丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます   作:黒霧春也

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8話・メガストーン&キーストーン

 次の日。

 ポケセンのフレンドリィショップで懐中電灯を購入した後、目的地であるいしの洞窟に到着した……のはいいが。

 

「よ、予想以上に暗い……」

「ルルッ」

「え? 私から離れるなと?」

「ルッ♪」

 

 いつも通り肩車で動いているので離れるも何もない気がするが……俺はは先に思っているとルナは何か引っ掛かるのか光の先を見ていた。

 

「ルルッ!」

「あー、うん。その辺のポケモンをねんりきで薙ぎ払うのはやめようか」

「キルッ!?」

 

 確かにそっちの方が安心だが、敵意のない相手まで吹き飛ばすのはやめた方がいいがするが。

 まあ、気にしても仕方ないので歩いていると少し離れたところで2人の男性が揉めていた。

 

「おい貴様! その珍しい石をよこしやがれ!」

「ひいぃ!?」

(え? カツアゲ?)

 

 揉めているというよりも白衣を着たヨレヨレのオッサンが、高校生くらいのいかつい青年にカツアゲされていた。

 

(って、カツアゲされているのメガストーンじゃん!?)

 

 よくよく見るとオッサンが手にしているのは、一部のポケモンを一時的に進化させるメガストーンとキーストーンを手にしていた。

 だがチンピラトレーナーは宝石と勘違いしているのか白衣の男性に脅すように壁に追い込んだ。

 

「うーん、どうしよう」

「ルル……」

 

 個人的には無視して通りたいが、進む道先がオッサン達の方なので……。うん、とりあえず話を聞くだけ聞いてスルーするか。

 

「あのー、すみません」

「ん? なんだこのガキ!」

「! もしかして助けてくれるのですか!」

「いえ、後ろを通りたいのですが大丈夫ですか?」

「ちょ!? 助けてくださいよ!」

 

 さっきまでチンピラに胸ぐらを掴まれていたオッサンが、半泣きで俺の後ろに隠れ始めた。 

 そのせいで、タンクトップを着た厳ついチンピラトレーナーに睨みつけられたので思わず後ずさる。

 

「お前も痛い目に遭いたいのか?」

「それは嫌ですね」

「そうか……。なら、嫌でも合わせてやるよ!」

(話が通じてない!?)

 

 アニメあるあるの問答無用で話を進められた結果、青年トレーナーは腰につけたボールを手にしてポケモンを繰り出した。

 

「いけ、ゴルバット!」

「コオオォ!」

「あ、はい」

 

 相手が繰り出したのはズバットの進化系であるコウモリ型のポケモンであるゴルバット。うん、前よりも口が大きく開いており凶悪そうだ。

 

「さっさと終わらせてやるよ! ゴルバット、どくどくのキバ!」

「カアァ!」

「……ねんりき」

「ルルッ!」

「コォ!?」

 

 ゴルバットがキバを紫色に光らせて接近してきたがルナに『ねんりき』の指示を出して迎撃してもらう。

 すると、効果抜群の技を受けたゴルバットは後ろの岩に直撃して地面に倒れた。

 

「ご、ゴルバット!?」

「コォ……」

「ちいぃ、クソ!」

 

 ゴルバットをボールに戻したチンピラはバトルに負けた事に苛立っているみたいだ。でもこれ以上は戦う気がないのか舌打ちをしながら近づいてきた。

 

「こ、今回は見逃してやるよ!」

 

 チンピラはポケットから二千円を取り出して俺に押し付けた後、そのまま出口に向かって走っていった。うん、あの人は何がしたかったんだ?

 

(なんかゲームの登場人物みたいだな)

 

 ゲームでは都合のいい人物が出てきたが、現実で考えると普通はあり得ないはずだが……。

 俺はウンウンと悩んでいると、さっきまでガクガク震えていた白衣のオッサンがなんとか立ち上がった。

 

「きみ! 助けてくれてありがとう!」

「それは……あの、そこに浮いているコイルで戦えば良かったのでは?」

「確かにそうなんだけど、この子はバトルに慣れてなくてね」

「そ、そうなんですね」

 

 フラッシュ担当なのか、いつの間にかプカプカと浮いているコイル。相性的には大きなレベル差がない限りはタイプ相性で勝てると思うが……。

 そう思っていると、白衣の男性が頭を深く下げてきた。

 

「あ、自己紹介がまだだったね! 僕はカナズミシティの研究所で働いているテルス・クロッカスだ」

「どうも、僕の名前はクウヤです。クロッカスさん、よろしくお願いします」

「コチラそこだよ!」

 

 コチラも一礼しようとしたが、ルナが頭に乗っているので軽く下げるだけで留める。

 

(カナズミの研究者か)

 

 あそこにはデポン・コーポレーションがあってゲームでは特別なエネルギーの研究をしていた記憶が……。まあ、今気にしても仕方ないか。

 俺はリメイク版のゲーム内容を思い出しているとクロッカスさんが首を振っていたので言葉を返す。

 

「それで、クロッカスさんはここで何をしていたのですか?」

「あー、それはこのメガストーンを探していたんだよ」

「ほうほう」

「ルルッ?」

 

 手に持った大人の拳大くらいの大きさのビー玉。中には遺伝子の模様があり、何かに関係している事がなんとなくわかる。

 

「って、この石は?」

「おお! 君も気になるかい?」

「ええ、確かに気になりますが今は他の事を進めたいですね」

「他の事?」

 

 俺がここにきた理由、いしの洞窟の奥にある歴史の壁画を見たいからでメガストーンはその次に欲しい物。

 その為、今はメインのことを済ませたい気持ちが強い。

 

(ここがどっちの世界かを判別しないとな)

 

 ゲンシグラードンかゲンシカイオーガ、どっちの伝説のポケモンの世界なのか。

 そこを知って対策しないと、下手すれば死ぬかもしれないし普通に考えてホウエン地方が滅ぶ可能性もある。

 

(まあ、俺個人の力だけではどうしようもないのでそこは割り切るしかなが)

 

 少なくとも個人でなんとかするのは難しいが対策やこの先の関係でなんとかなるかもしれないので……。

 まあ、今はクロッカスさんをスルーして俺は道の先の方を見る。

 

「そろそろ行くのでクロッカスさんもお気をつけて!」

「わかったよ!」

「ルルッ」

 

 これ以上話すのは相手にも迷惑になるし、俺はルナを連れてクロッカスさんから足早に離れていく。

 

「しっかし、メガストーンがあるのかよ」

「ルルッ?」

「うん? メガストーンってなに? って」

「ルル!」

 

 キラキラは勝っていたメガストーンに興味を持ったのか俺の頭をペチペチと叩いてくるルナに向かって軽く説明する。

 

「メガストーンは特定のポケモンが特殊な進化ができる特殊な石なんだよ」

「ルルッ!?」

「まあ、一時的にだしトレーナーとの絆がなければ出来ないけどな」

「キルル♪」

「え? 私も貴方なら大丈夫って?」

 

 今は肩車をしているので彼女の表情は見えないが声を聞くと嬉しそうにしていた。

 

(メガサーナイトは美しいよな)

 

 真っ白な服をきたどっかのチャンピオンが、エースとして使っているメガサーナイト。それだけ人気で強さも充分なポケモンなので、個人的には使ってみたい。

 

「まあ、メガ進化は当分先になりそうだ」

「ルルッ?」

「あ、今は気にしなくていいよ」

 

 不安げな声を上げたルナに向かって優しく返答して、俺は彼女と共に奥に進んでいく。

 

 ーー〈余談〉ーー

 後にルナ(サーナイトに進化)のメガ進化が通常のメガサーナイトとはかけ離れた姿になるとはこの時の俺は知るよしもなかった。




 10月2日、15時12分。誤字脱字報告ありがとうございます!
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