いよいよ、雄英体育祭編もあと2話で終わりを迎えます。
その2話は閑話となります。
POM!POM!POM!(会場上空に花火があがった)
ミッドナイト「それではこれより!!表彰式に移ります!!」
雄英体育祭1年の部が終わり、最後の表彰式が始まった。セメントスによって修繕されたステージ場には1位から3位までの表彰台が設置されており、それぞれの順位に応じた生徒が立っていたのだが
耳郎「うわぁ……何あれ」
切島「『3位なんて価値がねぇ』ってずっと暴れてんだとさ……」
緑谷「か、かっちゃん……」
常闇「もはや悪鬼羅刹」
3位→爆豪「ん"ん"~~~!!ん"ん"~!!」ガヂャガヂャ!
3位→轟「何がそんなに嫌なんだ爆豪?」
3位→爆豪「ん"~~!!ん"ん"~!!(うっせぇ!!ブッ殺すぞ紅白野郎!!)」
2位→霧雨「ったく、ガキじゃねぇんだから大人しくしてろっての」
3位の表彰台には轟と爆豪がいた
だが、静かに立ってる轟の隣にいる爆豪は口に手に足に拘束具を付けられた状態でじたばた暴れていた。1位以外の順位に納得いかず、意地でも3位の表彰台に上がろうとしなかったため仕方なくこうなったのだが………その表情は同級生達も軽くひいていた
1位→創破「(何だか……長いようで短い1日だったな)………ん?」
パラド『どうした創破?』
創破「いや…………飯田がいないと思って」
パラド『えっ?』
ミッドナイト「それではメダル授与よ!今年メダルを贈呈するのは勿論この人!!」
「HA~~!!HA!HA!HA!HA!とぉ~!!」
何処からともなく、聞いたことのある笑い声が会場中に響き渡ると、その声の主が空からやってきた
オールマイト「私がメダルを「我らがヒーローオールマイトォ!!」持ってきたぁー!!………」
創破「(被った……)」
霧雨「(リハーサルしっかりしとけよ……)」
2人のセリフが見事に被り微妙な空気が流れてしまう
ミッドナイト「そ、それではオールマイト!3位からメダルの授与をお願いします!」
オールマイト「う、うむ!」
気を取り直し、オールマイトは3位の爆豪と轟からメダルを首にかけようとする
オールマイト「爆豪少年!っとこりゃああんまりだな……口枷外すよ?」
爆豪「オールマイトォ……!!3位なんて俺にとっちゃあ何の価値もねぇんだよ……!!完膚なきまでの1位じゃなきゃなきゃ……!!世間が認めても俺が認めなきゃ全部ゴミなんだよ!!」カオビキビキビキ
オールマイト「(顔すげぇ……)うむ!相対評価晒され続けるこの世界で不変の絶対評価を持ち続けられる人間はそう多くない!このメダルは傷として忘れぬよう、受け取ってくれ!」
爆豪「要らねぇつってんだろうが!!」
頑なにメダルの受け取りを拒否した爆豪だったが、結果的に首ではなく口に引っ掻けるようにして銅メダルがかけられた
続いて隣にいる轟にも銅メダルをかけた
オールマイト「轟少年、おめでとう」
轟「ありがとうございます、オールマイト」
オールマイト「ふむ……体育祭が始まる前とは、顔つきがどこか違って見えるね?」
轟「……皇と戦って……自分はもしかしたら、将来とんでもない間違いを犯してしまうところだったと気付かされました。俺の
オールマイト「轟少年……」
轟「まだ清算しなきゃいけないものがある、だけど俺の目指す場所はハッキリ見えたと思います」
オールマイト「うむ、顔が以前と全然違う。深くは聞くまいよ……今の君ならきっと清算できる」
轟「ーーッはい」
そう言いながらオールマイトは優しくハグを交わした。次は2位の表彰台にいる魔理沙と向き合った
オールマイト「霧雨少女、おめでとう!!君は強いな!!」
霧雨「ありがとうございます!これからもプロのヒーローになれるように精進します!」
オールマイト「うむ、その意気だ!」
魔理沙とは固く握手を交わし、銀メダルを首にかけた。そして最後に、1位の表彰台に立っている創破の前に来た
オールマイト「さて、皇少年!優勝おめでとう!!君には驚かされてばかりだったよ!」
創破「ありがとうございます!」
オールマイトは創破に優勝者の印である金メダルを首にかけた
創破「オールマイト……この体育祭で、世界に僕達が来たってことを知らせることが出来たでしょうか?」
オールマイト「勿論だとも!この体育祭で必死に上位へ駆け上がろうとする有精卵達の姿は、この場にいる人達、テレビの前にいる人達の目に焼き付かれただろう!安心しなさい!」
創破「………俺はこの体育祭、学ぶことが沢山ありました。優勝はしましたが、この結果で満足せずに自分を鍛えていこうと思います。貴方を越えるような………ヒーローになるためにも!!」
オールマイトの目を真っ直ぐ見据え、そう言い切る。その言葉にオールマイトは少し驚いたような表情を浮かべたが、直ぐに笑顔を浮かべた
オールマイト「HA~~!HA!HA!HA!言うじゃないか少年!私も若者には負けてられないな!」
それから創破とオールマイトはハグを交わした
オールマイト「さぁ、皆さん!!今回は彼らだった!!しかし皆さん!!この場にいるヒーロー科、経営科、サポート科、普通科、誰にもここに立つ可能性はあった!!ご覧いただいた通りだ!!競い!高め合い!更に先へと登っていくその姿!!次代のヒーローは確実にその芽を伸ばしている!!……てな感じで最後に一言!!皆さんご唱和下さい!!……せーの!!」
オールマイト以外「「「「「プルスウルト「おつかれさまでした!!」ラ!!」」」」」
・・・・
オールマイト以外「「「「「えぇぇーー!?そこはプルスウルトラでしょ!!?オールマイト!!」」」」」
オールマイト「あぁいや、疲れたろうなと思って……」
こうして、最後に盛大にツッコまれながら波乱の雄英体育祭は終わりを迎えた
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1A教室
相澤「おつかれっつうことで、明日明後日は休校だ。しっかり疲れを取っておけよ」
表彰式が終わり、観客達は帰って行った。生徒達は教室へと戻り、今後のことを話し出した
相澤「体育祭を観戦したプロヒーローからの指名等もあるだろうが、それはこっちでまとめて休み明けに発表する。ドキドキしながらしっかり休んでおけよ」
飯田を除くA組全員「「「「「はい!!」」」」」
これで本当に全ての日程が終わり、クラスメイト達は帰りの準備をし始め、各々が教室を出ていく中
創破「………(飯田)」
創破は空席となっている飯田の席を見つめていた。表彰式が終わった後、緑谷とお茶子から聞いた話によると飯田の兄であるインゲニウムが敵によって重傷を負ってしまったらしい
創破「…………」
創破は鞄を持って帰ろうとしたとき
霧雨「皇、ちょっと良いか?」
魔理沙が声を掛けてきた
霧雨「明日、お前なんか予定とかってあるか?」
創破「いや、特にないけど……」
霧雨「じゃあ明日、ちょっと私と来て欲しいところがあるんだけど……良いか?」
創破「来て欲しいところ?」
霧雨「あぁ、時間とかは夜にでも連絡するから」
創破「………まぁ良いけど」
霧雨「サンキュ!」
じゃあな~!と言いながら魔理沙は一足先に帰って行った。明日は予定がないとはいえ、魔理沙が来て欲しい場所とはなんだと思いながら帰りの準備を進めているとき、
お茶子「そうくん」
創破「えっ?」
いつの間にか直ぐ傍にお茶子が佇むようにいた。笑みを浮かべているが、何故か恐怖を感じてしまった
創破「ど、どうしたお茶子?」
お茶子「そうくん………まえに一人暮らし不安やから、そうくんの部屋にどんな家具があるのか行っても良いって言ったの覚えてるよね?」
創破「あ、あぁ登校初日に言ってたことだよな」
お茶子「明後日!!私そっち行くから!!」
そう言い残し、お茶子はバタバタと走って出て行ってしまった
創破「…………あっという間に休みが埋まってしまった」
ニュートン『お前って奴は………まったく』
卑弥呼『おやおや、何時か女性関係でトラブルに巻き込まれる未来が見えるぞ』
ロビンフッド『お前、能力使ってないだろ?』
卑弥呼『使わずとも、分かるだろう?のぉ?』
坂本『プッハハハハハッ!確かに、拙者もそう思うぜよ!!』
創破にも聞こえぬ心の奥底で、英雄達はそう呟いた。その更に奥底では1人の住民が気に食わぬ顔で外の光景を見ていた
カゲロウ『チッ、くだらねぇ』
???『あっ!ここにいたのかよカゲロウ!!』
???『ラブラブー!!』
カゲロウ『………うるせぇ悪魔共が来やがった』
カゲロウの近くに来たのは同じく、仮面ライダーリバイスに登場する悪魔、バイスとラブコフであった
バイス『こんなとこで何してんだよ?探したんだぞ?』
ラブコフ『ラブラブ』
バイス『ほら、ラブコフだって『何処行ってたのよもう!私、チョー心配したんだからね!はっ!?べ、別にあんたのことなんて、何とも思ってないんだからね!!』って、ツンデレ全開……ってぬわぁ!!?』
ラブコフ『ちげぇわ!くたばれクズ!!』
クズクズクズ!!と言いながらラブコフは頭に怒りマークを浮かべ、馬乗りパンチをバイスに喰らわせる
カゲロウ『………はぁっ、何しに来やがったんだよお前ら。まさかくだらねぇコント見せつけにやって来たのかよ』
バイス『ぶへ!ぶへ!ぶへ!ちがっ!だはぁ!!』
ラブコフ『クズ!コノ!ヤロウ!シネ!』
カゲロウ『…………』
ラブコフの制裁は約30分程続き、バイスを殴る音はドシンドシンと心の中で鳴り響いた
創破「(何だ?……この音?)」
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創破の住むマンション
夕姫・龍司「「優勝おめでとう!!」」
創破が自分のマンションの扉を開けると、クラッカーを持った父と母が来ていた
創破「父さん、母さん!何でここに?」
龍司「お前が優勝したのを見ていてもたってもいられなくなったんだよ、お父さんもお母さんも」
夕姫「おめでとう創破!貴方の活躍、テレビで見ていたわよ!」
龍司「うちの子がまさか、雄英のテッペンを取るとはな!驚いたぞ!」
創破「へへっ、ありがとう。今の俺があるのは、2人のおかげ。この金メダルも、2人に見せてあげることが出来て良かった」
創破は優勝者の証である金メダルをバックから取り出すと、夕姫も龍司も自分のことのように喜んでくれた
それからその夜は、母が作ってくれた料理を一緒に食べながら録画してくれた体育祭のライブを見て楽しい時間を過ごした。今晩は両親もここに泊まり、明日の朝には朝食を食べ終わって帰るらしい
夕姫「えっ!?この決勝の子、隣に住んでるの!?」
創破「あぁ、霧雨とはトレーニングに付き合ってもらったり勉強を教えてもらったりしてるんだ」
龍司「………お前、まさか……駄目だぞそれは!」
創破「へっ?」
龍司「お前にはお茶子ちゃんがいるだろ!浮気は絶対許さんぞ!!」
夕姫「ちょっと貴方飲み過ぎよ!!」
創破「……はぁっ」
龍司は酒で酔っぱらっているのか、変なことを言い出し始めた。それを見た夕姫はしっかりしない!と言いながら龍司の手に持っている缶ビールを取り上げる
創破「まったく、父さんってば。霧雨やお茶子とはそんな関係じゃないのに」
龍司「ん?お前、お茶子ちゃんのこと呼び捨てにしてるのか?」
創破「あ、あぁ……そう呼んでほしいって言われて」
夕姫「貴方、ちょっと…………もしかして、もしかして」
龍司「なぁ?あながち間違いじゃねぇかもしれないだろ?」
創破「???」
いきなり創破から距離を取って2人してコソコソと話し始めた。そんなこんなで夜は過ぎ、久しぶりの家族団欒を過ごしていった
保須総合病院
看護婦「あっ!!待って下さい!!病院では走らないで!!」
『明日体育祭なんだろ?頑張れよ!』
看護婦「あ、それでしたらこの先の━━━━━━ちょっと!!」
『俺はその日も仕事だからなぁ。休み時間の時とかで見とくからさ、応援してる』
飯田母「ッ!!天哉!!こっち!!あ、まだ駄目!マスクもしないで━━━━━」
『お前だったら、結構いいとこまで行けるって!!自信持てよ』
飯田「ーーーッ兄さん!!!」
医師「ご家族の方ですか?先程、麻酔が切れて目を覚ましました……………あと2分手術が遅れたら手遅れでした」
天晴「………天……哉……母……さん………ごめんな、兄ちゃん……負け……ちまった」
飯田「あぁ、あぁぁあぁぁぁ!!!」
そこにいたのはいつも真面目な委員長の面影はなく、大切な家族の見るも無惨な姿に涙を流す少年がいた