丸腰でポケモンの世界に転移したが持ち前の幸運(?)+αで生き抜いていきます 作:黒霧春也
ここ数日でかなり増えているのでかなり嬉しいです。
(ただ、誤字脱字が多いので出来る限り注意していきたいですが抜けが出る時はすみません!)
ニューキンセツでの事件解決から数日後。
俺達はキンセツジムに突っ込んで所属しているジムトレーナーの手持ちをフルボッコにしていた。
「ブルッ!?」
「ああ! ゼブライカ!」
「ぜ、ゼブライカ戦闘不能! 勝者、クウヤ」
「クチチィ(やったぜ)!」
相手のゼブライカが放物線を描きながら吹き飛んでいく中、ほぼ無傷のレールはピョンピョンと跳ねながらコチラに抱きついてきた。
……うん、少し重いが気合いで頑張るしかない。
「クチッ(ご主人?)」
「だ、大丈夫だ」
俺はさりげなくレールを地面に下ろした後、対戦したジムトレーナーに頭を下げてフィールドから離れる。
(これでジムリーダー戦ができる)
基本的にジムトレーナーを5人抜きするとジムリーダーか代理の人とバトルできる。
なのだが、レールがやる気を出して10人抜きをしてしまい周りの人達が固まっており……ぶっちゃけ空気が重い。
「あのゼブライカってバッジ7個以上のトレーナーに出す奴だよな」
「え、ええ(汗)」
「テッセンさんから聞いていたがアイツの手持ちは強い……」
(なんか、めっちゃ引かれている)
対戦相手のジムトレーナーから賞金をもらい次の相手を待っていると、笑顔が少し崩れたテッセンさんと秘書っぽい若い女性が現れた。
「そ、そろそろジムバッジ戦をして欲しいのじゃが」
「僕もその気持ちなんですが……」
「クチチィ(もっと戦いたいぜ)!」
やる気満々なレールを見て俺も苦笑いを浮かべるしかない。
なのでこのままジム戦をしたいが、テッセンさんは難しそうに首を傾けていた。
「あ、暴れたりなさそうじゃな」
「そうみたいです」
「クチィ(当たり前だろ)!」
最近出番が少なかったレールはストレス発散したいのかジムトレーナー達を睨みつける。
うん、その目はやめなさい。
「うーん、そうじゃ!」
「何か思いついたのですか?」
テッセンさんが何かを閃いたみたいで、この状況に困り果てていた秘書さん(20代中盤の女性)が振り向いた。
てか、テッセンさん。その輝いた目を向けてくるのはやめて欲しいのですが。
「いきなりで悪いがクウヤ君はキンセツ学園に興味があるかのう?」
「……あの、キンセツ学園とは?」
「おお!? ま、まさか知らないのかの」
「はい!」
「本当に知らないっぽい反応してますね」
キンセツ学園?
俺は初めて聞く単語に固まっていると、秘書さんがタブレットを片手に説明を始めた。
「き、キンセツ学園は創設125年の由緒ある教育機関で特にポケモン関係を研究とかをされてます」
「な、なるほど……」
(逆にポケモン以外の研究や教育なら色んな人に突っ込まれるよな)
内容を聞いていると、ポケモンSVの舞台であるオレンジ・グレープ学園と似た感じみたいだ。
俺はその事を思い出して自己完結していると、テッセンさんが珍しく苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
「それと、クウヤ君は学園と聞くと何を思い浮かべる?」
「それってどういう視点でですか?」
「君の視点でいいのじゃ」
「ほうほう、では……」
真面目な質問が来たので少し考えた後、自分なりの答えを口にする。
「表向きは高度な教育が受けられる場所です」
「ほう、では裏向きは?」
「……陰湿なイジメが蔓延っている場所だと思ってます」
「す、素直に言いましたね(汗)」
「そりゃそうですよ」
俺の答えに秘書さんは苦笑いを浮かべていたが無視してため息を吐く。
(まあ、学園物あるあるだからな)
イジメはどこにでもある。
俺はその事を思い出して苦しくなっていると、テッセンさんが改めて頷いた。
「あの、ここだと目立つので場所を変えて話してもよろしいですか?」
「え、えぇ」
(確かにジムトレーナー達の視線がコチラに向いているな)
流れ的に少ししっくりこないが、細かい話を聞くために俺達は会議室に向かって歩き始める。
(というか、流れ的に嫌な予感がする)
いつも同じセリフを言っている気がするが、この予感は結構当たるので俺は冷や汗を流しながら進んだ。
ーーー
会議室に移動した俺は案内されたソファーに座るとレールが飛び込んできたので受け止める。
「クチィ♪(ヤッパリこれだぜ)」
膝の上でリラックスしているレールの頭を撫でながら、反対側のソファーに座ったテッセンさんの方を見る。
「話を戻しますが、僕とそのキンセツ学園って何か関係があるのですか?」
「それは……テッセンさん」
「わ、ワシが説明するのかのう!?」
「そりゃそうですよ!」
キンセツ学園の件はあまり言いたくないのか2人は互いに押し付けているが、諦めがついたのかテッセンさんが諦めたのか咳払いをしてこちらを向いた。
「そ、そのクウヤ君、よければ学園の実技試験に参加して欲しいのじゃ」
「……え?」
ある意味予想外の言葉に思わず固まる。というか、内情を報告して欲しいとかドユコト!?
混乱しているのか俺は思わず「え?」と言ってしまったが、2人は気にせず説明を続けた。
「細かく言えば、実技試験の試験官になって欲しいのですよ」
「えっと、つまり僕が学園の生徒と戦うのですか?」
「端的にはそうです」
頭痛がするのか秘書さんが頭に手を置いているが顔を上げて頷き、俺はお茶を飲みながら言葉を返す。
「ちなみに学園の生徒ってどんな感じですか?」
「どんな感じ……中等部も高等部もトレーナー科はプライドが高いやつが多いのう」
「ええ、時折りウチのジムトレーナーをバカにする生徒もいますね」
腕はいいが問題児が多いのか2人は呆れており苦笑いを崩さない。
(苦労されているんだな)
ホワイトだと思ったジムトレーナーの実情は意外とブラックらしい。
俺は就職先が一つ消えたなと楽観的に考えていると、テッセンさんと秘書さんが頭を下げてきた。
「出会ったばかりで申し訳ないが、学園の生徒達に現実を見せて欲しいのじゃ」
「私からもお願いします」
切実な気がするので俺も悩んだ結果、一つの答えを出す。
「……わかりました」
「おお! 受けてくれるのかのう!」
「あくまで僕ができる範囲でいいなら大丈夫ですよ」
「あ、ありがとうございます!」
ここで見捨てるのは何か違うと思い、俺は頷くとテッセンさん達は顔を上げた。
まあ、ここからがある意味コチラの正念場だな。
「ただし、必要な物の用意と報酬は貰いますよ」
「それはもちろんじゃ!」
「……え?」
(マジかよ!)
報酬の内容を言ってないのにすぐに頷いてくれたので俺は流れを崩してしまう。
「クチィ(ご主人、大丈夫か)?」
「な、なんとか」
俺が予想していた報酬よりも高額だったので驚きながらも了承のサインをする。
そして、打ち合わせをした後にもう一つの本題に入った。
「それでジムバッジ戦はしていくかのう?」
「……ええ、よろしくお願いします」
本当はジムトレーナーをカツ……いや、経験値稼ぎをしたかったがそれはさておき。
ジムの施設でレールを回復した後、俺はジムリーダー戦をするためにテッセンさんと共にフィールドに立った。
ー〈キンセツ学園〉ー
ホウエン地方では有名な学園でエリートが集まる場所。
だが生徒達はプライドが高く実力・権力主義が強く立場の弱い生徒は苦しい思いをしている。
入学年齢は満12歳(中学1年)以上なら年齢不問で中等部に入学できる。学部は中等部・高等部・大学部+専門学部で選択する。
9月21日16時48分。誤字脱字報告ありがとうございます!
9月26日15時27分。誤字脱字報告ありがとうございます!