蛙吹の想像

 

 

葉隠『聞けば2人、幼稚園の頃からの幼馴染みらしいしさ!!………ひょっとして!!///////』

 

 

 

創破『お茶子さん・・・・//////////』

 

お茶子『そうくん・・・・/////////』

 

頬を赤く染め、お互いを見つめ合い、少しずつ顔が近付いていき

 

 

──────────────

 

 

蛙吹「・・・・(まさかね。)///////」ブン!ブン!ブン!

 

蛙吹は一瞬でもいかがわしい想像をしてしまい、慌てて頭の上の妄想を手で薙ぎ払った。

そうこうしている間に、屋上の入口ドア前までやって来た。ドアに付いている窓を覗いてみると、ベンチに座っている2人が見えた。

 

何か話しているが、突然お茶子が立ち上がったと思ったら、グーサインをお茶子へ突き出していた。

 

蛙吹「(何だか2人とも………とっても生き生きとしているわね。)」

 

どんなことを話していたのかは知らないが、お互いがお互いを考え、絆が更に深まったように思えてしまう。小さい頃からの幼馴染みというのは伊達では無いと思った。

 

蛙吹「(あら………お茶子ちゃん?)」

 

蛙吹も屋上に入ろうとした時、急にお茶子が顔を俯かせ、身体をプルプルと震わせたと思うと

 

お茶子「そうくんのアホォォォォォォォォ!!!」

 

蛙吹「!?」

 

扉越しにも聞こえる怒鳴り声が聞こえ、蛙吹は驚き、しゃがみこむ。

 

蛙吹「(お茶子ちゃん、あんな大声出せるのね。皇ちゃんが何か言っちゃたのかしら?)」

 

恐る恐る立ち上がり、扉の窓から屋上を覗くとお茶子が両腕を振り回し、ポカッポカッポカッと漫画のように創破叩いていた。

 

創破は殴られないように両腕をクロスして防いでいるが意味がないと感じたのか今度はその場から全速力で走り出した。それをお茶子が逃がさんとばかりに追いかけている。

 

創破「うぉ!?やっぱ怒ってた!?ごめん!黙ってたのはは謝るから!!」

 

お茶子「そうやけど!!そうやないねん!!バカ~~!!ニブチン~~!!」

 

創破「えぇ~!?」

 

追いかけっこしている中でも2人の会話が聞こえる。

 

蛙吹「・・・・・。」

 

若干遠いが、扉の窓から見えるお茶子と創破の顔は

 

 

両者とも笑みを浮かべていて、とっても楽しそうであった。お茶子も本気で怒っているようではなく、ただ創破と笑い合いたいのではないかと蛙吹は感じ取った。

 

蛙吹「・・・もしかしてお茶子ちゃん、皇ちゃんのことを・・・」

 

 

ズキッズキッ

 

 

蛙吹「・・・・・・(まただわ……)」

 

また、蛙吹は胸が痛くなってしまった。

 

さっきと違うのは、この痛みが一瞬ではなく、今も続いているということ

 

蛙吹「ハアッ……ハアッハアッハアッ。」

 

蛙吹は痛みを感じる胸を抑えながら、教室に戻るため階段を走って駆け下りていった。元々ここに来たのは2人を呼びに来たためだったのに、そんなことは忘れ、今は一刻も早くこの場から離れたかった。

 

何故離れたかったのか、理由は蛙吹自身にも分からなかった。

だが、蛙吹自身1つだけ、分かっていることがある。

 

 

それは……………

 

 

 

 

 

 

蛙吹「(……皇……ちゃん)」

 

 

創破が他の女子と楽しんでいると、悲しくなるということであった。

 

 

 

 

ちなみに、屋上にいた2人はギリギリ5時限目の授業に間に合っていた。創破の中にいる武蔵がもうすぐ昼休みが終わると思うが大丈夫なのかと聞いて来たため、創破は走りを止め、腕時計を見ると、あと3分で授業が始まる状況であった。

 

この事をお茶子に伝えると2人は急いで片付けをして、教室まで全速力で走った。幸い廊下はもうすぐ授業のため、生徒はおらず先生にも出会わなかったため、何とか走って間に合ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

放課後

 

 

 

本日の授業は全て終わり、ここからは部活や自主トレ等を行う放課後となった。

 

が、しかし1年A組の教室前は

 

 

 

ザワザワザワザワ

 

 

 

お茶子「うぉぉ・・・・・」

 

 

他の科の生徒達でごった返していた

 

 

 

お茶子「何ごとだぁぁぁーー!?!?」

 

 

 

飯田「君たち!A組に何か用かね!?」

 

峰田「何だよ出れねーじゃん!!何しに来たんだよ!?」

 

飯田や峰田が声を発する中、爆豪はズボンのポッケに手を突っ込みながら教室のドアに向かって歩いて行く。

 

 

爆豪「敵情視察だろ、雑魚(ザコ)。」

 

峰田「ッッッッ」

 

峰田に対して雑魚呼ばわりし、峰田は「おい緑谷!!同じ中学出身だろ!!どうにかしろ!!こいつ性格終わってんぞ!!」と言わんばかりの目で緑谷に訴えながら爆豪を指差し、緑谷は「あれが通常運転なの。」と言いながら小声で謝っていた。

 

 

爆豪「敵の襲撃を耐え抜いた連中だもんな。体育祭の前に見ときたいんだろ。そんなことしても意味ねぇから、退けモブ共!

 

飯田「知らない人のことをモブって言うの取り敢えず止めなよ!!」

 

創破「(何してんだよ爆豪君、そう言う態度とられたら他の皆にも迷惑じゃんか!!もう!!)」

 

創破は爆豪を止めようと近くにいくと、そのタイミングで紫髪の人が集まっていた人達の中から出てきた。

 

 

???「どんなものものかと見に来たが、随分と偉そうだな。」

 

創破「??」

 

???「ヒーロー科に在籍する奴は皆こうなのか?」

 

爆豪「あぁ?」

 

創破「(違うよ、この人だけだと思う、絶対。)」ブンブンブン

 

創破は必死に首を横に振り、否定の意思を示している。

横を見ると、緑谷・飯田・お茶子も必死に否定している。

 

 

???「こういうの見ちゃうと、ちょっと幻滅しちゃうなぁ。」

 

堂々と言ってきた人は紫髪でよく見ると、両目の回りには寝不足なのか隈のようなものが出来ており、一見すると気怠げそうである。

 

 

彼の名は 心操人使(しんそうひとし) 普通科の生徒である。

 

 

心操「普通科とか他の科って、ヒーロー科落ちたから入ったって奴、結構いるんだ……知ってた?」

 

創破「・・・・」

 

心操「そんな俺等にも学校側がチャンスを残してくれてる。体育祭のリザルトによっちゃあ、ヒーロー科編入も検討してくれるんだって、その逆もまた然りらしいよ。」

 

創破「(つまり・・・ヒーロー科の生徒と他の科の生徒の入れ替えがあるかもしれないってことか・・・・)」

 

心操「敵情視察?少なくともオレ(普通科)は調子乗ってと足元ごっそり掬っちゃうぞって

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宣戦布告しに来たつもり。

 

 

緑谷・飯田・お茶子「(この人も大胆不敵だなぁ!!!)」

 

 

創破「・・・・・・。」

 

 

???「おい!!お前!!!」

 

創破「?」

 

集団の中から大声でまた1人、こちらの方に来る生徒がいた。彼の名は 鉄哲徹鐵(てつてつてつてつ) ヒーロー科B組の生徒である。

 

鉄哲「隣のB組のもんだけどよぉ!!敵と戦ったつうから話し聞こうと思ってたんだがよぉ!!えらく調子付いてんなぁオイ!!本番で恥ずかしいことになっぞ!!」

 

集団の中をよく見ると、同じヒーロー科であるB組の生徒も何人か見ている。

 

今のところ、A組が他クラス全員に目の敵にされてるような空気である。

 

 

 

そんな中、創破は教室から心操と鉄哲の前に出た。

 

 

創破「・・・・心操人使君と鉄哲徹鐵君だよね?」

 

心操「・・・・」

 

鉄哲「あぁ!?」

 

心操は創破に向かって表情は変えず目を細め、鉄哲は身体を前のめりにし目を大きく見開きガンを飛ばしていた。

 

それに対し、創破は自然体で落ち着いた様子で話をする。

 

創破「彼の態度をクラス全体の相違であると取られるのは、勘違いも甚だしいよ」

 

緑谷・飯田・お茶子「!?(皇君・そうくん!?)」

 

爆豪「んだとゴラァ!!」

 

爆豪は創破に向かって純度100%の殺意がこもった視線を受けながら堂々と爆豪に向かって言い放った。

 

それは更に続く

 

創破「お前のエゴのために、他のクラスから不必要なヘイトを被るのは筋違いだって言ってるんだよ、爆豪」

 

創破は無意識のうちに自分の闘気を出してしまい、爆豪は勿論、近くにいた心操や鉄哲も冷や汗をかいてしまっていた。

 

爆豪「!!(コイツ!!)」

 

心操「(くっ………足が……震える。)」

 

鉄哲「(こんな奴がA組に!!)」

 

創破は再び、心操と鉄哲に視線を戻した。

 

創破「鉄哲君、先に爆豪君があんな態度を取ってしまったからそう思っただろうけど、僕たちは何も調子に乗ってるわけではないよ。少なくとも、僕は少しだって思っていない。」

 

鉄哲「・・・・。」

 

創破「僕たちはなにも、USJに遊びに行ったわけじゃない。少しでも判断を見誤ってしまったら、死ぬか敵に誘拐されたかもしれない。ゲームみたいに死んだらコンティニューなんて出来ない、1つしかない命を懸けて戦ったんだ。

 

心操「・・・・。」

 

創破「僕たちはまだ、仮免許も持っていないからヒーローじゃない。僕たちを守るために必死に戦って、出血や全身骨折でボロボロになってしまった先生方の姿は………今でも鮮明に覚えている。」

 

創破以外のA組全員「「「「「・・・・」」」」」

 

創破「事件が無事に終わったから、こうして話していられるけど、ついこの間まで死にかけたことを自慢する人なんて、ここには居ないよ。」

 

他クラスの生徒は創破から発するプレッシャーによって無意識に一歩退いていた。

 

鉄哲「そ、そうだったのか………すまねぇ!!俺が勝手に勘違いしちまった!!」

 

創破「謝らないで、鉄哲君。こっちから始まったことなんだから。それに君は爆豪君のことを心配して声をかけてくれたんでしょ、こんな大勢の前で言うなんて漢らしかったよ。」

 

創破は鉄哲が言ったことは、言葉は荒々しかったが、きちんと意味を考えてみると、『敵と戦ったからと言って慢心状態だと、体育祭では恥をかくぞ』と遠回しに気遣ってくれているものだと思ったのだ。

 

鉄哲「!!」

 

創破「さっきも言ったように、僕もA組の皆も調子に乗っていないし、油断もしていない。だからこそ、全力で()るよ。」

 

 

創破以外の生徒全員「「「「「!!!」」」」」

 

 

今度は無意識ではなく、意識して周囲の生徒達に向かって闘気を放ち、自分の覚悟を見せた。

 

鉄哲「おまえ……………漢だぜ!!感動した!!おまえ、名前教えてくれねぇか?」

 

創破「皇創破、よろしくね。」

 

鉄哲「皇だな!もう知ってるみたいだが、俺は鉄哲徹鐵(てつてつてつてつ)だ!体育祭じゃあ負けねぇぜ!」

 

創破「こっちこそ、負けるつもりは無いよ。」

 

鉄哲は手を差し出し、創破はそれに応えるように右手を差し出して握手を行った。

 

心操「・・・・皇。」

 

創破「うん?」

 

心操「お前が言った他の科ってのは……普通科も入ってんのか?」

 

創破「当たり前だよ。」

 

心操「何故だ?入試試験でお前らに負けて、殆ど落ちた奴が普通科だぞ。」

 

創破「う~ん筆記試験はともかく、実技試験は仮想敵をどれくらい撃破出来るかだったよね?

だったら物理攻撃が高い人がどうしても有利になってしまう。人にしか影響を及ぼさない個性を持っている人とかには、どうしても不利になる。ヒーローを目指すのだったら、敵に負けない攻撃力を持つ必要もあるかもしれないけど、力だけじゃあ解決出来ないこともある。

そんな対人戦で有利になるような個性を持ってるかもしれない普通科を油断するわけにはいかないよ。サポート科や経営科にだって頭の回転が早い人がいるかもしれない。サポート科は個性の他にも自作のサポートアイテムを使ってくるんだ、手数が多い分、脅威になる。」

 

心操「!!」

 

創破「少なくとも、僕はそういう認識で体育祭に挑むよ。ヒーロー科に在籍してるからって、立派なヒーローになれるって決まったわけじゃないから。」

 

 

創破以外のA組全員「「「「「・・・・」」」」」

 

 

創破を除いたA組全員は彼の言ったことを聞き、改めて競う相手はヒーロー科のクラスメイトだけではなく、1年生という学年全員がライバルであるのだと自覚した。

 

 

創破「だからこそ、改めて言うよ。」

 

心操「・・・・・。」

 

創破「僕たちは調子に乗っていない、君の宣戦布告、受けて立つよ。」

 

創破は心操と目線を合わせ、彼が言った宣戦布告を堂々と受け取った。

 

心操「・・・お前見たいな奴がヒーロー科にいるなんて思わなかったよ。」

 

彼は目を閉じ、右手で頭をかきながら言葉を発した。

 

心操「すまなかった、オレの勝手な思い込みでお前達を判断しようとしていた。」

 

創破「こっちこそ、ごめん。彼があんなこと言ったら直ぐに止めて誤解を解くべきだったのに、遅れてしまった。ほら、爆豪君も謝って。」

 

爆豪「るせぇ!!誰がテメェの指図なんか聞くか!!」

 

爆豪の方はちっとも反省しているようには思えない態度で、そのまま創破に罵声を浴びせて帰ってしまった。

 

創破「ハァッ……重ね重ねごめん。彼の代わりに謝るよ。」

 

心操「あ、あぁ……アイツいつもあんな調子なのか?」

 

創破「うん、悪人顔だけど、悪い人じゃないから。」

 

心操「・・・そうなのか。」

 

創破「うん………あ!もうこんな時間だ!それじゃあ心操君、鉄哲君これから特訓の約束してるから、もう行くね。体育祭では絶対に勝つからね!!」

 

創破は笑みを浮かべながら心操と鉄哲に向かって言い放った。それに対して、心操と鉄哲も笑いながら、創破に向かって言い放つ。

 

心操「それはこっちのセリフだ。絶対に負けないからな。」

 

鉄哲「おうおう!俺が勝つに決まってんだろ!!負けて吠え面かくなよ!!」

 

 

3人以外の生徒全員「「「「「!!!」」」」」

 

 

先程までA組に向いていたヘイトは、いつの間にか互いが互いを競い合うために切磋琢磨するという空気に様変わりしていた。

 

 

その立役者は、言うまでもなく皇創破であった。

 

 

創破「お~い霧雨、訓練場に行くぞ~!!」

 

霧雨「あ、あぁ!分かってる!」

 

創破は教室に残っていた魔理沙を連れて、訓練場に向かっていった。

 

鉄哲「よし!俺もここで時間つぶしてる場合じゃねぇ、特訓だ特訓!!」

 

心操「・・・今更かもしれないが、やらないよりはマシだよな。走り込みからやっていくか。」

 

心操と鉄哲も自分が今出来ることをするために、各々トレーニングをしに行った。

 

生徒A「俺も、特訓していくか。」

 

生徒B「そうだな、アイツが言ってたようにもしかしたら俺らの個性がヒーロー科に通用するかもしれない!」

 

生徒C「あの心操って奴が言ってたように、ヒーロー科編入も出来るかも!!」

 

生徒D「そう考えると、確かに燃えて来たぁ!!」

 

 

他の科の生徒達も、3人の会話を聞き、自分達にもチャンスがあるものだと自覚し、ある者は特訓をしに行き、ある者は工房にてアイテムの開発に取り掛かり、各々が雄英体育祭に向けて準備をしに、ぞろぞろと帰って行った。

 

 

 

一方、創破と爆豪と魔理沙を除き、未だに教室に残っていたA組の生徒達はというと

 

切島「皇の野郎!あんなに堂々と宣戦布告を受けやがって...…クゥゥゥ~~!!漢だぜぇ!!!」

 

常闇「確かに、皇の言うことにも一理ある。B組だけでなく、普通科やサポート科にも対人戦に有利な個性を持つ者や頭の回転が速い者がいるやも知れん。用心しておくことに越したことはない。」

 

砂藤「なんつーか、USJの一件で成長した気になってたけど……目が覚めたぜ。」

 

上鳴「皇の奴、あんなこと言いやがって...…カッコ良かったけど、俺達も巻き込まれてんじゃねぇか!他の奴らに狙われんじゃん!!」

 

障子「爆豪が余計な誤解を与えたままの時よりはマシだろう。」

 

お茶子「そうくん・・・」

 

飯田「麗日君?どうかしたのかね?」

 

お茶子「えっ!?い……いや、何でもない大丈夫!!私も訓練場で特訓しに行くから!!じゃあね飯田君、デク君!!」

 

お茶子は先程の創破の行動がカッコ良いと思い、頬を赤く染め、ボーッとしていた。それを隠すように早口で飯田と緑谷にさよならを言い、創破とは違う訓練場の方に走って向かった。

 

 

 

蛙吹「・・・・・・。」

 

 

その様子を蛙吹梅雨はじっと見ていた。

 

 

 

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訓練場

 

 

創破と魔理沙は体操着に着替え、準備運動を行っていた。

 

 

霧雨「そういやさ~皇。」

 

創破「うん?」

 

霧雨「今朝、何で朝のホームルームの時に相澤先生と一緒に入ってきたんだ?何かあったのか?」

 

創破「あ~それは~その~~~……」

 

霧雨「何だよ、誰にも言わないから話してみろよ。」

 

魔理沙は創破に近付き、耳を傾けた。

 

創破「・・・誰にも言わないでよ、実は昨日の休み中に相澤先生から電話がかかってきて、少し早めに登校して、職員室に来てくれって言われたんだ。」

 

霧雨「何でだ?」

 

創破「・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄英体育祭で開会式の選手宣誓を頼まれたんだよ。」

 

 

霧雨「・・・・・・・!!マジか!?」

 

創破「マジだよ。まぁ何て言うか、毎年1年の部は入試1位の生徒が代表して行うみたいだから、宣誓の時の言葉を考えてくれって相澤先生に言われたよ………これ絶対本番まで皆に内緒にしてね。」

 

霧雨「おう分かった!2人だけの秘密だ!」

 

創破「??あぁ、うん………(そんなに聞けて嬉しい内容だったかな?)」

 

準備運動を終え、創破と魔理沙は個性無しの肉弾戦をまず初めに行った。

 

お互いに正拳突きや蹴りを繰り出し、時には空手や柔道の技を出したりしたりして、これを約30分ほど続けた。

 

創破「ハッ!!デリャァ!!」

 

霧雨「フッ!!・・・ダァ!!」

 

創破「!?チッ!シュッ!!シュッ!!」

 

霧雨「!?グッ!?痛っつ!!」

 

魔理沙は創破の不意を突いた突きにやられ、一旦距離を取った。

 

創破「ハァッ…ハァッ…ハァッ………ちょっと休憩する?」

 

霧雨「ゼェ…ゼェ…ゼェ…そうだな。休憩終わったら個性有の模擬戦やろうぜ。」

 

創破「分かった。」ゴソゴソゴソ

 

創破は自分のバックの中からスポーツドリンクを2本取り出し、1本を魔理沙に投げ渡した。

 

霧雨「サンキュー!……ゴクゴクゴク……プハッー!生き返るぜ!!」

 

創破「はい、タオルも。」

 

霧雨「おう、わりぃな。」

 

 

スポーツドリンクで塩分を十分に摂り、タオルで汗を拭き、風邪をひかないようにする。

訓練で身体を鍛えることは大切だが、体調を崩さないようにするのがもっと大切である。

 

霧雨「やっぱ皇と戦えば、自分の弱い所がはっきり分かるから良いな。」

 

創破「そうか?」

 

霧雨「あぁ、初めのころは個性無しで特訓を行ってもあんまり意味は無いって思ってたけど、間違いだったぜ。個性が使えない状況に備えて、肉弾戦でも敵と戦えるようにした方が状況に有利になれる可能性が高い。何より、自分の中で、個性自体が成長している感じもある。」

 

創破「そっか、それなら良かったよ。」

 

魔理沙の個性『魔法』は創破のように自分の体力を消費して、色々な魔法を発動させることが出来る。最初のうちは、魔法を限界まで発動させ、それを繰り返すことで体力を増やしつつ魔法の威力や質を向上させていこうと魔理沙は思ったが、それだと時間がかか上に身体への負担が大きいと創破は指摘した。

 

そこで考案したのが、個性を一切使わずに行う肉弾戦である。一見地味なように思えるが、体力は魔法を出してるときよりも長続きし、身体への負担も最小限に抑えることが出来た。

 

それに加えて、体力も徐々に増えていき、対人戦での攻撃の避け方やカウンター等も戦う内に分かってきたため、万々歳である。

 

 

霧雨「それにしても、よくこういう鍛え方が私に合ってるって分かったな?」

 

創破「まあね。(英雄の皆さんに小さい頃、何度も対人戦をやって体力ついたからなぁ。)」

 

霧雨「お前のおかげで技のレパートリーも増えたし、本当に良かったぜ。ありがとな、皇!」

 

創破「こっちだって、霧雨が毎回特訓に付き合ってくれたおかげで力も体力もついたし、感謝してるよ。」

 

霧雨「そうか?なら良いけどよ………私に出来ることがあれば何でも言ってくれよ。」

 

創破「ありがとう。それじゃあ、1つだけ良い?」

 

霧雨「あぁ……なんだ?」

 

創破「雄英体育祭でもし、こういった対人戦での戦いがあったら全力で戦って欲しい。」

 

霧雨「・・・・・・・・・・・へ?」

 

魔理沙は予想外の頼みに、一瞬キョトンとする。

 

霧雨「そんなので良いのか!?」

 

創破「勿論、何で?」

 

霧雨「!!いや~その~何て言うか、もうちょっと凄い頼みとかだと思ったから//////」

 

創破「??・・・・あぁ!もしかして、ご飯奢るとか?そこまでしなくて良いよ。自分の特訓にもなってるんだから。」

 

霧雨「・・・・まぁ、お前だったらそう捉えるよな。

 

創破「??何か言った?」

 

霧雨「いや、何でもねぇ。それより休憩はもういいから、そろそろ再開しようぜ。」

 

創破「オッケー、やろうか!」

 

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約2時間後

 

 

 

創破と魔理沙は、今度は個性を使用しての対人戦を行った。空を飛んだり、遠距離攻撃を行ったりと、どちらかが降参するまで戦いは続いた。

 

今回の対人戦で降参したのは

 

 

創破「ハァッ・・・ハァッ・・・ハァッ・・・参った。」

 

 

 

創破であった。

 

 

霧雨「おっしゃあ!!今日は私の勝ちだぜ!!」

 

地面に仰向けで倒れている全身ボロボロな創破に対して、魔理沙もボロボロであるが何とか立って、ガッツポーズをしていた。

 

創破「ハァッハァッハァッハァッ、ヤベェ、ハァッハァッハァッハァッ、最後油断した、ハァッハァッハァッ霧雨さんのマスタースパーク何時もより威力増してた、ハァッハァッハァッ」

 

霧雨「へへッ!!そうだろそうだろ!!私だって日々成長してんだよ!!それに、まだとっておきを残してんだぜ!!」

 

魔理沙は倒れている創破の傍に行き、地面に座って話しかけた。

 

創破「とっておきって??」

 

霧雨「それを話しちまったら面白くねぇだろ。体育祭まで内緒だぜ。私がようやく完成させた切り札なんだ!!」

 

創破「マジか……もうそんなのもあるなんて凄いな。」

 

霧雨「ハハッ!!まぁ体育祭の時は楽しみにしてくれよな!私が優勝する様を!!皇は表彰台の2位のとこから見上げてな!!」

 

創破「!!なんだとぉ~!優勝するのは僕だよ!!」

 

霧雨「いいや私だ!!さっきの戦いで私勝ったからな!」

 

創破「今まで自分が負けたことはあったでしょ!!それに勝った回数なら僕の方が多いぞ!!」

 

霧雨「いいや!最初の頃はまだ威力を抑えた状態で戦ってたから負けてたんだ!!それに最近は私の方が勝率高くなってきたから、私の方が優勝する!!」

 

創破「なに~~!! 」

 

霧雨「なんだよ~~!! 」

 

創破・霧雨「「グヌヌヌヌヌヌ!!  」」

 

創破は仰向けに倒れた身体を上半身だけ起き上がり、魔理沙と創破は互いの目と鼻がくっついてしまうくらい近い距離で睨み合う。

 

 

創破・霧雨「「・・・・・」」

 

 

数秒、お互いにじっと睨み合ったが、

 

 

創破・霧雨「「・・・・ぷっ!」」

 

 

やがて

 

 

創破・霧雨「「アッハハハハハハッ!!!」」

 

 

笑い合った

 

 

創破「ハハッ。あ~あ、な~にやってんだろ僕たち。」

 

霧雨「それな、つい子供みたいにムキになっちまったぜ。」

 

2人は睨み合い時の雰囲気とは打って変わって、楽しそうに笑い合った。

 

 

創破「あれ?そう言えば今何時だ?」

 

霧雨「えっと~ちょっと待て。」

 

創破と魔理沙は時間なんて気にせず、夢中で戦っていたため今が何時なのか分からなくなっていた。

 

魔理沙はバックに入っているスマホで時間を確認する。

 

霧雨「!?やっば!!もう19時だ!!」

 

創破「へっ!?マジッ!?」

 

創破と魔理沙が使用していた訓練場は18時30分まで使用すると許可を出していたが、30分も時間オーバーしてしまった。

 

2人は大急ぎで個性で傷を癒し、職員室に向かった。

 

案の定、相澤先生に注意されてしまった。

 

 

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雄英高校 昇降口

 

 

相澤先生のお叱りを受け、創破と魔理沙は昇降口にて上履きと靴を履き替えようとしたときだった。

 

昇降口前に1人の少女が立っていた。

 

クラスメイトである蛙吹梅雨である。

 

 

蛙吹「皇ちゃん、魔理沙ちゃん。」

 

霧雨「あれ?梅雨ちゃんまだ残っていたのか?」

 

蛙吹「えぇ。皇ちゃんに少し用があって。」

 

創破「僕に?」

 

蛙吹「まだ直接USJの時のお礼を言ってなかったから。」

 

そう言うと、蛙吹は皇に向かって頭を下げた。

 

蛙吹「皇ちゃん、あの時は守ってくれてありがとう。」ペコッ

 

創破「頭を上げて蛙吹さん、蛙吹さんの気持ちはしっかり伝わったから。」

 

蛙吹「本当?」

 

創破「ホントホント。メールでもありがとうって伝えてくれたのに、こうして対面して言ってくれたんだから十分伝わったよ。ありがとう、蛙吹さん。」

 

蛙吹「ケロッ、なら良かったわ。」

 

蛙吹は両目を閉じ、ほっとしたような表情を浮かべた。そして薄っすらとだが、頬を赤く染めている。

 

蛙吹「あと、皇ちゃん。」

 

創破「うん?」

 

蛙吹「私のことは、梅雨ちゃんと呼んで頂戴。」

 

創破「え?いや、でも━━━━━」

 

蛙吹「私も皇ちゃんと仲良くなりたいの、だからお願い。」

 

蛙吹は上目遣いで創破のことを見る。

 

創破「わ、分かったよ………梅雨ちゃん、これで良い?」

 

蛙吹「・・・//////////」

 

創破「梅雨ちゃん?」

 

蛙吹「!!あ、ごごごごめんなさい。ありがとう皇ちゃん、これから私のことはそう呼んで////////////」

 

創破「分かったけど、大丈夫?ちょっと顔赤くない?」

 

蛙吹「だ、大丈夫だから!!それじゃあまた明日ね!!」

 

蛙吹はそう言うと、素早く靴を履き替え、走りながら帰って行った。

 

創破「足はや...…せっかくだから、途中まで一緒に帰ろうと思ったのに。」

 

霧雨「・・・・(そう言うとこだぜお前……でもちゃん付けなんて良いなぁ。)」

 

魔理沙は心の中でそうツッコミ、蛙吹に対してちゃん付けで呼ぶなんて羨ましい思っていた。

 

 

 




次回、遂に体育祭が始まります。

それに伴い、この作品で初登場の人物が出てくるのでお楽しみに!!
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