丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます   作:黒霧春也

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9話・壁の壁画

 クロッカスさんと別れた後、いしの洞窟の奥に向かっていくが地面は先程よりもゴツゴツして歩きにくい。 

 そのためかルナがねんりきで補助してくれたのでなんとか目的地に到着出来たのがよかった。

 

「や、やっと着いた……」

「ルルッ」

 

 ゲームでは10分くらいで着く場所なのに、現実では3時間もかかるとは……。

 

「ちょっと休憩するか」

「キルル♪」

 

 流石に体力を使って疲れたので大きめの岩に座りながら水を飲む。うん、おいしい水を買ってきてよかった。

 

(あ、水はともかく)

 

 一通り行きを整えた後、俺は改めて気合いを入れ直す。その理由は……壁画を見るためである。

 だがそれを知らないルナは頭を傾けて不思議そうにしていた。

 

「ルルッ?」

「ここにきた理由はなに? って」

「キルル」

 

 隣に座っているルナがさらに疑問符を浮かべており、俺の膝の上からコチラをじっと見てきた。

 

(まあ、そうだよな… )

 

 俺は納得しながら立ち上がり海中電灯の光をある場所に向ける。

 するとそこにはかなり古い壁画が描かれており、俺は観察していると……え?

 

「俺が知りた、え? 嘘だろ……」

「ルルル!?」

 

 いしの洞窟にある歴史がある壁画にゲンシグラードンかゲンシカイオーガのどっちが描いてあるかを知りたかった。

 だが俺の前の壁画には両方が描かれている絵を見て俺は思わず地面に吐いてしまう。

 

「な、なんで両方描いてあるんだよ」

「ルルッ!?」

 

 急に感じた寒気でガクガク震えていると、コチラを心配したルナが抱きついてきた。うん、少しは落ち着いた……。

 

(こ、ここはオメガルビーやアルファサファイアの世界ではないのか)

 

 今まではゲームやアニメの知識でなんとか対策できたが、今回に関してはどうしようもない。

 

「キルル……」

「ま、もう大丈夫だ」

「キル」

 

 ルナに無理するなと言われたので、俺は地面に座りながら壁画を改めて見る。

 そこには左側にゲンシグラードン、右側にはゲンシカイオーガが暴れている姿が描かれている。

 

(メガレックウザの姿はないのかよ!?)

 

 この2体の伝説のポケモンは天変地異を起こせるほどの力を持ち、普通のポケモンどころか準伝説でも歯が立たない相手だ。なので止めるには、同じ伝説のポケモンであり天気を操る事が出来るレックウザが必要なのだが……。

 

「ま、まぁ、そんな困った表現をしなくていいよ」

「ルルッ……」

 

 ゲームやアニメの知識を思い出しながら色々考えているとルナが悲しそうな表情を浮かべたので、俺は苦笑いを浮かべる。

 

(彼女には話しておかないとな)

 

 ただこのまま黙って置くのはできないと思うから、俺は彼女の頭を撫でながらここに来た理由を話しておく。

 

 ーーー

 

 壁画を見にきた理由をルナに話すと、彼女は口を開けて驚いていた。

 

「ルルル!?」

「そんなのあり得るのかって?」

「キル!」

「確かに目を逸らすところだよな」

 

 伝説のポケモンはあくまで伝説でしかない。

 ゲームやアニメではともかく普通は見ることすらレアな相手で、ルナはありえないと思っているみたいだ。

 

(まあ、時系列的には今なんだよな……)

 

 確定ではないが、カナズミジムのジムリーダーがツツジだったこと。しかも彼女はポケモンスクールの生徒会長で、リメイク版の時系列と同じだった。

 そう考えると、ここ数年でゲンシグラードン・ゲンシカイオーガが復活する可能性が高いので対策……は難しくても備えはして置くべきだろう。

 

「ルッ!」

「そうだよな。って、俺もおかしくなりそうだ」

 

 壁画しか情報源がないのはきついし、確定事項でもない。てか、これだけで判断すると痛い目に遭いそうだ。

 

「うーん、このままだと頭がパンクしそうだ」

「キルルッ!?」

「あ、本当に爆発する訳じゃないからな!?」

 

 本当に爆発するのかみたいに驚いているルナを見て、俺は少し笑いながら立ち上がる。

 

「でも、助かったよ」

「ルルッ♪」

 

 彼女がいなければもっと鬱になっていたから、俺はルナを胸に抱いて褒めていると、足音が聞こえた。

 

「まだつかないのかしら?」

「もう少しだと思いますぜアネゴ!」

「本当?」

「あ、おいしい水です!」

「あら、助かるわ」

 

 相手は緑色の上着に何かのマークが中央に描かれた緑色のバンダナを身につけていた。

 

(なにか嫌な予感がする)

 

 相手の周りにはフラッシュ担当のコイルを飛ばしており、何かを探しているようだ。てか、複数の男女が何をしにきたんだ?

 

「それで目的の壁画? って、誰かいるわよ!」

「なに……って、お前は!」

「あ!?」

「ルル!」

 

 面倒ごとになる前にルナのテレポートで脱出しようとするが、見た事のある相手に顔を見られた。

 

「あら? 知り合いなのかしら」

「ええ、コイツに邪魔されてメガストーンを奪えなかったんですよ」

「何ですって! なら、アタシ達の敵なのね」

「はい!」

 

 相手の集団は20代くらいの女性が中心で、取り巻きなのかゴルバット使いのチンピラもいた。てか、アイツのせいでバレたんだけど!?

 

「では、自分たちスカイ団の敵で認識します」

「「「「ハッ!」」」」

「ちょ!? なんでそうなるんだよ!」

 

 なんか向こうでドンドン話が進んでおり置いてきぼりをくらう。だが、少なくともやばい気がするので突っ込んでいると……。

 

「まあ、さっさと叩き潰してあげるわ! 行きなさい、ピショット!」

「ピイィ!」

「オレたちも援護するぞ」

「「「もちろんです!」」」

 

 リーダーっぽい女性は大きなフサフサした鳥であるピジョットを繰り出した。まあ、一匹だけならまだ何とかなりそうだが、取り巻き達がポケモンを繰り出してきた。(取り巻きはマタドガスが2匹とアーボックが2匹の4匹)

 

「キルル!」

「あ、おい!」

 

 正直逃げるのが1番だと思ったが、ルナはやる気なのか俺の前に飛び出した。

 

「あら、この数でもやる気なのね」

「ルル!!」

 

 向こうのリーダーは嘲笑っており余裕そうにしている。うん、普通にムカつくが状況的に突っ込むのはきつい。

 

(どうやって逃げるかだな)

 

 コチラにはキルリアのルナしかポケモンがいない。そうなるとかなりきついので逃げようとした時……。

 

「ククッ!」

「「「クチッ!」」」

「!? な、なんだ!」

 

 突然奥から現れたのはワニみたいな顎?が頭にあるクチート。

 コイツらが複数集まりコチラを睨みつけてきて、リーダーっぽい色違いで体も他のクチートよりも大きい奴が指示を出して突撃してきた。

 

「はっ! クチートかよ」

「こんな奴らさっさと倒しましょうよ」

「そうね……。いきなさいピショット!」

(相性が悪いのにマジかよ)

 

 スカイ団と名乗った変人達は、標的を俺達からクチートの群れに変更。ただ……。

 

「グヂ!」

「ちょ、アタシのアーボックが!」

「ああ!? マタドガス!」

 

 取り巻きのポケモンが相手の攻撃を受けて沈没。残ったのはピショットだけだが数分後に相性が悪くて倒された。

 

「そ、そんな馬鹿な……」

「クチッ!」

「ミナンさん、このままだと!」

「ぐっ、ここは撤退します!」

「「「「ハッ!」」」」

 

 スカイ団達はポケットに入れていた煙玉を使い、煙幕を張りながら徹底していった。……あれ?あの人達は何をしに来たんだ。

 

「まあ、助かった」

「ルル?」

 

 あの数を相手にはしたくなかったので、安心していると。クチート達がコチラを強く睨みつけてきた。

 

「……うん、やばい気が」

「クチッ!」

「キルルッ!」

 

 クチートの1匹が大口を開けてコチラに接近してきた。それを見た俺は……。

 

「あ、オワタ」

 

 ここで食い殺されるかもしれない。俺は覚悟を決めて目を閉じた……その時。

 

「貴女達、クウヤを殺す気なのかしら?」

「グチ!?」

「へっ?」

 

 隣の方からすごい威圧感を感じたので目を開けると、そこには緑髪ショートカットで目つきが赤い美女。いや、サーナイトが目を光らせながら相手を吹き飛ばした。

 

「さてと、相手はやる気だし行ってくるね」

「あ、あぁ……」

 

 命が助かった安堵感で今は気づいてなかったが、ルナが人間の言葉を話している。その事を後で確認するまで俺は端でガクガクするしかなかった。

 

「さあ、虐殺タイムの始まりよ!」

 

 コチラの状況を知らずか、ルナは空中に紫色の炎を浮かばせて臨戦態勢に入った。

 

 ー〈余談〉ー

 ルナは特殊個体なのとクウヤと共に話したい(念話とかではなく)と思った結果、人間の言葉を話せるようになりました。




16時31分、誤字脱字報告ありがとうございます!
9月17日、18時24分。誤字脱字報告ありがとうございます!
10月2日、15時13分、誤字脱字報告ありがとうございます!
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