丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます   作:黒霧春也

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11話・カイナと不思議な視線

 いしの洞窟の壁画を見た次の日。

 格闘タイプのムロジムに挑戦した結果、タイプ相性がいいルナとレールがジムトレーナーとリーダーのトウキさんのポケモンをボコボコにして大金とバッジをゲットした。

 

(コイツら強すぎるだろ)

 

 相性がいいとはいえやる気を出しまくった2体が可哀想になるレベルで相手のポケモンをフルボッコにしたので若干引いた。

 だが勝ちは勝ちなので喜びつつ次の街であるカイナシティに向かう船に乗った。

 

「風が気持ちいいわね」

「クチィ(それは同感)」

「そ、そうだな」

 

 俺は手にいれたバッジをハンカチで綺麗にしつつ、彼女達と共に船に乗っているとふとどこからか視線を感じた。

 

「うん?」

「? どうしたの?」

「いや、よくわからないが強い視線を感じた気がするんだよ」

「クチィ(オレは特に感じなかったぜ)」

「そうか……」

 

 おれの気のせいなのかな?

 そう思いながら船の上から海の景色を楽した。

 

 ー〈余談〉ー

 この時は気のせいと思ったが、後々本当にやばい奴に見られていたとはこの時は思ってもなかった。

 

 ーーー

 

 船の旅を終えてカイナシティに到着したので砂浜を仲間達と共に歩き始める。

 するとルナにには腕を掴まれてレールには肩に登られた。

 

「いい天気ねクウヤ」

「そ、そうだな……」

「クチッ(極楽極楽)」

 

 彼女達に連れられてて浜辺でバカンスをする事になった。てか、ルナさんや俺の肩の上にいるレールを睨むのはやめたら?

 俺はそう思いながら鞄からシートを取り出して引くと今度は俺の膝の上に座るレール。

 

「ねぇレール。その場所を譲る気はないかしら?」

「クルル(主人の肩は譲る気はない))

「そう……なら、戦争ね」

「チッ!(望むところだ!)」

「待て待て!?」

 

 俺の膝に座ったレールが頭を撫でろと命令してきたので撫でていると、隣に座ったルナの視線から強い視線を飛ばされた。

 なので俺は少しビビりながら空いた手で彼女の頭も撫でて始める。

 

(なんでこんなに懐かれているんだ?)

 

 現実世界では半ばボッチだったが、ポケモンの世界では彼女達に懐かれているのは気持ちがいいが……。

 

「いい加減変わりなさいよ!」

「チチチ!(断る!)」

「あ、うん。これ以上喧嘩するなら帰るよ」

「「!?」」

 

 彼女達が喧嘩しているのは流石に周りのお客さんにも迷惑なので、少し強めに怒ると彼女達は悲しそうな表情を浮かべた。

 なので俺は苦笑いを浮かべつつ次の行動をするために動く。

 

「はぁ……これなら文句ないだろ」

「!! う、うん!」

「チチ!(これはこれで!)」

 

 どちらかを贔屓するともう片方が不満を持つので、俺はレールをおろして横になり腕を広げる。

 すると彼女達はコチラのやりたい事を察知したのか俺の腕に頭を置いた。(クチートの髪の毛(?)は上手く逸らした)

 

「この幸せが続くといいんだけどな」

「確かにね。まあ、敵が来たらアタシ達が粉砕するわよ」

「ククク!(そうだな!)」

 

 嬉しそうなルナとレール。

 彼女達のお陰で俺は生きてられるので感謝しながら空を見上げる。

 

 ーーーー

 

 次の日。

 カイナシティではポケモンバトルの大会が開かれるみたいで多くのトレーナーが集まっていた。

 

「ねぇ! アタシ達も参加しましょ!」

「ん? あ、あぁ!」

「ククッ(もちろん狙うは優勝だよな)」

「そりゃそうよ!」

(うん、なんかすごい事になりそうだ)

 

 大会のルールは1対1の勝ち抜き戦で優勝賞品は10万円と最新式のスマホロトム。……うん、これは勝ちに行きたい!

 

「よし! いくぞ」

「「ええ!(ああ!)」」

 

 早速カウンターで受付をして控室で待っていると……。

 

「貴方、美しい目をしているわね」

「へ? えっと?」

「あら、ごめんなさいね」

 

 隣の席で椅子に座っている銀髪で巫女服を着た20代くらいの女性。

 彼女が不思議そうに声をかけてきたので俺は疑問符を浮かべていると相手が笑顔を浮かべながら一礼した。

 

(なんだこの人?)

 

 少し違和感を感じるが、その体感が上手く掴めない。

 そんな感じがしていると反対に座っているルナが巫女服の女性にジト目を向けた。

 

「貴女は何者かしら?」

「あら、そういえば自己紹介がまだでしたわ」

 

 余裕そうにカラカラと笑っている巫女服を着た相手。彼女はにこやかな笑顔を浮かべた後に軽く頭を下げてきた。

 

「私は巫女のツクミと言います」

「ツクミさん……あ、俺の名前はクウヤです」

「クウヤさん、覚えましたわ」

 

 先程と同じ感じで頷いているツクミさんに意識が引っ張られそうになる。

 だがルナに腕を掴まれたのでなんとか正気に戻ったので息を吐く。

 

「あらら、弾かれましたか」

「貴女は何者なのかしら?」

「それは……今はエンジュシティ出身の巫女とだけお伝えします」

(エンジュシティってジョウト地方だよな)

 

 現実世界の京都みたいな和風の建物や塔があるエンジュシティは、個人的に行ってみたい場所だが……それはさておき。

 俺は不思議な感覚に酔っていると、ツクミさんが立ち上がり一礼をして離れていく。

 

「彼女は普通じゃないわね」

「そ、そうだな」

「? なんで不思議そうな顔をしてこっちに向くのよ」

「いや、何でもない」

(喋るサーナイトもかなり珍しくないか?)

 

 先程の巫女さんも気になるが……今は違うことが思い浮かぶ。

 ってか、喋るポケモンって原作ではニャースや一部の伝説のポケモンが人間の言葉を話していた記憶が。

 

「ハァ……想定外のことが多いな」

「そうね。でも負ける気はないわ!」

「ハハッ、頼むぞ!」

「ええ!」「クチィ(おう)!」

 

 ちなみにレールはルナとのくじ引き勝負で負けてボールの中なので、俺は後で彼女のご機嫌も取らないといけないなった。

 

(仕事が多そうだ)

 

 周りのトレーナーも進化系のポケモンが多くて目つきも鋭いが、これ以上は引き伸ばしはしたくないので覚悟を決める。

 

 ーーー

 

 カイナシティで開かれる大会の予選は4人1組で行われるバトルロイヤルなのだが……。

 

「ギャラドス、サイドン、サマヨール戦闘不能! 勝者クチート」

「ええ……」

「クルッ(やったぜ)」

 

 ストレス発散のためか、レールが無双して他のトレーナー達が固まるという事が起きた。

 てかレールさん、観客が見ている中で嬉しそうに抱きつくのはやめてくれ。

 

「あの黒髪が使うクチートが強すぎないか?」

「色違いは強い個体が多いからでしょ」

「いや、流石におかしいだろ!」

 

 俺の対戦相手はバッジ5個のエリートトレーナー(サイドン使い)がいたみたいで実況の人達もお茶を濁すような言葉を発していた。

 

『て、テッセンさん。この結果を見てどう思いますか?』

『この状況でワシに聞くのかの……』

 

 まあ、これ以上は離れた方が良さそうなので俺はレールに抱きつかれたままフィールドから離れていく。

 ただその時にまた強い視線を感じたが気にする暇はなかった。

 

 




 10月12日、21時17分。誤字脱字報告ありがとうございます!
 12月22日、20時00分。誤字脱字報告ありがとうございます!
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