イブキside
流石に3体の
「おいおいおいおい訊いてねぇぞ。あの最凶最悪の鬼神がナイトレイドの仲間になってるなんてよ」
「……噂で鬼神が戻って来たと耳にはしたが、まさか本当だったとはな」
2人は意気消沈したかのように怯え、恐怖し後ずさる。まぁお前らみたいな雑魚は虫みたいにプチっと殺せるからな、
「…………」
ただ1人だけが無言で俺の事を睨むだけで動かない。氣も一定で動きがない……何考えてるんだコイツは?
俺が一歩を踏み出そうとした時。
「悪いな、お前ら」
「ん?」
「あ?」
2人に告げた謝罪だろう。2人が視線をそいつに向けた瞬間。
ズドシュッッ!!
躊躇いなく2人の腹を貫きやがった。お? 仲間割れか?
「……は? 何?」
「な! て……てめぇ。いきなり、何しやがっ」
「俺が生き残るためには、
2人の言葉を遮り、そいつは口を大きく開け、
バグゥッッ!! バリィッ!! ゴキュッ! ゴリッッ!
「ウギャァァァァァァァッッ!!??」
「おいふざけんなよ!! 何で食いやがアアアァァァァァッツ!!」
…………躊躇なく2人を
2人の仲間(こいつ等が仲間と思ってるかは知らないが)を余すことなく食い終わり、1人だけになった獣化兵。その場で体を半分に折り曲げ両手を頭に当て。
「う。うううううぅぅぅぼああぁぁぁぁぁぁッッ!!」
苦し気な咆哮をあげると、獣化兵の体が膨張し始め更に巨体に変貌しやがった。大きさ的に6~7m前後か。
「グヒ、グヒャヒャヒャヒャヒャヒャッッ!! ドウダ! 流石ノ鬼神トハ言エ2人ノ獣化兵ヲ取リ込ンダ俺ニハ勝テマイ!!」
……声帯に影響が出たのか少し聴き取りにくい声だな。殺すから関係ないんだが。
「死ネエエェェッッ!!」
振り上げた握り拳を俺目掛け振り下ろす。特級危険種ですら一撃でペチャンコだろう死の一撃。
「だけど……」
バシッ! ズウウゥゥンッッ!!
俺は難なく拳を受け止める。衝撃で俺が立っている地面が若干陥没し振動と亀裂が走る。
「ナッ……」
驚いている
ビッ!
ビームは肩を貫通。そのまま少し射角を上へずらし焼き落とす。
ドズゥン!!
「ウギャァァァァァァァァッッ!! 腕ガアアアァァァァッッ!」
焼き斬られた肩を抑え呻く。
「ク……コノクソカスガァァァァッッ!!」
残った手を手刀の形にすると、ギュルルルルルと捻じれ、ドリルのような形に変化させ突いてくる。
肘にある高周波ブレードを伸張させ……。
ズバッ!!
「ウガアアアァァァァァァァァァァァァッッ!!!! バカナッ。ソンナバカナッ!! コノ俺ガコンナ所デッ!」
突きを躱し様に下から斬り上げ、そのまま両脚を切断。四肢を斬られバランスを崩しうつ伏せに倒れる。止めを刺そうと喚く獣化兵に近づいた瞬間、奴は巨体(正確には首辺りか?)部分から自身の体を無理やり引き剥がし、人間サイズへ縮小させると背から翼を生やし空高く逃亡。
「グヒャハハハハッッ! イクラ鬼神トハ言エ空ヘハ追ッテハコレマイ」
羽ばたかせ帝都の方へ逃げていく。あの速度じゃガイバーの飛行能力じゃ追いつけない。ソニック・バスターやヘッドビームも射程距離外。消す手段としては
「仕方ない」
噂がある以上、どうせバレるのは時間の問題だしな。
俺は溜息一つ、胸部装甲に手を当て、引き剥がしていく。
ブチブチと嫌な音を聞き逃し……完全に引き剥がし終えレンズを出現させ、照準を獣化兵に向け数秒程のチャージ後。
「じゃあな」
刹那。視界を焼く程の粒子ビームが獣化兵を襲う。ビームは徐々に縮小し消え去り、逃げていた獣化兵の姿はなかった。
タツミside
……………………言葉が出ない。
獣化兵と言う
2人の獣化兵を喰らい、更に巨大化した獣化兵の攻撃をイブキはモノとも言わせず、一方的に倒した。
イブキが両手で開いていた胸部を閉めると、身に纏っていた何かが外れ何処かへ消えていった。素顔が見えたイブキは何処かバツの悪い表情を浮かべている。
「……アレが帝都で噂の最凶最悪の殺人鬼、鬼神だ。獣化兵如き
隣で一人冷静なケンが教えてくれる。
「しかし。
「ああ。まぁしょうがないさ。どうせバレるのは時間の問題なんだからさ」
言葉をなげるケンに対し苦笑を浮かべ肩を竦めるイブキ。
「何がやられたんだ?」
「アジトに戻ってから話すよ。ケンはソレの処理を頼む」
「ああ」
それだけ言いイブキはアジトの方へ。ケンは獣化兵の死骸を軽々と持ちアジトへ帰還。俺達も後に続く。
???side
宮殿から帝都。そしてある程度帝都の外の景色が見渡せる場所で、私は肉を食していると突如、森林から上空へ迸る一条の
「ふむ。やはり生きていましたか」
飲み物で喉を潤し、次は東国で嗜まれる寿司と言うものを頂きます。
とは言えあの光を目にした
「それにしても本当に
本当なら宮殿に使える全ての近衛兵や元罪人に調整を施したいのですが……
「さて。
食事を終えナプキンで口を綺麗に拭き取り、運動がてら宮殿地下にある場所へ足を運びますか。
長い長い階段を降り、薄暗い道を歩き続ける事10前後……でしょうか。私はある扉の前で足を止め扉を叩く。
「Dr.スタリッシュ。いますか? 入りますよ」
「は~い。どうぞ~」
…………何時訊いても耳に残る嫌な声ですね~。まぁ兵や元罪人への強化手術と調整。様々な兵器を
扉を開け中に入る。中には
「ごきげんよう大臣。今日はいかがなさいましたか?」
「獣化兵の調整や強化手術の進捗状況を見に来ただけですよ」
「あら。態々あなた様が直々に来なくても使いを走らせれば良くて? それに何時も私が報告に行っているではありませんか」
「今日は事情が違うんですよ」
「事情?」
私の方へ顔を向け怪訝な表情を浮かべる。
「ええ。実は…………かの鬼神が戻って来たのですよ」
「!!」
バサリ。持っていた大量の用紙が地面に落ちるも、スタイリッシュは気にも止めず……。
「……だ、大臣。それは本当なのかしら?」
「はい」
「嘘じゃないわよね?」
「私が嘘を言うとでも?」
両手で口を隠し、体を震わせる。これは鬼神に対する恐怖ではないですね。むしろ。
「……やっっっっっっっったわ!! 遂に! 遂にあの鬼神が帝都に戻って来たなんて!! 何と幸運! 何とスタイリッシュ!! 帝都を恐怖のどん底へ陥れたあの残虐非道冷酷無比の殺人鬼が! 今! 再びこの帝都へ戻って来たっっ!! ああ……早く鬼神の躰を解剖し、頭から足の先まで隅々まで調べ上げて弄り回したい…………」
「ンン。スタイリッシュ……舞い上がるのは結構ですが獣化兵の調整はどうなっていますか? 恐らくナイトレイドへ差し向けた獣化兵は鬼神の手で殺されたでしょう。これで普通の獣化兵が鬼神に勝てない事は判明しました。ならばっ」
「より強力な獣化兵の調整ですわよね。解っていますわ大臣。ただそれには今以上の多くの特級・超級危険種の素材が必要になります」
「ふぅん……解りました。危険種の方は此方で承りましょう」
「ありがとうございます大臣。ただ……我儘を言わせて貰えば、
「無傷とは無理難題を……でわひとまずスタイリッシュは兵器と強化人間。及び獣化兵の増産に強力な獣化兵の調整をお願いします。危険種は鹵獲次第此方の方へ運ばせます」
「かしこまりました」
恭しくお辞儀をするスタイリッシュを後目に私は部屋を出て、宮殿に戻る。